短篇作品一覧
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-彼らはそこにいる、じっとこちらを見つめている… 枯れ木のような男は、姿を消す前にこう教えてくれた。 「七人の人の話を聞いてきなさい。そうすれば坊やは……」 少年は、街から街へと歩き、不思議な話に耳を傾ける。やがて少年は、次第に自分が何者だったのかを思い出すが…。(「七罪消し」) 怪奇小説の名手が贈る、世にも奇妙なホラー短篇集。電子オリジナル。 ・エリカのこと ・遠近感のない男 ・七罪消し(カマの女/人捨て村/木魂/キネマの老人/話せない話/Zさん/ラットマン) ●飯野文彦(いいの・ふみひこ) 1961年、山梨県生まれ。早稲田大学卒業。1984年、『新作ゴジラ』(講談社)のノベライズ作品にてデビュー。『オネアミスの翼』(朝日ソノラマ)、『アークザラッド』(エニックス)などノベライズ作品を数多く手がける。『怪奇無尽講』(双葉社)や『ハンマーヘッド』(ティー・オーエンタテインメント)など個性的なホラー作品ではマニアックな評価が高い。その他には『「超」怖い物語』シリーズ(竹書房)、『影姫』シリーズ(角川書店)などがある。
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4.0全宇宙は収縮の一途をたどっていた。なかを漂うドーム都市“シティ5”もまた、直径数キロの宇宙に閉じこめられたまま、終焉を迎えるかに見えた。反体制派が核子ロケットを奪い宇宙に飛び立つが、上院が虚無の彼方に見たものとは?――奔放なアイデアで描く表題作ほか、異星人が国王として君臨するイギリスの物語「王様の家来がみんな寄っても」、チェスの騎士が物語るあまりにも異質な宇宙の姿……「宇宙の探求」など、ワイドスクリーン・バロックの鬼才として著名な作者が、奔流のようなアイデアと、めくるめく華麗なイメージで読者を魅了する九篇を収録した傑作短篇集!
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-うそのバスに乗り込むと、別世界に連れ去られる…? ぼくは急いでいた。約束の時刻にすでに遅れていたのだ。タクシーが来たら乗るつもりだったが、タクシーも一台も通らない。苛々しながら、バスを待ちつづけた。三十分以上経って、ようやくバスの姿が見えた。ああ、やれやれ、ようやく来た、とぼくは思った。思った直後、ぼくは目を剥いていた。それはうそのバスだったのだ。〈うそのバス〉行先表示板にそう書いてあった。(「うそのバス」より) 短篇の名手が趣向を凝らして描く、世にも不思議な世界。傑作短篇集。 ・葬式 ・元気でやってるかな ・怪我 ・寝ぐせの男 ・うそのバス ・車刑(くるまけい) ・挽肉の味 ・やめられない楽しみ ・鮫 ・獣がいる ●中井紀夫(なかい・のりお) 1952年生まれ。武蔵大学人文学部卒業。ハヤカワSFコンテストを経てデビューし、短篇「山の上の交響楽」で星雲賞を受賞。主な著書に、『能なしワニ』シリーズ、『タルカス伝』シリーズ(ともに早川書房)、『漂着神都市』、『海霊伝』(ともに徳間書店)など著書多数。
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-事故死した妻が書いた小説を発表し、それが大ベストセラーになった唐崎六一。多額の印税によって彼が手に入れた新居は、慈善宗教団体「愛と平和の園」が経営母体と謳われた瀟洒なマンションだった。だが、そこに隣接する同じ経営の幼稚園で園児が行方不明になり、その数日後、別の園児が目をキリで突かれた惨殺屍体で発見された。数年前から同じ連続事件を追っていたルポライターの久野麻亜子は、恋人である唐崎と真相を掴もうと動き出すが、その矢先、マンションの住人が次々に殺され、魔の手は二人にも……。 ●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう) 1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。
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3.0日本の社会は高齢化・多死化のフロントランナーであるとともに、世界的なウィズ・コロナの状況を受け容れざるを得ない。 何事も正しい答えを見出し難いこの世界で、究極の問い「死」との向き合い方を考えることは、よく生きようとすることだ。 漱石の『こころ』、コロナ禍でベストセラーとなったカミュの『ペスト』、文豪ドストエフスキーのドッペルゲンガー物語、現代の古典カフカの『変身』から、村上春樹の短篇、SF、ミステリまで、小説家はいかに死に迫り、いかに死を描いてきたか? 登場人物はいかに危機と戦ったのか? 『「死」の哲学入門』に続き、死生観を問いなおす文学篇。 宗教学者による類例なき驚きの小説入門。
