あらすじ
息子「俺、離婚することにしたから。今日からここに住むわ」
母「ええっ!? 離婚!?」
後期高齢母と初老の息子。突然始まった二人暮らし、そして二人旅。笑いと涙のハイエイジ・エンターテインメント!
75歳、両親が遺した鎌倉の家に一人暮らしの晴恵。
一人息子の達彦は、大学進学をめぐる意見の食い違いから「死ね、クソババア!」と捨て台詞を残して家を出て以来、ほとんど音信不通。
終活を意識し始めた晴恵の元に、55歳になった達彦が突然、非の打ちどころのない嫁を捨てて帰ってきた!
離婚原因は? これからどうするつもり? 聞きたいことは山ほどあるのに言い出せないまま始まった母子生活。
おっかなびっくり息子の胸の内を探り、嫁を訊ねて探偵よろしく事情を聞くが埒はあかずーー
そんな中、ひょんなことから息子と二人で九州旅行に行く羽目に。後期高齢者の母と初老の息子、果たしてその行く末は。
母と息子のドタバタ、高齢者あるある、そして最後はほろりと泣ける
すべての親子に贈る物語
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
小説のタイトルがとても強烈だったので、どんなドラ息子なんだと思って読みましたが・・・
とても良い物語でした。
最後はせつない気持ちになりました。
涙が出てきました。
いくつになっても親は親、子は子はなんです。
私も田舎で暮らす年老いた母親に会いたくなりました。
Posted by ブクログ
過保護過干渉の母親に「死ね、クソババア!」と言い捨てて18歳で家を出た息子が、人生どん詰まりで打つ手なしの状態で実家に帰ってきた話だと思って読んだのだが…。
母一人子一人で、しかし母の実家で祖父母とともに暮らしてきた晴恵と達彦。
18歳で家を出たのは同じだが、大学進学で出て行ったのだ。
ずっと医学部に進むと言っていた息子が受験直前に「医者にはならない」と言って進路を変えてからぎくしゃくしてきた母子関係。
「医者になると思って身を粉にして学費を貯めてきたのに。学者なんて大したお金にならないんでしょ?」の一言にキレた息子が放った言葉が「死ね、クソババア!」
で、大学院まで親の金で進むんだな、これが。
しかし在学中はもちろん、自身の結婚を含む冠婚葬祭の親戚づきあいの時しか連絡し合わない。
結婚相手は総合商社に勤めるキャリアウーマン、娘はキャビンアテンダント。
出来た嫁が孫を連れて遊びに来たり、時候の挨拶をくれたりするものの、息子は音信不通。
ところが、ある日突然息子が家に帰ってきた。
離婚するという。
理由は言わない。
こっそり食事を食べ、洗濯物をそっと出す。
うわ~、嫌だ~!
大学の助教で世間的にはお偉いのかもしれないけれど、人として嫌だ~、この息子。
肝心の晴恵は、ガンで余命2年を宣告されたばかり。
なのに、まず息子の世話を優先するんだよ。
祖父母の家にいたとはいえ、専業主婦だった母が社会に出て苦労しているところくらい知っていただろう。
総合商社に勤める妻が、実家の母に手伝ってもらわないと家のことに手が回らないことも知っていただろう。
なのに、家事能力ゼロ。家計管理の概念なし。
どこまで母や妻に甘えていたのか。
妻に無断で研究に費やした借金1000万円を返す当てがなくて、離婚届を置いて黙って実家に家出。
後期高齢者の母親が最後に息子のためにした決断。
実家は息子に残したものの、老後資金で入れる老人ホームに入居。
「俺が介護しようと思ったのに、なぜ勝手に老人ホームに入居を決めた!」とキレた息子は、面会にも来やしない。(あんたに介護の何ができる?)
