小説 - 講談社作品一覧

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  • ルンタ
    3.5
    1巻1,672円 (税込)
    人間という暮らしにうんざりしたというわたしは、それでも自殺はせずに「わたし」と呼ぶ装置をもう少し観察してみたいと望み、家を出て山へ向かうことに。ユという女性との記憶と死んだはずの友人の中西を道連れに山を目指し、吹雪の中で出会った黒い馬「ルンタ」に乗り、さらに深い雪の中を進んでいく。生と死、現在と過去を行き来する人々が、人間の意識や時間の虚構を疑わせながらもまた確かな生を感じさせる。保坂和志氏絶賛!
  • 新しい人よ眼ざめよ
    4.3
    神秘主義詩人ウィリアム・ブレイクの預言詩(プロフェシー)に導かれ、障害を持って生まれた長男イーヨーとの共生の中で、真の幸福、家族の絆について深く思いを巡らす。無垢という魂の原質が問われ、やがて主人公である作家は、危機の時代の人間の<再生>を希求する。新しい人よ眼ざめよとは、来たるべき時代の若者たちへの作者による、心優しい魂の呼びかけである。大江文学の一到達点を示す、感動を呼ぶ連作短篇集。
  • 私の万葉集 三
    3.0
    大岡信の『私の万葉集』第三巻(全五巻)。 ひさかたの 天の香具山 この夕  霞たなびく 春立つらしも   人麻呂のゆったりとした万葉人の息吹を伝えたい。著者の思いは、愛情深く、平易な文体で現代につなげていく。「万葉集」巻八から十二までを、たとえば恋の歌、それは、日本人の永遠に通ずる心の古典として……。
  • 黒水熱
    3.5
    1巻1,672円 (税込)
    小説現代長編新人賞受賞第1作。これが女の復讐! マラリアの予防接種で一人息子を亡くしたエリカは、大物政治家の陰謀でマラリアが流行っていることをつきとめる。顔を変え、高級デートクラブ嬢となって男に接近。エリカの復讐劇がはじまった――。前作『ワーホリ任侠伝』からさらにスケールアップした、大型新人の書下ろし長編!
  • 公園 卒業式 小島信夫初期作品集
    -
    著者十六歳、岐阜中学校校友会誌に掲載された小品から、昭和二十年代までの初期作品を集成。第一高等学校時代の透明感溢れる心象風景を綴った伝説的佳品「裸木」や、同人誌「崖」に発表された「往還」「公園」などの戦前作品、また、著者固有のユーモアの深淵を示す「汽車の中」「卒業式」「ふぐりと原子ピストル」など、〈作家・小島信夫〉誕生の秘密に迫る十三篇を収録。
  • パリ症候群 愛と殺人のレシピ
    3.0
    1巻1,672円 (税込)
    パリで死んだ従妹の遺品を整理するため、彼女のアパルトマンを訪れた清美。そこで見た彼女の秘密……(「パリ症候群」)ほか、長くパリに暮らしていた鮎川賞作家が描く愛と憎悪に彩られた犯罪小説集。日本推理作家協会賞短編部門候補作「青い絹の人形」も収録。
  • 屋根屋
    3.8
    1巻1,672円 (税込)
    雨漏りのする屋根の修繕にやってきた工務店の男は永瀬といった。木訥な大男で、仕事ぶりは堅実。彼は妻の死から神経を病み、その治療として夢日記を付けている。永瀬屋根屋によれば、トレーニングによって、誰でも自在に夢を見ることができるという。「奥さんが上手に夢を見ることが出来るごとなったら、私がそのうち素晴らしか所に案内ばしましょう」。以来、二人は夢の中で、法隆寺やフランスの大聖堂へと出かけるのだった。
  • 腹の蟲
    3.5
    1巻1,672円 (税込)
    「家族なんて、よっぽど注意をしておかないと、すぐに壊れてしまうんだぞ」。かつて「息子」だった男は、やがて「父」となり、いま人生の後半に差し掛かっている。人間の成長と連環、生きていくということの根源を、丹誠を尽くした文体で描きだす、純文学。書き下ろし作品。
  • 東京
    3.0
    1巻1,672円 (税込)
    人間と情念を精緻に濃密に描いた大人の文学。心に隙間風が吹くことは誰にだって何度かある。それでもまた気を取り直して生きていく。西新宿、矢口渡、葛西……東京の街々を舞台に描きだされる男と女の情念。
  • 未完成の友情
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    自分の人生はこれでいいのかと心に隙間風が吹くことは、誰にだってあるし何度かはある。それでもまた気を取り直して生きていくのが、わたしたちの人生だ。濃密な人間関係と情念を精緻に描いた甘口ではない、大人の文学。あなたには、親友がいますか。
  • 猫の水につかるカエル
    3.9
    1巻1,672円 (税込)
    静かなユーモア・優しいペーソス、淡々と沁みる小説集。「父母の、友の、猫の、己の死を深く見つめる作者の眼差しが、今ここにあるかけがえのない生に向けられる時、すべての事物が記憶を語りはじめる――。
  • 石を置き、花を添える
    4.5
    1巻1,672円 (税込)
    ウォーキング途中の道端に置かれた石と、添えられた花。埋められている「なにか」――問いは残されたまま「わたし」の記録は記憶を辿り、老いと死への思索に漂う。清冽なる本格小説集。
  • 王朝百首
    4.3
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 百人一首に秀歌はない――かるた遊びを通して日本人に最も親しまれる「小倉百人一首」(藤原定家・撰)にあえて挑戦、前衛歌人にして“現代の定家”とも称されたアンソロジスト塚本邦雄が選び抜き、自由奔放な散文詞と鋭い評釈を対置した秀歌百。『定家百首』『百句燦燦』と並び塚本美学の中核であると同時に、日本の言葉の「さはやかさ」「あてやかさ」を現代に蘇らせんとする至情があふれる魂魄の詞華集である。
  • 私のいない高校
    3.5
    1巻1,672円 (税込)
    鬼才が放つあまりにも前衛すぎる学園小説。カナダからの留学生を受け入れた、とある高校での数ヶ月の出来事――。普通すぎるのに普通じゃない、物語という概念を徹底的に排除した、「主人公のいない小説」 (講談社文庫)
  • 見知らぬ人へ、おめでとう
    3.0
    1巻1,672円 (税込)
    「……あの、むかし、日比谷で、いっしょにコンサート観ませんでしたか?」かつて1度だけ会ったことがあるふたりの女性の、十数年ぶりの再会……。過去をふりかえりたいわけではない。なつかしみたいわけでもない。いまのままでいいとも思っていない。だけど、あの頃となにが変わったの? 小さな願いをかかえて生きる、ふたりの女性の姿を追った表題作ほか、「野いちごを煮る」「天使」の2篇を収録。
  • 永遠の誓い
    3.3
    1巻1,672円 (税込)
    平穏なるときも、苦しきときも、永遠に変わらぬ愛を、誓います。中学校教員の夫と保育士の妻が営む幸福な結婚生活に、初めて訪れた試練が照らしだすものは……。野間文芸新人賞作家が「夫婦」を描く意欲作。
  • われらの再生の日
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    ほんの冷やかしのはずだった……。60代後半の物書き・矢部三郎は取材にと飛びこんだセクシー・キャバクラの女・ゆりあに入れ込み、店外につれだして心身ともに関係を深めていく。同時にパソコンの手ほどきを受けた矢部は、時代の流れに乗る楽しさを知り、ブログや電子書籍にも挑戦しはじめる。だが、やがて姿を消したゆりあを追って、矢部はさらなる行動を起こす──。生きる意味の転換を問いかける長編小説。
  • 半島へ
    3.9
    1巻1,672円 (税込)
    東京を離れ、志摩半島を望む町で暮らし始めた中年女性。孤独な暮らしのなか、彼女がそこで見つめたものは? 川端賞受賞作「海松」を超えた、究極の「半島物語」。谷崎潤一郎賞、中日文化賞、親鸞賞受賞作!