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4.1プロイセン軍を避けて街を出た馬車で、“脂肪の塊”という愛称の娼婦と乗りあわせたブルジョワ、貴族修道女たち。人間のもつ醜いエゴイズム、好色さを痛烈に描いた代表作「脂肪の塊」と、イタリア旅行で出会った娘との思い出を綴った「ロンドリ姉妹」。短い作家生活のなかで、300を超える中・短篇小説を書き残したモーパッサンの初期作品から、緊密な構成をもち、完成度の高い中篇2作とヴァラエティに富む短篇8作を収録。
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-彼と過ごすこと、撮ること、外出すること 29歳の女性がいる。女優だ。訪ねてきた男性とベッドで過ごし、男性が帰る際はキチンと服を着て見送り、見送った後は自分も外出する。それがルールだが、もう一つ大事な行為がある。撮影だ。彼女は25歳から自分を撮り続け、30歳になったら写真集にまとめようとしている。ところで、彼女が外出して赴く先に、あるバーがある。この短篇のほかに「八月の上半身」「思い出の十二号埠頭」など『人生模様』に収録された短篇はどれも連作短篇としてそのバーと、登場人物の絶妙の重複がある。併読をおすすめしたい。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-二つの過去は、やがて一つの現在になる 外から自分の部屋に一人で帰って来た時、何を感じるか。その感じ方の移ろいが、いわばこの短篇小説の主題かもしれない。37歳。夏休みはむなしく徒労に終わり、ビールも食事もうまくない。40歳。ある1枚の写真と、自分の誕生日をきっかけに、変化が生まれる。男はいささかの興奮と精彩を取り戻す。43歳。3年前のアクションのおかげで、彼は新たな時間を手に入れた。1枚の写真が引き金になってもう1枚の写真が生まれ、そして今、部屋はまったく違う部屋に変わったのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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4.0「きみは、誰なんだ?」「モリアーティと呼べばいい」19世紀後半、舞台は霧かすむ秋のロンドン。無意識の盗癖に悩む青年貴族デレクのもとに現れたのは、黒髪と灰色の瞳を持つ理知的な若い男だった。青年に翻弄されながらも、デレクが彼を憎むことができないのは……? 謎が謎を呼ぶミステリアス・ロマン、今ここに開幕!! 電子書籍限定・新作書き下ろし短篇も収録。
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4.3
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4.0端正な容貌の陰に悪魔のような狡猾さを秘めた犯罪貴族グルナー男爵と、名探偵ホームズの息詰まる対決を描く「高名の依頼人」をはじめ、中世の伝説にまつわる怪奇な事件を解決する「サセックスの吸血鬼」ほか「ソア・ブリッジ」「三人のガリデブ氏」等、円熟の筆致で描く12篇を収録する最後の短篇集。
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4.5前作「最後の事件」で稀代の悪漢モリアーティ教授とともに滝の泡と消えたかに見えたホームズは、ここによみがえった。死んだはずのホームズがいかに生き返ったかを明らかにする「空家の怪事件」を始め、ドイル短篇の白眉ともいうべき「ノーウッドの建築業者」「金縁の鼻眼鏡」等13の珠玉作を収録。
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4.3ホームズに始まりホームズに帰るといわれ、名探偵の代名詞ともなったシャーロック・ホームズ。本書は、世紀末のロンドンに繰り広げられるそのホームズの痛快無類の冒険の魅力を伝えた第一短篇集である。名作の誉れ高い「ボヘミア国王の醜聞」「赤毛連盟」「まだらの紐」等12篇を収める新訳決定版!
