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過ぎ行く風はみどり色
邪険な扱いしかしなかった亡き妻に謝罪したい――一代で財を成した傑物・方城兵馬の願いを叶えるため、長男の直嗣が連れてきたのはなんと霊媒師。自宅で降霊会を開いて霊魂を呼び寄せようというのだ。霊媒のインチキを暴こうとする超常現象の研究者までもがやって来て、方城家に騒然とした空気が広がる中、兵馬が密室状態の離れで撲殺されてしまう。霊媒は方城家に悪霊が立ち籠めていると主張、かくて調伏のための降霊会が開かれるが、その席上で第二の惨劇が起きた――方城家を襲う奇怪な連続不可能殺人の謎に挑むのは、飄々とした名探偵・猫丸先輩! 著者初期を代表する傑作長編。/解説=巽昌章/新版刊行によせて=倉知淳 -
砂糖の空から落ちてきた少女
ウサギ穴に落ちたり、鏡を通り抜けたりして異世界で冒険をしたのち、現実世界に戻ってきたものの、現実に適応できない子どもたち。そんな子どもたちに救いの手をさしのべる“エリノア・ウェストの迷える青少年のための学校”の池に、空から少女が降ってきた。彼女は、かつてこの学校にいたスミの娘だという。だが、スミは死んでいる。それを聞いた少女はスミを取りもどさないと自分が消えてしまうと訴えた。そこでスミの友だち4人がスミを取りもどすべく死者の世界に旅立つことに……。ファンタジーの醍醐味を凝縮した、ヒューゴー、ネビュラ、ローカス3賞受賞シリーズ完結。/解説=三村美衣 -
目くらましの道
イースタ署のヴァランダー警部は、夏の休暇を楽しみにしていた。つきあっているバイバと旅行に行くのだ。そんな平和な夏の始まりは、一本の電話でくつがえされた。不審な女性がいるとヴァランダーが呼ばれて行った先の菜の花畑で、少女が焼身自殺。身元も自殺の理由も不明。目の前で少女が燃えるのを見たショックに追い打ちをかけるように、事件発生の通報が。殺されたのは元法務大臣。背中を斧で割られ、頭皮の一部を髪の毛ごと剥ぎ取られていた。これがすべての始まりだった。CWAゴールドダガー賞受賞の傑作。スウェーデン警察小説の金字塔。 -
笑う男
正当防衛とはいえ、人を殺したことに苦しむヴァランダー。このまま警察官を続けるか否か、長期休暇を取りデンマークの海岸で悩む彼のもとへ友人の弁護士が訪ねてきた。同じ弁護士の父親が交通事故で死亡したが、腑に落ちない点があると言う。しかしヴァランダーに他人の悩みに力を貸す余裕などなかった。ついに警察を辞める決心をし、イースタに戻った彼が見たのは、自分が助力を拒み突き放した友人の死亡記事だった。他殺である。急拠、意を翻して復職し、事件を追い始めた彼の身に、犯人の魔の手が迫る。ゴールドダガー受賞人気シリーズ第4弾。/解説=関口苑生 -
白い雌ライオン
春の祭典を目前にしたスウェーデンの田舎町で、不動産業者の女性が行方不明になった。良き妻、幸せな母、教会の熱心な信徒がなぜ? 失踪か、それとも事件か、事故か。ヴァランダー警部らは彼女の足取りを追い、最後に向かった売家へ急いだ。ところがその近くで謎の空き家が爆発炎上、焼け跡から発見されたのは、黒人の指と南アフリカ製の銃、ロシア製の通信装置だった。二つの不可解な事件の関連は? スウェーデンとロシア、そして南アフリカを結ぶ糸は? EU各国で爆発的な人気を誇るベストセラー作家の、CWAゴールドダガー受賞シリーズ。/解説=吉野仁 -
リガの犬たち
スウェーデン南部の海岸に、一艘のゴムボートが流れ着いた。中には、二人の男の死体が抱き合うように横たわっていた。共に射殺。身に付けた高価なスーツからするに漁師や船員ではなさそうだったが、身元を示すような物は何もなく、ボートには製造元すら書かれていなかった。彼らはいったい何者なのか? 検死医の報告によれば、どうやら海の向こう、ソ連か東欧の人間らしいのだが……。小さな田舎町の刑事に過ぎないヴァランダーは、思いもよらない形でこの国境を超えた事件の主役を演じることになるのだった! 話題のスウェーデン警察小説、第2弾。 -
退職刑事6
私が概略を話すと、父は目を閉じて首を垂れる。ややあって顔を上げたときには、まず事件は解決したと思っていい。父のお蔭で迷宮入りを免れた事件もかなりの数になり、老いてなお旺んな好奇心と推理力には脱帽するしかない。推理作家の椿氏も、父の安楽椅子ならぬ炬燵探偵ぶり、窓がまち探偵ぶりに惚れ込んでいる。退職刑事が調べて現職刑事が寝台探偵を務めるという逆の構図で描かれる「拳銃と毒薬」など、8編を収録。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第6集。/【収録作】「つまらぬ事件」/「桜並木の一本の桜」/「死は木馬にのって」/「拳銃と毒薬」/「耳からの殺人」/「馬の背」/「針のない時計」/「昔の顔」/あとがき=都筑道夫/解説=西澤保彦 -
退職刑事5
父が状況を聞いて事件を再構成する力に、私は幾度舌を巻いたか知れない。硬骨の刑事魂は、退職したところで一向錆びつきはしないのだ。私の現職刑事ぶりが気になって、足繁く団地へ話しに来るのもわかる。しかし「わたしが俳句に凝ったりしたら、お前が困るだろう、事件の解決が長びいて」などと言われると立つ瀬がなくなってしまう……。退職刑事若かりし頃の事件「凧たこあがれ」や、何とも皮肉な結末に問題発言が飛び出す「Xの喜劇」など、8編を収録。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第5集。/【収録作】「落葉の墓」/「凧たこあがれ」/「プールの底」/「五七五ばやり」/「闇汁会」/「遅れた犯行」/「あくまで白」/「Xの喜劇」/解説=津田裕城 -
退職刑事4
推理作家の椿正雄さんには、元刑事の父が何かとお世話になっている。ダイイング・メッセージだの殺人予告だの、父の衰えを知らない好奇心を満たすような話の相手も、少なからず務めてくれているらしい。その椿さんがわざわざ一席もうけるという。非番の日を見繕って現職刑事である私まで招ぶからには、魂胆ありと見たが……。現職退職両刑事と推理作家が故人の梗概(ミステリ)を巡って文殊の智慧を絞る「あらなんともな」など、退職刑事の健在ぶりを示す8編を収録。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第4集。/【収録作】「連想試験」/「夢うらない」/「殺人予告」/「あらなんともな」/「転居先不明」/「改造拳銃」/「著者サイン本」/「線香花火」/解説=田中博 -
忘却城
