小説 - 講談社作品一覧

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  • リトルプリンス・トリック “星の王子”からのメッセージ
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    これは、私たち家族が見つけた、サン=テグジュペリが本当に伝えたかったメッセージです。「大切なことは目には見えない」その本当の意味は? 宇宙をかけめぐるリトルプリンス、その驚きの正体とは?"欠けた蝶ネクタイ"から始まる、星空を駆け巡る壮大な謎解き。フランス人の物知りな父と、おしゃべりな日本人母をもつ姉弟がサン=テグジュペリが仕掛けた巧妙なトリックに挑む!
  • 女たちの平安宮廷 『栄花物語』によむ権力と性
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    本書は、平安時代の摂関政治がどのように権力を生み出していったか、そのしくみについて女たちの後宮世界からみていくものです。その恰好の例として『栄花物語』を取り上げます。作者は歴史的事実をあえて無視したり操作することで、女であること・生むこと・母となることの連なりに走る裂け目こそが、男たちの世界をつくってはやがて掘り崩し、そうした変化が新しい権力構造を生みだしていくことをはからずも明らかにするのです。(講談社選書メチエ)
  • 被災の思想 難死の思想 【小田実全集】
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    1巻1,760円 (税込)
    戦後日本の安全神話を最初に覆した阪神大震災。「防災モデル都市」が狂奔した経済開発は「人災」をよぶ。そして「天災」によって明らかになった行政不実と「棄民」の実状。被災者の心に寄り添い、具体的、克明に「土建屋政治」の虚飾をはぎとった。約六千人の「難死」と数十万以上の「難生」の意味を、戦前から明治にまでさかのぼって考察したこの国の姿。戦後日本がめざした「平和憲法」の原点として、「市民の防災」を考える。「難死」を拒み、共助・共生社会を再興させる指針書。
  • 「ベ平連」・回顧録でない回顧【小田実全集】
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    1巻1,760円 (税込)
    古代アテナイ文学と思想を学んだ作家が現代の日本のデモクラシーに挑んだ。激化するベトナム戦争に反対し、当面する社会問題を自分に引きつけて考え行動する「個人原理」の追求と考察は、近代国家成立以来、日本が抱えた歴史的課題であった。多様性の中の「個」が無数に横へ広がり繋がる『「われ=われ」のデモ行進』は、それに対する哲学的・思想的答えの一つであった。全国津々浦々に広まった「べ平連」とは何か? この運動の代表者自らが省察した真摯で率直な言説は重くて眩しい。
  • 現代史(上) 【小田実全集】
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    1~2巻1,760円 (税込)
    この小説は、日本が若かった1964年東京オリンピックの頃から約1年間を背景に、共産圏との貿易に成功した大阪の造船会社社長一族の物語。若くて美しいヒロインが恋愛と見合いを通じて少しずつ成長をとげる丁寧な心理描写は、その時代を動かしているさまざまな階層の人間たちが次々と登場することとあいまって、小説の醍醐味を放つ。小説としての面白さとともに、風俗、国際関係、そして歴史や社会的関係性の中で重層的に日常を生きる人間の総体は、今の日本社会の出発点を照らし出す。
  • 蜘蛛
    3.8
    1巻1,716円 (税込)
    【『NEEDY GIRL OVERDOSE』作者にゃるらが贈る、美しくどこまでも墜落していく青春小説】 ───────────────────────────────────────── 現代、東京。 少女は「かな」という名前だ。 絶望にはまだ届かないほどほどの孤独を感じている。 巨大SNSぽけったーで知り合ったアニメアイコンたちと、 行き場のないオタクとの自堕落なオフ会を続ける日々。 ある少女との出会いが「かな」の人生に彩りをもたらす。 彼女はすべてが儚く、美しく、天からの贈り物のようだった。 その美しい少女は、「あめ」と名乗った── ───────────────────────────────────────── 誰かに求められる、何者かになりたい。 何者かになれるのではないか? そう思ったことはありますか? 1人でもそんな人がいるのであれば、 この物語はあなたのために存在します。
  • 夜明けの花園
    3.8
    1巻1,716円 (税込)
    「ゆりかご」か「養成所」か、はたまた「墓場」か。 累計100万部突破! 「理瀬」シリーズ初短編集 ゴシック・ミステリの金字塔。 湿原に浮かぶ檻、と密やかに呼ばれていた全寮制の学園。 ここでは特殊な事情を抱える生徒が、しばしば行方を晦ます。                ヨハンの隠れた素顔、校長の悲しき回想、幼き日の理瀬、黎二と麗子の秘密、 月夜に馳せる聖、そして水野理瀬の現在。                             理瀬と理瀬を取り巻く人物たちによる、幻想的な世界へ誘う六編。 ・水晶の夜、 翡翠の朝 ・麦の海に浮かぶ檻 ・睡蓮 ・丘をゆく船 ・月触 ・絵のない絵本
  • 地ごく
    4.0
    1巻1,716円 (税込)
    「死んだ方がましのくせになぜ生きているのか不思議な底辺が、将来そうなるであろう若いだけの同じ底辺によって苦しめられている」と同じ団地の住民を見下す久野。自身の惨めさを糊塗するために、現状から抜け出せない人々を定点観測するだけに飽き足らず、土井という老人を弄ぶ手段を考え、実行することに生きがいを見出していた。ところがある日土井から相談を持ちかけられて……。表題作を含め、自らの毒に冒されたい人に向け描かれた短編集。
  • 十戒
    3.8
    1巻1,716円 (税込)
    殺人犯を見つけてはならない。それが、わたしたちに課された戒律だった。 浪人中の里英は、父と共に、叔父が所有していた枝内島を訪れた。 島内にリゾート施設を開業するため集まった9人の関係者たち。 島の視察を終えた翌朝、不動産会社の社員が殺され、そして、十の戒律が書かれた紙片が落ちていた。 “この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなかった場合、島内の爆弾の起爆装置が作動し、全員の命が失われる”。 犯人が下す神罰を恐れながら、「十戒」に従う3日間が始まったーー。 週刊文春ミステリーベスト10(「週刊文春」2022年12月8日号)国内部門&MRC大賞2022など4冠に輝き、ミステリ界を震撼させた『方舟』夕木春央、待望の最新作!