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3.5巧みな手段で競走馬を盗み出した調教師夫妻だったが、思いもよらぬことから罪が明るみに―絶対に真似をしてはいけない、と著者が書き添えるほど巧妙な犯行の手口を描いた「ブライト・ホワイト・スター」をはじめ、短篇デビュー作である「強襲」、ラスト一行の衝撃が秀逸な「悪夢」など、長篇とは一味違う魅力の短篇作品を収録。さらに、本書のための書き下ろし五篇を加えた全十三篇で贈る、深い余韻を残す珠玉の短篇集。
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5.0科学と奇想と語りの饗宴! 珠玉のSF短篇集 キャラグッズの買い物につきあってくれる裕美子は、俺にとって最高の彼女。でも、今日のデートはどうにも気分が乗らない。久々に再会した旧友の科学者、溝呂木がこの世界の破壊を企んでいるらしいのだ……。 アキバ系恋愛に危機が迫る表題作の他、SFマガジン読者賞受賞の言語SF『メデューサの呪文』、孤独なサイボーグの見えざる激闘を描く『奥歯のスイッチを入れろ』など7篇を収録。また、文庫刊行時のあとがきに加え、電子版のためのあとがきを追記している。 ・シュレディンガーのチョコパフェ ・奥歯のスイッチを入れろ ・バイオシップ・ハンター ・メデューサの呪文 ・まだ見ぬ冬の悲しみも ・七パーセントのテンムー ・闇からの衝動 ●山本 弘(やまもと・ひろし) 作家。「と学会」会長。日本SF作家クラブ会員。1956年京都府生まれ。1978年『スタンピード!』で第1回奇想天外SF新人賞佳作に入選。1987年ゲーム創作集団「グループSNE」に参加。作家、ゲームデザイナーとしてデビュー。2003年発表の『神は沈黙せず』が第25回日本SF大賞候補に。2006年の『アイの物語』は第28回吉川英治文学新人賞ほか複数の賞の候補に挙がるなど、日本SFの気鋭として注目を集める。
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-混迷を極める相撲界に喝! 天下の奇書『大相撲殺人事件』の続編が電子オリジナルで登場です。 「立会いの瞬間に爆死する力士」「頭のない前頭」「1年間で幕内力士の40パーセントが死亡」などなど、驚愕の展開で芥川賞作家・奥泉光氏をはじめとする読者の度肝を抜いた本格相撲ミステリーの最新短篇が電子版で登場。 紙相撲の進化版のようなゲームで博打をしていた男が殺された。 容疑者は彼の部屋に集まって博打に興じていた面々。殺された男には八百長疑惑がかけられていたのだ。 炬燵机につっぷしていた男の死体は、右手の指が文庫本『大相撲殺人事件』の表紙に乗っていた。 はたしてこれはダイイング・メッセージなのか? 御前山の推理やいかに!?
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-あなたの過去は、私の未来である 娘は身長179cm。母は170cm。共にたいへんな高身長の二人が、おもいがけず久々に横浜の町を楽しむ機会に恵まれる。娘は小説を書こうと試みている身であり、母には離婚歴がある。日中、娘が偶然体験したある幸福なエピソードを契機に二人はいつしか小説論を語り合うことになる。そしてその語らいの中から、一つの短篇小説が生まれようとしている。娘は母から生まれたのであり、母、というカタチの過去が娘の未来をもたらしてくれる。そのような母娘の時間が港のある場所で描き出されたうつくしい一篇である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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3.0完走を目指す主婦・綱島幸子、そんな母と併走する息子の海人、沿道から応援する夫・大造と娘のなぎさ。四人は一丸となって「湘南国際マラソン」に挑む。一家が大会を通じて知り合った参加者・染川夏乃。彼女の父・義介もまた、「湘南ランナーズ・ハイ」のメンバーとしてレースに参加していた……。 家族の絆、ランナー同士の友情、自己との戦い、そして突然訪れる驚愕と感動。ハートウォーミング・ミステリー。 ●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう) 1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は200冊を超える。
