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息子「俺、離婚することにしたから。今日からここに住むわ」
母「ええっ!? 離婚!?」
後期高齢母と初老の息子。突然始まった二人暮らし、そして二人旅。笑いと涙のハイエイジ・エンターテインメント!
75歳、両親が遺した鎌倉の家に一人暮らしの晴恵。
一人息子の達彦は、大学進学をめぐる意見の食い違いから「死ね、クソババア!」と捨て台詞を残して家を出て以来、ほとんど音信不通。
終活を意識し始めた晴恵の元に、55歳になった達彦が突然、非の打ちどころのない嫁を捨てて帰ってきた!
離婚原因は? これからどうするつもり? 聞きたいことは山ほどあるのに言い出せないまま始まった母子生活。
おっかなびっくり息子の胸の内を探り、嫁を訊ねて探偵よろしく事情を聞くが埒はあかずーー
そんな中、ひょんなことから息子と二人で九州旅行に行く羽目に。後期高齢者の母と初老の息子、果たしてその行く末は。
母と息子のドタバタ、高齢者あるある、そして最後はほろりと泣ける
すべての親子に贈る物語
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Posted by ブクログ
▼ちょっとご縁があって、読んでみました。保坂さんという作家さんは初めて読むかなと思ったら、昔に「リコール」という小説を読んだことがありました。自動車メーカーの不正を暴く話だったと思います。
▼80台(70台後半だったかしらん)の女性がいる。離婚歴があって、息子と両親と長く暮らして、ずっと会社員で働いていて、それなりにご苦労をされてきた。息子を育て上げて、両親の介護にも疲れながらやりぬいて、今は一人暮らし。知性的で落ち着いた人柄なんですが、実は独立した息子(50台)との仲が悪い。というかほぼ絶縁状態。
▼息子は研究職についていて、結婚している。成人して独立した娘もいる(つまり、主人公からすると孫)。この息子が、ある日突然、単身で帰ってくる。どうも妻と不和で離婚するのかしらんという感じだが、訳を話してくれない。でも同居しはじめる。
▼息子が大学受験とかそういう年頃に、ずっと「医者になる」と言っていた息子が、その希望を土壇場でとりやめた。そのことに主人公は落胆と不満があった。息子に、そういうことを言ってしまった。それをきっかけで息子は反抗的になり、「死ねクソババア」と言い残して出ていった。それ以降、冠婚葬祭に最低限付き合うだけで、まともにおしゃべりもしないまま。ウン十年。
▼世間的には何もみっともないことはないけれど。同居することになった50台の息子と、仲良くできない。楽しいおしゃべりすらできない。寂しい。ストレス。
そんなことが、どうやって解消されていくか。どういう訳があったのか。息子は昔、子供の頃、何を感じて、何を考えていたのか。何を隠してきたのか。何を隠しているのか。
と、いう人情噺でした。
▼話の成り行き進行は、そんなに物凄く硬質で良くできたものとも思いませんでしたが、するすると読めて、それなりに感情移入もできたので、悪い本ではありませんでした。
最後はちゃんと、物語的な力技も含めた、ほろ苦くとも甘いハッピーエンド。嫌いではありませんでした。
▼「どうしようもなく持ち合わせてしまう、エゴで勝手で、自尊的な、あるいは虚無的な、心情。行い」
とでもいうべきものを「人の業」と呼ぶならば、それぞれのキャラクターの「業」の掘り下げみたいなものは、さほど深くはありません。だけど、「家族」という不可思議なご縁に、なんだかんだ、最後はすがりたくなる人の弱さみたいなものへの、優しさは根底に感じられて、悪い後味ではありませんでした。
Posted by ブクログ
息子・達彦が「死ね、クソババア!」と言って18才で家を出て行って以来、息子とは疎遠になってしまった母親・晴恵。
親の介護を終え、75才になり1人で暮らしていた晴恵の家に突然、息子が帰ってくる。
読んでいて自分勝手な息子にイライラした。55才にもなってきちんと話も出来ない息子に気をつかう晴恵。一方、晴恵の身の振り方はあっぱれだと思う。なかなかあそこまで強い決意を持つことは出来ない。親子でもわだかまりが残ったまま疎遠になってしまえば、他人のようなもの。近くに住んでいる仲の良い友達の方が頼りになるだろう。
ラストは感動的だが、都合が悪くなると黙ってしまうあの息子があんな感じなるとは思えないなぁ(笑)
Posted by ブクログ
ドタバタとコミカルなものかと思って読み出したら、あら?違うみたい。まあいいかと、期待薄で読み進めていたのだけど、いつのまにか熱心にページをめくっていた。息子の離婚話や主人公の病気という、ホームドラマとしては、言わばベタな展開。これが深刻にもブラックにもならず、かといって無理矢理な明るさもなく、ああ現実ってこういう感じかもという描き方がされていて、ひきこまれた。
で、ラスト。ダメだこれは。涙をこらえられなかった。そう、親ってどこまでいっても子どもには頼られたいし、面倒みたい何でもしてやりたい、もうこれは性というか業というか、子どもがオッサンになろうがなんだろうが、小さかった頃のことを忘れないものなのだよねえ。ウザイなあと思われたくないから、こらえてるだけで。わたしには娘と息子がいるが、息子については基本的によくわからなくて(娘ならよくわかるという意味ではないが)、距離感が難しい。甘えん坊だった小さい頃、むすっとした中高生時代、いっぱしの社会人になった今、いろんなときの息子の姿が頭に浮かんできて、胸が詰まってしまった。
Posted by ブクログ
75歳の晴恵は、両親が遺した家で一人暮らしをしている。
一人息子の達彦は、大学進学時に意見の食い違いで口喧嘩したまま、冠婚葬祭のみの薄い関係でしかなかった。
そんな息子が突然、「離婚することにしたから。今日からここに住むわ」と言って帰って来る。
その頃、晴恵は人間ドッグの結果の要再検査を受け取ったところだった。
晴恵の病気が明らかになったあと前から予定していた一人旅に行こうとするが、自分も行くと言い出す達彦。(ドアに差し込む手紙のやりとりなのが、なんとも言えない)
旅の最中、母に再婚の話があったことを知っていたことやなぜ医学部を受験しなかったのか、など達彦の気持ちも知ることができたのだが、自分の離婚に関しては口が重たいままだった。
子どもの性格を把握しているからこそ、離婚せずに研究に勤しんでほしいとか、離婚しようがしまいが、ひとりで暮らせるだけの生活力をつけてやらなければならない、だとか自分の病気のことは後回しで息子の将来のことだけ考えている。
いくつになっても子どもは子どもであって、親は死ぬ間際まで心配するのかもしれないと思った。
だけど子どもも嫌なら母が住む家には帰って来ないだろう。
いっしょに旅行も行かないだろうと思う。
タイトルは過激だけど、親子の気持ちは充分に感じた。
最後は泣いてしまう。
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