死者を蘇らせる術で発展した亀珈(かめのかみかざり)王国。都で家庭教師を営む青年儒艮は、ある晩何者かに攫われ、光が一切入らない、盲獄と呼ばれる牢で目を覚ます。そこに集められたのは、儒艮の他に子ども、青年、老人、壮年の男性、中年の婦人の五人。彼らを集めたのは死霊術士の長である、名付け師・縫だった。縫は一同に、儒艮に従い、言葉にされない名付け師の望みを叶えるように言い渡す。儒艮は名付け師の後継者問題が絡むと推理、死霊術の祭典、幽冥祭で事件が起きると予測する。顔を見せない縫の真の目的は。第3回創元ファンタジイ新人賞佳作入選作。/第3回創元ファンタジイ新人賞選評=井辻朱美、乾石智子、三村美衣 -
日曜の夜は出たくない
「だいたいお前さん達は想像力ってもんが足りなさすぎるよ、新聞や雑誌にひょいひょい乗せられて、やれ空飛ぶ人だ空中散歩者だってはしゃいでるんだから。もう少し頭使って自分の考えで物を云いなさいよ」そう言い放ったこの、仔猫みたいなまん丸い目をした童顔の小男こそ名探偵猫丸先輩その人である。いろんなところにひょっこり出没しては、おかしな謎を鮮やかに解き明かして去ってゆく、憎めない名探偵の最初の事件簿。コミカルな筆致とロジカルな推理で読者を魅了し続ける正統派の本格推理作家、倉知淳が本格的なデビューを飾った連作集であり、最後には驚愕も待ち受けています。/解説=小野不由美/新版刊行によせて=倉知淳 -
京都東山 美術館と夜のアート
神戸静河は学芸員志望だったものの、縁あって採用されたのはイチビこと、地元の市立美術館の常駐警備員。警備システムの解除や正面玄関の開錠など、展覧会スタッフたちを迎えるためにいち早く出勤しなければならない。これが施設常駐の警備員のオシゴトである――。深夜に美術館裏の庭園で遭遇した不審な男の正体は? 巡回中の展示室で見た浮世絵が新発見の写楽? 展示物のブログ紹介がきっかけで神社の失われた御神刀が発見されたが……などなど、地道な警備のオシゴトと美術ミステリのコラボレーション! ミステリーズ!新人賞受賞作家が、京都の町と美術館を舞台に描く、連作短編集。 -
櫛の文字 銭形平次ミステリ傑作選
神田明神下に住む、凄腕の岡っ引・銭形平次。投げ銭と卓越した推理力を武器にして、子分のガラッ八と共に、江戸で起こる不思議な事件に立ち向かっていく! 見せ世物小屋にて、水槽で泳ぐ美女ふたりのうちひとりが殺された謎を解く「人魚の死」。暗号が彫られた櫛をきっかけに殺人が起こる「櫛の文字」。評判の良い美人の妾が奉公した材木屋で、店を脅かす事態が発生する「小便組貞女」。世間を騒がす怪盗の意外な正体を暴く「鼬小僧の正体」。383編にも及ぶ捕物帳のスーパーヒーローの活躍譚から、ミステリに特化した17編を収録した決定版。【収録作】「振袖源太」「人肌地蔵」「人魚の死」「平次女難」「花見の仇討」「がらッ八手柄話」「女の足跡」「雪の夜」「槍の折れ」「生き葬い」「櫛の文字」「小便組貞女」「罠に落ちた女」「風呂場の秘密」「鼬小僧の正体」「三つの菓子」「猫の首環」/編者解説=末國善己 -
怪盗ニック全仕事
ニック・ヴェルヴェットは当代きってのプロの泥棒である。つねに依頼を受けて動く彼が盗むのは、価値のないもの、もしくは誰も盗もうとは思わないものだけ。報酬は一件につき二万ドル。そんな型破りな条件にもかかわらず、彼のもとには依頼が次々に舞い込んでくる。ターゲットはプールの水、おもちゃのネズミ、プロ野球チーム、使い古しのカレンダー等……それらをニックはどうやって盗む? そして依頼者はなぜ盗ませようとする? 短編の名手ホックが創造した唯一無二の怪盗ニック、その全仕事を発表順に配して贈る全集第1弾、全15編収録。 -
妖怪奉行所の多忙な毎日
妖怪奉行所は、日夜様々な妖怪がやってきては、助けを求める場所。烏天狗一族が与力、同心から牢番までを代々務めている。飛黒はそんな烏天狗の筆頭であり、奉行の月夜公の右腕だ。ある日飛黒が双子の息子右京と左京を奉行所に連れてきた。双子も将来は奉行所でお役目につく身、今のうちに見学させておこうというわけだ。夫婦喧嘩の仲裁、淵の主の脱皮の手助けと、今日もてんてこ舞いの烏天狗達。だが、その陰で双子だけでなく、月夜公の甥の津弓、妖怪の子預かり屋の弥助まで巻き込む、とんでもない事件が進行していた。大人気シリーズ第7弾。 -
退職刑事3
話半ばで目を閉じ、眠ってしまったかに見える父だが、油断はできない。こうしているときに思考回路はめまぐるしく動いているに違いないのだ。それが証拠に、私にはおよそ目鼻をつけられなかった事件が、鮮やかに解きほぐされていく……。ダイイング・メッセージから犯人を割り出す「乾いた死体」や暗号もどきを解読する「筆まめな死体」など、現職刑事の手に余る難題に往年の辣腕を揮う、退職刑事の事件簿7編を収録。国産の《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第3集。/【収録作】「大魔術の死体」/「仮面の死体」/「人形の死体」/「散歩する死体」/「乾いた死体」/「筆まめな死体」/「料金不足の死体」/解説=新保博久 -
退職刑事2
退職後も刑事かたぎが抜けない父親に、捜査一課の現職刑事である息子の五郎は、親孝行を兼ねて今日も目下の懸案を語り始める。時に水を向けられ、時に相談を持ちかけて口火を切り、事件を詳述していくと退職刑事の眼光は鋭さを増し、やがて意想外の真相を浮かび上がらせる。団地の四階で父子が対話する基本形式に加え、「四十分間の女」「真冬のビキニ」では、第三者が持ち込んだ地方都市の謎に現職退職両刑事が挑む。国産の《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第2集。【収録作】「遺書の意匠」/「遅れてきた犯人」/「銀の爪きり鋏」/「四十分間の女」/「浴槽の花嫁」/「真冬のビキニ」/「扉(ドア)のない密室」/解説=新保博久 -
退職刑事1
かつては硬骨の刑事、今や恍惚の刑事になりかかった父親が、捜査一課の現職刑事である息子の家を頻々と訪れる。五人いる息子のうち、唯一同じ職業を選んだ末っ子から現場の匂いを感じ取りたいのだろう。その息子が目下捜査中の事件について話を始めると、父親はあれこれと突っ込みを入れ、あげく真相を引き出してしまうのだった……。記念すべき第一作「写真うつりのよい女」をはじめ、推理の過程が秀逸な「ジャケット背広スーツ」など、七編を収録。国産の《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第一集。/【収録作】「写真うつりのよい女」/「妻妾同居」/「狂い小町」/「ジャケット背広スーツ」/「昨日の敵」/「理想的犯人像」/「壜づめの密室」/あとがき=都筑道夫/解説=法月綸太郎 -
黒いハンカチ