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4.0「君側の奸」はどこだ!? 皇道派VS.統制派、二・二六事件、 共産党委員長が天皇主義者へ転身―― 男たちの耳にこだまする、幾つもの「天皇の声」。 感涙の最終話で明かされる「真実」とは? 歴史連作短篇集 純朴な陸軍中佐・相沢三郎が統制派の首魁・永田鉄山に凶刃を振るう場面で始まる「感激居士」。二・二六事件の裏のドラマを描く「総理の弔い」「澄みきった瞳」。ある共産党員の魂の遍歴を辿る「転向者の昭和二十年」、そして実質的表題作ともいえるラストの「地下鉄の切符」。抑制された筆に目頭が熱くなる連作短篇集。解説・杉江松恋 目次: 感激居士 総理の弔い 澄みきった瞳 転向者の昭和二十年 地下鉄の切符 ※この電子書籍は2019年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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4.0【ご購入の前に】本電子書籍には、紙版収録のイラストが収録されておりません。 あらかじめご了承ください。 深海…そのただひたすらに暗い世界で“それ”は待っていた、復活の刻を。 潜水調査艇りゅうぐうが回収したタブレットに封印されていたものとは? 「ウルトラマンティガ」のアナザー・ストーリーである表題作のほかに、アンソロジー「異形コレクション」などに収録された数々の短篇、 そして未発表作『READ ME!』『屍街』も加えた、バラエティー溢れる作品集。 “永久機関”や“クトゥルー”といった題材を使い、人気脚本家・小中千昭が描く“幻想と怪奇”の物語たち。 デュアル文庫オリジナルで登場。
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-いつまで生きることが出来るのか。もし剛造がそのことを和夫に聞いていたのだとしたら、和夫は今すぐにその答えを剛造に教えてやりたかった。でも、それは和夫にも分からないことだった。それを和夫が正確に知るのは剛造の死の間際だろう。そして、もうその時にはそんなことは剛造には何の意味もなくなっているに違いない。結局、和夫が知っていることは剛造にはまるで役立たないことばかりだった。(「鬼ごっこ」より) 医療と人間との関係を描いた純文学、医療ミステリなどの中短篇を収録。電子オリジナル作品集。 *鬼ごっこ *或る一日 *ハバナの夜 *その話、本当なのか *足 *真夜中の方へ ●石黒達昌(いしぐろ・たつあき) 作家、医師。1961年北海道生まれ。東京大学医学部卒業。「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。純文学誌を中心に数多くの中短篇を発表する。「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」「真夜中の方へ」「目を閉じるまでの短かい間」で三度の芥川龍之介賞候補になる。また、「人喰い病」「希望ホヤ」で星雲賞日本短篇部門参考候補になるなど、SFファンからの支持も厚い。
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-東京・新宿にある警察署を舞台に、燃えるような情熱をもった刑事たち 聞込みは、運が左右する。不意に思いがけないことをきかれて、すらすら思い出せるものではない。それに、なにか大事な目撃をした者が、聞込みの時に居合せなければ、それきりである。それに喋るほうは無責任で、正確を期そうとするわけではない。それらの悪条件を克服するのは、犯人を捕えないではいられない情熱と運と、足が棒のようになるほど、根気よく聞込みをつづけることである。(「放火」より) 日本の警察小説史上に輝く最大の金字塔、「新宿警察」シリーズが全集として電子で復刊! 本書は短篇集〈捜査篇〉。巻末に書評家・杉江松恋による解説を収録。 *新宿警察 *所轄刑事 *放火 *新宿西口ビル街殺人事件 *刺傷全身三十余カ所 *轢逃げ *新宿その血の渇き *新宿首狩り事件 ●藤原審爾(ふじわら・しんじ) 1921年、東京都生まれ。「小説の名人」と讃えられ、純文学から中間小説、推理小説、犯罪・スパイ小説、歴史・時代小説、恋愛小説など多種多様なジャンルにまたがって作品を発表。初期の代表作『秋津温泉』や、『泥だらけの純情』『新宿警察』など、映画・ドラマ化された作品も数多い。1952年「罪な女」等で第27回直木賞を受賞。 監修:杉江松恋(すぎえ・まつこい) 1968年、東京都生まれ。ミステリーなどの書評を中心に活動中。著書に海外古典ミステリーの新しい読み方を記した書評エッセイ『路地裏の迷宮踏査』(東京創元社)、『読み出したら止まらない 海外ミステリーマストリード100』(日経文芸文庫)など。2016年には落語協会真打にインタビューした『桃月庵白酒と落語十三夜』(KADOKAWA)を上梓。近刊にエッセイ『ある日うっかりPTA』(KADOKAWA)がある。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 歴史の秘話や意外なこぼれ話を収めた、鎌倉時代成立の短篇物語集を全文収録。慶應義塾大学図書館蔵本を底本とし、平仮名まじりに書き下し。岩波新日本古典文学大系本とは異なる慶應本独特の訓みを積極的に紹介。主な登場人物には歴代天皇をはじめ、聖徳太子・弘法大師、藤原兼家・道長・伊周・道綱、小野小町・清少納言、信西入道・西行法師、仏師定朝・囲碁の名人碁聖法師など-付録として、主要参考文献・人名索引・類話一覧を収録。