  • 旅愁(上)
    4.0
    1~2巻1,672~1,771円 (税込)
    近代日本人の生き方を根源から問いなおす恋愛思想小説。日本伝統主義者の矢代耕一郎と、対照的にヨーロッパの合理的精神に心酔する久慈、2人が心惹かれるカソリックの宇佐美千鶴子らが織りなす鮮烈微妙な恋愛心理の綾。東洋と西洋、信仰と科学、歴史と民族の根の感情等、横光利一が苦闘した生涯の思索の全てを人物に投影させつつパリ、東京を主舞台に展開させた畢生の大作。(全2冊)
  • 寂夜
    -
    1巻1,672円 (税込)
    無自覚には生きられぬ「人」を描いた傑作集。独自の筆致から絞り出される文学世界で読者を魅了する芥川賞作家の、原点から今日までを通覧。「繊光」「大蛇」「焦熱」「運河」に、書き下ろしを加えた作品集。
  • 紫苑物語
    4.3
    優美かつ艶やかな文体と、爽やかで強靱きわまる精神。昭和30年代初頭の日本現代文学に鮮烈な光芒を放つ真の意味での現代文学の巨匠・石川淳の中期代表作――華麗な"精神の運動"と想像力の飛翔。芸術選奨受賞作「紫苑物語」及び「八幡縁起」「修羅」を収録。
  • 裂

    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    群像編集部の若手編集者羽田御名子のもとに、小説家志望の安良川王爾から持ち込まれた原稿<裂>。登場人物には御名子の名が使われ、穢されていた――。「群像」連載時から注目を集めた作品がついに単行本化。
  • 恋愛の解体と北区の滅亡
    3.6
    1巻1,672円 (税込)
    ヤバい世界はもう終わった。宇宙人占領下東京の平穏で危険な日常、僕らのぎりぎりの「今」を描く青春長篇小説。傑作短篇「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」収録!
  • 1000年後に生き残るための青春小説講座
    4.3
    1巻1,672円 (税込)
    僕のことが大嫌いでも、とにかく僕のことを覚えていてほしい。そのためには、何かを成さなければならない。だけど僕はもう三十路で、家庭を持ち、3.11に衝撃を受けてしまった。どうすればいい。どこにでも転がっている普通人間が、どうすれば時の流れを乗りこえられるか――。千年に一度の大震災とネット時代を超えて生き残る言葉とは?「戦争」と「青春」をキーワードに時を超える方法を探る気鋭作家の青春小説講座!
  • 黄金幻魚
    3.2
    1巻1,672円 (税込)
    三陸海岸の港町の漁師・神林優作は船のメンテナンスで休漁中に、中学三年生の息子悠太が同級生を殴ったと学校から呼び出される。母親不在のうえ仕事柄あまり口を利かなくなった息子は、殴った理由を話そうともせず、毛鉤釣りをやりたいという。息子の釣りの師匠は、小山内未帆という妙齢の美女だった。息子との交流を求め優作も弟子入りするのだが、いつのまにやら“幻の大物”を釣り上げる「ひと夏の冒険」が始まっていた。
  • 傷痕
    3.6
    1巻1,672円 (税込)
    この国が20世紀に産み落とした偉大なるポップスターがとつぜん死んだ夜、報道が世界中を黒い光のように飛びまわった。彼は51歳で、娘らしき、11歳の子どもが一人残された。彼女がどうやって、誰から生を受けたのか、誰も知らなかった。凄腕のイエロー・ジャーナリズムさえも、決定的な真実を捕まえることができないままだった。娘の名前は、傷痕。偉大すぎるスターの真の姿とは? そして彼が世界に遺したものとは?
  • タルドンネ 月の町
    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    史上最悪の殺人鬼を生んだ、貧しくて冷たい月の光。もう、人間には戻れない――。韓国全土を震撼させた、未曾有の連続殺人事件をモチーフに描く、あらゆる禁忌を犯した男の憎悪と狂気。岩井志麻子、渾身の新・代表作!
  • 雲と海の溶け合うところ
    3.0
    1巻1,672円 (税込)
    音を喪った男は、「過去と今」の旅に出た。 突発性難聴と診断され、癒しの旅に出た男は「神を探す女」と出会う。人が人を癒すとはどういうことか。心の中を旅しながら、懸命に人生の意味を探す長編小説。
  • 時の審廷
    3.0
    1巻1,672円 (税込)
    戦中のハルビン、戦後の日本、そして現代――。数多くの謎に満ちた事件が起こり、交錯するとき、日本を震撼させる出来事が明かされる! 磐石の地位を保ってきた政権党から第二党への初めての政権交代なるかが注目された総選挙の投開票日に、東海地方での地震予知情報の発令が。そしてその日、弁護士兼探偵の森江春策に「日本分断」と告げる謎の電話があった――。
  • 誰かが手を、握っているような気がしてならない
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    「五反田団」主宰、前田司郎の最新小説! 愚痴ばかりの"神"の声が聞こえるという牧田家の次女ナオ。ナオの言動から浮かび上がる牧田家の綻び。シニカルにユーモラスに、そして温かに描く家族再生物語。
  • 願い
    3.6
    1巻1,672円 (税込)
    ささやかでいい。叶ってさえくれれば――。可愛い妹が欲しい、元恋人と復縁したい、部下と不倫をしてみたい、とにかく誰かと話したい……。芥川賞作家が掬い取る、街にあふれたいくつもの小さな願いごと。静かだけれど切実な、9つの物語。
  • だいにっほん、ろんちくおげれつ記
    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    さらなる闘争の書、発射!! 孤高の作家・笙野頼子の戦いはさらにヒートアップ! ロリリベ、国家に加え二次元評論家まで! 熾烈なバトルを強烈なイメージで描出した闘争の書。グレードアップした第2弾、待望の発射! 無恥のネオリベよ、無策の「左翼」よ、呪われた市場経済に向けて放つ最終兵器「俺」。メタの女王にして純文学の問題児のさらなる十字架!
  • だいにっほん、おんたこめいわく史
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    時代を転覆せしめる超国家的、超近代小説、ついに発射 投石! 用意。戦い続ける前衛のさらなる奇書! ロリコンで成り上がり、憲法を地上げ! 美少女を官軍化し遊廓を復活! 反権力を自称。その名は、おんたこ! 世相の病的心性を近未来に託して描く、前衛の奇書。 「おんたこ」シリーズ第一弾。●特別収録 本書取説!! 「言語にとって、ブスとはなにか」
  • 末裔
    3.5
    1巻1,672円 (税込)
    定年近い公務員の省三が、ある日家に帰ると、玄関ドアの鍵穴はどこにもなかった。妻を亡くし息子も娘も家を出て、家に入れない。省三は外泊を続け、今や住む人のない鎌倉の伯父の家に滞在する。懐かしいものに囲まれながら思い出すのは、父と伯父がかわす教養を根本に置いた会話、母や伯母のことなど、かつてそこにあった幸せな光景。すべては失われ堕落した末裔であると自覚した省三は、自らの系譜に思いを巡らせ、行動を起こす。
  • あの頃の空
    3.6
    1巻1,672円 (税込)
    『駅男』 定年後の日常が不安な瀬木(59歳)は、毎朝駅で電車に乗らない謎の男を見かける。 『リボン仲間』 失業して就活に苦労する川端(53歳)が、救いを求め飛び込んだストリップ劇場で見たものは? 『カントリータイム』 カナダ留学に挑む60男が、英語が思い通りにならないもどかしさを覚えて。 『花の下にて』 老いた自分を監視する社会に動揺する律子(79歳)は、一世一代の大嘘をつく。(他全8篇)
  • 蜩の声
    3.6
    1巻1,672円 (税込)
    日々の移ろいのなか、おぼろげに浮かんでくるのは、男と女、今は亡き人達の思い出、戦時下の風景──。時空を超越し、生と死のあわいに浮かぶ、世相の実相。  現代文学の到達点、古井由吉の世界。
  • 海薔薇
    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    ニューヨークと倉敷、距離を隔てた大人の恋は、年に一度の、せつない逢瀬だけでつづけられる――。老舗デパート「菊本屋」のニューヨーク店に勤務する柘植波奈子は、仕事で訪れた倉敷で陶芸作家の栄森徹司と出会う。徹司の作品、それを生み出す指、そして海のような徹司自身の大きさに、波奈子は惹かれていく。夫がいる身の波奈子はその気持ちに抗おうとするが、ふと徹司に伝えてしまう――「一年後のきょう、また会いたい」と。
  • 海を感じる時・水平線上にて
    3.3
    《海は暗く深い女たちの血にみちている。私は身体の一部として海を感じている。……》 年上の男子生徒とのセックスの体験を鋭利な感覚で捉えて、身体の芯が震える程の鮮烈な感銘を与えた秀作。作家の出発を告げた群像新人賞受賞「海を感じる時」と、大学生となった、その後の性意識と体験を描き深めた野間文芸新人賞「水平線上にて」。力作2篇収録。
  • 陽の鳥
    3.3
    1巻1,672円 (税込)
    もう一度、あの子に逢いたい。息子を事故で失った科学者が望んだのは、クローンによるわが子の“復活”――『金田一少年の事件簿』『神の雫』『GTO』などを手がけた希代のヒットメーカーが真っ向から挑んだ、生命倫理と家族の絆をめぐるメディカル・エンタテインメント大作!