最後にホームの職員に付き添われて、そっと家の様子を覗いてみたら、息子一家が幸せに過ごしていましたとさ。
それでもまた、生まれ変わっても達彦の母になりたいって…私には無理だ。
Posted by ブクログ
息子・達彦が「死ね、クソババア!」と言って18才で家を出て行って以来、息子とは疎遠になってしまった母親・晴恵。
親の介護を終え、75才になり1人で暮らしていた晴恵の家に突然、息子が帰ってくる。
読んでいて自分勝手な息子にイライラした。55才にもなってきちんと話も出来ない息子に気をつかう晴恵。一方、晴恵の身の振り方はあっぱれだと思う。なかなかあそこまで強い決意を持つことは出来ない。親子でもわだかまりが残ったまま疎遠になってしまえば、他人のようなもの。近くに住んでいる仲の良い友達の方が頼りになるだろう。
ラストは感動的だが、都合が悪くなると黙ってしまうあの息子があんな感じなるとは思えないなぁ(笑)
Posted by ブクログ
ドタバタとコミカルなものかと思って読み出したら、あら?違うみたい。まあいいかと、期待薄で読み進めていたのだけど、いつのまにか熱心にページをめくっていた。息子の離婚話や主人公の病気という、ホームドラマとしては、言わばベタな展開。これが深刻にもブラックにもならず、かといって無理矢理な明るさもなく、ああ現実ってこういう感じかもという描き方がされていて、ひきこまれた。
で、ラスト。ダメだこれは。涙をこらえられなかった。そう、親ってどこまでいっても子どもには頼られたいし、面倒みたい何でもしてやりたい、もうこれは性というか業というか、子どもがオッサンになろうがなんだろうが、小さかった頃のことを忘れないものなのだよねえ。ウザイなあと思われたくないから、こらえてるだけで。わたしには娘と息子がいるが、息子については基本的によくわからなくて(娘ならよくわかるという意味ではないが)、距離感が難しい。甘えん坊だった小さい頃、むすっとした中高生時代、いっぱしの社会人になった今、いろんなときの息子の姿が頭に浮かんできて、胸が詰まってしまった。
Posted by ブクログ
75歳の晴恵は、両親が遺した家で一人暮らしをしている。
一人息子の達彦は、大学進学時に意見の食い違いで口喧嘩したまま、冠婚葬祭のみの薄い関係でしかなかった。
そんな息子が突然、「離婚することにしたから。今日からここに住むわ」と言って帰って来る。
その頃、晴恵は人間ドッグの結果の要再検査を受け取ったところだった。
晴恵の病気が明らかになったあと前から予定していた一人旅に行こうとするが、自分も行くと言い出す達彦。(ドアに差し込む手紙のやりとりなのが、なんとも言えない)
旅の最中、母に再婚の話があったことを知っていたことやなぜ医学部を受験しなかったのか、など達彦の気持ちも知ることができたのだが、自分の離婚に関しては口が重たいままだった。
子どもの性格を把握しているからこそ、離婚せずに研究に勤しんでほしいとか、離婚しようがしまいが、ひとりで暮らせるだけの生活力をつけてやらなければならない、だとか自分の病気のことは後回しで息子の将来のことだけ考えている。
いくつになっても子どもは子どもであって、親は死ぬ間際まで心配するのかもしれないと思った。
だけど子どもも嫌なら母が住む家には帰って来ないだろう。
いっしょに旅行も行かないだろうと思う。
タイトルは過激だけど、親子の気持ちは充分に感じた。
最後は泣いてしまう。
Posted by ブクログ
ネーミングセンス抜群のタイトルに惹かれ、読んでみました。どこかにいそうな母と息子の物語。
お節介な幼馴染、後期高齢者の日常、病気や旅行、息子夫婦の離婚問題など面白おかしく書いてあります。実際起こると残念すぎる出来事もお涙頂戴という言い回しがほとんどないので悲観的にならずに読み進められます。
作品全体が主人公の強さと優しさで包まれているような…
そのせいでしょうか?なぜだか最後の最後で急に感極まって泣けてきました。
とても好感の持てる作品です。
Posted by ブクログ
親子や友だちなど、リアルな人間関係が軽妙なタッチで描かれており、ぐいぐい読まされます。
人間、自分の人生の先が見えた時、初めて自分の役割を知るのだと痛感。
最後は涙が止まりませんでした。
Posted by ブクログ
高校卒業と共に家を出て疎遠になっていた息子が1人で暮らす母の元に帰ってくる話。大学の准教授となった55歳の息子が妻と離婚すると言って実家で暮らし始めた。息子の今後、自分の老後、健康問題と晴恵には悩みが絶えない。
タイトル通り。読みやすかった。突然戻ってきた息子、30年以上ぶりの2人暮らし、初めての2人の旅行と怒涛の展開。息子には借金があり妻と離婚したいと言うが、家事の一つもできない息子が1人で生きていけるとは思えないと頭を悩ませる晴恵。なんとも言えず身に積まされる感じが…。
Posted by ブクログ
題名に惹かれて読んだ。読み始めからサザエさん的なご近所ホームコメディかと思ったが、親子、夫婦の再生物語。介護する側の気持ちに触れる部分や、高齢になってから病気の告知を受け入れる場面は、きっとそうなんだろうなとリアリティがあった。
Posted by ブクログ
題名の衝撃度はスゴいけど、本編は親子の確執をゆるゆるとほどいていくお話。
母親は何歳になっても子供のことが心配。きっとどの母親もおなじなのでしょうね。
なにげに、マアちゃんのような人が側にいてくれるって大切でなぁ、と思う。歳を取ってからの友人は大切って言葉に納得できる
Posted by ブクログ
面白かったけれど、なんとなく合点がいかない。
55歳にもなって、こんなわがままで子供っぽい男がいるだろうか?