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5.0「聞けや、者! 前右大臣ここにあり!」 本能寺の変から生還し、関ヶ原合戦で柴田勝家を下し、天下獲りを目前にする信長。だが、密かに伊達政宗、上杉景勝と手を組み力を蓄えた家康が、ついに叛旗を翻す! 異貌の戦国史長篇(未完)、待望の合本版。 短篇時代小説「葉桜」を収録。 【目次より】 信長伝 Ⅰ 本能寺炎上 緒言 転換点 序 本能寺炎上 一 その日まで 二 猟狗たち 三 第一次関ヶ原合戦録 Ⅱ 天下普請 一 築城 二 大海の彼方で 三 叛逆 四 要塞 Ⅲ 家康謀反 一 城塞 二 到着 三 衝突 葉 桜
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-俺はただ家に帰りたいだけなのに、それがそんなにおかしいか? ポルトガルの作家が移民の置かれた立場の悲哀を不条理かつユーモラスに描く傑作長編。 郵便配達をしていた俺は故郷の「くに」から逃げてきた。妻のカルラと幼い息子とともに「島」で不法滞在している。買い物をした帰りに乗っていた地下鉄が故障で止まってしまい、右も左もわからない場所で降ろされてしまった一家。なんとか家にたどり着こうとあれこれ画策するが、やることなすことすべてが裏目に出て━━。周囲から存在を認められず、無視され続ける移民の親子は、果たしてどうなるのか? 【目次】 ツキを呼び込む やりすぎだよ コソボチームのシャツ むしゃぶりつきたくなる 神さまの大間違い 偽りの思い出 幻ってやつは 自分で自分を刺す 好きで自分勝手になったわけじゃない 俺たちの四十キロ 訳者あとがき 【著者】 リカルド・アドルフォ 1974年にアンゴラに生まれるが、アンゴラの独立により幼少時にポルトガルに帰国。2003年に短編集『すべてのチョリソーは焼くためにある』でデビュー。初長編『ミゼー』はポルトガルでベストセラーとなる。『東京は地球より遠く』では日本で働く外国人のサラリーマンの目から見たおかしな日本の日常を描いた。同書からは2019年刊の『ポルトガル短篇小説傑作選 よみがえるルーススの声』に3篇が収録されている。ドラマや映画の脚本の執筆や絵本も発表するほか、広告界でも国際的に活躍している。2012年より東京に在住。 木下眞穂 上智大学ポルトガル語学科卒。ポルトガル語翻訳家。訳書に『ブリーダ』(パウロ・コエーリョ)、『忘却についての一般論』(ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ)、『エルサレム』(ゴンサロ・M・タヴァレス)、『象の旅』(ジョゼ・サラマーゴ)など。『ガルヴェイアスの犬』(ジョゼ・ルイス・ペイショット)で2019年に第5回日本翻訳大賞を受賞。
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3.5短篇は他のどんなジャンルよりも発想や展開において、また構成や叙述において自由で柔軟なものだ――。「私の文章作法」「短篇小説論」を中心に日本語論、自作解説を増補した新編集版。『短編小説礼讃』の著者による小説作法の書。巻末に荒川洋治との対談「短篇小説を語る」を収録する。 〈解説〉荒川洋治 【目次】 *=新収録 Ⅰ 私の文章作法 書くということ/待つ・聞く・書く/好きな言葉/散文の基本/小説を超えるもの*/不朽のジャンル/「僕」の問題*/うらぎる言葉*/幼年の文学*/土地の感覚*/小説と年齢* Ⅱ 日本語について ニュアンスについて*/昔の言葉/いい文章*/淋しい文章/私の国語問題/読書会にて/読者への手紙 Ⅲ 短篇小説論 短篇作者の仕事/贋の首飾り/チェーホフの星/チェーホフの現在/日本語のルナール/国木田独歩がいた町で/おのずからの形式/短篇小説の青春*/陳腐な運命/芥川龍之介の短篇/真剣な遊戯/三浦哲郎氏の短篇/猫のいる短篇/私の処女作*/父をさがす子*/『自転車』のこと*/短い形式* 対談 短篇小説を語る* 荒川洋治×阿部昭 解説 荒川洋治
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4.3“人間を描く天才”チェーホフの短篇13をロシア文学研究者であり名エッセイストの沼野充義氏が豊かな言葉を駆使して新しく訳した珠玉の作品集。個性豊かな登場人物が濃密なドラマを繰り広げる。今だからこそ読みたいロシア文豪の名作短篇。[目次]●女たち(かわいい/ジーノチカ/いたずら/中二階のある家 ある画家の話)●子供たち(おおきなかぶ/ワーニカ/牡蠣/おでこの白い子犬)●死について(役人の死/せつない/ねむい/ロスチャイルドのバイオリン)●愛について(奥さんは子犬を連れて)