住宅地の高台に建つA女学院――クリイム色の壁に赤い屋根の建物があって、その下に小さな部屋が出来ていた。屋根裏と云った方がいいそこがニシ・アズマ女史のお気に入りの場所だった。ちっぽけな窓から遠くの海を眺め、時には絵を描いたりもしたが、じつは誰にも妨げられずに午睡ができるからだった。だが、好事魔多し。そんな彼女の愉しみを破るような事件が相次ぐ。そしてニシ先生が太い赤縁のロイド眼鏡を掛けると、名探偵に変身するのだ。飄飄とした筆致が光る短編の名手の連作推理。/【収録作】「指輪」/「眼鏡」/「黒いハンカチ」/「蛇」/「十二号」/「靴」/「スクェア・ダンス」/「赤い自転車」/「手袋」/「シルク・ハット」/「時計」/「犬」/あとがき/解説=新保博久 -
トランクの中に行った双子
ジャクリーンとジリアンは双子の姉妹。ジャクリーンは女の子がほしかった母親の希望通りのかわいい少女に、ジリアンは男の子がほしかった父親の期待を背負い活発な少女に育った。だが実のところ、どちらも両親から押しつけられた役割にうんざりしていたのだ。そんなある日、双子は空き部屋のトランクの中に階段を発見する。この前見たときには何の変哲もないトランクだったはず。冒険心に突き動かされて階段をおりたふたりが見たのは、赤い月に照らされた荒野が広がる、奇怪な世界だった。ヒューゴー、ネビュラ、ローカスの3賞受賞シリーズ第2弾。 -
モリアーティ秘録
20世紀前半にロンドンの大銀行の貸し金庫に預けられた謎の回想録。その執筆者はセバスチャン・モラン大佐――ジョワキ戦役の英雄で賭博狂の大物ハンター、そして犯罪王モリアーティの右腕として活躍した傑物であった。犯罪商会(ザ・フアーム)の首魁として様々な犯罪のコンサルティングをこなすジェイムズ・モリアーティが相対してきた個性豊かな犯罪者たちと怪事件。世紀の悪党たちの知られざる活躍を、大胆な発想と魅力的なキャラクターをもって描いた、〈ドラキュラ紀元〉クロニクルで熱狂的支持を受ける博覧強記の著者による破格のホームズ・パスティーシュ。 -
クリムゾン・リバー
山間の大学町周辺で次々に発見される惨殺死体。拷問され、両眼をえぐられ、あるいは両手を切断され……。別の町でその頃、謎の墓荒らしがあった。前後して小学校に入った賊は何を盗み出したのか? まるで無関係に見える二つの町の事件を担当するのが、司法警察の花形と、自動車泥棒で学費を稼ぎ警察学校を出た裏街道に精通する若き警部。なぜ大学関係者が不可解な殺人事件に巻き込まれたのか? 埋葬されていた少年はなぜ死んでからも何者かに追われているのか? 「我らは緋色の川(クリムゾン・リバー)を制す」というメッセージの意味は? 二人の捜査がすべての謎をひとつに結び合わせる。フランス・ミステリの概念を変えた記念碑的傑作!/解説=吉野 仁 -
一週間のしごと
優等生だがほかに取り立てて特徴のない高校生・開沢恭平は、日曜日に幼なじみの青柳菜加に呼びつけられ、一方的に相談された。昨日渋谷の雑踏で母親から置き去りにされた幼児を保護し、家まで送り届けたが、荒れ果てた無人の室内に危機感を覚え自宅に連れてきたという。これまでにも猫や犬、果てはアルマジロと様々な生き物を拾っては周囲を奔走させてきた前科を持つ菜加は、事の重大さをまったく認識していなかった。「誘拐罪。おまえがやったのは、れっきとした犯罪だ」――警察を含めた大人たちを頼らず、幼児を然るべき場所に送り届けるため、恭平たちの波瀾の一週間が幕を開ける!/解説=光原百合 -
カエルの魔法をとく方法
愛しのオーウェンと晴れて婚約したケイティ。結婚式の準備に心弾む毎日だ。そんな折、魔法界のマフィアのような謎の組織、コレジウムのメンバーが接触してくる。コレジウムは以前からMSIの乗っ取りを企てていたが、マーリンがMSIのトップに返り咲いたことで、目論見を挫かれたらしい。だがコレジウムの息のかかった社員は、いまだMSI内部に多数いるはず。マーリンは一計を案じ、逆にスパイを送り込むことに。となれば適任なのはケイティしかいない。結婚式目前で潜入捜査? どうなるケイティ。お待たせしました、大人気シリーズ第8弾。/解説=池澤春菜 -
魔法使いにキスを
免疫者(イミユーン)のはずなのに、〈月の目〉を破壊した時の衝撃でどういうわけか魔法を使えるようになったケイティ。本業のマーケティングが暇なため、同様に魔力が戻ったボーイフレンドのオーウェンに魔法の使い方を教わる毎日だ。そんなある日、ケイティはアシスタントのエルフの様子がおかしいことに気づく。〈魔法使いがエルフを抑圧している〉というビラが配られ、(株)MSIに勤めるエルフたちも動揺しているというのだ。周囲では、エルフたちが次々と姿を消しはじめる。ひそかに調査に乗り出したケイティとオーウェン。やがてふたりの身にも敵の魔の手が伸びる……。大人気シリーズ第7弾。 -
魔法無用のマジカルミッション
(株)MSIのマーケティング部長ケイティは退屈していた。魔法の悪用を企てる輩に勝利をおさめたのはいいが、競争相手のいない市場でのマーケティングなど、サルでもできる。そんなとき、魔力を失ったのを好機と、魔力をもつ者が読むと正気を失う古写本の解読にいそしんでいたオーウェンが、とんでもないことに気づいた。権力への渇望を生み出し、他者を支配する力を与える危険な石〈月の目〉が、こともあろうにニューヨークのティファニーに現れたというのだ。放っておけば、世界中が大混乱に陥ってしまう。オーウェンはケイティとともに追跡を開始する。大人気シリーズ第6弾、セカンド・シーズン開幕。 -
スーパーヒーローの秘密
(株)MSIに復職するため、ニューヨークに戻ったケイティ。ところが久しぶりの出勤の朝、地下鉄内でいきなり魔法を使った犯罪の現場に出くわす。どうやらライバル会社スペルワークスの仕業らしい。魔法の悪用を企む輩を阻止すべく立ちあがった、伝説の大魔法使いマーリン率いる(株)MSI。切り札はマーケティング部長に昇進したケイティのカスタマーカンファレンス。愛するオーウェンの協力も得て、計画は順調に進むかに見えた。だがカンファレンスのさなか、敵の陰謀がオーウェンを襲う。そしてついにオーウェンの出生の秘密が明らかに……。大人気のロマンチックファンタジー第5弾! -
不思議の国の少女たち
そこはとても奇妙な学校だった。入学してくるのは、妖精界や菓子の国へ行った、不思議の国のアリスのような少年少女ばかり。彼らは戻ってはきたものの、もう一度彼らの“不思議の国”に帰りたいと切望している。ここは、そんな少年少女が現実と折り合っていくすべを教える学校なのだ。死者の殿堂に行った少女ナンシーも、そんなひとりだった。ところが死者の世界に行ってきた彼女の存在に触発されたかのように、不気味な事件が起き……。不思議の国のアリスたちのその後を描いた、ヒューゴー、ネビュラ、ローカス賞受賞のファンタジー3部作開幕。 -