  • はじめての赤毛のアン アイスクリームのピクニック
    4.7
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 世界中で愛されている『赤毛のアン』。 長いお話ですが、実は、1章ずつがとても楽しい物語になっています。 小さいお子さんでも楽しめる、とびきり楽しいお話をえりすぐり、素敵な絵とともにお届けします。 読み聞かせや、はじめてのひとり読みにもぴったりです。 もちろん、アンが大好きなあなたもぜひ! *3年生以上の漢字にふりがなつき *人気絵本作家の美しいイラストが楽しめる、オールカラーの55ページ ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 「カラスの親指」シリーズ 合本版
    -
    人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは? 息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。道尾秀介の真骨頂がここに! 最初の直木賞ノミネート作品、第62回日本推理作家協会賞受賞作品。(『カラスの親指』) 「久々に、派手なペテン仕掛けるぞ」 詐欺師から足を洗い、実演販売士として生きる道を選んだ武沢竹夫に、訳ありの中学生・キョウからとんでもない依頼が。 母親が残酷な詐欺被害にあったのを境に、厳しい現実を生きることになったキョウ。 武沢は彼女を救うため、かつての仲間を再集結、大仕掛けを計画する。(『カエルの小指』) 累計70万部突破の「カラスの親指」シリーズ 合本版 『カラスの親指 by rule of CROW's thumb』『カエルの小指 a murder of crows』
  • ヴェールドマン仮説
    3.6
    1巻1,650円 (税込)
    おじいちゃんが推理作家で、おばあちゃんが法医学者、父さんが検事で母さんが弁護士、お兄ちゃんが刑事でお姉ちゃんがニュースキャスター、弟が探偵役者で妹はVR探偵。名探偵一家のサポートに徹するぼくだけれど、ある日強烈な「首吊り死体」を発見し、連続殺人事件を追うことに。被疑者は怪人・ヴェールドマン。布(ヴェール)に異様な執着を示す犯罪スタイルからそう呼ばれている――。
  • ホシノカケラ
    5.0
    1巻1,650円 (税込)
    岡山県津山市出身、日本一の動員を誇るバンドのカリスマミュージシャン・香田起伸が初めて挑んだソロツアー。その舞台裏には、ライブを成功に導くため、ミリ単位の舞台設営に命を懸ける男によって下された無理難題を次々とこなしていく脇役たちのドラマがあった――。香田が抱えるソロ活動への不安、緊張の連続を乗り越えながら香田を支えるために奮闘する男たちの葛藤を描いた物語。
  • ベスト本格ミステリ2017
    -
    2016年に発表された本格ミステリの短編と評論から、本格ミステリのプロフェッショナルが選びぬいたベスト作品集!新本格30周年――今読むべき、最先端の本格ミステリがこの一冊に!
  • ニンギョウがニンギョウ
    3.8
    映画を見に行くことになったのは妹が死んでしまったからだ。私は平素より視覚情報に関しては淡白を貫く主義なので、映画を見るのは実に5年振りのこととなり、妹が死んだのも、矢張り5年振りだった。回数を勘定すれば、共にこれが4回目である。映画を見るのは妹が死んだときだけと決めているのではなく、逆であり、妹が死んだからこそ、映画を見るのだ。そうはいってもしかしこうしょっちゅう死なれては私としても敵わない。
  • きのふはけふの物語 全訳注
    4.5
    近世初期に成立した笑話集。古活字版、整版、書写本など、さまざまな形で庶民に浸透し楽しまれた噺の数々。「仮名草子中一、二のベストセラー」とも推測され『醒睡笑』にも引き継がれた笑話には、当時の民衆の笑いの感覚が表れている。身近にいる「うつけ」者の噺、艶笑・男色の噺、尾籠な噺から信長・秀吉が登場する噺まで、無名の人々の手になる作品集成。
  • 空想東京百景
    3.7
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 奇書、現る!小説、漫画、絵物語(カラーイラストーリー)。様々な形式を駆使し、もう1つの昭和30年代<東京>を幻写する圧倒的伝綺活劇!!都市は常に姿を変え、過去を忘れようとするのだ――。『空想東京百景』とは、小説、漫画、絵物語――様々な形式を駆使し、もう1つの昭和30年代<東京>を幻写する<奇書>にして<暗号>。解読表を持つ者だけが、真の『空想東京百景』を視る――。
  • 大地と星輝く天の子 【小田実全集】
    -
    1巻1,650円 (税込)
    ソクラテスを裁いた古代アテナイの市民。無罪から一転して死刑判決へと心変りした80人の陪審員たちがこの小説の主人公。民主制度のもとでソクラテスの考えを押し進めると全体主義を孕む危険性があった。彼を裁いた人間の中には、誇り高い抵抗運動の闘士アニュトスがいた。が、彼は陪審員を買収した第一号だ。社会は、善と悪と堕落が切れ目なく結びついている人間で充満していて、その人間はある瞬間にどれが善で悪かを決めなければならない。現代社会の混迷を撃つ、古い未来の長編。
  • ウェルテルタウンでやすらかに
    3.8
    1巻1,617円 (税込)
    推理作家「私」のもとへ現れた、不審な自称「町おこしコンサルタント」の男。彼は「私」に、町おこしのために小説を書いてほしいと依頼する。小説の力を利用して、寂れゆく町・安楽市を自殺の名所にしたいと嘯くのだ。承諾した「私」だが、密かにその計画を阻止することを決意する。なぜなら安楽市は、「私」の故郷なのだから――。
  • 黒猫を飼い始めた
    3.6
    1巻1,617円 (税込)
    会員制読書倶楽部、Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)されたショートショート集。 書き出しの1行「黒猫を飼い始めた。」は、全員共通。2行目からはそれぞれの作家が自由に想像を膨らませ、生み出された26編。 「妻の黒猫」 潮谷 験  「灰中さんは黙っていてくれる」 紙城境介 「イメチェン」 結城真一郎 「Buried with my CAAAAAT.」 斜線堂有紀 「天使と悪魔のチマ」 辻 真先 「レモンの目」 一穂ミチ 「メールが届いたとき私は」 宮西真冬 「メイにまっしぐら」 柾木政宗 「ミミのお食事」 真下みこと 「神の両側で猫を飼う」 似鳥 鶏 「黒猫の暗号」 周木 律 「スフィンクスの謎かけ」 犬飼ねこそぎ 「飽くまで」 青崎有吾 「猫飼人」 小野寺史宜 「晦日の月猫」 高田崇史 「ヒトに関するいくつかの考察」 紺野天龍 「そして黒猫を見つけた」 杉山 幌 「ササミ」 原田ひ香 「キーワードは黒猫」 森川智喜 「冷たい牢獄より」 河村拓哉 「アリサ先輩」 秋竹サラダ 「登美子の足音」 矢部 嵩 「会社に行きたくない田中さん」 朱野帰子 「ゲラが来た」 方丈貴恵 「独り暮らしの母」 三津田信三 「黒猫はなにを見たか」 円居 挽