  • うるうの朝顔
    3.6
    1巻1,716円 (税込)
    第17回小説現代長編新人賞受賞作! ーー1秒が、あなたを変える。必要なのは「1粒の種」。 奇跡の花と不思議な青年をめぐる、再生の物語。 綿来千晶は、息子に手を上げた夫と離婚したばかりで鬱々とした日々を過ごしていた。彼女は、偶然入った霊園事務所で日置凪という青年に出会う。親しみやすく価値観の合う凪に、ぽつぽつと悩みを打ち明ける千晶。すると彼は「ひとつだけ、おとぎ話をさせてください。」と「うるうの朝顔」という不思議な朝顔の種を取り出した。 なんでもその花を咲かせると、現実とはほんの少しだけ変わった過去をもう一度体験でき、その瞬間から始まっていた心の「ズレ」が直るという。その夜、千晶には、姉が父に殴られた日の記憶がよみがえり……。
  • 「死ね、クソババア!」と言った息子が55歳になって帰ってきました
    3.5
    1巻1,716円 (税込)
    息子「俺、離婚することにしたから。今日からここに住むわ」 母「ええっ!? 離婚!?」 後期高齢母と初老の息子。突然始まった二人暮らし、そして二人旅。笑いと涙のハイエイジ・エンターテインメント! 75歳、両親が遺した鎌倉の家に一人暮らしの晴恵。 一人息子の達彦は、大学進学をめぐる意見の食い違いから「死ね、クソババア!」と捨て台詞を残して家を出て以来、ほとんど音信不通。 終活を意識し始めた晴恵の元に、55歳になった達彦が突然、非の打ちどころのない嫁を捨てて帰ってきた! 離婚原因は? これからどうするつもり? 聞きたいことは山ほどあるのに言い出せないまま始まった母子生活。 おっかなびっくり息子の胸の内を探り、嫁を訊ねて探偵よろしく事情を聞くが埒はあかずーー そんな中、ひょんなことから息子と二人で九州旅行に行く羽目に。後期高齢者の母と初老の息子、果たしてその行く末は。 母と息子のドタバタ、高齢者あるある、そして最後はほろりと泣ける すべての親子に贈る物語
  • オール・ノット
    3.4
    1巻1,716円 (税込)
    今度の柚木麻子は何か違う。 著者の描く3歩先の未来にあるのは、ちょっとの希望とささやかな絆。 ~~~~ 友達もいない、恋人もいない、将来の希望なんてもっとない。 貧困にあえぐ苦学生の真央が出会ったのは、かつて栄華を誇った山戸家の生き残り・四葉。 「ちゃんとした人にはたった一回の失敗も許されないなんて、そんなのおかしい」 彼女に託された一つの宝石箱が、真央の人生を変えていく。 「大丈夫だよ。オール・ノットの真珠にすれば。あんたみたいながさつな子も。これは絶対に切れない、そういうつなぎ方をしているんだよ」 「え、オール・ノットって、全部ダメだって意味じゃなかったっけ?」 「全部ダメって意味もあるけど、全部ダメってわけでもない、っていう意味もあるんだよ。そうだよ。全部ダメってわけじゃないんだよ。なにごとも」
  • 私のことだま漂流記
    4.1
    1巻1,716円 (税込)
    すがすがしく力強い声がする。 この先、人間として小説家として迷ったとき、 私はこの本の言葉に奮い立たされることになるだろう。 ーー宇佐見りん 山田詠美は常に今を生きている。それも常に今に迎合せずに。 だからこそ、誰よりも文学を愛した少女は、誰よりも文学に愛される作家となったのだ。 ーー吉田修一 初めて「売文」を試みた文学少女時代、挫折を噛み締めた学生漫画家時代、高揚とどん底の新宿・六本木時代、作家デビュー前夜の横田基地時代、誹謗中傷に傷ついたデビュー後、直木賞受賞、敬愛する人々との出会い、結婚と離婚、そして…… 積み重なった記憶の結晶は、やがて言葉として紡がれる。「小説家という生き物」の魂の航海をたどる本格自伝小説。 私は、この自伝めいた話を書き進めながら、自分の「根」と「葉」にさまざまな影響を及ぼした言霊(ルビ:ことだま)の正体を探っていこうと思う。 ーー山田詠美
  • 此の世の果ての殺人
    3.8
    1巻1,716円 (税込)
    第68回江戸川乱歩賞受賞作。 史上最年少、選考委員満場一致。 「大新人時代」の超本命! 本格ミステリーの骨法もよく心得ている――綾辻行人 特A、もしくはA+、もしくはAA――月村了衛 二人の女性のバディ感が最高に楽しい――柴田よしき 極限状況で生きてゆくひとが、愛しくなる――新井素子 非日常を日常に落とし込む、その手捌きは実に秀逸である――京極夏彦 ―滅びゆく世界に残された、彼女の歪んだ正義と私の希望 正義の消えた街で、悪意の暴走が始まったー 小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。小さな夢を叶えるために。年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多刺しにされた女性の死体を発見する。教官で元刑事のイサガワとともに、地球最後の謎解きを始める――。
  • セカンドチャンス
    3.8
    1巻1,716円 (税込)
    50歳を過ぎても、敗者復活の大逆転! 麻里、51歳。長い介護の末母親を見送った。 婚期も逃し、病院に行けばひどい数値で医者に叱られ、この先は坂を下っていくだけと思っていたが……。 親友・千尋の「自分ファーストにしな。一生、利用されっぱなしで終わるよ」で一念発起。 水泳教室に飛び込んだら、人生がゆるゆると転がり出した。 ほろ苦く、やがて元気の出る応援歌 謎の上級者・伊津野「あたしさぁ、命かけてんだよね、全国大会に」 イケメン・イケボディの岸和田コーチ「タイムから言えば、俺が社長だ!!」 元文芸編集者・古矢「接待接待で太って、デブキャラに」 人生、まだまだ捨てたもんじゃない。
  • シナプス
    4.3
    1巻1,716円 (税込)
    覚醒するんだ、わたしーー。 常識、嫉妬、欲望、理想etc. 今の自分を束縛するものと訣別したとき、世界が変わる! 『アイドル、やめました。』『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』の著者が描く、 悩みながらも一歩前へ進もうとする人々全てに捧げる応援小説。 【収録作】(全四話) 「シナプス」幼い頃から心の支えだった作家・宮原の担当編集者になった塔子は、彼との不倫関係が会社にバレて退職を選択する。新天地の週刊誌編集部で待っていた過酷な現実とは? 「風俗嬢A」花屋でバイトをしながら人気女優を目指す31歳の紗英は、同業の彼氏とも崩壊の危機。そんな崖っぷちな彼女に与えられた役は、名もなき風俗嬢だった。 「MILK」営業成績優秀ながら、部下の俊太郎と報われない恋を続ける楓。心に傷を負った彼女が目にしたのは、レズビアン風俗のサイトでーー 。 「海の見えるコールセンター」有名映画プロデューサーとの不倫をスクープされたアイドル・早瀬マリカは、引退後、新潟で平凡な暮らしを送っていたはずだった。しかし、そこにも週刊誌の魔の手は伸びて......。
  • 原因において自由な物語
    3.7
    1巻1,716円 (税込)
    謎を解かなければ。 私は作家なのだから。 人気作家・二階堂紡季には、 誰にも言えない秘密があった。 露呈すれば、すべてを失う。 しかし、その秘密と引き換えにしても、 書かねばならない物語に出会ってしまい――。 デビュー作『法廷遊戯』が、ミステリランキングを席捲! 注目の弁護士作家第3作! 装画/junaida
  • 万延元年のフットボール
    4.5
    友人の死に導かれ夜明けの穴にうずくまる僕。地獄を所有し、安保闘争で傷ついた鷹四。障害児を出産した菜採子。苦渋に満ちた登場人物たちが、四国の谷間の村をさして軽快に出発した。万延元年の村の一揆をなぞるように、神話の森に暴動が起る。幕末から現代につなぐ民衆の心をみごとに形象化し、戦後世代の切実な体験と希求を結実させた画期的長篇。谷崎賞受賞。
  • 俳句歳時記
    -
    季語1800・例句8600を収録。季語の説明は滋味にあふれ、作句にすぐ役立つよう、使い方の要領も随所に述べる。また四季それぞれの自然や風俗、生活などの相違が分かるよう、佳句を厳選。愛好者、入門者ともに、作句が上達し、俳句の楽しさが味わえる。
  • あぶない刑事 1990
    -
    1巻1,705円 (税込)
    「帰ってきたあぶない刑事」2024年5月24日公開 新作書き下ろし 定年を間近に控えた近藤課長に迫る危機! タカ&ユージ、そしておなじみの港署メンバーが、90年代の横浜を駆け抜ける。 【著者】:柏原寛司 1949年、東京都生まれ。脚本家、映画監督。一般社団法人シナリオ作家協会会長、日本シナリオ作家協会副理事長を歴任。日本大学芸術学部在学中に『クレクレタコラ』の脚本でデビュー、97年には映画『猫の息子』で監督デビューを果たす。「あぶない刑事」「探偵物語」「西部警察」「太陽にほえろ」など多数の脚本を担当。また、アニメ「ルパン三世」「キャッツアイ」「名探偵コナン」なども手掛けている。
  • 新装版 BT’63 上下合本版
    5.0
    1巻1,705円 (税込)
    父が遺した謎の鍵を手にすると、大間木琢磨の視界に広がるのは、40年前の風景だった。若き日の父・史郎が体験した運送会社での新事業開発、秘められた恋……。だが、凶暴な深い闇が史郎に迫っていた。心を病み妻に去られた琢磨は自らの再生をかけ、現代に残る父の足跡を調べる――。父と息子の感動長編。 「物語」のすべてが Back To 現代から過去へ 父から息子へ 記憶の鍵 喪失と再生 崩壊する家庭 新装版 上下合本版
  • 怪人デスマーチの退転
    3.8
    1巻1,705円 (税込)
    初代怪盗フラヌールが盗んだ1冊の書物。豪華絢爛。異形で異質。再現不可能。金箔製の繊細を極めた書物が、2代目怪盗フラヌールこと、あるき野道足のターゲットだ。しかし、返すべき製作者とその妻が何者かに殺されていたことが判明し、名探偵・涙沢虎春花と待葉椎警部補がフラヌ―ルを追う。怪盗フラヌールの返却行程の行きつく先は? 衝撃の怪盗ミステリー、早くも第2弾登場!
