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オープン・ボート、青いホテル、モンスター
米国の自然主義文学の先駆とされる作家、スティーヴン・クレインの一連の短編の新訳。 アーネスト・ヘミングウェイは二十代の若い作家志望者に助言を求められ、トルストイの『戦争と平和』やドフトエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』など世界文学の古典十六作を示したが、そのリストのトップにスティーヴン・クレインの『青いホテル』と『オープン・ボート』という二つの短編が含まれていた。 クレインは二十八歳で早世したが、フォークナーやヘミングウェイなど後の世代の作家にも大きな影響を与えた。 『オープン・ボート』は、キューバに新聞社の通信員として取材に向かうために乗っていた船が沈没し漂流した末に生還したという作者自身の実体験に基づいている。 クレインはその体験を新聞にノンフィクションの手記として記載し、その半年後に小説『オープン・ボート』として雑誌に発表している。 本書では新聞に掲載された手記と小説の両方を訳出しているので、同じ事故をめぐるノンフィクションとフィクションを読み比べることで、すぐれた作家の創作手法や意識の違いがはっきり読み取れる。 『青いホテル』は逆に心理描写がなく、登場人物の目に見える行動のみを追うことで、東部からの旅行者の不条理な死の顛末を描いている。 『モンスター』はワイロムヴィルという中西部の架空の町を舞台にした作品で、医師の家庭で起きた火災をめぐって、人間の誠実さとは何か、小さな共同体における人の噂や社会の空気、フェイクやヘイトといったものの持つ力などが描かれ、SNS全盛の二十一世紀のネット社会の縮図を見るよう。あまりに現代的で、現代にこそ通じる作品である。 -
怪盗ギャンビット
ロザリンは、伝説的な怪盗一家のひとり娘で、類まれな盗みの才能をもつ少女。だが彼女は、稼業から足を洗い「ふつうの人生」を送ることを夢見て、ひそかに家出する計画を立てていた。そんなある日、ロザリンのミスで母親が捕まり、10億ドルの身代金を要求されてしまう。途方にくれるロザリンのもとに、〈怪盗ギャンビット〉への招待状が届く。それは、世界中から選ばれた新進気鋭の泥棒たちが盗みの技を競い合う、違法で危険なコンテストだった。ロザリンは母を救うために、命がけの闘いに身を投じる決意をする――!! ライバルには、9歳からの宿敵ノエリア、ハンサムで謎めいたイギリス人の男子、決して隙を見せない日本人など錚々たる顔ぶれ。そして全員が暗い事情を抱えているのだった。彼らの運命を賭けた非情なゲームの幕が開く! はたして勝利するのはだれか!? -
回復する人間
ノーベル文学賞受賞作家による珠玉の短篇集 大切な人の死や自らの病、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、ふたたび静かに歩みだす姿を描く。 『菜食主義者』でアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞し、『すべての、白いものたちの』も同賞の最終候補になった韓国の作家ハン・ガン。本書は、作家が32歳から42歳という脂の乗った時期に発表された7篇を収録した、日本では初の短篇集。 「明るくなる前に」:かつて職場の先輩だったウニ姉さんは弟の死をきっかけに放浪の人になる。そんな彼女を案じていた私に3年前、思わぬ病が見つかる。1年ぶりに再会した彼女が、インドで見たというある光景を話してくれたとき、小説家の私の心は揺さぶられる――ウニ姉さんみたいな女性を書きたい、と。 「回復する人間」:あなたの左右の踝の骨の下には穴があいている。お灸で負った火傷が細菌感染を起こしたのだ。そもそもの発端は姉の葬儀で足をくじいたことだった。ずっと疎遠だった姉は1週間前に死んだ。あなたは自分に問いかける。どこで何を間違えたんだろう。2人のうちどちらが冷たい人間だったのか。 大切な人の死や自らの病気、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、再び静かに歩み出す姿を描く。現代韓国屈指の作家による、魂を震わす7つの物語。 [目次] 明るくなる前に 回復する人間 エウロパ フンザ 青い石 左手 火とかげ -
鏡の中を数える
タイの人気作家プラープダー・ユンの、日本オリジナル編集による短編集。2002年、29歳にしてタイの最も権威ある文学賞である「東南アジア文学賞」を受賞した『存在のあり得た可能性』を含め、タイで発表された初期の人気短編集などの中から12編を厳選し、宇戸清治氏が構成・翻訳した2007年の同名書籍の電子版です。どの作品にも実験的アイディアとタイ語の言葉遊びが散りばめられ、日本の日常にそのままあてはまるほどリアルでクールな視点もみずみずしく、読む者に不思議な読後感をもたらします。著名な父を持つがゆえに「親の七光り」と向き合わざるを得ない複雑な自我を描いた「バーラミー」や、手から紙片が滑り落ちてから、屈んでそれを拾うまでの間の長大な追憶「存在のあり得た可能性」など、その新鮮な構想力と、散弾銃のように続く濃密でピュアな言葉の連射は「文芸アート」とも言えるもの。2000年代東南アジアの文学の季節に萌芽した傑作短編集として長く愛されることでしょう。 -
輝く宝石は愛の言葉
〈公爵の探偵団(デュークズ・マン)シリーズ〉待望の第二弾! 偽りのきらめき、真実の愛。NYタイムズ・ベストセラー作家が描くシークレットベビーものの決定版! 宝飾品職人のイーザは、姉夫婦が引き起こした宝石盗難事件に巻き込まれ、新婚の夫に別れを告げる間もなく逃亡を余儀なくされた。 事情を知らぬまま残された夫のヴィクターは事件の容疑者として拷問され、また妻に棄てられた傷心から疑い深い人間になってしまう。 それから十年後、友人の探偵社でイーザらしき女性の消息をつかんだ彼はスコットランドにおもむき、ついに妻と再会する。 互いへの強い想いは戻りながらも疑心は消えず、しかもイーザには大きな秘密があった……人気シリーズ新展開! -
革命前・革命中・革命後 歴史概説
