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ママがやった
或る家族の半世紀を描いた、愛をめぐる8つの物語。 小料理屋の女主人・百々子(79歳)と、若いころから女が切れない奇妙な魅力をもった夫・拓人(72歳)。半世紀連れ添った男を、ある日水で濡らしたタオルを顔にかぶせ、その上に枕をおき全体重で押さえ、殺した。 急きょ集まった三人の子供たちに向かって「あんたたち、お昼食べていくんでしょう」と、百々子は米をとぎはじめる。 「ママはいいわよ。べつに、刑務所に入ったって」警察に連絡するしないでもめている三人に、のんびりした口調で話す。 死体処理の相談をする姉たちは弟・創太にブルーシートを買ってくるよう命じるが、創太の足は父親との思い出の店・小鳥屋へ向いていた―― 表題作ほか、「五、六回」「ミック・ジャガーごっこ」「コネティカットの分譲霊園」「恥」「はやくうちに帰りたい」「自転車」「縦覧謝絶」の全八篇。 解説:池上冬樹 -
繭と絆 富岡製糸場ものがたり
世界遺産・富岡製糸場の誕生秘話が満載! 初代工場長・尾高惇忠と娘・勇の感動の物語。 明治3年春、渋沢栄一の義兄、尾高惇忠は渋沢に富岡製糸場の初代工場長に就任するよう懇願された。 3年前に飯能戦争で官軍と戦い、弟を亡くしていた尾高だが、官営工場の必要性を痛感していたため、葛藤を乗り越えて工場長を拝命する。 だが、悪徳業者たちが質の悪い噂を流したため、肝心の女工が集まらない尾高は婚約が整ったばかりだった娘・勇を、女工第一号として製糸場へ連れて行く決意をする――。 明治の日本を支えた基幹産業・製糸業を隆盛へ導いた富岡製糸場の誕生には、彰義隊に集まった旧幕臣たちが深く関わっていた。 歴史の襞に埋もれた父娘の物語を掘り起こした傑作時代小説。 解説・田牧大和 -
マリコ、カンレキ!
ついに還暦を迎えた林さん。 美と食への貪欲さは相変わらず、有名人をたくさん呼んで派手な還暦パーティーを開くことに……。 朝ドラ「ごちそうさん」の時代考証がヘン、性根の悪い芸能人を暴露。佐村河内守、小保方晴子、ASKA、タイガー・ウッズなど、2014年に世間を騒がせた人たちや、セクハラ都議オヤジ問題、エラそうな新聞社社員の態度などバッサバッサと毒舌で斬っていく。ちょっと前の出来事を思い出し懐かしくなる爆笑エッセイ第28弾です。 中でも、百田尚樹氏への手紙は読みごたえあり。雑誌ジャーナリズム、つまり週刊文春への批判も連載ページで堂々と書く姿勢はあっぱれです。 また中園ミホさんとの対談「『花子とアン』誕生秘話」が番外編として収録されています。 -
マルガリータ
第17回松本清張賞に輝いた本作の主人公は、戦国末期、天正遣欧少年使節団の1人としてローマに派遣された千々石ミゲル。8年後、帰国した彼らを待ち受けていたのはキリスト教の禁教と厳しい弾圧。信仰に殉じた他の3人に対し、ミゲルは棄教という選択をする。なぜ彼は信仰を捨て、生き抜こうとしたのか? その生涯をミゲルの妻、珠の視点から描く。「物語を押しすすめる筆力は素晴らしいものがあるし、後半に四人の使者が交わす会話などは作者の熱気が伝わってきた。生身の人間が見えた気がした」(伊集院静氏の松本賞選評より)。新人離れした練達の筆が冴える、傑作歴史小説。 -
まるごと 腐女子のつづ井さん