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-昔、病死した「お葉」という少女の記憶の封印が解かれ、一条青葉という男子高校生に取り憑いた!? お葉の記憶を追って山を下りた水の神・縹は、青葉の家に《半居候》しながら「お葉」の記憶の開花を待つことに。しかし、長い時間、社に籠もりっきりだった縹は現代の生活に免疫などなく、青葉にまとわりついては「ストーカー」と呼ばれ、家にいると青葉の母が昼ドラを見せてきて……。天然系神様・縹のある日常を追った短篇が登場! 彼の謎の一日に迫る!! 「読売プレミアム」連載(2014.12.1~2014.2.28)
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5.0母と死に別れた橘香がたどり着いたのは、幼い日々を過ごした仲塚原市。街で絶大な力を持つ仲塚原家の別邸でメイドとして勤めはじめるが、そんな彼女に与えられたもう一つの仕事は、非凡な美しさを誇る屋敷の主・アレクの花嫁だった。新しい生活に気持ちがついていかない橘香は、ある日屋敷に忍び込んだ少年と出会う。彼は「お化け退治に来た」というのだが……。橘香の日常を描くスペシャル短篇登場。 「読売プレミアム」連載(2014.11.1~2014.1.31)
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-東西南北に位置する四つの村。その中心、一際高い御山には女神が、周囲に連なる山々には、人肉を嗜好する妖魔が棲む――人々は妖魔から守ってもらう代償として、〈妖の民〉に娘を差しだすのだった。本編で圧倒的人気を誇った〈妖の民〉の長アカツキの語られなかった、若き日の嫁取りを描く外伝短篇。yorimoba掲載
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-海上を駆ける馬を駆り、巨大な海獣トゲウオを退治する波頭馬騎士。常にトゲウオの脅威にさらされる人々にとって、彼らは英雄だった――後に〈奇跡のワルンスラ〉と称される王騎士と〈追いのラルファン〉と称される騎士の出逢いを描く短篇。Yorimoba掲載
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-身内から命を狙われた青年ザハト。逃避行の最中に呪いをかけられ……。「赦状のザハト」シリーズの前日譚が登場! 冒険前夜、ザハトの周囲ではすでに不穏な空気が流れ始めていた。あのケチケチ妖精や〈魔女〉の様子もかいま見ることができるスペシャル短篇です。yorimoba掲載(2010.10.25~2011.02.24)
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-ケリーと出逢う前、ダイアナ・イレヴンスは何を想いどこへ向かおうとしていたのか。「どんな船よりも速く巧みに飛ぶ」という最優先命令を守るがゆえにエストリア軍を脱走した真意とは? ダイアナの過去が語られる短篇。『スカーレット・ウィザード3』(2000年07月25日刊行)所収
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-戦災孤児であるアスクは初陣で手柄をたてながらも、その出自ゆえに同世代の青年たちの妬みを買っていた。師であるエアリアルに厳しく鍛えられ、同じ戦災孤児であったユリイカにほのかな思いを寄せる日々であったが――。傭兵集団〈サイガ党〉のある日を描いた短篇。『CN25』(2007年11月25日刊行)所収
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3.5ブライス少年はある日いきなり、サヴォア家当主であるバルロの庶子として騎士見習いの修行にはげむことになった。だが常識すらも基準が違う名門貴族としての暮らしに、ただただ困惑する日々を送っていた。 リィ帰還後のデルフィニアを舞台にした短篇登場。「CN25」所収
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-平凡なOL美緒が流された先は異世界だった。さんざんな目に遭いながらもしぶとく生き抜く美緒だが……。「ヴィレンドルフ恋異聞」シリーズの短篇が登場! 常にエアリスの傍らに控える従者セドリク。二人の出会いと絆がかいまみえる、スペシャル短篇です。yorimoba掲載(2011.11.25~2012.3.24)
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-霧と雨の街で「おれ」は目覚めた。だが、なぜこの世界にいるのか、名前も自分が何者であるかもわからなかった。身分を示すものは何もなく、所持していたのは金額や記号がすべて鏡文字になっている、見覚えのない紙幣のみ、一体おれは誰なのか……。幻惑のメタフィジカル・ラビリンス。 ●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう) 1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。