【タイトル】 『革命前・革命中・革命後 歴史概説』 【内容紹介】 ウジェーヌ・スクリーブ (1791–1861) +ド・ルージュモン (1781–1840)作『革命前・革命中・革命後 歴史概説』は、典型的な貴族シュルジー家の約40年間(1787年・1793年・ 1825年)を、フランス革命がどのように変革したかを、それぞれ喜劇・ドラマ・ヴォードヴィルという3つの演劇ジャンルに分けて舞台上で表現してみせた驚くべき意欲作である。スクリーブは、長子相続権に象徴されるアンシャン・レジーム(旧体制)の支配した革命前、離婚法に代表される極端な民主化を産んだ革命中、王政復古で立憲王政になった革命後、その激動の時代のフランスを描き切ったのである。日本ではほとんど紹介されたことのない19世紀最大の劇作家スクリーブの問題作の本邦初訳である。 2. 英語紹介文 (English Description) 【Title】 Before, During, and After the Revolution: A Historical Survey 【Description】 Before, During, and After the Revolution: A Historical Survey—co-authored by Eugène Scribe (1791–1861) and Michel-Nicolas Balisson de Rougemont (1781–1840)—is a remarkably ambitious play. It vividly demonstrates on stage how the French Revolution transformed the lives of the Churlgy family, a typical aristocratic household, over a span of approximately forty years (1787, 1793, and 1825). Strikingly, the authors captured each of these eras through three distinct theatrical genres: comedy, drama, and vaudeville. Scribe masterfully depicts a changing France: the pre-revolutionary period ruled by the Ancien Régime and symbolized by primogeniture; the revolutionary period marked by radical democratization and the introduction of divorce laws; and the post-revolutionary period under the constitutional monarchy of the Restoration. This volume marks the very first Japanese translation of this thought-provoking masterpiece by Scribe, the greatest playwright of the 19th century, whose work has rarely been introduced in Japan. 3. フランス語紹介文 (Description Française) 【Titre】 Avant, Pendant, et Après : Esquisse historique 【Description】 Avant, Pendant, et Après : Esquisse historique—œuvre co-écrite par Eugène Scribe (1791–1861) et Michel-Nicolas Balisson de Rougemont (1781–1840)—est une pièce d'une ambition remarquable. Elle met en scène la manière dont la Révolution française a bouleversé sur près de quarante ans (1787, 1793 et 1825) la vie de la famille de Churlgy, une lignée aristocratique typique. Les auteurs ont le génie de dépeindre chacune de ces époques à travers trois genres théâtraux distincts : la comédie, le drame et le vaudeville. Scribe y retrace magistralement les mutations profondes de la France : l'Avant-Révolution dominé par l'Ancien Régime et le droit d'aînesse ; le Pendant-Révolution qui vit naître une démocratisation extrême illustrée par la loi sur le divorce ; et l'Après-Révolution sous la monarchie constitutionnelle de la Restauration. Cet ouvrage propose la toute première traduction en langue japonaise de cette œuvre majeure de Scribe, le plus grand dramaturge du XIXe siècle, dont le génie restait jusqu'alors largement méconnu au Japon. -
かけがえのない心