まだなんの症状も出ていないのに、緩和ケア付きの老人ホームに入る75歳の女がいるだろうか?
なんか違和感がある読みやすい作品でした。
Posted by ブクログ
サラッと読めた。
もっとバカ息子かと思ったらただの不器用なオトコだった。
家族なのに疎遠になるって自分では想像できないけど、楽かな?とつい思ってしまった。
Posted by ブクログ
すごいタイトルだな…と思い手に取りました
どんなはちゃめちゃな息子が来るのかと
ドキドキしてましたが
そんな激しい内容ではありませんでした笑
軽めであっという間に読める一冊です
ずっと母親の周りをうろついていた息子が
何かをきっかけに疎遠になってしまう
想像して、切なくなりました。
私はいま小さい子どもたちと生活していて
毎日『ママー!ママー!」と呼ばれる生活に
若干疲れも感じてますが笑
この期間がどんだけ尊いか改めて感じます
子どもはいくつになっても子供だけど
今を大切にしなきゃな
あとは老後も毎日心配してくれるような
友達が近くにいるといいな。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読んだが、タイトルほど過激な内容ではなかった。ちょっと残念。
55歳になって離婚すると言って実家に戻ってきた息子にイラっとする。
ろくに説明もしないし、それどころか会話もしない。部屋に引き篭り、自分が就寝中や不在時にシャワーを浴びたり食事をしたり。
都合が悪くなると黙り込むのは子供の頃からみたいだけど、私が老母なら晴恵のように息子が口をわるのを待ったり、苦手な嫁のところに出向いて息子の尻拭いをしようと思えないかもしれない。
エピローグも、息子にガッカリ。
自分だけよければいいんかい!
Posted by ブクログ
話として面白いので
読めるんですけど
息子の気持ちに共感できなくて
いらぁ~とします
居ますよね 話せばわかるのに
全然 自分からは離さないくせに
察してもらおうとする男性
それに対して 妙に忖度しちゃう母親の姿に
どきっとしちゃいますね
息子になんか気を遣わなくていいのに
やっちゃうんだよね
Posted by ブクログ
小林晴恵、75歳。
近くに住む幼馴染のマアちゃんとはなんでも話す仲。
フィットネスクラブに行ったり
この先も一緒に自由な老後を楽しむ予定だったが。
疎遠になり声も忘れかけた頃・・・
息子は帰ってきた。
たっぷりと愛情を与えているつもりでも
子育てにはちょっとした後悔が伴う。
タイトルからは思いもよらなかった結末。
ホロリとしたり、わがままな息子にイラッとしたり
なにが幸せかは人が判断してはいけないと教えられた。
Posted by ブクログ
タイトルだけで、物語の序章が分かってしまう。タイトル読んだだけで波乱の予感しかしない。
息子55歳になったので、母親も高齢。お互いが若い時とは違い、色々と切実な問題もあり。
さすがに子供に「死ね、クソババア!」呼ばわりされた事はないけど(笑)これから先の事を考えると、全く他人事とも言えないような気がする。
色んな意味でちょっと切ないお話。
Posted by ブクログ
タイトルが衝撃的、新書のような長さ。
さて、どんなダメ息子なんだろうと想像していたのとは違う展開。
九州のドライブコース、知らないところがいくつもあり、興味あり。息子と旅行に行けるなんて、なんとも羨ましい。
最後は、ほろりというより、引き際が見事な晴恵さんにエールを贈る。
Posted by ブクログ
55歳で息子が離婚して帰って来る、、、。考えたら恐ろしい。それでも親は死ぬまで親だから結局心配してしまう。
こんなにうまくいくはずないと、ちょっとご都合主義を感じた展開だった。息子の言動にイライラしながら読んだので、☆は3つにしました。