万葉ポピュリズムを斬る

万葉ポピュリズムを斬る

1,595円 (税込)

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そこのけ、御用学者ども! 数ある便乗本よ、焼却炉の灰となれ。
「維新」「大戦」、そして「令和」――。
「『万葉集』には天皇から庶民の歌までが収められている」という虚構を、近代以降の国家権力は利用し続けてきた。

新しい年号は令和。出典は「国書」である万葉集――2019年に安倍首相が幅高々に発表した直後、東京大学教授・品田悦一氏の「戦い」ははじまった。「令和」の典拠になった「梅花歌」序には、さらに中国漢籍の「典拠」がある。そこには、1300年前に大伴旅人が込めた、「権力の横暴を許すな」という反体制のメッセージがある。安倍首相はそれを知らないのだ、ということを明らかにした。品田氏の反論は、Twitterで一気に拡散し、全国紙にも取り上げられた。

だれが首相になっても変わらない!
われわれは踊らされてはいけない、ぼーっと生きてではいけないのだ。
天皇や貴族から庶民の歌まで載っている『万葉集』にあやかって、人々が美しく心を寄せ合う世の中を作りましょうというのは、「美しい国」が立ちゆくために国民に犠牲を払ってもらおうという方向へ誘導しようというものではないのか。令和という年号からわれわれが読み取らねばならないのは、なんなのか。

(本書のおもな内容)
●「令和」から浮かび上がる大伴旅人のメッセージ
「令和」の典拠となった、大伴旅人の「梅花歌」序。京都を離れた太宰府で梅の花を愛でるという、歌の宴。「梅花歌」序は、中国漢籍を踏まえたもので、典拠に込められた「真意」までたどりついたとき、われわれは「令和」の本当の意味を知る。藤原氏の専横、長屋王の謀殺。中央政治の腐敗に対し、遠い太宰府から、大伴旅人は、どのようなメッセージを込めていたのか。まるで古代ミステリを読み解くようなスリリングな論理の知的興奮と同時に、現代人は旅人のメッセージを自分たちのものとして受け止めなければならないことを痛感する。
●「万葉ポピュリズム」を斬る
日本女子大で開かれた熱い講演を、大幅加筆修正して収録。『万葉集』を利用しようとする国家の作り上げた幻想を打ち砕き、さらには、「元号」「改元」という言葉の「怪しさ」を明らかにする。
一、「改元」というのは元号を改めることではないのだ、そもそも「元号」というのは変なことばなのだ。
二、『万葉集』には天皇や貴族の歌だけでなく、農民や防人の歌までが収録されていると言われることがあるが、それは大きな間違いである。
三、『万葉集』にあやかって、人々が美しく心を寄せ合う世の中を作りましょうというのは、「美しい国」が立ちゆくために国民に犠牲を払ってもらおうという方向へ誘導しようというものではないのか。

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  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 詩集・俳句
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    224ページ
  • 電子版発売日
    2020年10月07日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    100MB

閲覧環境

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万葉ポピュリズムを斬る のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ポピュリズム(populism)とは、大衆に迎合して人気をあおる政治姿勢のことだという。随分と挑戦的な本の題名だ。
    「令和」が万葉集から採られたことに対する元安倍晋三首相の言を真っ向から批判している。
    いわく政府は漢文籍ではない日本の万葉集から採られたというのを強調している。万葉集巻五「梅花歌三十二

    0
    2021年03月25日

    Posted by ブクログ

    「令和」の「元号」が発表されたときに、注目された「万葉学者」品田悦一さん。

    品田さんは、「令和が万葉集からやってきたというが、その参照もとの大伴旅人の言葉には、中国の古典への参照リンクが存在し、そちらの文脈も踏まえて読めば、「令和、云々」の文章は、太宰府にいた大伴旅人が都の政治を批判したものと読む

    0
    2021年03月06日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     文学研究としては、とても真っ当に資料を確実に活用しながら、真理を探究しようとしている。「庶民の歌」はどこから来たのかと考えれば、「万葉集」に対する虚説は無くなる。
    (オビや前書きほど過激な本ではないから、落ち着いて読む)

    0
    2020年12月19日

万葉ポピュリズムを斬る の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 詩集・俳句
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    224ページ
  • 電子版発売日
    2020年10月07日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    100MB

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