web発、シリーズ累計50万部突破! すべての「凝り性」の人、必読の大人気コミックエッセイ、待望の文庫化。 「腐女子」とはボーイズラブを好むオタク女子を指す言葉。そんな「腐女子」を自認する女子大生つづ井さんと、愉快な仲間たちの、楽しさの限界突破の日常をつづった“絵日記”ともいえる「つづ井さん」シリーズは、趣味を全力で楽しむ姿が共感を呼び、ツイッターのフォロワー数も29万7000人と、熱い支持を集めています。 電車内で見かけた腐女子に共感したり、BLと幽霊体験のせめぎあいを経験したり、「彼氏がいそうなクリスマス選手権」を開催したり……。 オタク、腐女子といった“属性”に限らず、なにかにハマったことがある人、いわゆる「推し」がいる人、そして友達の存在に救われたことがある人――「凝り性」である自分を楽しめる、そしてそんな人たちの楽しそうな姿を見たい、そんな人にピッタリの一冊。 文庫版まえがき・あとがきも描きおろし。「腐女子のつづ井さん」シリーズを一冊で読める決定版の登場です。 -
マンガホニャララ
「どの指摘にも、なるほど!」――ピエール瀧さん 『美味しんぼ』は、結婚・出産奨励マンガだった? 「少年ジャンプ」の主人公は草食男子化してきている? 90 年代の女性コミックにおけるフローリングの丹念な表現の意味とは? 最強スーダラ・コラムニストの考察が冴えわたる。『ドラえもん』スネ夫の148 連発全自慢表と、電気グルーヴ・ピエール瀧さんとの対談も収録。 -
満州国皇帝の秘録 ラストエンペラーと「厳秘会見録」の謎
日本軍によって満州国皇帝の座に就いた溥儀。清朝復活への執念と傀儡としての絶望。皇后、実弟への愛憎、石原莞爾、東条英機らへの月旦などなど。専属通訳として、会見に同席した林出賢次郎が残した「厳秘会見録」を元に、昭和史の闇とされた人造国家・満州国の実態と、皇帝・溥儀の素顔を明らかにする。 -
まんまこと
大好評「まんまこと」シリーズ第9弾。麻之助、ついに父に――! 前作でお和歌と婚礼をあげた麻之助。今作ではお和歌に男の子が生まれます。 お気楽者の麻之助もこれで少しはしゃっきりするだろうと、町の面々もほっとしてお祝いムード。 子どもの名前を考えながら、麻之助は今日も町の揉め事に立ち向かいます。 〈文庫解説〉 杉江松恋 たのまれごと 嫡男の悪行で家が滅ぶと愚痴る旗本だが、悪行は見当たらず…… こころのこり 大店から大事なものが失せるのは、ある芝居のせいだというが よめごりょう 妻のお和歌と結婚するはずだったと息巻く男が突然現れた 麻之助走る 妻が子を宿した麻之助。何かが気になり支配町を走り回るが 終わったこと 与力の娘につきまとう謎の男。麻之助は真犯人に辿りつけるか おやごころ 息子が生まれたばかりの麻之助の周りに親子の相談事が続々と 単行本 2023年5月 文藝春秋刊 文庫版 2025年4月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
まんまこと
麻之助、ついに後妻をとる――!? 江戸町名主のお気楽者の跡取り息子・高橋麻之助が、幼なじみで町名主を継いでいる色男・八木清十郎、堅物の同心・相馬吉五郎とともに、さまざまな謎ともめ事の解決に挑む、好評連作短篇シリーズ「まんまこと」第8弾。 かつて恋女房を亡くした麻之助。 彼のもとに、縁談が3つもやってきた! しかも、ひとりは江戸一と謳われる美人。そして、どの縁談も妙なところがあるようで……。 麻之助たちは、なぜ不思議な縁談ばかり集まったのか調べることに。 果たして、麻之助の縁談の行方は……。 他にも、相馬家が吟味方与力に昇進したり、高橋家の支配町が増えたりと、今回も麻之助たちは大忙し! 急展開の第8巻。 文庫解説・大矢博子 ※この電子書籍は2021年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
まんまこと