魔術師の夜
往年の名人もステージに立つ《マンハッタン・マジック・ホリデーズ》。伝説のマジシャン、マックス・キャンドルが遺した“失われたイリュージョン”が今、旧友オリバーによって演じられようとしている。が、TVカメラと観客たちの前で、拘束された彼はクロスボウの矢に射抜かれた! マックスの従弟チャールズのもとに集う老マジシャンたちが胸に秘める第二次大戦下の出来事とは? その一人マラカイを狂気に駆り立てた、彼の妻ルイーザの死の真相は? マロリーを嘲笑うように、新たな罠を仕掛ける殺人鬼。つきまとうルイーザの幻影。いま直面しているのが彼女にとって最大の事件になるとは、マロリーはまだ知らない。 -
誰かが嘘をついている
放課後の理科室で、5人の高校生がルール違反の罰として教師に作文を書かされていた。そのなかの1人、サイモンが突然苦しみだし、病院搬送後に死亡してしまう。死因はアレルギーのアナフィラキシーショックで、警察は事件性があると判断した。サイモンは生徒たちのゴシップを暴露するアプリを運営しており、現場にいた4人の生徒は全員が彼のアレルギーを知っていたうえ、さまざまな秘密を握られていたのだった。4人は一人称で、順繰りに事件について語っていく。いったい、誰が何を隠しているのか。巧みな構成が光る必読の謎解きミステリ!/解説=若林踏 -
翼をください
愛らしい笑顔と親身な気遣いで、周囲の男たちから好意を寄せられる女子大生・石元陽菜。だがその本性はきわめて自己中心的なものだった。最近ストーカーの無言電話に悩んでいた陽菜は、受話器に罵詈雑言をぶつける中で憂さ晴らしに、周囲の人びとから聞き出した「秘密」を暴露するようになる。一方電話の向こうでは、信頼して打ち明けた自分の秘密を軽々しく漏らされたストーカーが怒りに震えていた。この秘密を守り抜くためには、彼女を殺さなければならない――あまりに意外な犯人の正体、そして戦慄の真相。濃密な人間関係に仕掛けられた大胆なトリックをあなたは見抜けるか? -
ホテル・リッツの婚約者
1942年、イギリスの特別作戦執行部の工作員であるわたし、マギー・ホープは亡き友になりすまし、ドイツ占領下のパリに潜入していた。異父妹のエリーゼをイギリスへ連れ帰るため。さらには、戦局の行方を左右する重大な情報を持っているはずの工作員を救うため。滞在先の〈ホテル・リッツ〉で高名なデザイナーのココ・シャネルと知り合ったわたしは、一瞬たりとも気を抜けない日々の連続を過ごしていた。そんな折、イギリスの工作員ネットワークに亀裂が生じる。裏切り者がいるのか? ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーの大人気シリーズ!/解説=上条ひろみ -
魔術師ペンリック
ペンリック・キン・ジュラルド19歳、兄が決めた婚約式のために町へ行く途中、病で倒れている老女の最期を看取ったのが、すべての始まりだった。亡くなった神殿魔術師の老女に宿っていた庶子神の魔が、あろうことかペンリックに飛び移ってしまったのだ。おかげで婚約は破棄され、ペンリックは10人の人間とライオンと馬を経てきた年古りた魔を自分の内に棲まわせる羽目に。魔はすべて庶子神に属する。魔を受け継いだペンリックは魔を制御すべく訓練をはじめるが……。中編3編を収録、ヒューゴー賞など5賞受賞の〈五神教シリーズ〉登場。 -
ミスコン女王が殺された
シンフルの町に着くなり巻きこまれた騒動にケリをつけ、当初の計画どおり静かに暮らそうとしたCIA秘密工作員フォーチュンの決意を、一本の電話が打ち砕く。ハリウッドに行った元ミスコン女王パンジーが帰ってきたのだ。折しも夏祭りのメインイベントが子どもミスコンに決まり、元ミスコン女王という経歴に偽装しているフォーチュンは、パンジーと共同で運営を任されるが、大衝突をしてしまう。その翌日パンジーが殺されたことを知ったフォーチュンと地元婦人会コンビは、疑いを晴らすため動きだす……暴走が止まらない、痛快度大増量の第2弾!/解説=大矢博子 -
図書館の殺人
9月の朝、風ヶ丘図書館の開架エリアで死体が発見された。被害者は常連利用者の男子大学生。閉館中の館内に忍び込み、山田風太郎の『人間臨終図巻』で何者かに撲殺されたらしい。現場にはなんと、二つの奇妙なダイイングメッセージが残されていた! 警察に呼び出された裏染天馬は独自の捜査を進め、一冊の本と一人の少女の存在に辿り着く。一方、風ヶ丘高校では期末テストにまつわる騒動が勃発。袴田柚乃たちは事件とテストの両方に振り回されることになり……。ロジカルな推理と、巧みなプロットで読者を魅了する〈裏染天馬シリーズ〉第4弾。/解説=佐々木敦 -
王とサーカス
2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、知人の雑誌編集者から海外旅行特集の仕事を受け、事前取材のためネパールに向かった。現地で知り合った少年にガイドを頼み、穏やかな時間を過ごそうとしていた矢先、王宮で国王をはじめとする王族殺害事件が勃発する。太刀洗はジャーナリストとして早速取材を開始したが、そんな彼女を嘲笑うかのように、彼女の前にはひとつの死体が転がり……。「この男は、わたしのために殺されたのか? あるいは――」疑問と苦悩の果てに太刀洗が辿り着いた痛切な真実とは? 『さよなら妖精』の出来事から十年の時を経て、太刀洗万智は異邦でふたたび、自らの人生を左右する大事件に遭遇する。/解説=末國善己 -
天使の帰郷
ルイジアナ州デイボーン。姿を消したマロリーをさがし、彼女の故郷を訪れたチャールズは、子供を抱いた天使の石像を見て驚いた。これは確かにマロリーの顔だ。17年前に惨殺された女医を悼んで刻まれた天使。腕の中の子供は、行方不明になった彼女の娘だという。一方、デイボーンでは、自閉症の青年が両手を負傷させられ、町の一角を占拠する宗教団体の教祖が殺された。そして、容疑者としてよそ者が勾留されているという。その名は、マロリー。誰にも一言も告げず、ひそかに帰郷した彼女の目的は? いま、石に鎖された天使が翼を広げる――過去の殺人を断罪するために! 鮮烈無比なヒロインの活躍を描くシリーズ第4弾!/解説=三橋暁 -
人魚と十六夜の魔法
四月、綾乃は無事ディアーヌ学院高等部に進級した。中等部には雪之丞の従妹のまりんや、絵葉の弟大地や、人間の女の子桜子も入学してきた。そんな新学期の慌ただしい一週間が終わったころ、綾乃たちの学年に転校生がやってきた。ロシアから来た礼儀正しい水妖ヴォダーくんは、あっという間にみんなの人気者になった。だが、そのころから学院内で奇妙なことが起こり始める。学院の周辺で不審者が目撃され、寮の部屋からお八つが消える。なにかがおかしい……。妖怪と人間が一緒に学ぶ魔女学校を舞台に繰り広げられる、愉快な学園ファンタジイ。 -
