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敗戦後、歴史的力により戦地から本国への帰還が遅れてしまった人びとがいる。復興から経済発展へのパラダイムが形成されつつあるなか、拭いがたい違和感や齟齬をかかえ、彼らは戦後という時間をいかに生きたのか。五味川純平、石原吉郎、横井庄一、小野田寛郎、中村輝夫……。本書は複数の周縁的・両義的存在の歩みを丹念に読み解き、もうひとつの歴史を描きだす試みである。戦後日本社会を構成する条件とは何か、いま一度根本から問う。
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Posted by ブクログ 2013年01月21日
戦争からの遅れた帰還者たちの足跡を通じ戦後を照影する。引き揚げ、抑留、残置兵……予想以上におもしろく読んだ。エピソードのなかでは石原吉郎(シベリア抑留者、詩人)へのシンパシィあふれる筆致と、それとは対照的な小野田寛郎(ルパング島敗残兵)に対する冷徹な記述とのコントラストがとりわけ印象に残る。
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敗戦と戦後のあいだで ──遅れて帰りし者たち
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五十嵐惠邦
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