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Posted by ブクログ
夏休みの自由研究に野生のペンギンの観察をする。それだけ聞くと荒唐無稽ですが、そこにリアリティという説得力を持って来るのがこの作者のすごいところでしょうか。
夏と少年の物語。少年たちはそれぞれ家庭の事情があり、越えるべきものを抱えている。重苦しくなく軽やかに、それぞれの挫折と成長が書かれています。子どもだからできないこと、子どもだからこそできること。大人の関わりは干渉となり手助けとなり。はじめ小学5年生という設定はこの物語のテーマに対して幼いのではないかと思いましたが、その幼さがもつ無茶が起爆剤として素敵に作用していました。
物語の内容についてはここでは書きません。何故なら読んで欲しいから。作品のタイトル『川の名前』は実にこの物語を表わす言葉なのですが、なかなか手に取ってもらいにくいだろうなとも思います。少年たちの煌めきに共鳴できる、そんな作品だから大人にも子どもたちにも読んで欲しい一冊です。
Posted by ブクログ
良いよ、なんか。多分著者と自分の考え方が近いんだろうなって思う。夏のロケットの時も思ったのは知識のすごさ。今回も多摩川水系の歴史的な話から始まってペンギンの生態他とても詳しく調査したことが感じられた。夏のロケットのロケットに関する知識よりもやはり生態系の知識の方が自分には受け入れやすいんだなって実感し、納得もする。この著者の作品を好むことに対して哀愁的な現実逃避とか言われがちだ。確かにそう考える向きもわからないではない。でも、いつまでも子供でいたい自分にとってはこうした主人公に若者を使ったとても受け入れやすいテーマなのだ。哀愁的であることは悪いことではない。変化するだけが発展ではないわけで。ただただ、変わらなきゃって感じで過去を清算せず切り捨て、前だけを未来だけを見つめる
ことを前向きと呼びあたかも絶対的な善とするような風潮がある。でも、成功体験を踏襲し、過去の反省を活かしてこそ素晴らしい成果が待っていると思うのだ。
Posted by ブクログ
手放しで絶賛します!すごく面白かった。
両親が離婚して、世界中の自然を撮影するのが仕事の父親と暮らしているためひとところに長く居られない小学生の男の子が主人公です。
発達障害の妹がいるゴム丸、物静かで内向的な河童、文武両道でちょっと憎たらしい手嶋、謎の呪文のような言葉を叫んでは校庭で喇叭を吹き鳴らす喇叭爺、と、登場人物はみんな魅力的。
タイトルの「川の名前」は、自分の暮らす場所を、行政が勝手に引いた県とか区とか市とかの人間が後付けで勝手に作った呼び名ではなくて、元々自然にある川、どこの海に流れるどこの水系の川で、表そうじゃないか!、という、生物学の岸由二教授が提唱した考え方だそうです。
Posted by ブクログ
川端裕人の初読み。
児童文学かと思いながら手にとってみた一冊。
冒頭。
恐竜を発見?うん、やはり、ファンタジーだね・・・と思いきや、読み進めるとすぐに、そうではないと分かる。
青春モノ・・・と呼ぶには登場人物たちは幼いし、少年達の冒険譚と言い切るには、リアリティもあるしテーマ性も深く感じる。
・・・と言いつつも、この物語を一言で表すならやっぱり、「少年達のあるひと夏の冒険」ということになるのだけれど(笑)。
子を持つ親としてはありえない冒険だけれど・・・・最後の大冒険はやっぱり「トンデモ」に違いは無いけれど、そのバックボーンとなる事前設定は示されているので、そんな「トンデモ」な展開にもそうそう大きな違和感はなく物語に没頭できる。少年期特有の悩みと、友情、苦悩からの脱皮など、忘れかけていたような懐かしい気持ちをたくさん蘇らせてくれるこの本を、声を大にして「名作だ」と呼びたい。
大人にも子どもにも読んでほしいと思える一冊。
活字の苦手な子どもでも楽しめるように、映画かアニメかになって、より多くの人の目に触れてほしいと思った作品。
★4つ、9ポイント。
2016.11.07.図。
※夏休み終盤の風物詩となっている(?)皆が紫のTシャツを着込んで24時間生中継する番組って・・・(笑)。
※カルガモ親子の行進、矢ガモ、玉川のアザラシ・・・現実世界でも似たような騒動は何度か目にしてきたが、その裏でも実は、本作で描かれたような報道モラルを問われかねない問題が勃発していたのかもしれない、と思ってみた。
※自分の「川の名前」は、何だろう?
「寝子屋川」かな、「荒川」かな。
Posted by ブクログ
小学5年の夏休み。たぶん子ども時代の最高峰。
この黄金の時間を、川を切り口にしつつ、個性的な男子3人組+優等生+奇妙な爺さんを軸にして、オカルトもファンタジーも一切ぬきで奇跡的な物語に仕立て上げた作者すばらしい。
自然の描写、川というものに関する深い考察、カヤック競争の様子、美味しいネタをハゲタカのように漁るマスコミ陣のありさま、いずれも膨大な資料や知識を元にしていると思われ、たいへん好感が持てた。
子どもたちの内面も丁寧に描かれていて、やはり良い感じ。5年生といえば、ちょうど自我が主張を始める頃で、自分の「こうありたい」気持ちと周囲からの視線との齟齬に気づき、いろいろ悩むものなのだ。
面白くて魅力的な男子がそろっているが、なかでも鳳凰池の主っぽい風格を持つ「河童」くん、最高。
Posted by ブクログ
多摩川の支流の支流の小さな保護池でひっそりと暮らすペンギンの夫婦を発見した少年達が、夏休みの自由研究で彼らの観察をする事を思いつく。平和に思われた日々もある時にエサを探して狩りに出た雄ペンギンを見た人からマスコミに漏れ、一大騒動に発展するのだった。
少年たちが輝いてい過ぎて、自分の青春とはかけ離れていますがそれでも川に惹かれて、自分たちの居場所と自然をリンクさせて飛び込むあたりは自分の中にもあるものだったので共感しました。野田知佑氏の提唱するカワガキを増やす運動にまさに通じる所があり、自然の未来を明るくするためには、自然を好きな大人を養成していくしか方法は無いんだと思います。
この本はある意味物語性よりもその辺りの啓蒙要素が多い気がします。僕は好きですが人によっては説教臭く感じるかなあ。
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