ふうわり心が温まる畠中恵ワールド。ドラマ化もされた大人気「まんまこと」シリーズ第1弾! 江戸は神田、玄関で揉め事の裁定をする町名主の跡取りに生まれた麻之助。このお気楽ものが、町の難問奇問に立ち向かう。 ある日、女好きの悪友・清十郎が「念者のふりをしてくれ」と言ってきた。嫁入り前の娘にできた子供の父親にされそうだという。本当の父親は一体誰なのか!? 「まんまこと(=真真事・ほんとうのこと)」を麻之助が解き明かす短編連作シリーズ。 解説・吉田伸子 ※この電子書籍は2007年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
みうらじゅんのゆるゆる映画劇場
『花と蛇』『タイタニック』『涙そうそう』ほか、エロものから涙ものまで80本以上! 実は「日本映画批評家大賞」受賞者であるみうらじゅんの脱力系映画エッセイ×マンガ! タランティーノ監督も絶賛! 雑誌「映画秘宝」の人気連載をまとめた単行本「そこがいいんじゃない! みうらじゅんの映画批評大全」(洋泉社)1~2巻を、「ラブ」「エロ」「アクション」「特撮」「ヒューマン」「アニマル」「時代劇」「コメディ」などジャンル別に再編成して文庫化。DVD店に行く際のガイドとしても使える、便利な一冊に。 ただ単純に映画を見た感想やウンチクを綴るだけじゃなく、青春の思い出や妄想、駄洒落、名言をちりばめた軽快な語り口の文章&絶妙な似顔絵とキョーレツなネタが満載のマンガに、思わず吹き出すこと必至! -
ミカエルの鼓動
ぶつかり合う二人の医師の志。命を救えるのはどちらの正義か 大学病院で、手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。そこへ、ドイツ帰りの天才医師・真木が現れ、西條の目の前で「ミカエル」を用いない手術を、とてつもない速さで完遂する。 あるとき、難病の少年の治療方針をめぐって、二人は対立。 「ミカエル」を用いた最先端医療か、従来の術式による開胸手術か。 そんな中、西條を慕っていた若手医師が、自らの命を絶った。 大学病院の暗部を暴こうとする記者が、「ミカエルは人を救う天使じゃない。偽物だ」と西條に迫る。 二人の医師の「志」がぶつかり合い、大学病院の闇が浮かび上がる。 命を救うための、正義とは――。 気鋭の著者が、医療の在り方、命の意味を問う感動巨編。 ------------ 単行本 2021年10月 文藝春秋刊 文庫版 2024年10月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激減させた男
彼がいなければ、世界の空は安全に飛べなかった! 科学ジャーナリスト賞受賞のNHK番組『ブレイブ 勇敢なる者「Mr.トルネード 気象学で世界を救った男」』を書籍化。 1975年6月。NYでイースンタ航空機が墜落した。誰も解明できなかった事故の原因を突き止めたのが、日本人科学者・藤田哲也だった。事故原因をダウンバーストという気象現象だと突き止めたのだ。 「気象学の世界にノーベル賞があったら間違いなく受賞していた」と言われた天才科学者は、人類史に偉大な功績を残した。 日本ではほとんど知られていない、「テツヤ・テオドール・フジタ」の数奇な運命をたどる。 解説・元村有希子(毎日新聞記者) ※この電子書籍は2017年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
水の眠り 灰の夢