  • 不思議の国のアリス 鏡の国のアリス
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』が1冊に! 楽しくて不思議なふたつのアリスの物語を 60点を超える、イメージ豊かな北澤平祐の挿絵とともにお届けします。 <中学生以上の漢字にルビつき>
  • 汝、星のごとく
    4.7
    1巻1,705円 (税込)
    ☆2023年本屋大賞受賞作☆ 【第168回直木賞候補作】 【第44回吉川英治文学新人賞候補作】 【2022王様のブランチBOOK大賞】 【キノベス!2023 第1位】 【第10回高校生直木賞候補作】 【ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2022 第3位】 【今月の絶対はずさない! プラチナ本 選出(「ダ・ヴィンチ」12月号)】 【第2回 本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞 ノミネート】 【未来屋小説大賞 第2位】 【ミヤボン2022 大賞受賞】 【Apple Books 2022年 今年のベストブック(フィクション部門)】 などなど、賞&ノミネート&ランクイン多数! その愛は、あまりにも切ない。 正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。 本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。 ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。 風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。 ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。 生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。 ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。
  • 赤毛のアン
    4.5
    緑の切妻屋根の家、グリン・ゲイブルスを舞台に、 アンが大まじめで引き起こす大騒動が、みんなをしあわせに! 1952年、村岡花子によってはじめて日本に紹介された『赤毛のアン』。 親子3代で人気のある村岡花子の美しい訳が、邦訳70周年の2022年、これから読み継ぎたい改訂版となりました。 <中学生以上の漢字にルビつき>
  • ホサナ
    -
    1巻1,705円 (税込)
    愛犬家が集うバーベキューパーティーが、すべての始まりだった。私と私の犬は、いつしか不条理な世界に巻き込まれていく。 「君はどんな世界を作りたいんだ」 「俺はどんな世界も作りたくない。どんな世界も作らないことが俺の目標だよ。ほおっておくと世界が作られてしまうからな」 「なにを言っているのかまったくわからない」 「いけばわかるよ。真の栄光、真のバーベキューについても」(本書より) 迷える民にもたらされた現代の超約聖書。 町田康の新たな代表作。 人間の根源を問う傑作大長編小説。 私たちを救ってください。
  • 若草物語 1&2
    4.2
    メグ、ジョー、ベス、エイミーの仲良し四姉妹の毎日をえがいて、世界中で150年以上ものあいだ愛されている『若草物語』。 オルコットは、四姉妹の子どもたちの代が活躍する『第四若草物語』まで、全部で4つの「若草物語」を残しています。 今回、子どもも大人も楽しめる愛蔵版として、 四姉妹がそれぞれのパートナーを見つけ、自立していくまでを描いた2巻までの内容を1冊におさめました。 読みやすさで人気のある谷口由美子の美しい訳、 気鋭のイラストレーター北澤平祐と人気の装丁家・中嶋香織とによる、 クラシカルかつ可愛い装丁で、名作がよみがえります。 プレゼントにも、自分で持っているにも、ぴったりの一冊です。 【収録作品】 『若草物語1』 「プレゼントなしのクリスマス」にため息をつくのは、メグ、ジョー、ベス、エイミーの仲よし4姉妹。 大好きなお父さまも、南北戦争へ。そんなちょっぴりさびしいクリスマスで幕をあける、涙と笑いと愛に満ちた1年間の物語。 おとなりに住む小さな紳士、ローリーといっしょに、あなたもゆかいなマーチ家の姉妹と、どうぞお近づきになってください。 『若草物語2』 『若草物語』の物語に幕がおりてから3年後。あのマーチ家の四姉妹、メグ、ジョー、ベス、エイミーのつづきの物語がはじまります。仲よし姉妹の小さな事件や意外な結婚、そして、悲しい別れ……。 ごくふつうの毎日につまった幸せの見つけ方がここにあります。 <中学生以上の漢字にルビつき>
  • 原爆を見た少年(上)
    -
    1~2巻1,705円 (税込)
    脳の血管病を持つ広島の崩壊家庭に育った少年・ヒカル。その命を救った脳血管外科のパイオニアの老医師・火男。命は救われたものの、天涯孤独となったヒカルは高校をドロップアウト。一方、医療崩壊といわれるすさんだ医療現場での仕事に燃え尽きた火男は、故郷の長崎に帰る途中の三原で、偶然、ヒカルと再会する。そのふたりの前に建つ、1597年に殉教した二十六聖人の一人、トマス小崎の像。その二十六聖人に導かれるようにふたりの長崎への旅が始まる。とともに長崎に旅して、<時>について思いを巡らせ、1年かけて殉教と原爆について学ぶ。そして、生命の実相に触れることで心を被っていた殻が破られてゆく……。
  • 子ども狼ゼミナール 本格短編ベスト・セレクション
    3.0
    小説◎水底の鬼 岩下悠子ボールが転がる夏 山田彩人狼少女の帰還 相沢沙呼フラッシュモブ 遠藤武文あれは子どものための歌 明神しじまディテクティブ・ゼミナール 第三問 ウェアダニット・マリオネット 円居挽 黄泉路より 歌野晶午紙一重 深山亮犯人は私だ! 深木章子評論◎本邦ミステリドラマ界の紳士淑女録 千街晶之
  • 九鬼周造 理知と情熱のはざまに立つ〈ことば〉の哲学
    4.0
    独自の思索を展開した哲学者・九鬼周造(1888-1941年)。その波乱に満ちた生涯をたどりながら、「〈ことば〉の哲学」をキーワードにして、全主要著作を読み解く。『「いき」の構造』(1930年)、『偶然性の問題』(1935年)、『文芸論』(1941年)といった多彩な著作を貫くものとは? 日本哲学研究の第一人者である著者が、若き日から耽溺してきた不世出の哲学者に抱く深い想いを今ついに解き放つ。
  • 神なるオオカミ 上
    4.3
    1~2巻1,705円 (税込)
    文化大革命時代、北京の知識青年・陳陣(チェンジェン)は内モンゴルのオロン草原に下放され、現地の古老・ビリグのもとで羊飼いをはじめた。天の教えを守り、草原とともに生きる遊牧民の暮らしに魅せられていく陳陣。やがて、かれの興味は、遊牧民の最大の敵でありながら、かれらの崇拝の対象であるオオカミへと向かう。オオカミにのめりこんでゆく陳陣は、自らの手でオオカミの子を捕らえ、飼うことを夢見るのだが……。
  • 猿の戴冠式
    3.9
    1巻1,672円 (税込)
    ある事件以降、引きこもっていたしふみはテレビのなかに「おねえちゃん」を見つけ動植物園へ向かう。言葉を機械学習させられた過去のある類人猿ボノボ”シネノ”と邂逅し、魂をシンクロさせ交歓していく――”わたしたちには、わたしたちだけに通じる最強のおまじないがある”。 幻想と現実が互いに侵蝕していく圧倒的筆致。 人間存在の根源的な闇に光をあてる”唯一無二の才能”。
  • きこえる
    3.8
    1巻1,672円 (税込)
    あなたの「耳が」推理する。「音」が導く真相に驚愕する。 読者を1ページ目から未知の世界へ連れて行く。 謎が「きこえて」くる。 衝撃が、あなたの耳に直接届く。 物語×音声。小説を立体的に体感する、まったく新しい「謎解き」の新体験型エンタメ、誕生! 突然死んでしまったシンガーソングライターが残した「デモテープ」。 家庭に問題を抱える少女の家の「生活音」。 何十年ぶりに再開した二人の男の「秘密の会話」。 夫婦仲に悩む女性が親友に託した「最後の証拠」。 古い納屋から見つかったレコーダーに残されていた「カセットテープ」。 私たちの生活に欠かせない「音」。 すべての謎を解く鍵は、ここにある。 ※本作は、音声と小説を融合させた誰も経験したことのない「体験型ミステリ」です。小説を読み進めると、作中の様々なタイミングで「二次元コード」が登場します。そのコードを読み取り、音声を再生してください。それはあなたを新しい世界に連れて行ってくれる「音」です※
  • 嘘をついたのは、初めてだった
    3.6
    1巻1,672円 (税込)
    大ヒット作『黒猫を飼い始めた』につづくMRC発29のショートストーリーズ。 書き出しの一行は全員「嘘をついたのは、初めてだった」。 でもそこからあとは、十人十色、二十九人二十九色。 恋も裏切りも、グルメも猫の手も、全部あります。 (執筆者一覧・50音順) 青羽悠 赤川次郎 芦沢央 阿月まひる 阿部暁子 彩坂美月 五十嵐律人 大山誠一郎 小川一水 小野寺史宜 柿原朋哉 河村拓哉 櫛木理宇 献鹿狸太朗 佐野徹夜 潮谷験 篠原美季 須藤古都離 高田崇史 竹本健治 夏川草介 波木銅 西尾維新 長谷敏司 柾木政宗 真下みこと 三津田信三 矢部嵩 吉川トリコ
  • 星を編む
    4.7
    1巻1,672円 (税込)
    ☆2023年本屋大賞受賞作 シリーズ最新作☆ 第20回本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』続編 花火のように煌めいて、 届かぬ星を見上げて、 海のように見守って、 いつでもそこには愛があった。 ああ、そうか。 わたしたちは幸せだった のかもしれないね。 『汝、星のごとく』で語りきれなかった愛の物語 「春に翔ぶ」--瀬戸内の島で出会った櫂と暁海。二人を支える教師・北原が秘めた過去。彼が病院で話しかけられた教え子の菜々が抱えていた問題とは? 「星を編む」--才能という名の星を輝かせるために、魂を燃やす編集者たちの物語。漫画原作者・作家となった櫂を担当した編集者二人が繋いだもの。 「波を渡る」--花火のように煌めく時間を経て、愛の果てにも暁海の人生は続いていく。『汝、星のごとく』の先に描かれる、繋がる未来と新たな愛の形。
  • トゥデイズ
    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    どこにでもある日常が、どうしてこんなに愛おしいんだろう。かけがえのない「今日」を描く、芥川賞・大江賞作家の最新作。 夫婦と5歳の息子が暮らす築50年の大型マンションに、今日もささやかな事件が降りかかる――。日本に「住む」すべての人へ、エールを送るマンション小説! 「しゅっ」「ぱーつ!」――5歳の息子コースケと僕たち夫婦は、今日も小さな冒険の旅に出る。子育てのため、郊外にある大規模マンション「Rグランハイツ」に引っ越してきた美春と恵示。管理組合の理事になった妻とリモートワークの夫は、築50年のマンションに集まり住む住人たちとともに、どこにでもあるけれど、かけがえのない日々を重ねていく。
  • ハジケテマザレ
    4.1
    1巻1,672円 (税込)
    バイト仲間のYouTuber彼氏を襲撃、先輩に誘われて初めてのクラブで爆踊り、激辛フェスで後輩のプロポーズをプロデュース…… 「普通は尊いし、普通は貴重だし、普通はむしろ普通じゃありません」 コロナで派遣切りにあった「私」は食い繋ぐためにイタリアンレストラン「フェスティヴィタ」に辿りつく。ベテランのマナルイコンビ、超コミュニカティブでパーリーピーポーのヤクモ、大概の欠点ならチャラになるくらいかわいいメイちゃん、カレーとDJに目覚めたフランス人のブリュノ、ちょっとうさんくさい岡本くん……バイト仲間との愉快で切実な日々を描いた作品集。 「ウルトラノーマル」なわたしが「ハジケテマザル」、最高のバイト小説!