  • 獏の掃除屋
    5.0
    1巻1,617円 (税込)
    「俺が喰ってやるよ。あんたの悪夢をさ」 身近な人にやるせない感情を抱く4人の依頼者たち。 “獏”は彼らの夢に共に入り、劣等感に、罪悪感に、無力感に喰らいつく!! 「獏憑き」の黒沢彩人は従兄弟の桂輔が社長を務める白木清掃サービスで、悪夢の原因となる穢れを取り除く「夢祓い」を行っている。 実家のパン屋を継ぐ夢を絶たれた館平奈々葉、 妻子と別れ、占い屋を営む根津邦雄、 四歳の娘にどうしても優しくできない笑原香苗ーー 獏憑きは穢れを喰べるほどに寿命が縮む。 しかし彩人には、残された時間でどうしても喰べたい悪夢があったーー
  • 競争の番人 内偵の王子
    3.8
    1巻1,617円 (税込)
    謎の脅迫状に巨大カルテル、恋敵(?)も現れて……この業界も私もヤバい。 ドラマも絶好調! 霞が関でも話題沸騰の「公取委」ミステリー。 著者より)全国の働き者に捧げます。仕事帰りの豚骨ラーメンのような一冊です。―新川帆立 公正取引委員会の審査官、白熊楓は、九州事務所への転勤を命じられる。ところが配属先は、前任者が次々と離職しているいわくつきの部署だった。上司のパワハラ、人員不足、慣れない土地での生活に苦しみながらも、内偵業務のエース、常盤とともに、呉服業界の内偵に乗り出す。内偵を進めるなかで、巨大なカルテルの可能性が浮上。本局第六審査長(通称ダイロク)のメンバーたちも博多にやってきて、調査を開始するが……。呉服業界を覆うぶ厚い雲を、白熊たちは取り払うことはできるのか? 『競争の番人』シリーズ第2弾、新天地で開幕! 「法律の描写がファクトに忠実だ」と、公取委職員もうなる物語。担当記者のバイブルにしたい。―毎日新聞社会部 柿崎誠 お仕事小説の真髄は、当該職業従事者ならではの矜持を描くことにある。その矜持──公正取引委員会が「競争の番人」たるゆえんが明かされた瞬間、小説自体がひと回り大きな変貌を遂げた。この小説は、古き良き、今どき新鮮な「正義のヒーロー」を出現させる試みだったのだ。主人公は中央(霞ヶ関)から地方へと転勤したものの、中央の仕事の下請けであらざるを得ないことから、仕事に対し苦悩と葛藤を抱く。そして二転三転する厚みあるストーリーをくぐり抜けた先で、主人公が正義のヒーローへと変身する瞬間が現れる。この変身こそが、『競争の番人』シリーズの最大の快感であるとともに、読者へのメッセージでもある。なぜなら自分なんて「正義のヒーロー」からはほど遠いと思っているあなたもまた、変身できる、と断言してくれるからだ。―書評家 吉田大助
  • あきらめません!
    3.8
    1巻1,617円 (税込)
    「一人では何もできないが、一人でも始めなければいけない」 定年を迎え、悠々自適なセカンドライフを送るつもりだった郁子は、突如、夫の実家に戻ることになった……。 気持ちを切り替え、田舎暮らしを楽しもうとしていた矢先、なぜか市議会議員に立候補することに! 年齢も性別の地方も越えて、日本のリアルを描く痛快エンタメ小説誕生!
  • 裏家電
    3.9
    1巻1,617円 (税込)
    高校生の萌絵の将来の夢は、父とともに働き、実家の「トージョー電器」を大きくすることだった。 だが、父が病気を患い、お店を閉じることになってしまった。 「トージョー電器」を立て直すためには、私が力を付ければよいのではないか。 「お客様満足度業界ナンバー1」が売りの全国チェーン・R電器に入社するが、この電器屋、何かがおかしいーー 電器屋を舞台に起こる事件と衝撃の真実。 「福ミス」受賞作家、新境地の1作!
  • コンクールシェフ!
    3.6
    1巻1,617円 (税込)
    選ばれるのは才能か、果てしない努力か。超人気TV番組『料理の鉄人』に携わった著者渾身の料理バトル。 日本最大の料理コンクールでYBG(ヤング・ブラッド・グランプリ)で、最終審査に残った6人の俊英たちが競う。 45分の闘いを制し、世界に羽ばたくのはーー? めっちゃ面白い! すでにもう映像で観たいです。   ーー山本ゆり(人気料理コラムニスト) 邸 浩然 Tei Kozen…8大中華を修行した一匹狼 川縁伶奈 Rena Kawabuchi…フレンチ料理界のサラブレッド 里中 海 Kai Satonaka…不思議な魅力のポルトガル料理人 浅倉 薫 Kaoru Asakura…シャイだが天性の勘を持つイタリア料理人 和田拓実 Takumi Wada…ミシュラン二つ星レストランのスターシェフ 山科一人 Hitori Yamashina…脱サラして和食の板前を目指す最年長 料理のテーマは「10年ぶりに会った友人との食事」。 チャレンジャー6人の胸に、それぞれの思いが去来するーー。
  • 7.5グラムの奇跡
    3.9
    1巻1,617円 (税込)
    国家試験に合格し、視能訓練士の資格を手にしたにもかかわらず、野宮恭一の就職先は決まらなかった。 後がない状態で面接を受けたのは、北見眼科医院という街の小さな眼科医院。 人の良い院長に拾われた恭一は、凄腕の視能訓練士・広瀬真織、マッチョな男性看護師・剛田剣、カメラが趣味の女性看護師・丘本真衣らと、視機能を守るために働きはじめる。 精緻な機能を持つ「目」を巡る、心温まる連作短編集。 『線は、僕を描く』で第59回メフィスト賞を受賞しデビュー。 同作でブランチBOOK大賞2019受賞、2020年本屋大賞第3位に選出された作者のデビュー後第1作。
  • 燃える息
    3.8
    1巻1,617円 (税込)
    彼は私を、彼女は僕を、止められない―― 傾き続ける世界で、必死に立っている。 なにかに依存するのは、生きている証だ。 ――中江有里(女優・作家) 依存しているのか、依存させられているのか。 彼、彼女らは、明日の私たちかもしれない。 ――三宅香帆(書評家) 現代人の約七割が、依存症!?  盗り続けてしまう人、刺激臭が癖になる人、運動せずにはいられない人、鏡をよく見る人、 緊張すると掻いてしまう人、スマホを手放せない人――抜けられない、やめられない。 人間の衝動を描いた新感覚の六篇。小説現代長編新人賞受賞後第一作!