お母さん、聞こえますか? 私はこうして生きています。 幼少期、海外養子縁組に出されたナナは、フランスで役者兼劇作家として暮らす。 そんな彼女に突然、人生を変える2つの知らせが届く。 別れた恋人との間に子どもを妊娠したことと、韓国から来た、自分の人生を追ったドキュメンタリー映画への出演依頼と。 生みの親を知らないナナは、生まれてくる子どものためにも自分が“誰なのか”を見つけようとソウルへ向かう。そして、思いもしなかった人たちとの出会いから、35年前、駅に捨てられた暗い記憶の糸が少しずつほぐれていき……。 海外へ養子に出された子どもたち、米軍の基地村で生きた女性たち……。 現代韓国の歴史の中でなきものとされてきた人たちに、ひと筋の光を差し込む秀作長編小説。 第27回大山文学賞受賞作 韓国系国際養子のルーツ探しというこの小説の「特殊な」主題が、日本の読者の方々に「普遍的な」ものとして届くようにと、そして誰かがこの作品を読んでいるとき、生命への尊重や人と人との絆への信頼という明かりが灯ってくれたらと願っています。(「日本の読者のみなさまへ」より) -
過去ある女 プレイバック
まるで第一級の長篇小説のように面白い。 「生きていかなきゃならない夜がまだいっぱいありすぎる」――アメリカを逃れてカナダの港町ヴァンクーヴァーにやってきた謎に包まれた若い美女。彼女につきまとうジゴロ、ホテルのペントハウスに住む独身紳士、そして殺人課警視。彼女の部屋のバルコニーで発見された男の射殺体。悲劇的な女が投げこまれた花やかな、そして卑しい世界を、見事な台詞と小気味のいい展開で描いたフィルム・ノワールの逸品。 ユニバーサル社の資料室から発掘されたこの最終稿は、チャンドラー自らが「私が書いた映画脚本の中でも最高のひとつ」と自讃する。知られざる傑作を名訳で再刊したものを電子書籍化した。 丸谷才一はこの作品の初刊刊行時、〈これが文学でなくて何が文学か〉と題して、こう絶讃した(抜粋)。「いろいろな意味でおもしろい本だ。チャンドラー伝の一資料。彼の小説作法を映画性の側から考へるための重要な手がかり。フィリップ・マーロウのゐない物語をチャンドラーはどういふふうに作るか。しかし肝要なのは、このシナリオがまるで第一級の長篇小説のやうに楽しめるといふことだらう。……かういふ形でチャンドラーの作品をもう一つ読むことができるのは、幸せな話だつた」 -
過去は異国
1989年、バーリ。僕はあの出会いにいまも限りない郷愁を覚えている── 金原瑞人氏、推薦! 「あるべき自分から少しずつずれて、やがて一気に堕ちていく恐怖を見事にとらえた犯罪心理小説」 イタリアで10万部突破、バンカレッラ賞を受賞したベストセラー、ついに上陸! マフィア対策検察官という経歴を持つイタリア・ミステリ界の巨匠による、半自伝的犯罪小説。 「パトリシア・ハイスミス『太陽がいっぱい』を彷彿とさせるサスペンスフルでスリリングなイタリアの青春小説」 ──インデペンデント紙 1989年、バーリ。憲兵隊(カラビニエリ)のキーティ中尉は連続レイプ事件の捜査に頭を悩ませていた。一方、法学専攻の大学生ジョルジョの順風満帆ながらも退屈な生活は、ある夜を境に一変する。パーティーの場で出会ったフランチェスコは謎めいた魅力を持ついかさまギャンブラーで、彼に誘われるがままにコンビを組んだジョルジョはすぐに、ポーカーで勝利をかさね、大金を得るという刺激的な日々の虜となる。だがそれは逃れられない転落のはじまりでもあり……。イタリア・ミステリ界の巨匠渾身の一作。〈解説・杉江松恋〉 -
火山の下
世界の作家たちが愛読した幻の傑作 ポポカテペトルとイスタクシワトル。二つの火山を臨むメキシコ、クアウナワクの町で、妻に捨てられ、酒浸りの日々を送る元英国領事ジェフリー・ファーミン。1938年11月の〈死者の日〉の朝、最愛の妻イヴォンヌが突然彼のもとに舞い戻ってくる。ぎこちなく再会した二人は、領事の腹違いの弟ヒューを伴って闘牛見物に出かけることに。かつての恋敵ラリュエルも登場し、領事は心の底で妻を許せないまま、ドン・キホーテさながらに破滅へと向かって突き進んでいく。 ガルシア゠マルケス、大江健三郎ら世界の作家たちが愛読した20世紀文学の傑作、待望の復刊! -
カシュニッツ短編傑作選
非行の果てに死んだはずの養子に怯え、戸締まりを厳重にする妻。夫との会話から見えてくる真実とは……(「雪解け」)。知らぬ間に手脚に痣や傷が増えていく会社員の女性。親指の付け根を切ってしまっても気づかず、すねを拳骨で打ってもまったく痛みを感じない。自己観察を続ける彼女の生活は、どんどん異様になっていき……(「火中の足」)。広告塔に大きな写真が貼られ、新聞でも連日報道された、行方不明の少年を探すことに取り憑かれた女性は、その少年を見つけたのだが……(「幸せでいっぱい」)。町が消え、家も、学校も、図書館も、なにもかもがなくなる。みんないなくなり、あとは地を這う人間の残骸がいるだけ。――世界が滅亡するXデイが気がかりで、ある母親はその日に起こるはずのことについて詳細な手記を執筆する……(「ある晴れたXデイに」)。日常に忍びこむ幻想。悲劇と幸福が結びついた人生観。歪で奇妙な家族たち。戦後ドイツを代表する女性作家による、『その昔、N市では』に続く全15作の傑作短編集!/【目次】雪解け/ポップとミンゲル/太った子/火中の足/財産目録/幸せでいっぱい/作家/脱走兵/いつかあるとき/地滑り/トロワ・サパンへの執着/チューリップ男/ある晴れたXデイに/結婚式の客/旅立ち/訳者あとがき -
風と共に去りぬ
アメリカ南部の大農園主の父と、フランス貴族の血をひく母のあいだに生まれたスカーレット・オハラは16歳、魅惑的な顔だちで、青年たちの心をとらえていたが、火のように激しい気性の持主でもあった。彼女が秘かに思いを寄せていたのは、うぶでけがれを知らぬ青年アシュレだった。その彼が従妹のメラニーと婚約したと知って驚くが、自分が打ち明けさえすればと、たかをくくっていた。野外パーティの日、彼女はアシュレを図書室につれこんで愛を打ち明ける。だが、アシュレは彼女をうけ入れようとはしなかった。スカーレットは彼を罵倒し、半狂乱になって彼の頬をなぐる。ところがこの一幕をレット・バトラーという男に見られてしまう。誇りを傷つけられた彼女はアシュレヘの面当てと復讐じみた気持ちから、彼の妹の恋人でありメラニーの兄であるチャールズと結婚してしまう。折から南北戦争が勃発、スカーレットの怒涛の人生が幕をあける……。刊行と同時にベストセラーとなり、今もなお熱烈に読みつがれる壮大な愛のドラマ。 -
カッコの多い手紙