夜光亭の一夜 宝引の辰捕者帳ミステリ傑作選
幕末の江戸。神田千両町に暮らす岡っ引の辰親分は、御用のかたわら福引きの一種である“宝引”作りをしていることから、“宝引の辰”と呼ばれていた。親分は不可思議な事件に遭遇する度に、鮮やかに謎を解く! 殺された男と同じ彫物をもつ女捜しの意外な顛末を綴る「鬼女の鱗」。謎の画家が残した吉祥画を専門に狙う、怪盗・自来也の真意を探る「自来也小町」。美貌の女手妻師・夜光亭浮城の芸の最中に起きた、殺人と盗難事件の真相を暴く「夜光亭の一夜」。ミステリ界の魔術師が贈る、それぞれの事件関係者の一人称視点から描かれた傑作13編。【収録作】「鬼女の鱗」/「辰巳菩薩」/「江戸桜小紋」/「自来也小町」/「雪の大菊」/「夜光亭の一夜」/「雛の宵宮」/「墓磨きの怪」/「天狗飛び」/「にっころ河岸」/「雪見船」/「熊谷の馬」/「消えた百両」/編者解説=末國善己 -
星を拾う男たち
1963年に第2長編『死の内幕』を上梓した天藤真は、第3長編『鈍い球音』が刊行される71年までの8年間、中短編のみを発表することになる。4時起きで仕事に向かう勤勉な拾い屋コンビが出くわした朝一番の収穫は、二階屋の窓から落ちてきた死体だった――表題作「星を拾う男たち」のほか、旧〈宝石〉終刊号を飾った“史上最も完全な予告殺人”を描く「極楽案内」や、シリーズキャラクターのひとり、中央探偵社の仙石達子部長が登場する「密告者」「重ねて四つ」など、短編集成2巻目となる本書には、63年~66年発表の11編を収める。【収録作】「天然色アリバイ」「共謀者」「目撃者」「誘拐者」「白い火のゆくえ」「極楽案内」「星を拾う男たち」「日本KKK始末」「密告者」「重ねて四つ」「三匹の虻」 -
コブの怪しい魔法使い
故郷の田舎町、テキサス州コブに戻って三カ月、ドラゴンや邪悪な魔法使いの襲撃を心配する必要のない日々が続いている。あこがれのオーウェンと互いの気持ちを確かめ合ったのも束の間、彼の最大の弱点が自分だという、ロマンス小説のヒロインのような立場に立たされてしまったケイティ。魔法の悪用を企む一味との戦いの足手まといになるまいと、ニューヨークをあとにしたのだった。ところが、魔法とは縁のないはずのコブの町で、魔法のにおいのする事件が発生。ケイティは(株)MSIに助けを求める。大家族が繰り広げるてんやわんやをさばきつつの大奮闘、果たしてその結末は? おしゃれでロマンチックなファンタジー第4弾。 -
猫の姫、狩りをする
我ら猫のあやかしの、人のそばにいたがるものの多いことよ。人とはそれほどに良いものであろうか。ならば試してみようではないか。そう言って王蜜の君がやってきたのは、なんと太鼓長屋の弥助のところ。気まぐれな妖猫族の姫の居候に、弥助べったりの千弥がいい顔をするはずはなく、小妖の玉雪に至っては、弥助の家に近づけなくなる始末。そんななか、弥助の周辺で猫絡みの事件が頻発、おまけに子猫を狙う不気味な女が出現するに至って、猫の守り手たる王蜜の君は放っておけず、事件の裏を探り始める。猫だらけのお江戸妖怪ファンタジー第6弾。 -
海賊島の殺人
〈王国〉の海域を荒らす海賊たちを討伐した功績で名を馳せる海軍提督バロウズ卿が、海賊連合〈南十字星〉の首魁アルバート・リスターに誘拐された――提督救出の密命を受けた若き海軍大尉アランは、天才を自称する元役者の中年男ソープの助力を得て海賊に変装し、〈南十字星〉への潜入を試みる。それぞれ個性豊かな海賊の長たちを束ねる謎の青年リスターらに囲まれた状況下での困難な任務に留まらず、アランたちは〈南十字星〉の本拠地の孤島で起きる連続殺人事件を解く羽目に陥ってしまう。鮮やかな謎解きと爽快な読後感の海洋冒険ミステリ!/解説=宇田川拓也 -
おせっかいなゴッドマザー
あこがれの彼と晴れて両思いになったケイティ。ところがはじめてのデートの朝、待ち合わせ場所に現れたのはおせじにも有能そうには見えないフェアリーゴッドマザー。よりによって生涯でいちばん必要のないときに「本物の恋を見つける手助けをする」とは。なんとかお引き取り願ったものの、肝心のデートは緊急事態発生でお流れ。前途多難だ。一方、魔法の悪用を企む一味が派手な広告戦略に打って出たため、対策を講じることになった(株)MSI。ケイティはまたしても危険な任務につくはめに。だが、それがふたりの仲に早くも亀裂を生じさせることになろうとは……。おしゃれでロマンチックなファンタジー。好評シリーズ第三弾。/解説=妹尾ゆふ子 -
ねじまき片想い
浅草にある老舗おもちゃ会社で働く富田宝子は、楚々として控えめな外見とは裏腹に、好きなものに対するパワーと想像力の豊かさを以て、敏腕プランナーとして活躍している。彼女は取引先のデザイナー西島に恋をしているが、5年も想いを伝えられずにいた。何の因果か次々に災難に見舞われる彼のため、持ち前の機転と自社のおもちゃを駆使しSPのごとくトラブルを解決していく宝子。けれど西島は宝子の奮闘にはまったく気がつかず?! 同僚や同居人も巻き込んで、宝子の恋が向かう先は――。ひとりの女性が大切な気持ちと向き合うまでを描く物語。/解説=松井ゆかり -
遭難信号
アイルランドの小さな町で、ハリウッドを夢見て脚本を書き続けてきたアダム。恋人のサラが仕事でバルセロナに出張し、まったく連絡がとれなくなってしまう。だが出発から数日後、アパートにサラのパスポートが郵送されてくる。それには「ごめんなさい――S」とサラの字で書かれた付箋が貼ってあったが、封筒の文字は別人のものだった。彼女に何があったのか? アダムは恋人を追い、手がかりをもとに地中海クルーズ船に乗り込む。千以上もの客室を持つ豪華客船で暴かれる、予想外の真実。巧みな構成力と謎解きの妙味を味わえる衝撃のサスペンス!/解説=穂井田直美 -
魔導の黎明
内乱から十年、ラバルタ国内での魔導士への迫害は増すばかりで、〈鉄の砦〉も未熟な若者を集めなければ成り立たなくなっていた。そんなある日ひとりの魔導士が奇妙なことに気づいた。〈鉄の砦〉に入ってきた人数と在籍している人数が数百人単位で合わないのだ。それだけの魔導士がいったいどこに消えたのか。同じ頃、エルミーヌで魔導士の指導にあたっているレオンの元に、かつての弟弟子グレイが訪ねてきた。そしてその日から、レオンは姿を消してしまう……。謎を解く鍵はレオンの師が研究していた禁術。感動と共感を呼んだシリーズついに完結。 -
海泡
