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バイト仲間のYouTuber彼氏を襲撃、先輩に誘われて初めてのクラブで爆踊り、激辛フェスで後輩のプロポーズをプロデュース……
「普通は尊いし、普通は貴重だし、普通はむしろ普通じゃありません」
コロナで派遣切りにあった「私」は食い繋ぐためにイタリアンレストラン「フェスティヴィタ」に辿りつく。ベテランのマナルイコンビ、超コミュニカティブでパーリーピーポーのヤクモ、大概の欠点ならチャラになるくらいかわいいメイちゃん、カレーとDJに目覚めたフランス人のブリュノ、ちょっとうさんくさい岡本くん……バイト仲間との愉快で切実な日々を描いた作品集。
「ウルトラノーマル」なわたしが「ハジケテマザル」、最高のバイト小説!
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Posted by ブクログ
親父の文藝春秋をひったくって『蛇にピアス』を読んで以来、「この人は俺とは合わない」と決めつけて遠ざけていたことを、今になって全力で悔いている。伝え聞く作者のイメージと異なり予期せぬ読後感の良さに戸惑ったが、期待よりはるかに素晴らしかった。
陰キャ寄りだけど普通of普通の権化たる主人公真野。読む人によって「ここは自分より優れている、ここは劣っている」という感じ方が変わってくるような丁度いいキャラメイク。それをひっくるめて普通を極めたような存在で面白い。
それぞれ個性の塊のような同僚たちも、読んでいるとひとりひとりに愛着が湧く。
真野が普通であることもまた個性として肯定される空間は居心地がいいだろうなぁ。
マナツさんのように教養やボキャブラリーの豊かさが滲み出てしまうような人には主にしょうもないことを語らせて、それほど頭が良くなさそうな人にふと真理を突いたようなことを言わせる金原ひとみさんの天才的なバランス感覚が恐ろしい。
169ページから172ページにかけてのブリュノとマナツさんの会話。カレーの定義から比較文化論、広義の哲学、人生とは何か、自分とは何かまで転がる場面。正直ここだけ切り取って売ってもお金が取れる文章だと思う。
自分は『美味しんぼ』の24巻(まるまる1巻分カレーに費やしている)が好きなのだが、世に出た時代の差こそあれ、この会話だけで当時の美味しんぼのレベルを凌駕しているとしか言いようがない。
で、何が最も凄いかというと、この会話をそっくりカットしても物語上成立しうるということ。もう笑うしかない。
純文学よりの作品で主人公を取り巻くいつもの日常が突如異常な変化を見せる、みたいな展開がたまらなく好きな自分にとっては『フェスティヴィタDEATHシ』の集団ジャンプのシーン、『ウルトラノーマル』の最後の方など、まさに大好物。作者がノリノリでアクセルベタ踏みしている様が見えるようでゾクゾクする。
次はもっとヘビーな方向の作品を読んでみようかな。過去の作品を遡って読みたい作家がまた増えてしまった。ああ困った。
Posted by ブクログ
とても良かったなあ。ミーツ・ザ・ワールド辺りから作風が変わって、腹を空かせた勇者どもとかに似てる感じ。
ハッピーでポジティブで、スピード感があって、読後、ぽーんと放り出されてしまうような。
イタリアンレストランのフェスティヴィタ池尻大橋店で働くフリーターと社員がわちゃわちゃやって、店で飲んだくれつつたまに、覆面を被ってタクシーに乗り込んで酷い別れ方をした彼氏のところに襲撃に行ったり、先輩がDJしてるクラブに行って踊ったりする日常が描かれる。
なんか、こういう職場って楽しそうだし、仲良かった職場の友人とかも思い出した。朝まで飲み明かして眠い目を擦りながら仕事に行ったり、休日に集まってどっかに行ったり、そういうことを思い出した。
なんか、こう、本当に、読んでて楽しいっていうかワクワクして良き。
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