  • 猫弁と狼少女
    4.5
    1巻1,672円 (税込)
    累計40万部突破、大人気「猫弁」シリーズ最新作! 冴えない容貌、天才的な頭脳……自分のことは後回しで人の幸せを第一に考える稀代のお人好し弁護士、百瀬太郎。 婚約者である大福亜子と同居中で、幸せをかみしめている。 猫がらみの脅迫事件の依頼を受けて調査中、未成年者略取の疑いをかけられて留置場に! 当番弁護士の、「透明人間」こと沢村透明以外との面会を断り、事件については黙秘を貫く百瀬。 警察から連絡ももらえず蚊帳の外に置かれた亜子は、百瀬を信じ切れるのか。 振り切った亜子がとった行動とは。 沢村透明のもとに武者修行に出ていた縁から一緒に百瀬のために奔走する直は、そのなかで自らの進む道を見つける。 七重と野呂は相変わらずの賑やかさで百瀬を信じ、支え、事務所を守っている。 百瀬は留置場でも法律相談会を開いている。 そして自らの過去を振り返る。 【百瀬太郎】という人間は、どうやって形成されたのかーー「猫弁エピソード0」とも言える作品です。 今まで「猫弁」を読んだことがない人でも大丈夫! 今作からでもお楽しみいただける、そんな優しくあたたかい作品です。
  • どうしようもなく辛かったよ
    3.3
    1巻1,672円 (税込)
    第17回小説現代長編新人賞受賞作 受賞時高校三年生。現在大学一回生。 選考委員絶賛! 一つずつの感情を丁寧に掬い上げて、かつ容赦なく紡いである。 ――朝井まかて 最後の場面に、時を超えて自分の中学生時代を思い出しました。 ――中島京子 若さの身勝手さ、残酷さ、幼さゆえの気取りまでをストレートに描ききっている。 ――凪良ゆう 思想があると感じさせられる。 ――宮内悠介 この物語には、心に突き刺さる得難いセンスがある。 ――薬丸岳 青春の輝きとそこにのびる影、苦み 「特別になりたい」「ルールを破りたい」少女たちの卒業までの日々が、始まった。 あらすじ 「特別になりたい」と願う中学生の若菜は、日々、バレー部での練習に明け暮れていた。しかし三年生になると、顧問の異動によってチームは大きく動揺してしまう。若菜の「ある提案」によって落ち着きを取り戻したチームは、最後の大会へ向かうのだが――。 夏から、少女たちは「それぞれの最終学年」に直面することになった。学業優秀な真希、学校を休み続ける愛美、裏と表をうまく使い分ける桜、ルールから逸脱することができないくるみ。部活というつながりを失った少女たちが隠してきた本心、我慢してきた関係性。少女たちの卒業までの日々が、始まった。
  • 元禄百妖箱
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    奇才が語る妖しき「元禄秘話」、「忠臣蔵」の裏側!――五代将軍・徳川綱吉、生母・桂昌院、側用人・柳沢保明は、狐に取り憑かれていた! 史上最悪の法令「生類憐れみの令」は、そのために発令されたのだ。のちに国学四大人のひとりに数えられた神官・羽倉斎は、それを知り、国を救うために将軍暗殺を企てる。気づいた吉良上野介は、暗殺者を討たんとするが、それを乱心と見た浅野内匠頭が、殿中で上野介に斬りかかる。かくして赤穂藩はおとりつぶしになってしまうのだが……。
  • 月夜行路
    3.9
    1巻1,672円 (税込)
    専業主婦の涼子は、冷え切った夫との関係や言うことをきかない二人の子どもとの生活に、疲労感と閉塞感を覚えていた。45歳の誕生日を明日に控えた深夜、書籍編集者の夫に女性から一本の電話がかかってきた。「小説家の重原宗助先生からの仕事が入った」と家を出てしまう夫。我慢の限界に達した涼子は、家を飛び出す……。涼子が向かった先は、夫の愛人ホステスが勤めるクラブの入ったビル。1階のBAR「マーキームーン」に入ると、文学好きの美しいママが話しかけてくる。性別は男だというママは、涼子の悩みや素性を鋭い洞察力と推理力で言い当ててしまう。涼子がママに夫の愚痴を話すと、唯一の「良い思い出」である大学時代の彼氏・カズトにもう一度会おうと、旅に出ることになる。
  • 不実在探偵の推理
    3.8
    1巻1,672円 (税込)
    いつだって僕は彼女の助手だ。目には見えない、“名探偵”の彼女の。 マンション内で女性が毒死した。その手に藍の花を強く握りしめて。 殺人か、それとも自殺か。 立て続けに、彼女の恋人も自殺を図る。 途方に暮れた刑事の百鬼は、烏丸とともにある“名探偵”を頼りにいくーー。 Q.藍の花を握って恋人が死んだのを聞かされた男が自殺したのはなぜか 謎はすべて解けている。あとはその名探偵の推理を知るだけだ。 目に見えない彼女と会話をするには、サイコロをふる。出た目が1なら「はい」、2なら「いいえ」、3なら「わからない」。 質問を重ねて、真実に辿り着け。 新感覚の水平思考×ミステリー!
  • ニケを殺す
    3.0
    1巻1,672円 (税込)
    妻が事件に巻き込まれたあの日から、俺の時間は止まった。意識を取り戻さない彼女がひた隠していた暗い運命とは。焼失していたはずの古代彫刻「ニケ」――勝利の女神の魅力に翻弄される人間たちを描く物語。
  • 殺戮の狂詩曲
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    累計50万部突破、リーガルミステリーの最高峰「御子柴弁護士」シリ―ズ。 【偽善という言葉から、これほど遠い小説はない】 高級老人ホームで発生した、令和最悪の凶悪殺人事件。好人物を装っていた介護職員の心中に渦巻く邪悪。最低な被疑者への弁護を名乗り出た悪評塗れの弁護士・御子柴礼司が、胸に秘める驚愕の企みとは?  ミステリーという技法を用いることによってのみ可能な、命あるものへの賛歌である。―杉江松恋(文芸評論家) ドラマ「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲」原作「御子柴弁護士」シリーズ、第6弾。 ●御子柴礼司(みこしば・れいじ) 本シリーズの主人公。14歳の頃、幼女を殺害しその遺体を解体してばら撒き〈死体配達人〉と世間から呼称される。少年刑務所を経て、高額の報酬を得ながら、検察の見立てを次々ひっくり返す悪徳弁護士となる。
  • 合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明
    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    あの美人探偵・上水流涼子が帰ってきた!頭脳明晰・貴山を助手に、今回も知略と美貌を武器に、難事件をズバッと解決!
