宿場町の内藤新宿で、やくざが次々に殺害された。大石田一家率いるブケの千蔵と、大橋本一家の陣五郎親分の抗争のさなか浮かび上がってきた、忍びの者の影──「ふまのもの」とは、いったい何者なのか? 荒ぶるやくざ者たちを恐慌に陥れた連続殺人事件に、根岸肥前がシリーズ最大の大捕物で挑む! 佐渡奉行時代の根岸が金塊の密輸事件の謎を解く、短編「黄金の海」を新たに収録。殺人事件シリーズ第7弾。
Posted by ブクログ 2023年02月04日
復讐の連鎖と仇討をさせたい人情に対し、それに対する信仰と実社会(法律)による救い、秩序の維持と信念が窺える物語。
人情に長けた根岸が、断固として個人による復讐をさせてはならないと断言する。復讐をする者、しようとする者自体を救うという信念。
そして、『この世のことは、この世で裁く。天の裁きはまたのちに...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年03月05日
殺す側に哀しい事情が内包されているタイプの話だった。
とはいえ
最後に殺されてしまう弟と
(結果的に全員死んだとはいえ)復讐半ばで逃げて逃げ延びた姉と
ホントに哀しいのはどっちだろうな
なんて考えたりもした。
冒頭の茶屋の遣り取りがちょっと意味深だったのが
なるほどそこに繋がるのか、と感心すること...続きを読む