《手紙には何度も(カッコ)を使いましたね》 ミュージシャンで、フェミニズムの同志。先行き不明のコロナ禍に交わされたイ・ランとスリークふたりの往復書簡。 猫と暮らすこと、妊娠する身体、憂鬱な心の話を分かち合い、ヴィーガニズムや反トランスジェンダー差別を語り合う。私的なことと社会的なこと、共感と対話のあいだを行き来しながら紡がれる優しくゆたかな言葉たちは、あたらしい距離を測りつづけている。 【目次】 こんなご時勢にお元気ですかと聞くのは失礼でしょうか? もうひとり、名前が2文字のスリークへ 猫と話すことができたなら ジュンイチが不快に思うのが“わたし”だったらどうしよう ジュンイチとランイへ “ヤバい、妊娠した?”って思うのは私ひとりじゃないみたいですね もしも私が妊娠したらどうするかパートナーに聞いてみました ランイみたいな物乞いの子がいるかと思って 廃墟が“夢の家”になるまで アーティスト“イ・ラン”が何かを作る過程 いい音楽って何なのか何を考えるの、ただ作るだけ♫ ある種の痛みは決して忘れられません ゆっくりと確実にくずおれつつあります タトゥーを入れて温泉に行きたいです タトゥーだらけの両腕で温泉に入る方法♨ 健康ではないジュンイチと私がともに生きていく姿を見守ってください 私は今日も勉強しに行きます この文章、次の文章を書けるだろうか オープンにして生きる、隠して生きる スリークとどんなふうに付き合えばいいのかまだ悩んでいます 胃薬そのもの リョンファへ 【著者】 スリーク 京畿道九里市生まれのミュージシャン。本名はキム・リョンファ。アルバムに『COLOSSUS』、『LIFE MINUS F IS LIE』があり、2022年にはシングル『있잖아(あのね)』を発表した。オムニバスや同僚ミュージシャンの作品への参加も多い。2020年にMnetで放送された音楽リアリティショー「グッド・ガール」に“地獄から来たフェミニストラッパー”として登場して話題を集めた。誰も傷つけない歌を作りたいという。元野良猫のットドゥギとインセンイと暮らしている。 イ・ラン ソウル生まれのアーティスト。イ・ランは本名。アルバムに『ヨンヨンスン』『神様ごっこ』『オオカミが現れた』。『悲しくてかっこいい人』(2018、リトルモア)、『アヒル命名会議』(2020、河出書房新社)、『何卒よろしくお願いいたします』(2022、タバブックス)ほか、多くのエッセイ、小説、書簡集が日本語訳されている。音楽、文学、イラスト、映像などマルチに活躍している。元野良猫のジュンイチと暮らしている。 吉良佳奈江 静岡生まれの翻訳家・韓国語講師。翻訳にチョン・ミョングァン「退社」「たべるのがおそい」vol.7(2019、書肆侃侃房)、ソン・アラム『大邱の夜、ソウルの夜』(2022、ころから)、チャン・ガンミョン『きわめて私的な超能力』(2022、早川書房)など。家族と植物と暮らしている。 -
悲しき虎
少女時代、継父にレイプされていた著者が、母親となった今、自身の体験とその傷がもたらす影響、加害者、世界中に存在する悪について、渾身の分析をする。表層的な共感を拒みながら、深い連帯を表現して感動をよび、本国フランスで「フェミナ賞」「高校生が選ぶゴンクール賞」などを受賞し、30言語で翻訳刊行予定の話題作。 -
かに座物語
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 許されぬ愛により、毒ヘビとばけガニにされた2人。英雄ヘラクレスも登場する物語。 -
金より価値ある時間の使い方
メンタリストDaiGo氏推薦! 「SNSやショート動画、不要な人間関係で自分の時間をムダに失う、つまり全ての人類へ。」 この45分の読書が人生に奇跡を起こす。――時は金なりと言うが時間は金よりもずっと価値がある。しかも全ての人に平等に与えられ誰にも奪えない。どう使えば限りある人生をよりよく生きられるのか。「毎朝あなたの財布には24時間がつまってる」「1晩おきの1時間半がきらめく真珠に」「原因と結果の法則を叩きこめ」等、心に刺さるメッセージが満載。時代と国境を超え多くの知識人に愛される時間術の名著、新訳! 解説・特典も充実。 原題 How to Live on 24 Hours a Dayの新訳! 目次 はじめに 賢いワーク・ライフ・バランスは一杯のお茶から 第1章 毎朝あなたの財布には二十四時間がつまってる! 第2章 知的好奇心を持てば本当の人生が送れる 第3章 「時間がもっとあるとき」など決してこない 第4章 一日のプロローグとエピローグという考えを捨てる 第5章 一晩おきの一時間半がきらめく真珠になる 第6章 一週間を六日とし週七時間半で奇跡を起こす 第7章 史上最高の賢人たちの提案――「思考の集中」 第8章 幸福になるための内省時間は夕方の帰り道に 第9章 教養を身につけることで充実する毎日 第10章 原因と結果の法則を叩きこみ退屈な人生を変える 第11章 読書好きのあなたに勧める「熟慮を要する読書」 第12章 日常に奇跡を起こす最初の一週間 解説 ハズリットのエッセイ「詩一般について」抄訳 オシアン「セルマの歌」夏目漱石訳 時間をめぐるシェイクスピアの名言 訳者あとがき -
彼女はマリウポリからやってきた
半世紀以上を経て娘が探し当てた亡き母の生 ロシアとウクライナの血を引くドイツ語作家が、亡き母の痕跡と自らのルーツを見いだす瞠目の書。 母エウゲニアは、著者が10歳のとき若くして世を去った。幼い娘が知っていたのは、母がマリウポリで生まれたこと、第二次世界大戦中、両親が強制労働者としてウクライナからドイツに連行されたこと、曾祖父が石炭商人、祖母がイタリア人だったらしいことくらい。母の運命を辿ろうとこれまで何度か試みたが、成果はなかった。ところが、2013年のある夏の夜、ふと思い立ってロシア語の検索サイトに母の名前を打ち込んでみたところ、思いがけずヒットする。ここから手探りの調査と驚くべき物語が始まる。 「ここ一年ほど悲しい姿ばかりが報道されたウクライナのマリウポリだが、その多文化都市としての輝かしい歴史と、そこに生きた作者の親族の運命が、この小説には知的なユーモアと息苦しいほどの好奇心をもって描かれている」(多和田葉子氏) ウクライナの船主、バルト・ドイツの貴族、裕福なイタリア商人、学者、オペラ歌手など、存在すら知らなかった親類縁者の過去が次々と顕わになり、その思いもよらぬ光景に著者は息を呑み、読者もそれを追体験する。忘却に抗い、沈黙に耳をすませ、失われた家族の歴史(ファミリーストーリー)を永遠にとどめる世紀の小説。ライプツィヒ書籍見本市賞受賞作。 -
カフカがサラリーマンだったって知ってましたか?