  • とにもかくにもごはん
    4.2
    1巻1,617円 (税込)
    うまくて、泣ける。 子ども食堂を取り巻くひとたちの生きづらさと希望を描く、老若男女群像劇。 「この本は私にホッとする明かりを灯してくれました。子ども食堂は人の数だけ人生があり、その人生がつながっていく場所。分断を迫られている今、ぜひこの本を読んでもらいたいです。私はもう続編を期待しています」――はるな愛 午後5時開店、午後8時閉店。 亡き夫との思い出をきっかけに松井波子が開いた「クロード子ども食堂」。 スタッフは、夫とうまくいかない近所の主婦や、就活のアピール目的の大学生。 お客さんは、デートに向かうお母さんに置いていかれる小学生や、 娘と絶縁し孤独に暮らすおじいさん。 みんないろいろあるけれど、あたたかいごはんを食べれば、きっと元気になれるはず。 やさしくって、おいしくって、心にしみる。 子どもも大人もお年寄りも、みんなまとめていらっしゃい。
  • Voyage 想像見聞録
    4.3
    さぁ、出かけよう! 「物語」という旅へ。 様変わりした生活、奪われる自由――。 でも大丈夫、私たちには「小説」がある。 国境、日常、現実を飛び越え、行き先は無限大! 宮内悠介、藤井太洋、小川哲、深緑野分、森晶麿、石川宗生――。 最旬の作家たちが想像の翼を広げて誘う、魅惑のノベル・ジャーニー! 宮内悠介 「国境の子」 対馬から韓国まではわずか一時間。でも「ぼく」にはそれが遠かった。 藤井太洋 「月の高さ」 旅公演スタッフとして遠征中、あの日見た月が胸に去来する。 小川 哲 「ちょっとした奇跡」 自転が止まった地球。カティサーク号は、昼を追いかけ移動を続ける。 深緑野分 「水星号は移動する」 移動式の宿・水星。今日はどんなお客様と出会うのだろう? 森 晶麿 「グレーテルの帰還」 あの夏、最後の家族旅行での惨劇が、私の運命を大きく変えた――。 石川宗生 「シャカシャカ」 地表が突然シャッフルをはじめた!? 姉弟の生き残りをかけた旅が始まる。
  • どの口が愛を語るんだ
    3.5
    1巻1,617円 (税込)
    のたうちまわって超えていけ、愛。 『流』の直木賞作家・東山彰良が新たに挑む、自由でボーダレスな短編集! 九州の温泉街、小さな街の団地、ニューヨーク、台北、東京――。 残酷さとやさしさが隣り合わせるパッとしない世界 それでも生きていくむきだしの人間たち。 「猿を焼く」 さえない温泉街に引っ越してきた中三のぼく。無軌道な不良とよそ者の少年は、なぜ猿に火をつけたのか? 「イッツ・プリティ・ニューヨーク」 クレイジーな同級生カメと、そのアバズレな姉。欲求に翻弄されるぼくと彼らの団地の日常。 「恋は鳩のように」 同性婚が合法化された日、歓声に沸く群衆の中、アンディは詩人の恋人・地下室に電話をかける。 「無垢と無情」 人間じゃなくなった「やつら」から身を潜めるように、おれは画面の中のミーティングルームを訪れた。
  • 臆病な都市
    3.7
    1巻1,617円 (税込)
    新型コロナ感染拡大の前に書かれた、新鋭による問題作。 鳥の不審死から始まった新型感染症流行の噂。 その渦中に首都庁に勤めるKは巻き込まれていく……。 組織の論理と不条理、怖れと善意の暴走を生々しく描く傑作。 組織の内部を描くという点で、物凄い洞察力を持った作家だ。                       ――亀山郁夫 コロナがこうなる前に書かれているというのに凄みを感じる。                       ――安藤礼二 まったく、なんだってあんな根拠のないものにそうすぐ振り回されてしまうのだろう。 それとも本当に、ただ自分のあずかり知らぬところで未知の病気が広まりつつあるのではないか、とも考えてみたが、やはり実感は湧かない。 家々から漏れる灯りがそこここに生活が在ることを教えてくれる。言い知れぬ不安が、影のように自分のあとを追ってきている気がした。 ――本書より
  • さよならが言えるその日まで
    4.0
    1巻1,617円 (税込)
    ねぇ、嘘だって言ってよ、お父さん――。 その日、ありふれた日常がひっくり返った。 教え子を誘拐したまま、事故死した父。 親族、警察、マスコミ――誰も何もわかってない! 遺された娘は、父の名誉にかけて、真相を追う。 「静岡県三島で交通事故が発生。運転していた男性一名が死亡――」ニュースを見た森遠伊緒は愕然とする。亡くなったのは自分の父だった。だが、悲嘆にくれるのも束の間、追い打ちをかけるように驚愕の事実が判明する。事故発生当日の未明に失踪した少年の痕跡が、事故車から発見されたという。自分の父は誘拐犯だったのか――いや、そんなわけがない。周囲からあびせられる非難、マスコミの追求、警察からの圧迫。折れそうな心を奮い立たせ、伊緒は真相を知るべく、行方不明の少年を探すと決意するが……。 ミステリ界期待の新星が書き下ろす、「家族のカタチ」を問う傑作ミステリー!
  • 始まりの家
    4.0
    1巻1,617円 (税込)
    宇奈月弥生は女優・朝倉ミチの専属ヘアメイクとして多忙な日々を送っていた。仕事の仕方を考え始めていたある日、ミチが脱税疑惑で逮捕されてしまい、宙ぶらりんの状態になる。一方、宇奈月家の四女・葉月は幼い頃の病気により妊娠出来ない身体なのにもかかわらず、どうしても子供が欲しいと思い詰め、母親の益美にとある相談を持ちかける。長女と四女の生活の激変が、平穏そうに見えた宇奈月家の秘密を暴くきっかけとなっていく。
  • 集団探偵
    3.0
    <シュアハウス銀杏坂>の住人達は、一癖も二癖もある探偵たちばかり。町の事件を、土蔵に集まり多数決で解決する彼らは、熊出没事件から誘拐事件まで、数々の難事件?を人知れず解決する!読み出したらとまらない、乱歩賞作家の新境地!
  • 藁屋根
    4.0
    戦時中に結婚して初めて一緒に住んだ大きな藁屋根の家、そして戦後に疎開先から戻って住み込んだかつての飛行機工場の工員寮を舞台に、大寺さん連作のうちでも若かりし日にあたる三作と、恩師である谷崎精二を囲む文学者の交流と彼らの風貌を髣髴とさせる「竹の会」、アルプス・チロルや英国の小都市を訪れた際の出来事を肩肘張らぬ筆致で描いて印象深い佳品が揃う短篇集。
  • 天窓のあるガレージ
    4.0
    日常から遠く隔たった土地の悠久の歴史を物語る遺構や人を寄せ付けない奥深い自然の中に身を置いた主人公が自らの経験を通じて「私」を超えていこうとする試みは、やがて若者や女性といった身近な他者の異質な感性に刺激されて一層深化した世界感覚によって変貌を遂げる。後に高い評価を受ける都市を舞台にした作品群の嚆矢となった表題作を始め、転形期のスリルに満ちた傑作短篇集。
  • 人質オペラ
    3.0
    1巻1,617円 (税込)
    和田秀樹さん(精神科医)、書店員さん大絶賛。 ------------------------------------------------------- 自己責任社会の不条理と希望を描いた、まさに今読みたい一冊! -------------------------------------------------------
  • 鳥の水浴び
    -
    名作『夕べの雲』から三十五年。時は流れ、丘陵の家は、夫婦二人だけになった。静かで何の変哲もない日常の風景。そこに、小さな楽しみと穏やかな時が繰り返される。暮らしは、陽だまりのような「小さな物語」だ。庄野文学の終点に向かう確かな眼差しが、ふっと心を温める。読者待望の、美しくもすがすがしい長篇小説。
  • 惨劇のアテナイ
    -
    1巻1,617円 (税込)
    乱歩賞作家の新しい魅力が溢れる異色作品集。ナチス台頭下のベルリンでの日本人子爵の孫娘探しを描く「ベルリンに消えた女」ほか、古代ローマ、アテナイ、ロンドンを舞台に繰り広げられる歴史ミステリー集。
  • 声の娼婦
    3.0
    1巻1,617円 (税込)
    ひとり都会に暮らす女たちの様々な心の風景。埋められない孤独と断絶感を抱きながら、都会の片隅にひとり暮らす女たち。結婚、仕事――揺れ動く心のかたちと生きかたを細緻な筆で描く秀作集。
  • 増殖商店街 【復☆電書】
    3.0
    1巻1,617円 (税込)
    「復☆電書」企画にて、電子書籍で復刊! 現実と幻想の中に飛翔する「言葉」の真髄。夢の中で買い物に行った商店街はどんどん増殖、いろんな顔を見せて無名作家の「私」を楽しませる表題作。他に、飼い猫の失踪事件を描いた短篇など四篇を収録。収録作品「増殖商店街」「こんな仕事はこれで終りにする」「生きているのかでででのでんでん虫よ」「虎の襖を、ってはならなに」「柘榴の底」。(1995年10月刊)電子版のみ『あとがき小説「ようこそ」』も特別収録!