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-米ソによって東西に分断された日本、偽造パスポートで“向こう側”へ渡った男は… ソ連支配下の〈日本人民共和国〉からアメリカ支配下の〈日本民主共和国〉へ亡命した画家の矢川岳。別れた妻から一ヵ月前のパリの消印のある手紙を受け取った彼は、危険を顧みず国境を越えた。だが妻は、一年前の火災で死んだという。不審な思いで焼け跡を訪ねた矢川がそこで見たものは…。(「時界を超えて」より) 米ソに分断統治された日本が舞台。かつて亡命した男が妻に会うため“西側から東側へ”越境する中篇「時界を超えて」、少年が自らの勇気を試すため“東側から西側へ”越境する短篇「ひきさかれた街」、さらには聖徳太子を主人公とした短篇、計3本のSF作品を収録。 *時界を超えて *ひきさかれた街 *クロノプラスティック六〇二年 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
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-〈あのとき〉の事件がいまになって思わぬ姿をみせる 「落ち穂拾い班に入ったぞ」久しぶりに早く帰宅した夫が言った。時効間近の事件を再捜査する“落ち穂拾い”。十五年前のあの事件を、夫が担当するなんて…。(「時効を待つ女」より) 女たちの日常と心理をリアルに描く、サスペンス・ミステリー短篇集。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『夫以外』(実業之日本社文庫)、『帰郷 三世代警察医物語』(光文社文庫)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
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4.4時代を超えた衝撃の名作短編を収録。 幕末から明治を舞台に描いた山田風太郎の名短編を、文芸評論家・日下三蔵氏の編により収録した短編集。大きく変わっていく激動期に、あるものは自らの意志を貫き、あるものは時代に翻弄される人生を送った。 無念流の免許皆伝の腕をもち、佐久間象山の下では、勝麟太郎とならぶ俊才と目されていた、立花久米蔵。蘭方の医者でもあり、妻は外国人の血を受け継いでいた。そんな彼が、黒船渡来で攘夷を唱える声に、異論を述べたことから悲劇が始まる、「ヤマトフの逃亡」。 火事のため、伝馬町の牢屋敷から囚人の切り放しがあり逃げてきた、高野長英の最後までを描く、「伝馬町から今晩は」。 ほか全七編。
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-英語は上級者なのに,一つ壁があって先に進めないと悩んでいませんか? 英文を正しく読むにはコンテクストの理解が必須です.難解で知られるヘンリー・ジェイムズの短篇を丸ごと解説し,細部まで読みこなしていくのを助けます.この短篇を徹底的に学べば,今後どのような英文に出会っても自信を持って臨めるはず.現代文庫オリジナル版.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
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-日光と上野にある輪王寺を守る宮様に仕え、快剣・南蛮刀法を自在に操るじゃが太郎兵衛は、義経の後胤説もある、神出鬼没の動きをする剣客。泰平の御世を喰い物にする水野出羽守忠成とその一味を相手に、胸のすく大活躍をする! テンポのいい文体で描く連作短篇集。
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-榎動物病院の美人獣医・栃尾彩子のもとに、火傷の猫を抱いた少年がやって来た。偶然通りかかった民家の焼け跡で拾ったという。翌日、今度は刑事が訪れた。その少年に放火の疑いがあるという。不審に思う彩子は少年の無実を証明すべく、調べ始めた。すると、家人が旅行中でべットの猫しかいない状況下で、室内から出火したことが判明。いわば現場は密室だったのである。彩子の疑問はさらに強まった。全てを焼失し、悲しみにくれているはずの被害者の子供たちの、意外な明るさと笑顔。果たして誰が、何の目的で、いかなる方法で放火したのか?(「炎を吐いた猫」) 連作短篇集「獣医栃尾彩子」シリーズ第1弾。日本テレビ系列「火曜サスペンス劇場」では「女動物医事件簿」(主演:山口智子)としてドラマシリーズ化された。 第一話 耳を嚙む犬 第二話 嗤う鳥 第三話 猫の中身 第四話 憂鬱な犬 第五話 蛇のような…… 第六話 猫は見たか 第七話 炎を吐いた猫 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
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