最新の発掘により想像以上に発達した文明が中東地域に存在していたことが分かってきたが、本書ではそこから見えてきたメソポタミアの生活の様子を明らかにしている。メソポタミアとひとくくりにしているが、そこには様々な文化圏が存在し、遠くはインダスとも貿易をしていたという。農産物が育ちにくい地域ということもあ
...続きを読むり、農産物を得るために宝石類や土器などを輸出していたことが発掘された文書から明らかになっている。また、商取引には印鑑、それも取引先の言葉で書かれたものまでも使用していたことも分かってきた。こうしてみると、現代とそれほど変わらない商習慣だったように思える。古代文明と聞いて思い浮かべる儀式や生け贄、あるいは逆に牧歌的な生活というイメージをしがちだが、案外、今と同じような生活をしていたのかもしれない。