真にこれからの世界をいきるためにはサラリーマンを捨てて自立しよう。 フランツ・カフカは20世紀初頭のサラリーマンだった。しかし、そのことを研究した人はいない。ここには大きな問題が隠されており、その文学とともにサラリーマンを生きぬいた人でもあった。このことは強調してもしすぎることはない。だって、だれもサラリーマンの本質を知らないのだから。それを知るといかに束縛されたい生き方であるかがわかる。それをカフカは芸術へと切り開いた。彼を彼を見習って、自立しよう。 【目次】 はしがき 第一章 サラリーマンだったカフカ 第二章 引きこもってはいけない 第三章 他者の出現 第四章 全く思うようにいかない世界がある 第五章 カフカが残してくれたもの 第六章 じゃあどうすればいいのか 第七章 結語 奥付 【著者】 佐藤守徳 これまでに、『「カウムズホーム」解説という名の小説』『断片小説論スケッチ』『シニアと若者の為の日銭を稼ぐ株式活用術』などジャンルを問わず多数。特に電子書籍を単なる紙の書籍の電子版ではないという信念をいだいている。 -
カフカの『変身』をすごくゆっくり読む
カフカの最高傑作にして20世紀最大の問題作の一つとされる『変身』を、頭から終わりまで、著者が新訳しながらつぶさに読み解いていく。ある朝目覚めたら、虫になっていた──という設定のせいで非現実的な不条理小説と思われがちだが、“身体で読む”達人と一緒に読めば、まるでドキュメンタリーのようにリアルな、胸に刺さる場面の連続! ままならない心と体、家族とケア、居場所と権力構造……『変身』は今を生きる私たちの日常の物語だ。“フランツ・カフカの『変身』は読むたびに印象が変わる。新しい発見がある。もう何度となく読み返してきたが、それでも、あらためてじっくり、できるだけ時間をかけて、細部までこだわって、味わいつくすようにして読んでみたいと思っていた。それを実行したのがこの本だ。”(「はじめに」より) -
カフカふかふか:とっておきの名場面集
わからない魅力に引き込まれる 今年はドイツ語作家フランツ・カフカ100年にあたります。生前はほとんど知られていない作家ですが、一世紀後の現在では著名な小説家のひとりとして、その作品は多くの言語に翻訳され、読まれています。 そんなカフカ作品に魅了された著者たちが、その面白さを本書で縦横無尽に語りかけます。 朝目覚めると虫に変わっていた主人公は有名ですが、糸巻状の「何か」という不思議な存在が出てきたり、そうかと思えばまったく姿を現さなかったり、よくわからない登場人物たちにわたしたちは翻弄されます。 繰り返される断食のシーンからはヴェジタリアンで風変わりな健康体操を人に勧める作家の別の素顔が垣間見られます。 そのほか、出だしや結びの一文に驚愕したり、絶句したりすることしきり。カフカの作品はうかうかできません。いつまで経っても辿り着かないぐるぐるまわる物語にめまいすら覚えます。 カフカフカフカ この終わりのない魅力をあれでもか、これでもか、この一冊に収めました。全54の選りすぐりの場面を通して、カフカの世界を全身で体感できます。巻末には40年間の作家の年譜と、読書案内を完備。 [目次] はじめに i こんなはじまり、あんなはじまり 冒頭の一文に引き込まれる ii こんなキャラ、あんなキャラ 作品の登場人物たちに翻弄される iii こんな世界、あんな世界 物語の設定に目がまわる iv こんなカフカ、あんなカフカ 作家の素顔に驚愕する v こんな終わり、あんな終わり 結びの一文に絶句する 年譜/読書案内/あとがき -
神々たちのインド
「インドの神々」を大解剖!! Q、インド人は本当に四本腕の神さまが実在すると思っているの? Q、カーリー女神寺院で、人身供犠が行われていたって本当? Q、インドで牛や樹木、石までが信仰対象になるのはなぜ? インドの神さまやインド人の信仰の「なぜ?」「どうして?」に答える『神々たちのインド』。ヴェーダの神々から、破壊神シヴァ、維持神ヴィシュヌ、英雄ラーマやクリシュナ、象頭のガネーシャといったヒンドゥー教の神々、また聖なるガンジス河から神聖な動物、悪魔(鬼神)まで、縦横無尽に記述。 「インドの不思議」解明の手がかりになる1冊が登場! 全編を彩るインド絵画(The Metropolitan Museum of Art所蔵)もあわせて。 (註)初版本『印度の神々』は1916年、向陵社より発行された。今回の新版にあたって、旧字体を現代仮名遣いに改めたほか、文語的語彙や言い回しを現代的表現に修正し、翻案を行った。 目次 神々たちのインド 第1章 インド神話の展開 第2章 ヒンドゥー教の聖典 第3章 天父ディアウスと地神プリティヴィー 第4章 火神アグニ 第5章 太陽神スーリヤ、サヴィトリ 第6章 全能の宇宙主神ヴァルナ 第7章 司雨の神インドラ 第8章 酒神ソーマ 第9章 冥府の主神ヤマ 第10章 『ヴェーダ』の小神 第11章 ヒンドゥーの三大神 第12章 創造神ブラフマーと学芸の女神サラスヴァティー 第13章 維持神ヴィシュヌと運命の女神ラクシュミー 第14章 ヴィシュヌの十種化身(マハー・アヴァターラ) 第15章 ラーマとシーター(『ラーマーヤナ』) 第16章 クリシュナとラーダー 第17章 仏教の創始者ブッダ 第18章 世界の主ジャガンナート 第19章 愛の神カーマデーヴァ 第20章 托鉢神チャイタニヤ 第21章 破壊神シヴァ 第22章 シヴァの妃パールヴァティー、ドゥルガー、カーリー 第23章 象頭神ガネーシャと軍神スカンダ 第24章 鬼神・動物・聖樹・女神・聖者などへの信仰 第25章 五人兄弟の物語(『マハーバーラタ』) 第26章 聖河信仰 第27章 動物信仰 第28章 聖樹や聖石信仰 第29章 女神信仰 第30章 英雄、聖者信仰 第31章 祖先崇拝 第32章 鬼神、悪魔崇拝 第33章 惑星信仰 第34章 聖者と北斗七星信仰 第35章 ジャイナ教と仏教の神々 -
神々は渇く
フランス革命期の恐怖政治に巻き込まれた人々の運命を描く歴史小説。正義感あふれる青年画家エヴァリスト・ガムランは革命裁判所の陪審員となり、ジャコバン派の影響を受け、元貴族や亡命者、無神論者、娼婦などを次々と断頭台に送ってゆく。「自由、平等、博愛、しからずんば死」の標語がガムランの指針であり、反愛国主義者の疑いのある者は友人に至るまで、容赦しなかった。物語は、バスティーユ襲撃や、チュルリー宮殿の襲撃、国民公会の成立など、革命の主要な出来事を背景に進行する。パリは戦争と飢餓に苦しみ、民衆の熱狂は冷め、政治への関心も薄れていくなかで、ガムランは理想主義的な愛国心を抱きつつ「人民」の再生をあくまで夢想しつづけ、ついに破滅する。タイトルの「神々は渇く」とは、権力や理想を求める人間の欲望を象徴している。 -
