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Posted by ブクログ 2010年05月15日
静謐な空気が言葉の隙間から漂い出てくるような錯覚に駆られる。日常の行為の中で去来する様々な思い。それは、目の前の出来事と過去を結びつけたかと思えば、穏やかな言葉のやり取りの中に忍び込む無口な怒りを気づかせたり、と忙しく動いているかのように思える。しかし一つの思いと次の思いの間には隙間が無いようでいて...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年08月16日
「逆さにして振っても、一滴も残っていなかったでしょうね」
父の死、猫の死、我が身の死…
幼少期、雨の日に父を迎えに行くことが「私」の日課だった。
父の死から幼少期の父との接点を思い返す『傘と長靴』。
厳しい父親と、小さな「私」が無言で坂をのぼるシーンは、白黒映画にできそうな味がある。
「死」とい...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年02月27日
私小説的死生観~「傘と長靴」母が死んで以来一人暮らしだった父が死に、駅まで傘と長靴を持って父を迎えに行っていた頃を思い出す一方、公園の野良猫に餌を与えるために早朝自転車に乗る。「猫の水につかるカエル」父の家から引き取ったのはソファで父を思い出すが、一方で年に一度の人間ドックで膵臓に何かが発見され、精...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年02月27日
両親も亡くなり、残された家で自分を溺愛するあまりに心中を持ち掛けてくるメス猫とのひっそりとした生活。
自分も高齢になり、毎年かかさず受けている健康診断で、予期せぬ陰が見つかり、腐れ縁の巨体の男と噛み合っているのかもよくわからないような話をしながら食事をするひととき。
「傘と長靴」で公園に住んでい...続きを読む
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