  • 夜のだれかの岸辺
    3.1
    1巻1,672円 (税込)
    「毎晩、添い寝してほしい、ついでに朝ごはんもいっしょに食べてほしい」 19歳の春、茜は89歳のソヨミに雇われ、風変わりなアルバイトを始めた。 Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞の『あなたに安全な人』に続く最新作。 「当時の私は大学にはゆかず浪人しているわけでもなく、漠然と、映画に係る仕事をしてみたい、と望んではいたものの、 憧れる都心のミニシアターのバイトに応募しては履歴書で落とされていた。 ひと月でおよそ九万円。家の食費も浮く。妥当な金額に思えた添い寝を、試してみることにした。」(本書より)
  • 漂流都市
    3.6
    1巻1,672円 (税込)
    家電量販店売上高ナンバー1を目指すR電器は、未開の地であったK市へ出店をすることとなった。 しかしK市は、轟家電という量販店が一強となり、R電器の参入を許さない状況だった。 轟家電はK市の人口の多くを占める老人に対して細やかな接客対応をするとともに、どうやら街全体で老人の生活サポートを行うことで客を逃がさないようにしているようだ。 轟電器、そしてK市に潜む壮絶な事実とは一体ーー!?
  • 老害の人
    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く「高齢者小説」第4弾! 定年、終活、人生のあとしまつ……。 自分のこと、親のこと、いずれは誰もが直面する「老後」。 「最近の若い人は……」というぼやきが今や「これだから『老害』は」となってしまった時代。 内館節でさらなる深部に切り込む!
  • 方舟
    4.3
    1巻1,672円 (税込)
    週刊文春ミステリーベスト10国内部門第1位! MRC大賞2022第1位! 9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。 翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。 そんな矢先に殺人が起こった。 だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。 タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。
  • 遠い指先が触れて
    3.6
    1巻1,672円 (税込)
    「一緒に、失くした記憶を探しに行こう」。彼女の言葉で、僕らの旅は始まった。 過去を奪うものたちに抗い、ままならない現在を越えていく、〈愛と記憶〉をめぐる冒険。 デビュー作『鳥がぼくらは祈り、』、芥川賞候補作『オン・ザ・プラネット』を超える、鮮烈な飛躍作! 「ねえ、覚えてる?」--両親を知らずに育ち、就職した僕〈一志〉のもとに、見知らぬ女性が訪れる。 〈杏〉と名乗る彼女は忘れていた過去を呼び起こし、僕の凡庸で退屈な日常が変化していく。 〈不可視のシステム〉に抵抗し、時間の境界を越える恋人たちの行方は――?
  • クローゼットファイル 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介
    3.9
    1巻1,672円 (税込)
    隠しても隠せない。服がすべてを自白してしまう。真犯人も、知りたくなかった過去も。 こんな解決見たことない! 迷宮入り事件を次々に看破する仕立屋探偵が挑む、6つの事件。 捨て子の着衣のリメイク痕、女子高生の制服の不自然なシワ、饒舌に語り出すヴィンテージ生地ーーこの男には、人に見えない真相が見える。 大好評『ヴィンテージガール』に続く、仕立屋探偵・桐ヶ谷京介の事件簿! 桐ヶ谷京介 名だたるハイブランドと職人、町工場とのマッチングを行う服飾ブローカー。服飾と美術解剖学の達人。共感度が高すぎて涙もろい。 水森小春 ヴィンテージショップ店長にして人気ゲーム実況配信者。骨董の知識で桐ヶ谷に協力する。外見と裏腹に毒舌かつド直球。 南雲隆史 桐ヶ谷の能力を借りて迷宮入り事件の再捜査を行う、杉並警察署のベテラン警部。 八木橋充 杉並警察署で未解決事件捜査に当たる巡査部長。ゲーム実況者小春の大ファン。
  • 短篇七芒星
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    僕の両目は舞城王太郎の言葉を駆け抜けるためにある。                 ーー木下龍也(歌人) 遠くで小さく光るあの七つ星は世界が爆発して出来た超新星。 ドカンって音は、読み終わるころにやってくる。 言葉が並んで爆発した星を、七つ並べてもっかいドカン! <収録作> 奏雨 「人は空想なんかしない。連想するんだ」と雨の日の名探偵。 狙撃 俺はマークスマン。弾は当たる。時々消える。 落下 「や…ヤブヘバス!」と父が慌てふためき、飛び降りは続く。 雷撃 積乱雲と呼ばれた女の子。石につきまとわれる男の子。 代替 俺がお前になって、お前はどこいったんだよ? 春嵐 ストーミー・エヴリデイが素敵な散歩を招くまで。 縁起 妻の海の邪悪な豚が息子をさらいにやってくる。
  • 爆発物処理班の遭遇したスピン
    4.1
    1巻1,672円 (税込)
    第165回直木賞作家 異次元レベルの最新短編集 創造と破壊のエンタングルメント この面白さ、解除不能 「ミステリ×SF×怪物」が開くのは「世界」の扉 小説の最前線、ここから前人未到、読み逃し厳禁 きっとアナタも究中毒になる― 爆発物処理班の遭遇したスピン…鹿児島県の小学校に、爆破予告が入る。急行した爆発物処理班の駒沢と宇原が目にしたのは黒い箱。処理を無事終えたと安心した刹那、爆発が起き駒沢は大けがを負ってしまう。事態の収拾もつかぬまま、今度は、鹿児島市の繁華街にあるホテルで酸素カプセルにも爆弾を設置したとの連絡が入った。カプセルの中には睡眠中の官僚がいて、カバーを開ければ即爆発するという。さらに同時刻、全く同じ爆弾が沖縄の米軍基地にも仕掛けられていることが判明。事件のカギとなるのは量子力学!? 他に、日本推理作家協会賞短編部門候補「くぎ」、「ジェリーウォーカー」「シヴィルライツ」「猿人マグラ」「スマイル・ヘッズ」「ボイルド・オクトパス」「九三式」を収録。 あなたは、物語の転換点に立たされる
  • オリーブの実るころ
    3.8
    1巻1,672円 (税込)
    「恋のライバルは、白鳥だった!?」ある夫婦とコハクチョウの三〇年以上にわたる不思議な生活を描く「ガリップ」、斜向かいに越してきた老人の壮絶な愛の遍歴を綴った「オリーブ」など、結婚をめぐる不思議でちょっぴり幻想的な六つの短編集。吉川英治文学賞 受賞後第一作。
  • 競争の番人
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    弱くても戦え! 『元彼の遺言状』著者、注目の新鋭が放つ面白さ最高の「公取委」ミステリー。 ウェディング業界を巣食う談合、下請けいじめ、立入検査拒否。市場の独り占めを取り締まる公正取引委員会を舞台に、凸凹バディが悪を成敗する! 公正取引委員会の審査官、白熊楓は、聴取対象者が自殺した責任を問われ、部署異動に。東大首席・ハーバード大留学帰りのエリート審査官・小勝負勉と同じチームで働くことになった。二人は反発しあいながらも、ウェディング業界の価格カルテル調査に乗り出す。数々の妨害を越えて、市場を支配する巨悪を打ち倒せるか。ノンストップ・エンターテインメント・ミステリー! 「デビュー2年目の勝負作です。わくわくドキドキ、ちょっぴり身につまされ、不思議と力が湧いてくる。理屈抜きで面白い王道エンターテインメントを目指して書きました。エンタメの幕の内弁当、どうぞ召し上がれ!」―新川帆立
  • 奇跡
    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    男は世界的な写真家、女は梨園の妻ーー 「真実を語ることは、これまでずっと封印してきました」 生前、桂一は博子に何度も言ったという。 「僕たちは出会ってしまったんだ」 出会ってしまったが、博子は梨園の妻で、母親だった。 「不倫」という言葉を寄せつけないほど正しく高潔な二人ーー。 これはまさしく「奇跡」なのである。 私は、博子から託された”奇跡の物語”をこれから綴っていこうと思う。 数々の恋愛小説を手掛けた林真理子が、一生に一度、描かずにはいられなかった特別な愛の物語。 38年ぶりの書き下ろし!