  • 愛の徴 天国の方角
    4.7
    絵画、建築、神学、図像学、そして……ヨーロッパの叡智の結晶たちに新たな解釈と発見とを見出す「知」と「心」の旅。その橋渡しは「最新科学」――17世紀のヨーロッパと近未来の沖縄。それぞれの時代に生きる二人の女性が探し出した驚愕の真実とは――!?
  • ウォルト・ディズニー 夢をかたちにする言葉
    -
    1巻1,595円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 エンターテイメント界の天才、ウォルト・ディズニー。 貧しい生い立ちや仲間の裏切り、度重なる経営危機などを乗り越え、 唯一無二のキャラクター、名作映画、史上最強のテーマパークを創り上げたウォルトは、 今なお夢をかなえるためのロールモデルであり続けています。 この本は、そんな彼が夢を追う人生の中で語った名言集です。 夢へ向かう情熱、叶えるための努力、折れない心の持ち方など、 夢をかたちにするためのエッセンスがぎっしり詰まった名言を、 要所要所にちりばめられた映画の名場面とともに楽しんでいただける一冊です。 ・夢へ踏みだす勇気が欲しいあなたへ ・夢の叶え方を知りたいあなたへ ・夢見る力をもう一度取り戻したいあなたへ ・誰かの夢を応援したいあなたへ 夢を追いかけるすべての人へーーー 心からのエールをこの本でお届けいたします。 本文より ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 倉橋惣三物語 上皇さまの教育係
    5.0
    1巻1,595円 (税込)
    子供は自ら育つ――自発性を大切にし、子供たちの中に眠る可能性を信じた倉橋惣三の教育が、 今の時代にこそ求められている。 “日本のフレーベル”、“近代幼児教育の父”と呼ばれる倉橋惣三は、 大正期から昭和にかけて活躍した教育者。 昭和3年からは昭和天皇、皇后陛下へのご進講が始まり、 上皇陛下が皇太子でいらした幼少期に、教育係を務めた人物である。 少年時代、運動が苦手で不器用なうえ、引っ込み思案だった惣三の心を開いてくれた、下町の子供たち。 導いてくれた恩師や、夢を語り合った生涯の友。 さまざまな出会いが、惣三という人間を作っていく。 学生時代から幼児教育に興味を持ち、やがて教育者となった惣三は、 激動の時代にあっても、変わらず「子供の友達」であろうとした。 幼児教育の改革を次々行っていく一方で、息子との関係に悩む一人の親でもあった。 遺された日記をはじめとする貴重な資料をもとに描く、感動の物語。
  • 万葉ポピュリズムを斬る
    4.7
    1巻1,595円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 そこのけ、御用学者ども! 数ある便乗本よ、焼却炉の灰となれ。 「維新」「大戦」、そして「令和」――。 「『万葉集』には天皇から庶民の歌までが収められている」という虚構を、近代以降の国家権力は利用し続けてきた。 新しい年号は令和。出典は「国書」である万葉集――2019年に安倍首相が幅高々に発表した直後、東京大学教授・品田悦一氏の「戦い」ははじまった。「令和」の典拠になった「梅花歌」序には、さらに中国漢籍の「典拠」がある。そこには、1300年前に大伴旅人が込めた、「権力の横暴を許すな」という反体制のメッセージがある。安倍首相はそれを知らないのだ、ということを明らかにした。品田氏の反論は、Twitterで一気に拡散し、全国紙にも取り上げられた。 だれが首相になっても変わらない! われわれは踊らされてはいけない、ぼーっと生きてではいけないのだ。 天皇や貴族から庶民の歌まで載っている『万葉集』にあやかって、人々が美しく心を寄せ合う世の中を作りましょうというのは、「美しい国」が立ちゆくために国民に犠牲を払ってもらおうという方向へ誘導しようというものではないのか。令和という年号からわれわれが読み取らねばならないのは、なんなのか。 (本書のおもな内容) ●「令和」から浮かび上がる大伴旅人のメッセージ 「令和」の典拠となった、大伴旅人の「梅花歌」序。京都を離れた太宰府で梅の花を愛でるという、歌の宴。「梅花歌」序は、中国漢籍を踏まえたもので、典拠に込められた「真意」までたどりついたとき、われわれは「令和」の本当の意味を知る。藤原氏の専横、長屋王の謀殺。中央政治の腐敗に対し、遠い太宰府から、大伴旅人は、どのようなメッセージを込めていたのか。まるで古代ミステリを読み解くようなスリリングな論理の知的興奮と同時に、現代人は旅人のメッセージを自分たちのものとして受け止めなければならないことを痛感する。 ●「万葉ポピュリズム」を斬る 日本女子大で開かれた熱い講演を、大幅加筆修正して収録。『万葉集』を利用しようとする国家の作り上げた幻想を打ち砕き、さらには、「元号」「改元」という言葉の「怪しさ」を明らかにする。 一、「改元」というのは元号を改めることではないのだ、そもそも「元号」というのは変なことばなのだ。 二、『万葉集』には天皇や貴族の歌だけでなく、農民や防人の歌までが収録されていると言われることがあるが、それは大きな間違いである。 三、『万葉集』にあやかって、人々が美しく心を寄せ合う世の中を作りましょうというのは、「美しい国」が立ちゆくために国民に犠牲を払ってもらおうという方向へ誘導しようというものではないのか。
  • よこどり 小説メガバンク人事抗争
    3.2
    1巻1,595円 (税込)
    自分を見失った男たちへのレクイエム 組織は、あなたからどこまで奪うのか! メガバンクを舞台に「失われた30年の真因」を問う、緊迫のエンタテインメント。 「細部の圧倒的なリアルさ。銀行小説の新たな金字塔だ」――楡周平 【プロローグより】 「まず、君の手柄は、すべて私の手柄にする。いいな」 「はっ」 「それから、私の失敗は、すべて君のせいにする」 竜崎はおおきな執務机の前に寺田を立たせたまま、椅子の背に悠然と身体を預けていた。 「ただ、心配する必要はない。 君も、君の部下に同じようにやればいい。 それが銀行だ」 (引用ここまで) 舞台はメガバンク、主人公は広報部長―― 裏切り者は、中(なか)にいる! 元共同通信日銀キャップが書く 巨大銀行の仁義なき権力闘争 息をのむ裏切りの連続 最後に立っているのは、誰か―― 【ストーリー】 AG住永フィナンシャルグループの広報部長、寺田俊介は記者とのインタビュー中に 社長の竜崎太一郎が漏らした一言から、自らの出世の可能性を嗅ぎ取る。 吸い寄せられるように竜崎に服従する寺田は、経営難に転落した大手不動産をめぐる情報戦や大手証券との再編、バランスシートの膿、竜崎と相談役の人事抗争…と次々に訪れる難題に直面。掟破りの手段へと手を染め、メガバンクを覆う深い闇へと足を踏み入れていく。
  • 希望ヶ丘の人びと 上下合本版
    -
    1巻1,595円 (税込)
    私は中学生の娘・美嘉と小学生の息子・亮太とともに、二年前に亡くなった妻のふるさと「希望ヶ丘」に戻ってきた。ここから再出発だ--そう思って開いた塾には生徒が集まらず、亮太は亡き母の思い出を探し続け、美嘉は学校になじめない。昔の妻を知る人びとが住むこのニュータウンに、希望はあるのだろうか?