カラス殺人事件
生物学者ネル。博士の知識なくして、この謎は解けない。 英国でシリーズ累計18.6万部突破! 英国Amazon高評価3500件以上 (2023年10月現在) 田舎町の奇怪な殺人事件に美人学者が挑む。生き物トリビア満載の超絶ミステリ! 解説・大矢博子 ネル・ワード博士の専門は生態学。断じて殺人ではない。しかし英国の田舎町の荘園領主ソフィ・クロウズが殺され、事態は一変。現場で動植物の調査をしていたネルは第一容疑者になる。ジェームズ刑事からの疑いを晴らすために、同僚のアダムとともに生き物の専門知識を駆使して真犯人に迫るが…。これは何年も前から仕組まれてきた罠なのか? サスペンスフルでキュートで知的。先が見えない超絶コージーミステリ。 「著者自身が生態学者なのだが、その専門知識の描写が謎解きにかかわってくるくだりは本書の大きな読みどころだ。また人間模様の面白さもある。同僚のアダムといい感じのネルだが、そこへ現れたのが刑事のジェームズだ。ジェームズはネルに一目惚れするが、同時に彼女を疑わなくてはならない。そしていよいよネルが逮捕かとなったとき──ここで「えっ」と声が出てしまうほどの意外な事実がわかる。人は人をどこで判断するか、という大きなテーマがこの物語には隠されている。コージーにしてサスペンスフル、知的にしてロマンティックな一冊なのだ。」――大矢博子(書評家)解説より -
カラマーゾフの兄弟
ドストエフスキー作品の謎に最も迫った翻訳者・江川卓による魂の訳業、初文庫化。 大審問官の問い、ゾシマ長老の死…… カラマーゾフ(黒塗)家の一族をめぐる壮大な愛憎劇は、やがて殺人事件へと向かう。(第2巻) カラマーゾフ家の人々の間にさまざまな思惑が入り乱れる中、ついに父フョードルが殺害される。はたして犯人は―(第3巻) 父フョードル殺害事件の裁判が進展する一方で、カラマーゾフの兄弟たちはそれぞれに転機を迎えていた。やがて、あの夜の真相が明らかになる。 彼らは、ロシアは、そして人類の運命は――「現代の予言書」として読み継がれてきた一大叙事詩はついにクライマックスへ!(第4巻)。 ※本コンテンツは、中公文庫『カラマーゾフの兄弟』1~4巻を合本化したものです。 -
カラマーゾフの兄弟
フョードル・カラマーゾフは金と女にしか興味のないような悪魔的な男だったが、彼には3人の息子と1人の私生児があった。長男ドミートリイは27歳の退役士官で、婚約をむすんだ娘がありながら、妖婦グルーシェンカに恋慕して父親の恋敵になる。次男のイワンは合理主義者、無神論者である。三男のアリョーシャは幼いときから僧院に入って修業し、キリストの愛によって肉親を和解させようとする。私生児のスメルジャコーフは癲癇の発作もちで、悪がしこく、自分の出生に恨みを抱いて生きている。入り組んだ愛憎のもつれのなかで、フョードルが何者かによって殺害される。あらゆる証言からみて状況はドミートリイにとって不利なことばかりで、結局彼は起訴され裁判にかけられる……人間の獣性と神性をみごとに描きつくした大作。 -
[カラー新装版]マジック・ツリーハウス
本をひらいて「ここへ行きたい!」って言うだけで、いろんな世界へひとっとび! ジャックとアニーはふしぎなツリーハウスで、恐竜の時代へまよいこむ――わくわくドキドキの大冒険がはじまった!! 全小学生必見の大ベストセラー、もっと読んでまなべる〈カラー新装版〉が登場! ☆カバーイラストも挿絵も、全イラスト描き下ろし ☆巻末には、たっぷり学べる資料つき 小学校全学年に対応、教材としての利用もオススメ。 たのしく読んで、地理、歴史、自然科学の知識が自然に身につきます!! [収録] 第1話 恐竜の谷の大冒険 第2話 黒い馬の騎士 -
狩場の悲劇
「五月の朝に詩的な《赤いワンピースの娘》に出会って以来、おびただしい数の犠牲者が、人生の暗い波間に、永久に姿を消し去った」……モスクワの新聞社へ持ち込まれた、ある殺人事件をめぐる小説原稿。そのテクストの裏に隠された「おそろしい秘密」、そして読み終えてなお残り続ける「もう一つの謎」とは何か? 近代ロシア文学を代表する作家が若き日に書いた唯一の長篇小説にして、世界ミステリ史上に残る大トリックを駆使した恋愛心理物語の古典。巻末に、江戸川乱歩による評論を収録。 江戸川乱歩――「チェーホフともあろう作家の、こういう作品を知らなかったのだから、われわれの全く気づかない面白い探偵小説が、まだどれほど残っているかと思うと楽しくなる。……探偵小説のトリックの歴史から考えても、相当大きな意味を持つ」。 解説・佐々木敦 -
カリフォルニアのジル・ブラス
サッター大尉の蒸気水車で、おそらく世界の様相を一変させるであろう数個の金の粒が飛び散ってから三年が経過しました。カリフォルニアは今日、あらゆる国から二十万人の移民を受け入れ、世界で最も美しく最も大きな湾の近くの太平洋沿岸に、ロンドンやパリに対抗する役割を果たす運命にある都市を建設した。 そうこうしている間に、スエズ鉄道のおかげ、ニカラグアの運河のおかげで、私たちは十年以内に、三カ月で世界一周ができることになる。友よ、それがカリフォルニアに関するこの本は絶対に印刷する価値があると私が信じている主たる理由です。 アレクサンドル・ デュマ。 -
カレワラ タリナ
1966年マルッティ・ハーヴィオは「カレワラ物語」と称する散文物語を編纂した。本書はマルッティ・ハーヴィオ作「カレワラ物語」に準処した翻訳であり、韻文叙事詩「カレワラ」(小泉 保 訳、岩波文庫)への導入の書でもある。原典フィンランド語。 -
環境と文学の彼方に エコクリティシズムと新しい創造の時代
