無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで203万冊以上配信中!
ドイツ名家の御曹司ゼバスティアンは、文字のひとつひとつに色を感じる共感覚の持ち主だった。ベルリンにアトリエを構え写真家として大成功をおさめるが、ある日、若い女性の誘拐・殺人容疑で緊急逮捕されてしまう。取り調べの際、捜査官に強要されて殺害を自供したゼバスティアンを弁護するため、ベテラン刑事弁護士ビーグラーが法廷に立つことになった。緊迫感に満ち満ちた裁判の行方と、あらゆる者の想像を絶する驚愕の真相とは。『犯罪』で2012年本屋大賞翻訳小説部門第一位に輝いた著者が「罪とは何か」を真摯に問いかけた恐るべき問題作。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
文章を読んでいる最中に、あ、これ『テロ』の作者だったのか、と気付く。
奇矯な作品を世に出しては、有名になってゆく写真家ゼバスティアン。
前半は、彼の独特な感性を作るに至った少年期と、ゼバスティアンと適当な距離を保つことの可能な女性ソフィアとの出会いが語られる。
のだが。
ある時、唐突にゼバスティアンは殺人鬼と化し、まずは読者に「彼は殺人鬼か、否か」の採決を委ねられる。
ここから、後半、ゼバスティアンを弁護するよう依頼されたビーグラーの登場で、一気に話が面白くなってゆく。
私は先に『テロ』を読んでしまっているのだけど、この問いかけに思わず息をのむ。
「テロリストがベルリンに核爆弾を仕掛けたと考えてみてください。それも、あと一時間で爆発する。テロリストの身柄は確保しているが、爆弾の所在がわからない。わたしは決断に迫られます。犯人を拷問してでも、四百万人の人命を救うべきか、手をこまねいて、なにもしないでいるべきか?」
「人命を救うための拷問」は是が非か。
ビーグラー弁護士の舞台を、まずは読んでいただきたい。(もっとも、ゼバスティアンのケースと、テロリストのケースと、十歳の女の子が誘拐されたケースをひとまとめにして良いかは疑問だけど)
さらに、個人的には著者のあとがき「日本の読者のみなさんへ」も読むべき。
「日本の僧侶、良寛(一七五八ー一八三一)は死の床で、介抱する尼僧にこんな句を遺したといわれています。
うらを見せおもてを見せて散るもみぢ」
ドイツの作家さんから、良寛!?と、たまげた。
続き、読みたくなりませんか。
私は『犯罪』に戻っていきたいと思います。
Posted by ブクログ
主人公は文字の一つ一つにまで色を感じるという特殊な色彩感覚の持ち主、ゼバスティアン。
多感な時期に父親を自死という形で亡くし、乗馬以外に興味のない母親とうまく折り合いをつけられず、寄宿舎生活を終えると、写真家として歩み始めたる。
何だか歯車が合わないなりにも恋人もでき、順調な毎日を過ごしていたが、ある日突然、若い女性の殺人容疑で逮捕されてしまう。
捜査官に強要され罪を認めるも、敏腕弁護士ビーグラーによって、驚くべく事実が明らかにされる。
ハイテクを駆使した写真のなりようや、弁護士の刑事に対する禅問答もどきのやり取り、あとがきで”日本の読者のみなさんへ”と題して良寛の俳句を取り上げているあたりなどからも、なんか日本の文化に傾倒されているのかなと思わされますが、でもそのような事柄が私には理解できなかった、残念ながら。
特に写真を使ったトリック?わからない。
シーラッハは、「犯罪」や「罪悪」を衝撃的な思いで読んだので、以降も楽しみに読んだのですが・・・
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。