川崎徹の作品一覧
「川崎徹」の「石を置き、花を添える」「会話のつづき ロックンローラーへの弔辞」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「川崎徹」の「石を置き、花を添える」「会話のつづき ロックンローラーへの弔辞」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
『しかしそれは晩年の今村監督から逆算した、わたしが捏造した記憶であるようにも思う。そんなはずはないのに、そこだけにスポットライトがあたっているようだった』-『石を置き、花を添える』
記憶と想像のあわいをすすむような印象、と初めて川崎徹の著作を読んだ時に思った。それはエッセイとも小説とも、すっぱりと決めて呼んでしまうことが躊躇われるような読後感だった。再び川崎徹の著作を手にして、やはり、と思い返す。
どこまでも記憶を辿るような話が進んでゆくようでありながら、そこにはにわかに事実とは思えないような(と書くのは少し大げさ過ぎるし、読んで受け取る印象からすれば事実ではなく、それらは極めて自然に文字
Posted by ブクログ
静謐な空気が言葉の隙間から漂い出てくるような錯覚に駆られる。日常の行為の中で去来する様々な思い。それは、目の前の出来事と過去を結びつけたかと思えば、穏やかな言葉のやり取りの中に忍び込む無口な怒りを気づかせたり、と忙しく動いているかのように思える。しかし一つの思いと次の思いの間には隙間が無いようでいて、実は何も無い時間が過ぎていったようでもある。その時間の思いがけない長さが不思議でもあり、自然でもある。
一体これは小説と呼ぶべきなのかそれとも随筆のようなものか。小説と呼ぶには作家と一人称で語る人物の重なり方には余りに隙がない。語られる言葉から立ち上がる世界は自分と地続きの世界であるようにすら見