  • 開成をつくった男、佐野鼎
    5.0
    1巻1,595円 (税込)
    東京大学合格者数日本一、政官財界に人材を輩出する開成学園の前身、それが共立学校である。長く続いた武士の世が終焉を迎え、近代化へと大きく舵を切り始めた幕末、日本の誰よりも早く、米国、欧州の土を踏み、「人の仕立て方」、つまり教育こそが国を創ると予見した男がいた。これは、近代日本に教育の礎を築き、後世に逸材を輩出した、ある男の物語である。明治維新150年を締めくくるのにふさわしい巨弾歴史小説の誕生!
  • 人間の由来(上)
    4.0
    センセーションを巻き起こした『種の起源』から12年、ダーウィンは本書で初めて人間の「由来」と「進化」を全面的に扱った。人間は、肉体的形態、心的能力、知的能力、道徳的性質のすべてにおいて「下等動物」と連続性をもっている。そして、お互いに助け合い、守り合う「種」こそが「存続をめぐる争い(生存競争)」を生きのびる。ダーウィンが進化論に託した希望が示されるもう一つの主著、待望されてきた文庫版初の全訳!
  • 新装版 匣の中の失楽
    4.4
    推理小説マニアの大学生・曳間が、密室で殺害された。しかも仲間が書いている小説の予言通りに。現実と虚構の狭間に出現する5つの《さかさまの密室》とは? '78年、弱冠22歳の青年によって書かれたこの処女作は「新本格の原点」、「第4の奇書」と呼ばれる伝説の書となった。いまだ色褪せない未体験の読書を今こそ! 幻のサイドストーリー『匳(こばこ)の中の失楽』も収録!
  • MOON SAGA 義経秘伝
    4.0
    1巻1,595円 (税込)
    2002年以降からGACKTが手掛けてきた物語『MOON SAGA』。自ら書き下ろした脚本、自らの演出の元、主人公である義経を演じるGACKT。2012年に行われた舞台『MOON SAGA 義経秘伝』の全国4大都市(東京、名古屋、大阪、福岡)公演では、述べ5万人を動員した。そして2014年8月、第二章としてまた新たな義経秘伝が生まれることに……。そんな注目の舞台の原作ともなった小説が登場する。
  • おまえの手を汚せ
    4.0
    1巻1,595円 (税込)
    ビジネスマン作家、驚愕のデビュー作!本社上層部の事なかれ主義でダメになる組織を、二人のウルフが変えていく!主人公は二人の男――。一人は総合商社のエネルギー事業本部課長。もう一人は日本最大自動車メーカーのインド工場の副工場長。「俺たちで必ず日本を変える」と約束し合った彼らの活躍は、社内で異端視され、多くの摩擦を引き起こすが、東日本大震災の後、俄然注目を浴びる。
  • 本居宣長『古事記伝』を読む I
    3.0
    1~4巻1,595~1,925円 (税込)
    誰もがその名は知っている本居宣長の大著『古事記伝』。しかし、全巻読み通した人はほとんどいないといっていいだろう。つまみ食い的に読んで彼の思想を語る前に、まず、細部まで精緻に読み抜こうではないか。とはいえ、宣長の注解は多岐・厖大にわたり、簡単に読み切れるものではない。本書は、現代の代表的『古事記』研究者が、その責任において、徹底的に、かつわかりやすく『古事記伝』全44巻を読み解いていく画期的なシリーズである。そこに浮かび上がってくる宣長の無類のおもしろさ、そして思想の核心とは──。(講談社選書メチエ)
  • あなたへの挑戦状
    4.0
    ミステリ若手筆頭格の二人が全霊で競うところを、見たくないですか? 現在最注目の二名がプライドをかけて競作!? テーマは「あなたへの挑戦状」
  • 伝説なき地 【新装版】
    4.3
    伝説も生まれぬベネズエラの涸れた油田地帯には多数の難民が住みつき、マリアという聖女が人々の団結の象徴となる。その中の鍛冶と丹波という屈強な日本人が地主の攻勢に備えた。その土地から希土類(レア・アース)という超伝導素材が大量に発見され、巨億の利権に目が眩んだ男たちの殺戮劇が始まる。南米3部作第3弾! (講談社文庫)
  • の、すべて
    値引きあり
    -
    1巻1,567円 (税込)
    その怪物が日本を変える。「スサノオ」と呼ばれたカリスマ政治家がテロに遭った。その伝記を制作する芸術家(アーティスト)は、一つの「恋愛」の行方を追って、黄泉の世界へ潜っていく――。〈異形の伝記〉が完成するとき、現代日本の運命が変わる!ポピュリズムの時代に新たな神話を降臨させる、怪物的長篇1001枚。 エックスデーからの30年、この国は何を失ったのか?バブル崩壊後に政界入りし、美貌と弁舌で支持を集めた二世政治家・大沢光延は、将来の首相と目されながらテロリストの兇刃にかかる。彼の生涯を伝説化しようとする芸術家・河原真古登が、出発点に見出したのは、一人の巫女との「運命の恋」だった--。 昭和の終焉からコロナ下の令和、幕末日本へ。芸術家からテロリスト、野生の巫女へ。スイングする「語り」が生み出す、予測不能の展開! アニメ版「平家物語」の原作者が、この時代〈の、すべて〉に挑む長篇絵巻。
  • トラディション
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    かつて街から出て別の場所で働き、五年前から兄を頼って再び街の片隅で金勘定をしている私から見ると、街の外の変化に比べれば、この街の変化など微々たるものに過ぎない。もうずいぶん前に、夜と心中するような女はいなくなったし、今では男と心中するような女も少なくなった。表面だけ明るく、少し退屈になった街で、みんながごく個人的に病んでいく。 群像8月号掲載の中編を単行本化。 ホストクラブの受付で働く「私」、ホストにハマる幼なじみ。夜の世界を「生き場所」とする彼女らの蠱惑と渇望を描く傑作小説。
  • 共に明るい
    3.3
    1巻1,562円 (税込)
    \『この世の喜びよ』で芥川賞受賞、待望の受賞後第一作!/ その瞬間、語られないものたちがあふれ出す。 早朝のバス、公園の端の野鳥園、つきあってまもない恋人の家、島への修学旅行、バイト先の工場の作業部屋――。 誰もが抱える痛みや不満、不安、葛藤。 目に見えない心の内に触れたとき、「他人」という存在が、つながりたい「他者」に変容する。 待望の芥川受賞後第一作、心ふるわす傑作小説集。 「共に明るい」 早朝のバス、女は過去を語り出す。 「野鳥園」 産後の母親と少年が過ごす、仮初のひととき。 「素晴らしく幸福で豊かな」 出会って一ヵ月、恋人と過ごす不安定な日常。 「風雨」 台風で足止めをくらった修学旅行生たちの三日間。 「池の中の」 電池の検品バイトでの会話、起こる揺れ。
  • #Z世代的価値観
    3.9
    1巻1,562円 (税込)
    マーケティング用語じゃない。これはまったく新しい「世代論」 絶望的な世界に生まれた“Z世代”が 「愛」と「連帯」で価値観の革命を起こす! 「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」受賞! メディア・SNSで話題騒然!『世界と私のA to Z』の著者による画期的エッセイ お金、健康、人間関係、SNS、仕事―― Z世代的価値観で分析する“私たちのいま” ・「ホットガール」とセルフラブ ・セラピーは心の必需品 ・「リアル&楽しい」食に夢中 ・エブエブ旋風の奇跡 ・さよなら「インフルエンサー」消費 ・つながりが広げる読書 ・ブランド価値より「今」の価値 ・「仕事≠人生」的な働き方
  • ジューンドロップ
    3.4
    1巻1,562円 (税込)
    わたしたちには家族をめぐる秘密がある 母の不妊治療の失敗、凶暴な白い光と共に襲ってくる片頭痛。 しずくとタマキは、持て余した心を抱えて 縛られ地蔵に会いに行く――。 傷つき、傷つけ、思いあう。痛切な家族の愛のかたち。 「ふと脳裏に、幼い未発達の実が木から落下する光景が過りました。 どうして自分は彼らと同じ道をたどらなかったんだろう」 第66回群像新人文学賞受賞作!