  • R.I.P. 安らかに眠れ
    3.8
    1巻1,672円 (税込)
    優しかった兄が、三人もの自殺志願者を殺めた――。世間から極悪人と糾弾される村瀬真也。連続凶悪事件を犯した兄が語り始める不可解な動機を解き明かそうと、妹の薫子は奔走するが、一線を越えてしまった真也の「知らなかった一面」に衝撃を受ける。自殺志願者を次々殺めた男の告白から見えてきた真実とは――。行きすぎた正義と、無関心な親切は、どちらが正しいのだろうか。誰もが目を逸らしたくなる問題に、著者自身も懸命に向き合い書き下ろした長編小説。
  • パラソルでパラシュート
    3.8
    1巻1,672円 (税込)
    企業の受付に勤める29歳の美雨は、人生に惑い、未来にも漠然とした不安を抱えていた。そんな中で出会った、売れないお笑い芸人、亨。彼が気になり始める美雨だったが、ままならない恋愛事情は、亨の相方との「奇妙」な三角関係に発展し……。
  • スーパーエンジェル
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    全知全能のアルゴリズム=マザーに支配され、 生まれながらに階級で選別されて生きる人類。 異端の少年と中古アンドロイドが世界を変えるSF冒険物語 総合プロデュース・指揮:大野和士 台本:島田雅彦 作曲:渋谷慶一郎 子どもたちとアンドロイドが創造する、まったく新しいオペラを小説化! 何も知らない人はいう。パンドラの箱を開けるなと。でも蓋は開けるためにあるんだよ。 希望はここにしかないんだよ。 ある学園の卒業式。卒業生たちは15歳になると適性検査で選別され、全知全能AI「マザー」の管理下に置かれる。 アキラは判定により開拓地に送られることになり、教育係のヒューマノイド型AI「ゴーレム3」と出会う。 ゴーレム3はアキラとの深い心の交流を通じ、恋の切なさや夢見る力を感じとりながら、 世界の秩序を覆す、とてつもないものを創り出そうとしていた――。
  • 最後の挨拶 His Last Bow
    3.8
    1巻1,672円 (税込)
    いつか、ここに、遠くに、存在した誰か。 言葉によって、わたしたちは出会える。 ――柴崎友香さん推薦 シャーロック・ホームズの翻訳者だった父が倒れ、四姉妹の末っ子リブロは家族の歴史をたどりなおす。 時空を超えて紡がれる、風変りでいとしいファミリー・ストーリー。 「そこでは、もうとっくのむかしに死んでしまった人たちが、みんな生きていた。リブロの目の前、ここに、生きていた。」 百年前のロンドンから、戦争と震災をへて現在まで、家族の記憶とホームズの物語が鮮やかに交錯する――。 無数の喪失を超えて生き続ける言葉の奇跡を描く、注目作家・小林エリカの最新傑作小説。
  • 風致の島
    4.2
    1巻1,672円 (税込)
    東南アジアでの巨大リゾート開発推進のため日本のスーパーゼネコンから現地役員として「島」に乗り込んでいた青木は、資金として投入された莫大な裏金の一部を着服して会社を離れ、計画が頓挫した後も島で隠遁生活を送っていた。現地で飼い殺しにされている元同僚の西村から、カジノを中心とする新たな開発計画の存在を聞いた青木は、その利権に食い込むため動き出す。 一方で青木は、島の男の二番目の妻になっていた日本人の女ミチコを「飼って」いた……。 金、酒、官能、暴力、逆転に次ぐ逆転……すべてが“過剰”な物語。
  • 論語知らずの論語読み
    4.5
    論語をダシに奇人変人作家仲間を独特の文章でつづる名随筆――二千数百年前の中国の古典『論語』。余りにも有名であるけれど、きちんと読んだ人は、どのくらいいるだろう。ならば、孔子にならい、我流の読み方をしてみようと、阿川弘之が、悪友・遠藤周作、三浦朱門、吉行淳之介、北杜夫らとの珍談奇行の交友録をまじえて、世相風俗万般をにがりのきいた独特のユーモアでつづった快エッセイ。論語を知らない人も、ちょっと論語を楽しめる1冊。
  • 槐多の歌へる 村山槐多詩文集
    -
    夭折の天才画家の迸(ほとばし)る詩魂 個性主義芸術の時代あるいは生命主義芸術の時代と呼ばれた一九一〇年代に、彗星のごとく画壇にデビューし、二十二歳で早世した天才画家・村山槐多。彼は生得の詩的才能にも恵まれていた。人生と社会の矛盾に打ち拉(ひし)がれながらも、野生の生命力の回復を希求する詩魂は、鮮烈な色彩感覚と結びつき独自の世界を構築した。放浪、デカダンスのうちに肺患により短い生を駆け抜けた槐多の詩、散文詩、短歌、小説、日記を精選収録。 酒井忠康 時代の一隅を、嵐のなかで哮(たけ)り狂ったように、その野性的ともおぼしき詩魂の光を放って、彼は疾走した。そして燃え尽きたのである。――〈「解説」より〉
  • 雲雀の巣を捜した日
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    すさまじき小説家が作り事でない想いを綴り忌憚なく心の内を覗かせる! 私小説を断筆するとした「凡庸な私小説作家廃業宣言」、「私の思想」から「死のやすらぎ」、そして「言葉について」……。作家の覚悟と矜持を示したエッセイ集。 ――私は三十八歳でふたたび東京へ来てから二十一年、ほとんどこの市九郎のごとき懺悔の執念で、私の私(わたくし)小説を書いて来ました。懺悔と言うのは、人間としてこの世に生れて来たことが、すでにそれだけで重い罪であるからです。(「凡庸な私小説作家廃業宣言」より)
  • 償いの流儀
    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    正義の鉄槌? なんて柄じゃないけど オレオレ詐欺に遭った「角のおばちゃん」の仇を取ろうと 証拠をつかんだ詐欺集団を匿名で警察に通報したつもりが、 逆に逮捕を逃れた残党に居場所を知られ、復讐の標的に。 背後の組織をつかみ切れない奈美が選んだ窮余の策とは? 企業のトラブル請負という仕事をめぐって最愛の恋人・雪江と師を続けて亡くした西澤奈美は心の整理がつかず空虚な日々を送っていた。そんな彼女が親しみを寄せるタバコ屋の上井久子がオレオレ詐欺に遭う。 久子を慰める術を持たない奈美だったが、自分が入居する雑居ビルのオーナーから隣のビルに入った怪しげな会社が詐欺集団ではないかという見立てを聞き、密かに証拠をつかみ匿名で警察に通報する。しかしその後、逮捕を逃れた残党の影がちらつき、たびたび襲撃を受けるように。 奈美は、彼女が育った児童養護施設の後輩で雪江を慕っていたという松井の協力を得て久子を騙した犯人を突き止め、ついには自ら拉致されて敵地に辿り着くという無謀な賭けに出る……。 満身創痍の西澤奈美、絶体絶命!
  • これはミステリではない
    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    「読者への挑戦状」――!! しかし、それは誰がためのものなのか? 「これまで僕が書いてきたなかでも最大級に歪(いびつ)」――竹本健治 ミステリ界の金字塔『匣の中の失楽』『涙香迷宮』の鬼才が放つ最新作! 香華大学ミステリクラブの夏合宿で悲劇は起きた! メンバーをモデルにした犯人当て小説「読んではいけない」の問題篇が披露された翌日、小説通りに湧き起こった濃霧のなかで、出題者は解決篇の原稿とともに消え去ってしまう。 偶然同じ施設に居あわせた「汎虚学研究会」の高校生たちも渦中に巻きこまれ、事件の謎に挑むことになるが、肝腎の探偵はやる気なく、誰彼なくおかしな夢を見るばかり――。 果たしてこの重構造の事件で問われているのは何か。そんな問いなどどこにもないのか。 ミステリ最大のタブーは快楽となり得るのか―― それともここにあるのは作家・竹本健治の終焉か!?