ASLE-Japan/文学・環境学会 設立30周年記念出版 自然と環境を人文学の観点から照射する論考を収載 環境人文学の蓄積と現在地を提示する 目次 ◉はじめに──エコクリティシズムの「森」へようこそ【浜本隆三/甲南大学准教授】 ◉序章(鼎談)──環境文学研究のこの10年【小谷一明(新潟県立大学教授)×喜納育江(琉球大学教授)×結城正美(青山学院大学教授)】 第一部 環境理論の先へ ◉人新世文学のオルタナティブ──梨木香歩『ピスタチオ』における緑のエージェンシーと気候変動のサバイバル【芳賀浩一(城西国際大学教授】 ◉〈クィア・エコロジー〉〈トランスエコロジー〉の系譜学【森田系太郎(立教大学大学院兼任講師】 ◉空飛ぶサカナ──『ダーウィンの悪夢』とイメージの転移【塚田幸光(関西学院大学・大学院教授】 ◉「大デンマーク」幻想の解体と「幸福の国」への出発──ヘンリク・ポントピダン『幸福のピア』におけるユラン半島地方の開発【奥山裕介(摂南大学非常勤講師】 ◉映画『リリーのすべて』にみるトランスジェンダーの身体と自然表象【岩瀬由佳/東洋大学教授】 ◉映画『キラー・オブ・シープ』における日常としての屠畜場──1960~70年代のロサンゼルス・ワッツ地区を背景に【江口真規/筑波大学助教】 ◉隠喩としての猫を棄てる──動物愛護管理にまつわる構造的暴力と作家の倫理的選択【波戸岡景太/法政大学教授】 第二部 新しい共生を探して ◉(対談)文学と環境のはざまで【小谷一明×野田研一(立教大学名誉教授)】 ◉私とタスマニア──ピーター・コンラッドに関する考察【黒﨑真由美/関東学院大学教授】 ◉院生組織活動の歴史【伊東弘樹(早稲田大学大学院博士課程)・江川あゆみ(早稲田大学大学院博士課程)・笠間悠貴(明治大学非常勤講師)】 ◉アイヌ文学のニュー・アニミズム【松﨑慎也/群馬県立女子大学教授】 ◉ロバート・ハスとW・S・マーウィン──環境詩学による考察【高橋綾子/兵庫県立大学教授】 ◉つながる日加の水俣病──『ミナマタ』とアイリーン・美緒子・スミスの貢献【岸野英美/近畿大学准教授】 ◉柄谷行人の倫理と震災後文学【和氣久明/米国空軍士官学校助教授】 第三部 ネイチャーライティングの向こう側 ◉『テンペスト』の海をめぐって──見えない海、曖昧な人間【高橋実紗子/聖心女子大学専任講師】 ◉石牟礼道子と音──自伝『葭の渚』が語るサウンドスケープ【中村優子/順天堂大学、中央大学非常勤講師】 ◉石牟礼道子『十六夜橋』の自然と記憶【山田悠介/大東文化大学講師】 ◉ハイチ文学と環境──マリ・ヴュー・ショヴェ『愛、怒り、狂気』を中心に【齊藤みどり/都留文科大学教授】 ◉テリー・テンペスト・ウィリアムス『大地の時間』における見つめ返す風景──惑星を想像するネイチャーライティング【清水美貴/青山学院大学大学院博士後期課程】 ◉マーガレット・アトウッド『洪水の年』にみる言語の物質性と循環【巖谷 薫/早稲田大学大学院博士課程、日本工業大学非常勤講師】 ◉宮沢賢治と牛──モナドロジーから読むその宇宙【大田垣裕子/兵庫県立大学名誉教授】 ◉清潔さの暴力──フランク・ノリスの『ヴァンドーヴァーと野獣』におけるにおい【菅井大地/愛知学院大学准教授】 ◉終章 環境的不服従の未来【辻 和彦/近畿大学教授】 ◉おわりに【青田麻未/群馬県立女子大学専任講師】 -
韓国女性文学シリーズ
韓国文学界を背負う一人であるソ・ユミ、待望の初邦訳 恋の記憶、家族の記憶、残酷で美しい春の記憶。 ソ・ユミは、私たち自身の傷と記憶を呼び覚まし、時の流れとは何かを伝えようとする。私たちはいつだって、人生の新しい章を始められるのだ。――櫻木みわ(小説家) 1970年代生まれの韓国女性作家、チョ・ナムジュ、ファン・ジョンウンなどと並び、韓国文学界を背負う一人であるソ・ユミ、待望の初邦訳 【目次】 第一部 第二部 作家の言葉 訳者の言葉 【著者】 ソ・ユミ 1975年ソウル生まれ。2007年「ファンタスティック蟻地獄」で文学手帳作家賞、同年「クールに一歩」で第1回チャンビ長編小説賞を受賞しデビュー 都市に暮らす人々の孤独や葛藤を温かい眼差しで繊細に描く韓国を代表する女性作家。 短編集に『当分は人間』『誰もが別れる一日』『今夜は大丈夫、明日のことはわからないが』長編に『ファンタスティック蟻地獄』『クールに一歩』『あなたのモンスター』『終わりの始まり』『隙間』『ホールディング、ターン』『私たちが失ったもの』エッセイに『ひとつの体の時間』などがある。 金みんじょん ソウル生まれ東京育ち。10代で来日、KBSラジオや京郷新聞などを通して日本のニュースを紹介し日本文化を韓国に伝える活動をしている。 慶應義塾大学総合政策学部卒業、東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士課程単位取得退学。 韓国語の著書に『母の東京 ― a little about my mother』『トッポッキごときで』韓国語への訳書に『那覇の市場で古本屋』(宇田智子著)『太陽と乙女』(森見登美彦著)『海を抱いて月に眠る』(深沢潮著)など。日本語への訳書は『私は男でフェミニストです』 -
漢詩編【5冊 合本版】 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典『陶淵明』『李白』『杜甫』『白楽天』『唐詩選』
『陶淵明』 帰りなん、いざ…。そう言って田園に帰った詩人が残した魂の叫び! 自然と酒を愛し、日常生活の喜びや苦しみをこまやかに描く一方、「死」に対して揺れ動く自分の心を詠んだ田園詩人。「帰去来辞」や「桃花源記」ほかひとつ一つの詩を丁寧に味わい、詩人の心にふれる。 『李白』 大酒を飲みながら月を愛で、鳥と遊び、自由きままに旅を続けた李白。あけっぴろげで痛快な詩は、音読すれば耳にも心地よく、多くの民衆に愛されてきた。豪快奔放に生きた詩仙・李白の、浪漫の世界に遊ぶ。 『杜甫』 中国屈指の社会派詩人。その内面に美しさ、繊細さが光る! 若くから各地を放浪し、現実社会を見つめ続けた杜甫。日本人に愛され、文学にも大きな影響を与え続けた「詩聖」の詩から、「兵庫行」「石壕吏」などの長編を主にたどり、情熱と繊細さに溢れた真の魅力に迫る。 『白楽天』 平安時代から愛され続け、日本文化に大きな影響を及ぼした白楽天。炭売り老人への憐憫や左遷地で見た雪景色を詠んだ代表作ほか、家族、四季の風物、酒、音楽などを題材とした情愛濃やかな詩を味わう。大詩人の詩と生涯を知る入門書。 『唐詩選』 漢詩の入門書として最も親しまれてきた『唐詩選』。李白・杜甫・王維・白居易をはじめ、朗読するだけで風景が浮かんでくる感動的な詩の世界を楽しむ。芭蕉や漱石も愛した、中国最高の詞華集を味わう! ※本電子書籍はビギナーズ・クラシックス 中国の古典「陶淵明」「李白」「杜甫」「白楽天」「唐詩選」を1冊にまとめた合本版です。 -
完全版 ノーマル・ハート