  • 我が手の太陽
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    第169回芥川賞候補作。 鉄鋼を溶かす高温の火を扱う溶接作業はどの工事現場でも花形的存在。その中でも腕利きの伊東は自他ともに認める熟達した溶接工だ。そんな伊東が突然、スランプに陥った。日に日に失われる職能と自負。野球などプロスポーツ選手が陥るのと同じ、失った自信は訓練や練習では取り戻すことはできない。現場仕事をこなしたい、そんな思いに駆られ、伊東は……。 “「人の上に立つ」ことにまるで関心がった。 自分の手を実際に動かさないのなら、それは仕事ではなかった。” ”お前が一番、火を舐めてるんだよ” ”お前は自分の仕事を馬鹿にされるのを嫌う。 お前自身が、誰より馬鹿にしているというのに” 腕利きの溶接工が陥った突然のスランプ。 いま文学界が最も注目する才能が放つ異色の職人小説。
  • うたかたモザイク
    3.7
    1巻1,562円 (税込)
    『スモールワールズ』『光のとこにいてね』で話題の著者、一穂ミチのきらめきの欠片を集めた作品集。病める時も健やかなる時もーー。あなたの気持ちにぴったり寄り添ってくれる13の物語。甘くてスパイシーで苦くてしょっぱい、味わい深いあなただけの人生がここにある。書き下ろしショートストーリー「透子」も収録。
  • ごっこ
    3.6
    1巻1,562円 (税込)
    こんなことに付き合ってあげられるのは、自分だけだと思っていた。 夫婦ごっこ、恋人ごっこ、友達ごっこ……。曖昧な関係に振り回される女たちの、不器用すぎる恋。 野間文芸新人賞候補作『春、死なん』につづき、注目作家が「ままならない恋愛」を描く最新小説集。 ・「ごっこ」 六つ年下の恋人の浮世離れした逃避行に付き合って、あてのないドライブを続けるわたし。そろそろ逃亡資金が底をついてきた。 ・「見知らぬ人」 友人の結婚式に集う客たちの中に、夫の不倫相手が混じっているのではないか。あの女を探す那月が出会ったのは――。 ・「はこのなか」 田舎町の中学で出会った奔放な女友達タクボに思いを寄せる戸川。今の願いは、結婚したタクボの隣室に住むこと。
  • パレードのシステム
    3.7
    1巻1,562円 (税込)
    鮮明で美しく、静謐かつ余韻に満ちたレクイエム、芥川賞作家の新境地。 人生はパレード、荘厳な魂の旅路。台湾と日本、統治と戦争の歴史に及ぶ記録と記憶の軌跡――。 祖父の自死をきっかけに実家のある地元に帰った美術家の私。祖父が日本の植民地だった戦前の台湾に生まれ育った「湾生」と呼ばれる子どもだったことを知り、日本統治下の台湾について調べ、知人からも話を聞き、誘われるまま台湾を訪れることになる。祖父の自死の原因、理由を探り、自身のルーツ・アイデンティティを確かめるための台湾訪問だが、何かに導かれるように台湾先住民の系譜にある人物の葬儀に参加することになる。日本とは全く違う儀式や儀礼、風景に触れるうち、戦争や生と死・祖父の思い出・美大時代唯一の友人の死、様々なイメージが想起され喚起されていくのだった。
  • ケチる貴方
    3.8
    1巻1,562円 (税込)
    「冷え性」と「脂肪吸引」。いま文学界が最も注目する才能が放つ身体性に根差した問題作! 主人公の不機嫌さは極端な冷え性ゆえで、よく読むと類型的な「不満持ち」ではない。気まぐれな「親切」が身体に激変をもたらす一夜を経て、劇的な面白さをもたらした。(「ケチる貴方」野間文芸新人賞選評より)――長嶋有 私は寒いとき必死だ。こんなにも必死なのに、何故この身体は頑なに熱を生産しないのだろう。 骨と皮ならまだしもお前はエネルギーの塊じゃないか。私の代謝機能よ。この身体を温める薪ならここに山のようにあるよ。 頼むからケチらず使ってくれないか。(「ケチる貴方」より) 第44回野間文芸新人賞候補となった表題作と 第38回大阪女性文芸賞受賞作を豪華同時収録。 私の脚は、生来、人並外れて太かった。その程度を定量的に示そう。その周囲、五十八センチ。 (中略)私は自分より脚の太い人を、ついぞ目にしたことがなかった。(「その周囲、五十八センチ」より) 自己肯定と自己否定の相矛盾する狭間の中で生きる人の心を描いて大成功している。 (「その周囲、五十八センチ」大阪女性文芸賞選評より)――町田康
  • 世界と私のAtоZ
    3.8
    1巻1,562円 (税込)
    Z世代って何を考えてるの?  SNS、音楽、映画、食、ファッション Z世代当事者がアメリカと日本のカルチャーからいまを読み解く画期的エッセイ! Z世代が起こす優しい革命に、私も参加したい。     斎藤幸平(経済思想家) 世代論の本懐は「世代」というステレオタイプの境界を解消することに あるんだと気づいた。     後藤正文(ミュージシャン) 未来を作る作業は、 Z世代の多様で切実な声に耳を傾けるところから始まる。     佐久間裕美子(文筆家) ◯「弱さ」を受け入れる ◯「推し」は敬意で決める ◯「文化の盗用」って?  ◯買い物は投票 ◯「インスタ映え」より「自分ウケ」 ◯恋愛カルチャーの「今」 ◯すべての世代が連帯し、未来を向くには <Z世代とは?> 1990年代後半から2010年頃までに生まれた世代。デジタルネイティブで、社会的不平等、人種差別、ジェンダー、環境問題に対して関心が高く、変革への意識が強いとされる。
  • この世の喜びよ
    3.4
    1巻1,562円 (税込)
    第168回芥川賞受賞! 思い出すことは、世界に出会い直すこと。 最初の小説集『ここはとても速い川』が、キノベス!2022年10位、野間文芸新人賞受賞。注目の新鋭がはなつ、待望の第二小説集。 幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼び覚ましていく表題作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。 ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。 二人の目にはきっと、あなたの知らない景色が広がっている。あなたは頷いた。こうして分からなかった言葉があっても、聞き返さないようになっていく。(本書より)
  • きみが忘れた世界のおわり
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    芸術を通して死者と向き合うといった普遍的な取り組みに、 死者視点の二人称と、さらにはSF的な趣向を加えた技巧的な意欲作。――宮内悠介 完成間近の卒業制作を教授に酷評された木田蒼介は、自分の過去――交通事故で亡くした幼馴染・河井明音をテーマに作品を描き直すことを決める。しかし、蒼介は彼女にまつわる記憶を完全になくしていた。明音に関する情報を集めるうち、蒼介の思い描く明音像を投影した幻覚・アカネが現れる。蒼介は、徐々に失われた記憶を辿っていく。 第16回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。
  • とんこつQ&A
    4.3
    1巻1,562円 (税込)
    真っ直ぐだから怖い、純粋だから切ない。あの人のこと、笑えますか。 “普通”の可笑しみから、私たちの真の姿と世界の深淵が顔を出す。 大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは――(「とんこつQ&A」) 姉の同級生には、とんでもない嘘つき少年がいた。父いわく、そういう奴はそのうち消えていなくなってしまうらしいが……(「嘘の道」) 人間の取り返しのつかない刹那を描いた4篇を収録、待望の最新作品集!
  • 私たちは空になれない
    4.5
    1巻1,562円 (税込)
    「時は確実に、私を大人へ押し出そうとしている。」 衝動的に、姉の形見のペンダントを、川に放ってしまった「育音」。 そんな時に声をかけてきたのが、青年「沖田」だった。 レンタル役者を生業としている彼に、「育音」は「共犯者」を演じてもらいたいと願う。 「沖田」の仕事を手伝い、かかわるうちに、「育音」の想いは次第に変化して―― 「俺に演じてほしいのはどんな役?」「共犯者」 切ない衝撃が胸を打つ、メフィスト賞作家快心の傑作青春ミステリー!

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