オリンピック前夜の熱を孕んだ昭和38年、東京。連続爆弾魔を追う週刊誌記者・村野は、女子高生殺しの容疑者にされてしまい、やがてとある疑惑へと辿り着く――。 地下鉄爆破に遭遇した村野は連続爆弾魔・草加次郎事件を取材していた。村野は女子高生・タキとの出会いを通じ、殺人事件に巻き込まれていく。高度成長の歪みを抱えたまま変貌する東京を舞台に、炙り出されたおぞましい真実とは。孤独なトップ屋の魂の遍歴を描いた傑作ミステリー。 解説・武田砂鉄 ※この電子書籍は1995年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を新装版として刊行したものを底本としています。 -
水も過ぎれば毒になる 新・養生訓
「日本人十万人を十年以上かけて調べた結果、わかったことはみな、『養生訓』に書いてあったとは……」 こんな名医のつぶやきを聞いた著者は、江戸時代を代表する儒学者、本草(薬、博物)学者である貝原益軒が三百年前に書いた『養生訓』をひもといた。すると、いまも通じるその知恵にビックリ! 本書では、がん予防、肥満、睡眠、糖尿病、高血圧からセックスレスといった現代人の健康の悩みについて、『養生訓』の教え紹介し、それを現代医学の最新情報で裏付けた。 これを読んで、85歳で亡くなるまで生涯現役だった貝原益軒にあやかろう。 -
みちのく忠臣蔵
お江戸日本橋で、元盛岡藩士が切腹した。そこには長年にわたって確執のある弘前藩を弾劾する高札が掲げてあった! 直参旗本ながら無役の神木家嫡男、光一郎と、剣の達人である村越重吾は、元鳥取藩主・松平冠山の依頼で、蝦夷地に関係する事件を調べるうちに、弘前藩と盛岡藩の争いに巻き込まれてしまう。その争いの中心には、かつて光一郎と重吾と厚い親交を結んだ盛岡藩士・相馬大作の姿があった。 主君の恥辱をそそぐべく弘前藩主の命を狙う大作。主君への忠、武士としての義が生んだ結末とは。 「みちのく忠臣蔵」と呼ばれた史実をもとに、ミステリータッチで描かれた壮大なドラマ。 -
ミッドウェイの刺客
戦史に燦然と輝く潜水艦・伊168の戦いを完全小説化! 〈潜水艦ものに外れなし〉を実証する、傑作戦争サスペンス 昭和17年6月、ミッドウェイ海戦。 日本の機動部隊が空母4隻を失う大敗を喫するなか、空母・飛龍の航空部隊の奮戦により米空母・ヨークタウンを大破させた。 索敵の任に当たっていた潜水艦・伊168は、新たに「ヨークタウンを撃沈せよ」との指令を受ける。 伊168は巨大な獲物を目指して追跡を始めるが、大破したヨークタウンは7隻もの駆逐艦に守られていた。 田辺彌八艦長以下伊168の乗組員たちは、不可能な作戦を可能とすべく、一丸となって息詰まる神経戦に立ち向かう! 史実をベースに、太平洋戦史に燦然と輝く「たった一隻の戦い」を描ききった、戦争サスペンスの傑作。 解説・戸高一成 -
ミッドウェー戦記
太平洋戦争の帰趨をきめたミッドウェー海戦。日米機動部隊の激突を前に索敵の利根四号機が打った一本の無電「敵ラシキモノ十隻見ユ……」。自身、海軍中尉として撃墜され米国の捕虜収容所での経験を持つ筆者が、そこに収容されていた「飛竜」乗組員の話をきっかけに、戦後多くの生存者に会い、日米両軍の資料にもとづいて、海戦の勝敗をわけた戦況をつぶさに描く。通説とされてきた「運命の五分間」をくつがえす新しい鍵を明らかにする、著者会心の長篇記録文学。 -
看取り先生の遺言 2000人以上を看取った、がん専門医の「往生伝」