暑く長い夏休み、2年ぶりに小笠原へ帰省した大学生の木村洋介。難病を抱え、次第に弱っていく初恋の女性・丸山翔子に会うに忍びなく、帰りにくかったのだ。竹芝からフェリーでおよそ26時間、平和で退屈なだけが取り柄だったはずの島では、前村長の娘で中高の同級生・一宮和希がストーキングされていると噂が立ち、島一番の秀才と謳われ、医学部を目指していた藤井智之は不可思議な言葉を呟く。どこか不穏な空気が漂うなかで、二つの事件が続けざまに起こる――。常夏の島を舞台に、名手が伸びやかに描いた青春ミステリが、大幅改稿、決定版で登場。/解説=千街晶之 -
望月のあと 覚書源氏物語『若菜』
平安の都は盗賊やつけ火が横行し、乱れはじめていた。だが、そんな世情をよそに、藤原道長は「この世をばわが世とぞ思う……」と歌に詠むほど、栄華を極めていた。紫式部はといえば『源氏物語』の人気に困惑気味の日々。そんななか、式部が訪れたあるお屋敷に、道長が瑠璃という謎の姫君を密かに住まわせていることを知る。式部はこの瑠璃姫と道長になぞらえて物語を書きはじめたものの、次第に現実と物語が重なってきて……。瑠璃姫とはいったい何者なのか? 式部が時の権力者に対して仕掛けた雅な意趣返しとは? 『源氏物語』をめぐる謎を解き明かす、平安王朝推理絵巻第3弾!/解説=荻原規子 -
松風の記憶
巡業先の広島の古刹で変死した、歌舞伎俳優・浅尾当次。その報を竹野記者から受けた雅楽は、親友である当次の死に疑問を持つ。一方、女子高校生の仲宮ふみ子は、修学旅行で当次の亡くなった古刹を訪れていた。数年後、ふみ子は、当次の長男・当太郎と運命的に出会う――著者の初長編『松風の記憶』。美しい演出家未亡人と若き劇団員が絡み合う、劇団ツバメ座で起こったふしぎな事件の真相を、竹野記者の手記のみから雅楽が推理する『第三の演出者』。戸板康二が遺した雅楽もの長編を完全収録。資料も充実の《中村雅楽探偵全集》シリーズ最終巻。【収録作】「松風の記憶」/「第三の演出者」/中村雅楽エッセイ=戸板康二/徳間ノベルズ版『松風の記憶』 あとがき=戸板康二/講談社文庫版『松風の記憶』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵 -
劇場の迷子
「千駄ケ谷の小父さん」と、敬愛の念を抱いて訪ねてくる後輩役者や竹野記者が持ち込む、様々な謎を解いてみせる老歌舞伎俳優・中村雅楽。長い人生経験、舞台経験に裏打ちされた老優の推理力は、その芸に劣らず一流で、歌舞伎の世界で起る難問を芸道指南よろしく、鮮やかにそして優雅に解決していく。歌舞伎座で迷子になった、能楽師の一人息子が巻き込まれた事件を描く「劇場の迷子」をはじめ、女形と舞踊家の弟子との恋模様にまつわる「家元の女弟子」、著者最晩年の作品「演劇史異聞」に加え、単行本未収録作「元天才少女」「留め男」「むかしの弟子」など滋味ある謎解き全28編。【収録作】「日曜日のアリバイ」/「灰」/「元天才少女」/「なつかしい旧悪」/「祖母の秘密」/「弁当の照焼」/「銀ブラ」/「不正行為」/「写真の若武者」/「機嫌の悪い役」/「いつものボックス」/「劇場の迷子」/「必死の声」/「芸談の実験」/「かなしい御曹司」/「家元の女弟子」/「京美人の顔」/「女形の愛人」/「一日がわり」/「荒療治」/「市松の絆纏」/「二つの縁談」/「おとむじり」/「油絵の美少女」/「赤いネクタイ」/「留め男」/「むかしの弟子」/「演劇史異聞」/講談社版『劇場の迷子』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵 -
星水晶の歌
季節外れの嵐、雨のない雷、全てを覆い尽くす白い霧。世界を襲う異常気象は、アトーリス王国が秘密裏に開発した兵器〈氷河〉の影響か。敵国ギルデアがその兵器を奪おうと画策するなか、王室の諜報員ステランは危機感を募らせる。内外から迫る脅威。立ち向かうすべはあるのか。ランドリアはひとつの覚悟を胸にギルデアに赴き、ウィルナーは故国の激戦に身を投じる。一方、サラファーンの星の雫を預言の英雄に届ける途上、砲弾に倒れたジョーは、九死に一生を得るが……。戦乱に翻弄されながら精一杯いまを生きる人びとを描く壮大な四部作ついに完結。 -
目黒の狂女
日常の謎ミステリの元祖ともよばれる、老歌舞伎俳優・中村雅楽探偵譚。歌舞伎界で起こった様々な事件や謎が持ち込まれると、雅楽は経験に裏打ちされた鋭い洞察力で鮮やかに絵解きをしてみせる。竹野記者の手記によって、雅楽が遭遇したあまたの事件の顛末が明かされていくシリーズ第3巻は、昭和50年代を中心とした作品群。竹野記者が目黒のバス停でつづけざまに出会った狂女にまつわる表題作「目黒の狂女」。なぜ淀君は逃げ延びなかったのかという、歴史に埋もれた謎を雅楽なりの解釈で解明していく「淀君の謎」など粒ぞろいの全23編を収録。【収録作】「かんざしの紋」/「淀君の謎」/「目黒の狂女」/「女友達」/「女形の災難」/「先代の鏡台」/「楽屋の蟹」/「お初さんの逮夜」/「むかしの写真」/「砂浜と少年」/「大使夫人の指輪」/「俳優祭」/「玄関の菊」/「梅の小枝」/「女形と香水」/「子役の病気」/「二枚目の虫歯」/「コロンボという犬」/「神かくし」/「芸養子」/「四番目の箱」/「窓際の支配人」/「木戸御免」/講談社版『目黒の狂女』 あとがき=戸板康二/講談社版『淀君の謎』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵 -
團十郎切腹事件
江戸川乱歩に見いだされ、旧「宝石」誌に掲載された「車引殺人事件」にはじまる、老歌舞伎役者・中村雅楽の推理譚。複雑な人間模様の歌舞伎界、芸能界を中心に起こる様々な事件や謎を竹野記者が持ち込むや、鮮やかに解き明かす。美しい立女形の失踪事件を解決する「立女形失踪事件」。旅先の旅館で自刃を遂げた八代目市川團十郎の謎を読み解く、第42回直木賞受賞作「團十郎切腹事件」など全18編。立風書房版作品ノートをはじめ、講談社文庫版後記なども併録。ミステリ史に燦然と輝く、中村雅楽の名推理の数々を完全収録する《中村雅楽探偵全集》堂々開幕!【収録作】「車引殺人事件」/「尊像紛失事件」/「立女形失踪事件」/「等々力座殺人事件」/「松王丸変死事件」/「盲女殺人事件」/「ノラ失踪事件」/「團十郎切腹事件」/「六スタ殺人事件」/「不当な解雇」/「奈落殺人事件」/「八重歯の女」/「死んでもCM」/「ほくろの男」/「ある絵解き」/「滝に誘う女」/「加納座実説」/「文士劇と蠅の話」/河出書房新社版『車引殺人事件』 序=江戸川乱歩/旧「宝石」所収各編解説=江戸川乱歩/立風書房版『團十郎切腹事件』 作品ノート=戸板康二/立風書房版『奈落殺人事件』 作品ノート=戸板康二/講談社文庫版『團十郎切腹事件』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵 -
空の幻像