きみがいないと、生きる意味を失う―― 死の淵で永遠の愛を誓い合う、男同士の結婚式…… 未曾有の危機、HIV-エイズと戦った、ひとりの男の姿を描いた傑作映画――『ノーマル・ハート』 エミー賞・ゴールデングローブ賞・トニー賞受賞作品 2019年4月、奇跡のクラウドファンディングで書籍刊行が実現した、戯曲版『ノーマル・ハート』が電子書籍で完全版として、ついに登場!! 友人の死が500人を超えたとき、私は数を数えるのをやめた。(ラリー・クレイマー) 1981年、奔放な性を謳歌していたゲイの間に謎の伝染病エイズが広がっていた。 ジャーナリストのネッドはニューヨーク・タイムズの記者フェリックスと出逢い、やがてふたりは惹かれあう。出来のいい兄へのコンプレックスを抱え、恋すら知らない無鉄砲なネッドと、一度女性と結婚し、失敗した隠れゲイのフェリックス――だが、ふたりの束の間の幸せを病が蝕んでいく。フェリックスがエイズを発症し……。 たった一人の演説から始まったという、伝説のエイズ団体アクトアップの創始者ラリー・クレイマーが、強烈な祈りを込めて書き上げた、自叙伝的な戯曲。1986年初演。 【電子書籍版特別付録】 ◎『どうか知っていてほしい』――ラリー・クレイマーからの手紙 ◎イメージイラスト;座裏屋蘭丸 *クラウドファンディング時とは、色違いバージョンのイラストになります。 -
完全版 ピーナッツ全集 合本版
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本電子書籍は、『完全版ピーナッツ全集』第1巻・第2巻・第3巻の合本版です。表紙をめくれば単巻版と同一の内容が巻数順に収録されています。 【第1巻】『ピーナッツ』全作品を収録した初の全集。チャーリー・ブラウンとスヌーピーたちの活躍が始まります。シュルツ伝+ロングインタビュー付き。序:ギャリソン・キーラ、月報6-1:小野耕世 【第2巻】普通の子犬のスヌーピー、幼いチャーリー・ブラウンやルーシー、ライナス、シュローダーたち連載初期の愛らしさ。ピッグペン登場。序:ウォルター・クロンカイト、月報8-1:うつみ宮土理 【第3巻】単行本初収録の作品が多数の1950年代。次第におなじみの『ピーナッツ』世界が形づくられ、スヌーピーの本領発揮まであとわずか。序:マット・グレイニング、月報9-1:佐藤良明 -
漢文ノート
春夏秋冬を味わい、ことばの脈動を感じる―― 漢詩・漢文を存分に堪能する珠玉のエッセイ。 漢字圏では、文学という語は古典と近代で意味の断絶をともないつつ、同じ語の形である「文学」がなお用いられている。その糸をたぐり寄せ、新たな視界へと導くエッセイ集。四季おりおりの話題をからめながら、ことばの交わりをたどり、漢文脈の森にわけいり、文学のありかを探る。PR誌『UP』の好評連載を書籍化。 【主要目次】 はじめに 春 霞を食らう ともに詩を言う 双剣 年年歳歳 走馬看花 悼亡 夏 瓜の涙 斗酒なお辞せず 口福 帰省 スクナシジン 友をえらばば 秋 満目黄雲 蟬の声 菊花の精 隠者の琴 読書の秋 起承転結 冬 書斎の夢 郎君独寂寞 二人組 詩のかたち 杜甫詩注 漢詩人 -
漢文法基礎 本当にわかる漢文入門
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 漢文」とはなにか 受験参考書をはるかに超え出たZ会伝説の名著、待望の新版! 訓読のコツとは。助字の「語感」をどう読み取り、文章の「骨格」をいかに発見するか――。漢文読解の基礎力を養い、真の「国語力」を身につけるために、1970年代より形を変え版を重ねながら受験生を支え続けてきた名著を修補改訂。大学入試攻略などは当たり前、第一人者が気骨ある受験生、中国古典を最高の友人としたい人へ贈る本格派入門書。 基礎とはなにか。二畳庵先生が考える基礎ということばは、基礎医学とか、基礎物理研究所といったことばで使われているような意味なんだ。(中略)基礎というのは、初歩的知識に対して、いったいそれはいかなる意味をもっているのか、ということ。つまりその本質を反省することなのである。初歩的知識を確認したり、初歩的知識を覚える、といったことではなく、その初歩的知識を材料にして、それのもっている本質を根本的に反省するということなのだ。――<本書より> ※本書は1984年10月に増進会出版社より刊行された『漢文法基礎』(新版)を大幅に改訂したものです。 -
完璧な恋に魂を捧げて
ケンタッキー州の炭鉱町デンヴィルで貧しい生活を送る女子高生テンリー 石炭会社の奨学金で大学に進学することを夢見る彼女だが、数年前の炭鉱事故で父と兄を亡くした、 同じ高校に通うカイランドも奨学金を目指していることを知る。 互いに夢を語り、相手の孤独を癒していくなかで、深く惹かれあっていくふたり。 しかし選ばれる奨学生は、ひとりだけだった。抑えきれない気持ちをもてあますなか、旅立ちの日が近づき……。 大好評『世界で一番美しい声』のミア・シェリダンが贈る、無垢で切ない純愛ラブロマンス! -
完本 中国古典の人間学
日本の近代を切り開いてきた先人たちの教養の根幹には、中国古典があった。 近年、日本人からその伝統的な素養が失われたことは、社会が液状化現象を呈し、説得力のないリーダーが幅をきかせることの、一因となってはいないだろうか。 本書では、めぼしい中国古典二十四篇を網羅し、そのエッセンスに触れながら先賢の知恵に学ぶことを意図している。 その内容は古びていないどころか、現代人にこそ必要な叡智がぎっしりと詰まっている。 ぜひ、本書を通して、中国古典の魅力の一端に触れてみてほしい。 【収録】 『左伝』『戦国策』『史記』『三国志』『十八史略』『孫子』『呉子』『六韜・三略』 『諸葛亮集』『三十六計』『論語』『孟子』『荀子』『近思録』『伝習録』『老子』 『荘子』『管子』『韓非子』『顔氏家訓』『貞観政要』『宋名臣言行録』『為政三部書』『菜根譚』 【著者紹介】 守屋洋(もりや・ひろし) 著述業(中国文学者)。 昭和7年、宮城県生まれ。 東京都立大学中国文学科修士課程修了。 著訳書に『中国古典の名文集』『「老子」の人間学』『菜根譚の人間学』『六韜・三略の兵法』(いずれもプレジデント社)など多数。 【目次より】 ◆左伝 ◆戦国策 ◆史記 ◆三国志 ◆十八史略 ◆孫子 ◆呉子 ◆六韜・三略 ◆諸葛亮集 ◆三十六計 ◆論語 ◆孟子 ◆荀子 ◆近思録 ◆伝習録 ◆老子 ◆荘子 ◆管子 ◆韓非子 ◆顔氏家訓 ◆貞観政要 ◆宋名臣言行録 ◆為政三部書 ◆菜根譚
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