治療こそ医師の使命だ。しかし、治らない患者はどうするのか。 肺がん専門医として確固たる地位を築き上げていた岡部健医師は、病院での治療に限界を感じ、宮城県に緩和ケア医院を設立。末期がん患者の訪問介護に注力し、2000人以上を看取った。 その岡部医師自身に胃がんが見つかったのは、東日本大震災の一年前だった。 自らのがん、震災は、岡部医師の死生観を大きく変えた。医療と宗教の壁を取り払い、「臨床宗教師」の誕生に、死の直前まで取り組んだ。 この本は、丹念な取材で知られるノンフィクション作家が170時間以上かけて、岡部医師の語る死生観、抗がん剤への疑問、在宅死、「お迎え」体験の意義などをまとめた「岡部医師の遺言」である。 -
皆様、関係者の皆様
カトパンの結婚報告FAXに書かれていた「皆様、関係者の皆様」は、頭の「ファンの」を慎み深く抜いたために変な呼びかけになってしまった? 政治家や著名人の発言のみならず、芸能人の手書きFAXの筆跡までとらえて、褒めたり怒ったり分析したり茶々を入れたり……。「言葉」をテーマに今の日本を読み解く「週刊文春」人気連載時事コラム「言葉尻とらえ隊」を一冊に! カバーの絵は漫画家の松田洋子さんが担当。 ジャンポケ斉藤がいじめ被害者に呼びかけた「何かの機会を見つけて僕に直接、相談してほしい」 森喜朗が問題発言で批判された翌日に言った「今朝は娘にも孫娘にもしかられた」 平井卓也、丸川珠代が好んで使う「ステークホルダー」 ……ほか計67ワードを収録! -
南十字星の戦場
昭和18年4月、海軍中尉だった著者はソロモンの海に墜ちて米軍の捕虜となり、禁断の時を生きた。それから30年後、ガダルカナル、ラバウルなど当時の激戦地と捕虜収容所のあったニューカレドニアを再訪してつづった戦友たちへの鎮魂の賦。ソロモンに散華した兵士たちよ! 海上に浮かぶ無数の断雲と、燦然たる南十字星こそ、彼らの墓標にふさわしい……。表題作に加えて、漂流と捕虜収容所での生活を描いた処女作『ニューカレドニア』も収録する。 -
南の島のティオ
小さな南の島に住むティオと出会った人々を中心に、つつましくも精神的には豊かな島の暮らしをさわやかに描く。 お父さんとティオが経営しているホテルに絵はがき屋さんがやってくる。島やホテルの風景の絵はがきをお客さんが買って手紙を出すと、もらった相手は、どうしてもこの景色をみたくなる。だから、このホテルに必ず人を連れてくるはがきなのだという。 この夢のような話を信じたティオに、絵ハガキ屋さんが最後におまけにくれた一枚とは? 花火で「空いっぱいの大きな絵」を描いた黒い鞄の男などの個性的な人々とティオとの出会いを通して、つつましさのなかに精神的な豊かさに溢れた島の暮らしを爽やかに、かつ鮮やかに描き出す連作短篇集。第41回小学館文学賞受賞した作品に、「海の向こうに帰った兵士たち」を加えた増補版。解説・神沢利子 ※この電子書籍は2010年11月に文藝春秋より刊行された増補版文庫を底本としています。 -
宮本武蔵
山中で棒を振り回していた少年は、十三歳にして試合相手の頭蓋をかち割った! 自身も剣の達人である著者が描く凄絶なる歴史長編 宮本武蔵は幼少より武術に頭角をあらわし、生まれ持っての膂力と父の激しい指南にこたえ、13歳にして真剣の立会に打ち勝った。 血なまぐさい試合にあけくれた青春時代、京都郊外、一乗寺下り松での吉岡一門との死闘、関門・船島での佐々木小次郎との血闘など、いくたの修羅場でつねに勝利をおさめた孤高の剣聖の凄絶なる生涯を描破する。 吉川英治版『宮本武蔵』とそれを原作とした人気コミックの影響もあり、内省的な宮本武蔵像が一般化した現代。 だからこそ津本陽描く、本能で動き、野獣味のある武蔵像は読者にいまも新鮮な驚きを与える。 解説・桶谷秀昭
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