作品一覧

  • 歪な愛の倫理 ――〈第三者〉は暴力関係にどう応じるべきか
    5.0
    1巻1,705円 (税込)
    DV(ドメスティック・バイオレンス)に代表される、暴力関係から逃れられないひとには、実際、何が起きているのか。問題系を前提とした〈当事者〉ではなく、特定の個人に注目した〈当人〉の語りから議論を始めたとき、〈第三者〉は、どのようにして応答することができるのか。本書は、「なぜ暴力関係から逃れられないのか」という問いへの通説的な見解に対して、再考を迫る。あるべきかたちに回収されない異なるエートスを探求する、刺激的な論考。 【目次】まえがき 親密な関係に生じる暴力を問う――〈当人〉と〈第三者〉のあいだの亀裂/第1章 なぜ暴力関係から逃れないのか【通説編】――専門家らによる見解/1 加害者から離れたがらない被害者たち/2 専門家らによる代表的な回答/第2章 なぜ暴力関係から逃れないのか【異端編】――語られる歪な愛/1 分離以外の解決策の必要性――「離れたくない」/2 〈当人〉の言葉の真正性――「私は相手のことをよく知っている」/3 依存がもたらす救済――「依存によって生きのびられる」/4 欲望される暴力や支配――「私はマゾヒストである」/第3章 分離とは異なる解決策――DVと修復的正義/1 加害者との関係性切断を拒絶する被害者/2 DVにおける修復的正義の実践「サークル・オブ・ピース」/3 DVに修復的正義を適用することへの批判/4 日本の現状と今後/第4章 暴力的な存在と社会的排除――トルーディ事件を考える/1 トルーディ事件/2 トルーディの真正性/第5章 生きのびるためのアディクション――自己治療・自傷・自殺/1 自己治療仮説/2 日本における「生きのびるためのアディクション」/3 見えなくなっていく死(者)/第6章 介入と治療からの自由/1 〈第三者〉にできること:ドラマ『ラスト・フレンズ』から考える/2 自傷他害とパターナリズム
  • 抵抗への参加──フェミニストのケアの倫理──
    4.0
    1巻2,530円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 世界的なベストセラー『もうひとつの声で』に自ら応答した本、いよいよ日本で出版!ケアの倫理は、フェミニストの倫理であると同時に人間の倫理である。ケアの倫理の金字塔『もうひとつの声で』の刊行から時を経て、ギリガンがたどりなおす抵抗の軌跡。出版後に向けられたフェミニストからの批判への応答に加え、ギリガンの半生の語りと、そこから紡ぎだされるケアの倫理をめぐるアカデミックエッセイ。愛の要求も民主主義社会における市民権の要求も、同じひとつのものだということを教えてくれる少女たちと女たちの声をここに読む!
  • 狂気な倫理――「愚か」で「不可解」で「無価値」とされる生の肯定
    3.6
    1巻2,970円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 愚かな人生はある。不可解な生活もある。無価値な生もあるだろう。しかし/だから、狂おしい思いで、その狂える倫理を書きとめる。何かが狂う。何かが正される。そして何かが動きだす。若き友人たちの本ができあがった。  小泉義之(立命館大学名誉教授)

ユーザーレビュー

  • 歪な愛の倫理 ――〈第三者〉は暴力関係にどう応じるべきか

    Posted by ブクログ

    【目次】

     まえがき 親密な関係に生じる暴力を問う――〈当人〉と〈第三者〉のあいだの亀裂

     第1章 なぜ暴力関係から逃れられないのか【通説編】――専門家らによる見解

    1 加害者から離れたがらない被害者たち 
    DV加害者から離れない被害者たち/親をかばう被虐待児たち
    2 専門家らによる代表的な回答
    加害者の暴力によって無力化しているから/加害者の「愛情」に固執しているから/加害者に支配・洗脳されているから/加害者に依存しているから

     第2章 なぜ暴力関係から逃れられないのか【異端編】――語られる歪な愛

    1 分離以外の解決策の必要性――「離れたくない」
    2 〈当人〉の言葉の真正性――「私

    0
    2024年12月19日
  • 歪な愛の倫理 ――〈第三者〉は暴力関係にどう応じるべきか

    Posted by ブクログ

    DV(家庭内暴力)の渦中にある当人(当事者・被害者)のさまざまな語りを受け止めることで、第三者がどう彼らへ関わるとよいかを多方面から分析かつ考察し、よりよい選択肢を模索していくような本です。

    僕にも経験がありますが、DV被害の相談をすると、もう行政の担当者の言動には「分離」の構えが顔をのぞかせていることに気づいたりします。暴力を振るう父親と、振るわれる母親を一緒の屋根の下では暮らさせることはできない、として行政や支援組織が、父親にはその住所を絶対に教えることのないシェルター住宅に母親を移動させる、というのが「分離」です。

    これはこれでパターナリズムと呼ばれもしますが、危害を加えられて命の危

    0
    2024年06月22日
  • 狂気な倫理――「愚か」で「不可解」で「無価値」とされる生の肯定

    Posted by ブクログ

    立命館大学大学院先端総合学術研究所で、哲学者である小泉義之教授の指導を受けた人たちが中心となって編まれた論文集。内容は発達障害や虐待、SMや釜ヶ崎周辺のゲイカルチャー、看護やパラリンピック、果ては妖怪人間ベムまで多岐に渡っているというか渡りすぎである。立命館大学大学院先端総合学術研究所自由すぎるだろ。とはいえ内容は「狂気の倫理」という書名に反してしごく真っ当で、ある意味素朴。中には(自分には)ピンとこないものもあったが多くは興味深く読むことができた。

    0
    2022年09月29日
  • 抵抗への参加──フェミニストのケアの倫理──

    Posted by ブクログ

    「もう一つの声」でケアの倫理を提唱したギリガンがいわゆるフェミニストたちからへの反論?と史て書かれた書か。ギリガンの定義するフェミニズムは、人間の歴史における偉大な解放運動の一つであり、民主主義を家父長制から解放するための運動である。それは女性だけでなく男性も家父長制から解放するものであり、ジェンダー階層やジェンダー二元論からなる家父長制の解体を訴えるものである。ケアの倫理は人間の倫理であるということである。ギリガンは、それを証明するために丁寧に声を拾い上げることによって行う方法は流石に心理的な手法であると思った。

    1
    2023年11月25日
  • 狂気な倫理――「愚か」で「不可解」で「無価値」とされる生の肯定

    Posted by ブクログ

    小泉義之先生の紹介から辿ってきた.福祉従事者がときおり見せるパターナリズムや過剰包摂への疑問から手に取ってみた.装丁が素敵.そして帯の文章が良い.

    0
    2022年10月03日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!