無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
世紀のスーパー・スター、キング・オブ・ポップが死んだ。たったひとり、「傷痕」と名付けられた娘を残して・・・
読んでいて涙が出てきました。うしなわれたものがどれほど大切で、多くの人の心をゆさぶってきたのか、というテーマが、実際にいた人間に重ねて描かれていく。その書き方が、おそろしくあたたかくて、きらきらしてて、のどがつまりそう。
わたしの知っているマイケル・ジャクソンはもう奇行を始めたころで、どちらかというと薄気味が悪いという印象しかもっていなかったのだけれど、彼の死後あふれる音楽に、ビデオに、目が釘付けになった。これが世界を震わせたスーパー・スターの姿なのかと、驚いたままテレビにかじりついていた。きらきら。光り物で飾り立てた輝きじゃなくて、本人の中からあふれでるエネルギーのきらきらが、すごくって。こんなものを青春に吸って吐いて過ごしていた大人たちはうらやましいとも思った。
個人的にはパパラッチさんの息子の言った「お父さんの大好きな人が死んじゃったよ」という言葉が大好き。正の感情でも負の感情でも、つよくて濃い感情がぎっしりつまった話でした。
彼が死んだとき、あるアメリカ人が「My hero was gone.」と言っていたのだけれど、その言葉がいつまでもひっかかってとれない。
Posted by ブクログ
Great ! やっぱり、桜庭作品は最高なのだ!・・・またもや、内容をよく知らずに読み始めた私。「あれ?これって、マイケル・ジャクソンがモデル・・・とか?」 参考文献を見ると、やっぱりそうらしい。私自身、彼に特に興味はないのだけど、そんな大スターをモデルに書いちゃって、大丈夫なのかなぁ?と、ちょっと心配しつつ読み進める。結果・・・やっぱり、桜庭さんは、桜庭さんなのだった!桜庭さん、マイケル・ジャクソン好きなんだなぁ~。と、私も今更ながら、ちょっと彼に興味を持った次第であります。それにしても、「傷痕」が彼の娘の名前だったとは・・・。でも、好きです「傷痕」♡
Posted by ブクログ
「伏」のときもそうだったがなんでこんなに誰も手を出さないようなド高いハードルのモチーフを持ってくるかね桜庭一樹は、ホントいつもヒヤヒヤさせられっぱなしである。だがあの零戦本みたく丸写しにならずそれなりに仕上げてくるところは流石かな。
マイケル、パリス、孔雀はラトゥーヤ、そして少女を描く事については一流の桜庭マジックで女の子となった復讐と傷痕の心情のコントラストが絶妙で知っている者はもちろん知らない者も充分に楽しめる内容になっている。
緻密な計算によりあえて在り来たりに纏められたエピローグも良かった。
ときにその軽さ故手を出してなかった桜庭作品、また読んでみようかなぁ
Posted by ブクログ
偉大なポップスターの死を残された人々の視点から描いた作品。
様々な人物の物語や想いが、最後の、彼の死から2ヶ月後に催された特別なセレモニーのシーンに繋がっていく。
彼を送るためのセレモニーはとても素敵だった。彼のことを知らない、一読者であるわたしも思わず彼の死を悼み、叫んでいる。そんな想像が頭の中で広がった。本の内容だけでなく、個人的な感情や思い出も押し寄せてきて、ゾクゾクっと背筋に何か走った気がした。GLAYの20万人ライブの熱狂や、小さな劇場で、卒業公演の後の挨拶を行い涙を流す演者を包み込む熱気。ZARDの坂井泉さんの突然の訃報やミスターこと長嶋茂雄が病で倒れたニュースを聞いた時。頑張っても報われないこともあると知ったあの日。憧れや慕うという感情に出会った瞬間。それぞれが大きく膨らんで混ざり合って物語を身近に感じることができた。
偉大なポップスターの名がこの物語の中で明かされることはない。まるで神の名のように。国民的スターも、長きに渡って国の統治に関わってきた一族も、幾多の宗教が奉じる神様も、身近にいる憧れのあの人も。遠い存在でありながら、一人一人の日々の生活に親しく寄り添っている点では同じでわないかと思う。
自分の歩みをふいに振り返るときそれらの存在はかけがえのない指針となるはずだ。”自分とは何者なのか”それを考えるときの”過去”の経験を切り離すのは難しい。桜庭一樹さんの作品を手に取ったのは『GOSICK』が最初だった。『私の男』『道徳という名の少年』『ばらばら死体の夜』そして『傷痕』。色々共通点はあると思うけれど”過去”との闘いの物語が描かれているのはその一つだと思う。今の自分を語るとき①まさに今この瞬間を切り取るのか②未来へのスタート地点として語るのか③過去の経験を再構成して説明するのか。全てが必要なのだろうが私はどうしても③が占める割合が大きくなってしまう。②のウエイトを高めれればもっと楽しい人生を送れるのではないかなどと思うのだけれどなかなか難しい。③から②への葛藤を感じられたからこの作品のセレモニーのシーンに共感できたのだと思う。過去に囚われ心に不安を抱えていたとしても、未来は描けるのだと。もう自分ではなに描いてるか分からないくらいグチャグチャになっても、他人からは落書きにすら見えないくらいクレイジーでも描き続けていいだよって。そんな気分になれた気がした。
Posted by ブクログ
マイケル・ジャクソンを現代日本で再現したら?という話。
桜庭一樹は父もしくは母との関係により、少女が健全に生きられないという話が多かった。
今回はスーパースターに性的いたずらをされた復讐と、彼の娘の傷跡が対照的に描かれている。
復讐はスーパースターの視界に入るために、また大人たちにのせられて、彼を訴える。けれども、スーパースターは彼女に同情するだけ。一方、傷跡は彼が亡くなっても生きていけるように、自由になるように配慮される。保護される者とそうでない者。持つ者、持たざる者。
傷跡に対する彼の行動、傷跡が立ち上がる姿は今までの桜庭一樹にはなかったように思う。強い。
この対比は彼を取り巻く人間にも言える。才能の有無。愛情の有無。
Posted by ブクログ
あ、やっぱりマイケル・ジャクソンのことか!と参考文献のページを見て思った。
私は、作品の中で言えば、彼が死んでから、その偉大さを、色んなものを通してなんとなく感じた世代に属していて、
つまりは、私は繁栄の神がいなくなってしまった世界に生まれてきたということか、と気づくと同時に、傷痕がこれから生きてゆく世界が、私達が生きてゆく世界でもあるのだなぁと感じた。
でも狂乱と繁栄の時代よりも、今の世界の方が静かでいいな、と私は思う。傷痕もきっとそうだったんだじゃないかと思う。
桜庭さんがかく、世界が年老いていくという表現がとても好きだ。
現代が、私がこれから生きていく世界が、年老いた世界であるという表現は、とても心にしっくりくる。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