  • わたしは誰も看たくない
    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    埼玉でサラリーマンの夫、大学生の一人息子と暮らしている神崎穂乃果は、群馬の温泉街が故郷であり、実家は両親と妹が切り盛りしている小さな温泉宿だった。ある日、大動脈弁狭窄症で倒れた父はそのまま人工呼吸器をつけて意識不明の寝たきりとなる。パートで働いている穂乃果は父の介護を母と妹に任せるが、入院の期限で父を自宅に引き取るか施設に入れるよう病院から迫られた妹は、経管栄養を止めて父を餓死させる決断をする。妹の暴挙を止めるため実家へ帰った穂乃果だったが、姉妹の間には過去のある出来事に起因する深い確執があった。さらに、穂乃果の夫の母の自宅がゴミだらけの汚部屋になっていることが分かり、それぞれの家族はどのような決断を下すのか。現役ナースが現代の家族の問題に鋭く切り込む、書き下ろし長篇小説。
  • 犯人選挙
    3.6
    1巻1,672円 (税込)
    SNSで話題沸騰!密室殺人の犯人を「7つの選択肢」からセレクト。前代未聞! 犯人を自分で決めるミステリー!!『最後のトリック』『ミステリー・アリーナ』の著者による新たな挑戦。築30年の「大泰荘」で8人の大学生が共同生活を送っていた。ある朝、マッチョな男性住人が鍵のかかった自室において遺体で発見される。深夜には建物の玄関にチェーン錠がかけられるため、たとえ鍵を持っていても中には入れない二重の「密室」で誰が彼を殺したのか? 住人の誰もが怪しく、誰にも動機が……。「7つの選択肢」から犯人を選んで下さい。先行読者投票の結果も収録!
  • 田園風景
    4.0
    貿易会社に勤める主人公の日常を東南アジアを舞台に描いた表題作「田園風景」、知り合いのアメリカ人夫婦の子供を預かる話「夏野」「向かいて聞く」、ほかに「コネティカットの女」「土手の秋」「寒桜」など9篇。明瞭な日常風景が、抽象世界へと転化し、人間の存在が、描かれる風景に同化し吸収されてゆく独得の世界を展く、傑作短篇小説集。野間文芸賞受賞作。
  • 虹の理論
    3.5
    自己と文化を解放するための〈科学の寓話〉。オーストラリア・レッドロックのアボリジニーに伝わる「虹の蛇」の神話、カトマンズ盆地・「虹の立つ村」のマヤ・クマリの千里眼、そしてラマ僧の語る虹を中心とした世界の成り立ち―意識と物質の発生をイメージさせる虹の体験は、両義性という終わりなき解釈のらせん階段から自己と文化を解き放つ「野性的な科学」へと我々を誘う。メタフィジカルな八つの物語が紡ぎだす新しい世界。
  • 壺中に天あり獣あり
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    無限の迷宮を彷徨い続ける青年・光は、有限のホテルが建っているのを発見する。光は支配人として従業員を雇い、客を呼び込むポスターを貼りに行く。迷宮の中でブリキの動物を磨き、修理しながら玩具屋で働く女性・言海は、ポスターを見て、ひとりホテルを目指すことを決意する――。人は生まれ落ちた迷宮から、外に出ることができるのか。小説の根源を問う、若き才能による大胆で緻密な野間文芸新人賞受賞後第一作。
  • 僕の母がルーズソックスを
    3.5
    1巻1,672円 (税込)
    朝、起きたら母親が17歳になっていたーー。外見はアラフォーの専業主婦なのに、16歳の息子の俺に向かって「ねぇ、君さ、ウチのピッチ知らない?」と言い放った。一人息子の俺が、昨日あんなことをしでかしたからなのか。原因はともかく、女子高生に「逆戻り」してしまった母・芽衣子の不安を除くため、息子・潤平は母の過去を探ると、母には母の心の奥底に埋めた謎が隠されていた。島清恋愛文学賞作家が贈る家族愛小説!
  • 幸福の王子 エドマンド
    -
    1巻1,672円 (税込)
    彼には、仲間がいた。誰からも愛され可愛がられた。イングランドを護る。それが彼の望みだった。だが、父王は、ノルマンディー公国から嫁いだエマに骨抜きにされ、国政は言うがまま。デンマークからはクヌート軍に攻め込まれ、いまやイングランドは風前の灯だった。だが彼はあきらめなかった。運命に反旗を翻すのだ。誰をも幸福にした王子の戦いの物語。
  • 虚飾の王妃 エンマ
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    彼女は、孤独だった。親にも顧みられず、なにも与えられなかった。彼女を救い出してくれたのは、兄・リシャール。彼は、教えてくれた。人の心を読む術を、人を操る方法を。そして彼女に命じた。自分にとっての駒になれと。エンマは、兄のためイングランドに嫁ぐ。待ち受ける運命も知らず。
  • 唐山感情集
    -
    上田敏に『海潮音』あれば、日夏耿之介に『唐山感情集』あり。博識にして幽玄神秘な詞藻をもって他に類を見ない詩的世界を構築した日夏耿之介は漢詩の風韻、酒と多情多恨の思いを嫋々たる日本語に移し替え、さらに独自の境地に遊ぶ。唐から民国にいたる1200年にわたる名詩を選び出した稀有な訳詩集。

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  • 現代文士廿八人
    -
    中村武羅夫が文壇に名を売り出すきっかけになったのは雑誌『新潮』に明治41年(1908)からほぼ毎月発表した「作家訪問記」でした。今日風にいえば「直撃取材」し、そこで得た個人的印象、いわば「独断と偏見」を臆面もなく堂々と記したことで、読者の反響を呼び起こしたのです。 本書はその連載を書籍化したもので、版元を変えながら刊行されつづけた隠れたベストセラーであり、明治の文壇を知る好資料です。
  • 写生の物語
    -
    『万葉集』や『おもろさうし』に特徴的でその後は顧みられなくなった語法、子規や啄木など明治期歌人の試み、また塚本邦雄・岡井隆といった現代前衛歌人の新作、そして俵万智『チョコレート革命』に至るまでの短歌(謡)表現を貫くものは何か? 起源以前と死後を等価とし、表現を緻密に追いつづけることで見えてくる豊穣な世界。
  • 文芸的な、余りに文芸的な/饒舌録 ほか 芥川vs.谷崎論争
    4.0
    昭和二年二月号『新潮』合評会での谷崎の小説に対する芥川発言に端を発し、舞台を『改造』に移して文学史上に残る〈筋のない小説〉を巡る論争が始まった。――芸術とはなにか。何が文学を文学たらしめているのか――本書では二人の文学観の披瀝と応酬を雑誌発表順に配列し、「新潮合評会」とその俎上に載った小説二篇、論争掲載中の昭和二年七月に自殺した芥川への谷崎の追悼七篇を収録する。
  • 散り行く花
    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    止むに止まれぬ動機から女性たちが犯した犯罪。彼女たちの前に現れたのは、美人画で有名な人気絵師だった。「その美を僕の手で永遠に残してみたい」とモデルを頼む一方、幾重にも隠したはずの罪にも巧みに迫っていく。思いもよらない一点から論理的に真相が導き出される鮮やかさ。「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作家がついに書きえた新たな傑作!
  • フリーランスぶるーす
    -
    1巻1,672円 (税込)
    1990年。前年秋にベルリンの壁が崩壊し、愛犬のジョンが死んだ。平林健太、フリーター、30歳。逃げとごまかしが連続の人生だった。このままでいいのか? 健太は一念発起し、小さな編集プロダクションを皮切りに、憧れ続けた「ギョーカイ」の門を叩く。デビュー作『居酒屋ふじ』がテレビドラマ化、『国士舘物語』で話題。"熱くて、おもしろくて、ちょっと切ない"90年代の広告・雑誌業界を舞台にした半自伝的小説。
  • 幽 花腐し
    -
    中華街のバーで、二十年以上前に遇った女の幻影に翻弄される男の一夜を描く、事実上の初小説「シャンチーの宵」、芥川賞候補作「幽」、同受賞作「花腐し」ほか全6篇。知的かつ幻想的で、悲哀と官能を湛えた初期秀作群。社会から外れた男が生きる過去と現在を、類稀な魅力を放つ文体で生々しく再現し、小説の醍醐味が横溢する作品集。
  • ギキョウダイ
    -
    1巻1,672円 (税込)
    サッカーが好きな少年・六村終夜は、クラスメイトの相楽天晴がサッカーの真の天才であることに気づく。たちまち頭角を現し、日本サッカーを変革、さらにワールドカップで圧倒的な力を示す天晴。繊細な彼を支え続ける終夜。だが突然、破局は訪れた・・・! その裏側で蠢く、人を支配するためならば手段を選ばぬ怪物。ぬめりとした悪意、果てしなき絶望。これほど魂を踏みにじる物語は許されるのか? 戦慄の暗黒系ミステリー!