ペレス警部のもとに、アンスト島でエレノアという女性が失踪したとの知らせがはいる。彼女はテレビ番組の制作者で、親友の結婚式への出席と取材を兼ねて、夫や友人たちと島を訪れていた。現地に渡ったペレスが捜索をはじめてまもなく、エレノアは死体で発見される。島に伝わる少女の幽霊――1930年に溺死した“小さなリジー”のことを取材していた彼女は、失踪する前日に「浜辺で踊る白い服の女の子を見た」と話していたが、そのことと事件との関係は……。シェトランド諸島を舞台に、繊細かつ大胆に織りあげられた、現代英国本格ミステリの優品。/解説=松浦正人 -
グリーン車の子供
7年ぶりに、「盛綱陣屋」の微妙役への出演依頼があった老歌舞伎俳優・中村雅楽。しかし、雅楽は子役の配役が気にいらず、出演をなかなか快諾しない。そんな中、法要のため大阪を訪れた雅楽は、友人の竹野記者とともに帰京する新幹線のグリーン車で、一人の幼い少女と隣同士になる。東京へ到着する直前に「陣屋」への出演を決意した理由とは? 《中村雅楽探偵全集》第二巻は、第29回日本推理作家協会賞を受賞した「グリーン車の子供」を含む全18編。日本推理作家協会賞受賞時の著者の言葉など、資料も併録。【収録作】「ラッキー・シート」/「写真のすすめ」/「密室の鎧」/「一人二役」/「ラスト・シーン」/「臨時停留所」/「隣家の消息」/「美少年の死」/「八人目の寺子」/「句会の短冊」/「虎の巻紛失」/「三人目の権八」/「西の桟敷」/「光源氏の醜聞」/「襲名の扇子」/「グリーン車の子供」/「日本のミミ」/「妹の縁談」/徳間ノベルズ版『グリーン車の子供』 あとがき=戸板康二/受賞の言葉=戸板康二/創元推理文庫版解題=日下三蔵 -
日曜の午後はミステリ作家とお茶を
「事件を解決するのは警察だ。ぼくは話をつくるだけ」そう宣言しているミステリ作家のシャンクス。しかし実際は、彼はロマンス作家である妻のコーラと一緒にいくつもの謎や事件に遭遇し、推理を披露して見事解決に導いているのだ。取材を受けているときに犯罪の発生を見抜いたり、殺人容疑で捕まった友人のため真相を探ったり、犯人当てイベント中に起きた『マルタの鷹』初版本盗難事件に挑んだり、講演を依頼された大学で殺人事件に巻き込まれたり……。結婚20年余りになる作家夫妻の日常と謎解き。図書館司書の著者が贈る連作ミステリ短編集。/解説=大矢博子 -
007/薔薇と拳銃【井上一夫訳】
英国秘密情報部の腕利きエージェント、007ことジェームズ・ボンド。祖国の平和と安寧のため、世界を股にかけて危険な任務を遂行する。パリ郊外の静かな森に隠れ潜むソ連の情報機関を破壊する「薔薇と拳銃」、ジャマイカで荘園主夫妻を殺害した、凶悪なナチの残党の男を暗殺する「読後焼却すべし(フオー・ユア・アイズ・オンリー)」、ローマからベニスに通じる麻薬密輸ルートを追跡する「危険」、セーシェル諸島のサンゴ礁を舞台に、アメリカ人の富豪の死を描いた「珍魚ヒルデブランド」、植民地総督がボンドに語る、一組のカップルの数奇な運命「ナッソーの夜」の全5編を収録。 -
現代詩人探偵
とある地方都市でSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。九人の参加者は別れ際に、これからも創作を続け、十年後に再会する約束を交わした。しかし当日集まったのは五人で、残りが自殺などの不審死を遂げていた。なぜ彼らは死ななければならなかったのか。細々と創作を続けながらも、詩を書いて生きていくことに疑問を抱き始めていた僕は、彼らの死にまつわる事情を探り始めるが……。生きることと詩作の両立に悩む孤独な探偵が、創作に取り憑かれた人々の生きた軌跡を辿り、見た光景とは? 気鋭の著者が描くミステリ長編。/解説=宇田川拓也 -
シャーロック・ホームズの蒐集
1927年、アーサー・コナン・ドイルによる最後のシャーロック・ホームズ活躍譚「〈ショスコム・オールド・プレース〉」が《ストランド・マガジン》に掲載されて以降も、この不滅の人気を誇る名探偵の贋作は、数多くの作家によって書かれてきた。本書はそれらに連なる至高の傑作である。大英帝国を縦横無尽に駆け巡るシャーロック・ホームズと相棒ワトスン博士の〈語られざる事件〉を、世界有数のホームズ・ファンが愛と敬意を込めて作品化した、最高水準のパスティーシュ。「ノーフォークの人狼卿の事件」「詮索好きな老婦人の事件」など6編を収録。【収録作】「遅刻しがちな荷馬車の事件」「結ばれた黄色いスカーフの事件」「ノーフォークの人狼卿の事件」「詮索好きな老婦人の事件」「憂慮する令嬢の事件」「曲馬団の醜聞の事件」/単行本版あとがき/単行本版解説=日暮雅通 -
真実の10メートル手前
高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。週刊深層編集部の都留は、フリージャーナリストの太刀洗と合流して取材を開始するが、徐々に事件の有り様に違和感を覚え始める。太刀洗はなにを考えているのか? 滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執――己の身に痛みを引き受けながら、それらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。日本推理作家協会賞受賞後第一作「名を刻む死」、土砂崩れの現場から救出された老夫婦との会話を通して太刀洗のジャーナリストとしての姿勢を描く「綱渡りの成功例」など粒揃いの6編。第155回直木賞候補作。/解説=宇田川拓也 ※本作品は 2018年3月22日まで販売しておりました単行本電子版『真実の10メートル手前』の文庫電子版となります。 本編内容は単行本電子版と同じとなります。 -
生贄の木
森の中で、袋に入れられ木から吊るされていた三人の人間が発見された。イカれたパーティー・ガール、狂気に冒された配給所の聖女、そして小児性愛者。ひとりは助かり、ひとりは手遅れ、ひとりは瀕死の状態だった。同じ頃、小児性愛者に誘拐されていたと見られる女の子がマロリーに保護される。ココと名乗るその少女は妖精のような顔立ち、音楽的才能などからウィリアムズ症候群と診断された。ココの心を思いやるチャールズと対立しながらも、マロリーはココに犯人を思い出させようとする。マロリーと少女の奇妙な絆を描く、好評シリーズ。/解説=大矢博子 -
闇の虹水晶
その力、使えばおのれが滅び、使わねば国が滅びよう。それが創石師ナイトゥルにかけられた呪い。人の感情から石を創るたぐい稀な才をもつがゆえに、故国を滅ぼし家族や許婚を殺した憎い敵に、ひとり仕えることになったナイトゥル。憎しみすら失い、生きる気力もなくしていた彼は、言われるまま自らの命を削る創石師の仕事をしていた。そんなある日、怪我人の傷から取り出した黒い水晶が、彼に不思議な幻を見せる。見知らぬ国の見知らぬ人々、そこには有翼獅子(グリフォリス)が……。〈オーリエラントの魔道師〉シリーズで人気の著者が描く、壮大なファンタジー。/解説=卯月鮎 -
