【感想・ネタバレ】禁忌のレビュー

あらすじ

ドイツ名家の御曹司ゼバスティアンは、文字のひとつひとつに色を感じる共感覚の持ち主だった。ベルリンにアトリエを構え写真家として大成功をおさめるが、ある日、若い女性の誘拐・殺人容疑で緊急逮捕されてしまう。取り調べの際、捜査官に強要されて殺害を自供したゼバスティアンを弁護するため、ベテラン刑事弁護士ビーグラーが法廷に立つことになった。緊迫感に満ち満ちた裁判の行方と、あらゆる者の想像を絶する驚愕の真相とは。『犯罪』で2012年本屋大賞翻訳小説部門第一位に輝いた著者が「罪とは何か」を真摯に問いかけた恐るべき問題作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ドイツの刑事弁護士を長年経験している著者の作品。
新作が発表されるたびに必ず手にする作家の1人。
今回は、小説の技法としてもこれまでの作品とは違う。あたかも主人公のアルバム写真を何枚も見せられて、解説をしたものを集めたように場面展開が細切れ的な文体。これが、わかりにくいと感じる人もいるかもしれない。
今回のテーマも法廷で浮き彫りになってくる。第二次世界大戦の影響を受けた重いもの。
読者へ投げかけるテーマが、正義とは?罪とは?など誰もが無関心ではいられない根本的なところに鋭く突き刺さる。
新作の発売が待ち遠しい。

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2019年07月31日

Posted by ブクログ

私の頭が悪すぎて、全てを理解するのは無理でしたが、今までのシーラッハの作品にも通じる、一貫した「罪とは?」「犯罪とは?」という問いかけが、波のように押し寄せる1冊でした。
奥深い。

日本の読者のみなさんへ、が、良寛の一句から始まるとは思わず、嬉しいとの同時に、知識の深さに驚いた。

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2024年04月27日

Posted by ブクログ

本を閉じてカバーを外してじっくり眺めて、あ゛〜。そして最初のページから読み直して愕然、というか底知れぬ味わい。なんか凄い。これまでのシーラッハの作品らしさを感じながら、より真摯に人間の内面を見つめている。芝居にもなるみたいだけど、上演台本難しそう。芸術ってホントややこしい。読み終わって、あれ?アレ?ってページを前にめくりだす体験って素晴らしいかも。

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2022年09月27日

Posted by ブクログ

日本語版に寄せられた「日本の読者のみなさんへ」による、著者のメッセージーの中のーうらを見せおもてを見せて散るもみぢ 良寛ーの俳句。善悪二元論で語られる宗教とは違い、全てを内包する仏教。散りながら、裏とおもてさえもどちらが裏でどちらがおもてなのか?作品の中で語られながら、この俳句では語り尽くせない人間の本質は、善悪さえも一体不ニの気がする。緑、赤、青と、全てが混じり合って、、、表紙の合成写真のように、、、。

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2023年05月17日

Posted by ブクログ

主人公は文字の一つ一つにまで色を感じるという特殊な色彩感覚の持ち主、ゼバスティアン。
多感な時期に父親を自死という形で亡くし、乗馬以外に興味のない母親とうまく折り合いをつけられず、寄宿舎生活を終えると、写真家として歩み始めたる。
何だか歯車が合わないなりにも恋人もでき、順調な毎日を過ごしていたが、ある日突然、若い女性の殺人容疑で逮捕されてしまう。
捜査官に強要され罪を認めるも、敏腕弁護士ビーグラーによって、驚くべく事実が明らかにされる。
ハイテクを駆使した写真のなりようや、弁護士の刑事に対する禅問答もどきのやり取り、あとがきで”日本の読者のみなさんへ”と題して良寛の俳句を取り上げているあたりなどからも、なんか日本の文化に傾倒されているのかなと思わされますが、でもそのような事柄が私には理解できなかった、残念ながら。

特に写真を使ったトリック?わからない。

シーラッハは、「犯罪」や「罪悪」を衝撃的な思いで読んだので、以降も楽しみに読んだのですが・・・

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2021年06月27日

Posted by ブクログ

文字のひとつひとつに色を感じる共感覚を持ち、写真家として大成功をおさめたゼバスティアン。だがある日、若い女性の誘拐・殺人容疑で逮捕されてしまう。捜査官に強要されて殺害を自供したゼバスティアンを弁護するため、敏腕弁護士ビーグラーが法廷に立つ。緊迫感に満ち満ちた裁判で暴き区出される驚愕の真相とは。『犯罪』の著者が「罪とは何か」を問いかけた恐るべき問題作!

被疑者の生い立ちをかなりのページを割いて書いているのはなぜなのだろうか。

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2020年07月05日

Posted by ブクログ

弁護士と刑事の法廷のやりとりが面白かった。理解できていない箇所も多々あって、シーラッハのコリー二事件も読んでみた方がいいのかもしれない。

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2019年09月27日

Posted by ブクログ

フェルディナント・フォン・シーラッハ『禁忌』創元推理文庫。

『コリーニ事件』に続く200ページ強の中編作品。『犯罪』『罪悪』のイメージが強いせいか『コリーニ事件』同様、読んでいて心に響くものが無く、無機的な単調さに物足りなさを感じた。もしかして、シーラッハの良さは短編にこそ生きるのではなかろうか。

主人公は文字に色を感じる共感覚を持つ写真家のゼバスティアンである。前半ではゼバスティアンの幼少期から写真家として成功を納めるまでが単調に描かれる。その後、ゼバスティアンが若い女性の誘拐と殺人の容疑で逮捕され、捜査官に強要され殺害を自供してしまう……そして、結末……

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2019年01月19日

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