  • 自伝的女流文壇史
    3.0
    少女小説作家として一世を風靡し、若くして文壇にデビューした吉屋信子が描き上げた、「女流文壇」の草分けともいうべき十人の肖像。男性が中心だった近代日本の文壇史において「女流」と一括りにされながら個性豊かに輝いた女性作家たちの魅力を、折に触れての交流の中から余すところなくすくい上げた自伝的エッセイ。章ごとに一人の作家にフォーカスした構成になっていますので、どこからでも読むことができます。
  • 新撰 小倉百人一首
    -
    「沖の石の讃岐以外は悉皆非代表歌、式子と定家とあと二、三人を除けば、他は一切凡作――」。定家の百人一首が「凡作」揃いだとの批判は多い。だがあえて定家と同じ人選で、まったく別の「百人一首」を編んだ強者はいない。本書は前衛歌人・豪腕アンソロジストが放つ、定家への挑戦状である。どちらが秀歌か。読者ひとりひとりの判断を待つ。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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  • 湯川秀樹歌文集
    4.5
    日本人として初めてのノーベル賞(物理学賞)受賞者であり、反核平和運動にも積極的に関わった理論物理学者は、兄に東洋史家である貝塚茂樹、弟に中国文学者の小川環樹を持ち、自身も漢籍、古典、和歌に親しむ粋人でもあった。本書は、幼少青年期の記憶から、長年暮らした京都への愛惜、耽読した古典への思いを綴る随筆と、歌集「深山木」を収録。偉大な科学者とは別の、愛すべき横顔を伝える。
  • 東京の横丁
    -
    「俺は二、三日うちに死ぬ気がする。晩飯の支度なんか放っておけ。淋しいからお前もここに坐って一緒に話でもしよう」妻にそう語りかけた数日後、永井龍男は不帰の人となった。没後発見された手入れ稿に綴られた、生まれ育った神田、終の住処鎌倉、設立まもなく参加した文藝春秋社の日々。死を見据えた短篇「冬の梢」を併録した、最後の名品集。
  • 「私小説」を読む
    -
    志賀直哉、藤枝静男、安岡章太郎を貫く「私小説」の系譜。だが、著者はここで日本文学の一分野を改めて顕揚したり、再定義を下したりはしない。本書は、我々が無意識・無前提に受け入れている「読みの不自由さ」から離れ、ひたすら、いまここにある言葉を読むこと、「作品」の表層にある言葉の群との戯れを通じ、一瞬ごとの現在を生きようとする試みなのである。「読むこと」の深見と凄みを示す、文芸批評の名著。
  • 刑事群像
    3.9
    1巻1,672円 (税込)
    路上で発見された女性の全裸遺体。捜査一課七係強行班が動き始める。被害者は経営コンサルタントの坂上実咲。その名前は刑事たちに、二年前の痛恨の記憶を呼び起こす。被害者の身辺を洗う中、二年前の事件で辞職した元刑事・沢崎の名前が挙がった。やがて捜査一課は、中本班・強行班の二班合同体制をとる。被害者の周囲に蠢く人間と欲望、刑事たちの思惑と記憶。警察小説の名手が満を持して放つ、捜査一課シリーズ最高傑作!
  • 喉の奥なら傷ついてもばれない
    3.6
    1巻1,672円 (税込)
    どこにでもいる、ごく普通の人妻たち。共通しているのは、禁忌を犯していること。罪悪感がまったくないのは、母の愛が欲しかった私の、必然だから。恋愛小説の妙手、宮木あや子が描く六つの愛欲小説。
  • 蛇の道行
    4.3
    1巻1,672円 (税込)
    なにがあっても、離れない。家族は失った。けれど、隣にはお前がいる。昭和24年、上野。戦争未亡人ばかりを集めたバー・山猫軒で、二人はひっそりと暮らしていた。バーを切り盛りする青柳きわと、住み込みで働く立平だ。生き抜くため、絡み合う蛇のように彼らは時代を駆け抜けた。戦後復興期を舞台に、親のない少年と若き未亡人の名付け得ぬ関係を描いた加藤元の新たなる傑作!
  • キッチン戦争
    2.9
    1巻1,672円 (税込)
    隠れ家という名のフレンチ・レストラン「Cachette カシェット」。この店のキッチンで働くことになった滝沢葉月は、ある日、オーナーに呼ばれ、料理コンクールへの出場を打診される。戸惑う葉月に、山岸は「女性のシェフが活躍する世界をつくりたい!」という思いを語る。コンクール出場の決意を固めた葉月だが……。自身のルーツ、オリジナルとは何か? 次々に起こる難問に向き合い、葉月の「美味しい闘い」が始まる!
  • 嵯峨野あやつり異聞 浄瑠璃グラン=ギニョル
    -
    1巻1,672円 (税込)
    嵯峨野の高級リゾート「嵯峨野倶楽部」に併設された浄瑠璃小屋・嵯峨大黒座のこけら落とし。古浄瑠璃「阿弥陀胸割」上演中に起きた事件。元外科医で「東雲流」五代目、人形遣いの東雲蔵一が見る事件の真相とは。内と外、虚と実が転回するデビュー後第一作!
  • 飛魂
    4.6
    虎使いとなるため、師とともに人里離れた森の中の寄宿舎で修行を続ける女性達の深遠なる精神の触れ合いを描いた作品。表題作ほか、「盗み読み」「胞子」「裸足の拝観者」「光とゼラチンのライプチッヒ」を収録。
  • 人形愛 秘儀 甦りの家
    4.3
    美しい少年の人形を夜ごと愛撫する女。夢によって浸透された存在になっていく現実の少年。奇妙な透明感と、夢と現実の交歓。高橋たか子の独特な神秘主義を端正な文体で感覚的に描く幻想美の世界。男女の恋愛の、より深く深くと求めた内部の実在を鮮やかに浮かび上がらせた、華麗なる三部作。
  • ああ玉杯に花うけて 少年倶楽部名作選
    3.5
    昭和2年に『少年倶楽部』に連載され、大反響を呼んだ少年小説の金字塔。いじめや暴力、友情等、普遍的テーマに切り込む爽やかな傑作。
  • 恋人たち/降誕祭の夜 金井美恵子自選短篇集
    3.0
    言葉の町を歩き、言葉のシーツにくるまれ、言葉の包帯を巻いて、あるいは言葉の肉料理を食べ、そして言葉の性交を行う――言葉だけで出来た建物の中で、肉体、時間、空間、世界、あらゆるものを生成する無数の言葉と戯れる陶酔。衝突を繰りかえす豊穣なイメージを道しるべに、著者自らが選んだ短篇集、第二弾。
  • 茅原家の兄妹
    3.6
    1巻1,672円 (税込)
    交流が途絶えていた旧友の茅原恭仁から突然の招待を受け、私は資産家だった茅原家が山間の別荘地に所有している広大な屋敷を訪ねる。そこでは恭仁が妹の睦美と暮らしていたが、かつて快活で高慢ですらあった睦美は、屋敷に出るという幽霊に怯え、別人のように生気を失っていた。恭仁が私を呼んだ目的とは何か? そして恭仁が夜な夜な屋敷で行っているという「研究」とは何なのか? 物語の様相が一変するラストまで一気読み必至!
  • 浪華古本屋騒動記
    3.0
    1巻1,672円 (税込)
    古本屋と一口に言ってもタイプは色々。老舗、新興、ネット古書店。ある者は夢を追い、ある者は借金取りに追われる。商売が厳しくなる一方なのは皆同じ。目指すのは、面白くて金になること。面白くなければ大阪ではない。名物古書店の三代目が古地図を持ち出し、宝探しの号令をかけた。現状打開の一攫千金を狙って、若者、曲者、正直者の古本屋たちがそれぞれの特技を生かして、歴史に目を凝らし知恵を巡らせて動き出す。
  • 新編 日本の旅あちこち
    -
    木山捷平は、昭和三十年代後半から四十年代前半の彼の晩年ともいえる日々を、日本中を旅する取材執筆に費やした。北海道から九州まで、日本の津々浦々を巡り「新しい紀行文」を書き続け、それは詩や小説にも昇華した。それぞれの土地に、死の陰を刻みながら・・・。初めての北海道旅行での詩「旅吟」から、病床で書かれた最後の詩「オホーツク海の烏」を収録、二九篇厳選。
  • サバーイ・サバーイ 小説 在チェンマイ日本国総領事館
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    タイ・チェンマイの日本国総領事館員・吉岡和喜。在留邦人5千人以上と言われ、観光客も多いこの街で邦人保護係の彼の元には相談がひっきりなし。「お金を貸して」「就職先を紹介しろ」と日本人に詰め寄られ、わがままロングステイヤーのトラブルで緊急出動し、上司からはパワハラも。さらに家庭では「あなたとはやっていけない」と妻が涙。公私ともに悪戦苦闘の毎日だ。それでも吉岡は奔走する、日本人に笑顔をもたらすために!

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