魔法使いの陰謀
セントラル・パークで若い女性の死体が発見され、現場に駆けつけた刑事マイケルは、水妖馬(ケルピー)を目撃する。さらに、子どもが連れ去られるなど妖精の関与が疑われる奇妙な事件が続く。妖精界の女王の座を祖母レオニーに譲ったソフィーは、ようやくバレエダンサーとしてのキャリアを再開していたが、そんなソフィーの前に現れた魔法使いのジョセフィーンは、事件を妖精の仕業と決めつけ、魔法使いと妖精の対立を煽る。このままでは戦争が起きてしまうと危惧したソフィーは、マイケル、エミリーらと共に戦いを阻止すべく動きはじめる。シリーズ第3弾。 -
ビリヤード・ハナブサへようこそ
変わった名前をもつ大学院生、中央(あたり・あきら)。彼はちょっとレトロな撞球場「ビリヤード・ハナブサ」でアルバイトをしている。ビリヤードの腕前は一流、経営手腕は三流の英雄一郎(はなぶさ・ゆういちろう)先生がオーナーの店には、個性的な常連客たちが集う。おしゃべり好きな彼らは、仲間内の誰かが事件に巻き込まれると、プレーそっちのけで推理談議を始め、みな素人探偵となって謎を解こうとするのだ。けれど結局事件の真相を言い当てるのは、アルバイトの中央の役割で?! そして今日もまた不思議な事件が持ち込まれ――。現代の『黒後家蜘蛛の会』登場。第24回鮎川賞受賞作。/解説=福井健太 -
ペインスケール
ロングビーチ市の高級住宅街で、下院議員の息子ベントン三世の妻と幼い子どもたちが殺害された。強盗から政治がらみの怨恨までさまざまな動機が考えられたが、刑事のダニーは壁に飾られた一家の写真を見て不自然さを感じる。子持ちの家庭なら子どもを中心にした写真を飾るのが一般的だろうが、主であるベントン三世の写真ばかりだったのだ。手がかりはそこに? 過去の事件で負った体と心の痛みを抱え、捜査に没頭する刑事ダニーと、静かに彼を支え続ける相棒の女性刑事ジェン。緻密極まりない捜査の魅力と男女刑事コンビの絆を描く警察小説!/解説=若林踏 -
人魚と金魚鉢
個性豊かなメンバーが集う、T大学芸術学部文芸サークル第三部〈ザ・フール〉。聴き屋体質にして名探偵の柏木君をはじめ、誰よりもネガティブな性格の先輩、推理マニアの美男子学生など、愉快な仲間達が遭遇する事件の数々。音楽学科の学生選抜コンサートの会場となるはずだった、大ホールのステージを泡だらけにした犯人は誰か? そしてその理由とは? 爽やかな余韻が残る表題作ほか、〈ザ・フール〉メンバーの熾烈なかくれんぼを描くシリーズ・キャラクター大活躍の「愚者は春に隠れる」など、全5編を収録。軽やかな連作ミステリ第2弾!/解説=宇田川拓也 -
月下の蘭/殺人はちょっと面倒
温室での洋蘭の栽培に全身全霊を捧げる美しい義姉。彼女が育てる人面花を巡る悲劇と戦慄の真相を描いた表題作ほか、花・星・蟲・鳥を題材として、幽玄の世界のうちに技巧を尽くした傑作ミステリ短篇集『月下の蘭』。かつて公安警察の鬼と呼ばれた盲目の老人と、彼の愛娘が伴った謎の客との会話が思わぬ過去を暴き出す「夜のジャスミン」ほか、男女の愛憎を中心に据え、鮮やかなツイストで読者を唸らせる『殺人はちょっと面倒』。幻の2冊を合本にて贈る。『血の季節』『弁護側の証人』など大胆な仕掛けで世を驚倒せしめた著者が、歌舞伎、能楽などの古典芸能をモチーフとした8篇を収録。【収録作】『月下の蘭』「月下の蘭――春は花」「残酷なオルフェ――夏は星」「宵闇の彼方より――秋は蟲」「ロドルフ大公の恋人――冬は鳥」/『殺人はちょっと面倒』「ラヴ・ホテル〈瀧〉にて」「殺人はちょっと面倒」「夜のジャスミン」「空白の研究 A Study in Blank」/『月下の蘭』初刊本あとがき/編者解題=日下三蔵 -
こめぐら
【倉知淳ノンシリーズ作品集成第二弾】必要か不必要かはどうでもいいのだ。したいからする。着けたいからつける。これは信念なのだ――密やかなオフ会でとんでもない事態が発生、一本の鍵を必死に探し求める男たちを描く「Aカップの男たち」をはじめ、うそつきキツネ殺害事件の犯人を巡ってどうぶつたちが動機のあげつらいと推理を繰り広げる非本格推理童話「どうぶつの森殺人(獣?)事件」、B級時代劇におけるあまりにも意外な犯人消失の真相を描いた「さむらい探偵血風録」など5編に加え、猫丸先輩探偵譚「毒と饗宴の殺人」を特別収録。【収録作】「Aカップの男たち」「「真犯人を探せ(仮題)」」「さむらい探偵血風録 風雲立志編」「遍在」「どうぶつの森殺人(獣?)事件」「毒と饗宴の殺人」/単行本版あとがき -
なぎなた
【倉知淳ノンシリーズ作品集成第一弾】死神を思わせる風貌の警部が、完璧だったはずの殺人計画を徐々に崩壊へと導いてゆく――倒叙ミステリ「運命の銀輪」をはじめ、残虐な場面が映し出されているにもかかわらず観客席の闇の中で微笑を浮かべる女性の謎を追いかける「闇ニ笑フ」、米大統領選挙の熱狂の最中に発見されたひとつの死体の謎をファンタスティックな筆致で描く力作本格推理「幻の銃弾」など7編収録。たくらみに満ちたミステリ・ワールドを二分冊で刊行!【収録作】「運命の銀輪」「見られていたもの」「眠り猫、眠れ」「ナイフの三」「猫と死の街」「闇ニ笑フ」「幻の銃弾」/単行本版あとがき -
そしてミランダを殺す
ある日、ヒースロー空港のバーで、離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに声をかけられる。彼は酔った勢いで、1週間前に妻のミランダの浮気を知ったことを話し、冗談半分で「妻を殺したい」と漏らす。話を聞いたリリーは、ミランダは殺されて当然と断じ、殺人を正当化する独自の理論を展開してテッドの妻殺害への協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され、決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の攻防が語られる鮮烈な傑作犯罪小説。/解説=三橋曉 -
玉妖綺譚3 透樹の園
妖力を奪われ眠りについた相棒の玉妖を目覚めさせる方法を知る唯一の人物、難波俊之の行方を捜し“はざま”をめぐっていた彩音は、ある“はざま”で奇妙な光景を目にする。男たちが異界妖を檻に追い込み、こちらの世界に連れ込んでいたのだ。妖は人間界では実体をもたず、檻をすり抜けてしまうのに、なぜ? 折しも都では“はざま”や異界妖の出現が増え、その存在を隠そうとする政府を悩ませていた。俊之捜しを続ける彩音は、いつの間にか遷都をめぐる陰謀に巻き込まれる羽目に……。石に宿る精霊、玉妖と驅妖師の絆を描く、シリーズ第3弾。