佐藤亮一の一覧
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ユーザーレビュー
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シチリア島侵攻から戦後1957年現在まで
戦争勝利への努力に代わって戦後体制への様々な取り組みは
現在へと直接つづいているだけに、その業績を評価することは現在難しい。
現在において著者が英国史においてドイツに屈せず勝利を得た点で最大限に評価されているが
これを日本人でしかない身がわかったきになるのは
...続きを読む難しいところである。
やはり日本人らしく日本について書かれている点からつまされるべきか。
「このときまで、われわれは激烈な空襲と大部隊の侵攻とによって日本本土を攻撃するという考えを固めていた。まっとうな戦闘においてのみならず、あらゆる穴や防空壕においても、サムライの捨身精神で死ぬまで戦う日本軍の無謀な抵抗のことを、われわれは考えていた。私の心には沖縄の情景が浮かんでいた。そこでは(引用者注・原文まま)数千名の日本人が、指揮官たちがハラキリの儀式を荘重に行った後、降服を選ばずに一列になって手榴弾で自爆する光景であった。日本軍の抵抗を一人ずつ押え、その国土を一歩ずつ征服するには、百万のアメリカ兵の命とその半数のイギリス兵の生命を犠牲にする必要があるかもしれなかった。(P432より)」
「一方、空と海から日本に対する破壊的攻撃がつづいていた。七月の終わりまでには日本海軍は事実上消滅した。日本本土は混沌のなかにあり、崩壊寸前だった。外交官たちは、天皇の権限の下での即時降服以外に日本を完全な崩壊から救うすべはないと確信していたが、実権は依然として軍部の手にあり、彼らは敗北を認めるよりは国民に集団自決をさせる決意を固めていた。恐るべき破壊に直面しながらもこの気違いじみた階級は何の反応もみせず、情勢を有利に転換するなんらかの奇跡を公然と信じつづけていた。(P434-435より)」
「日本の運命が原子爆弾によって決定したと考えるなら、それは間違いであろう。日本の敗北は最初の原爆が投下される前に確定していたのであり、圧倒的な海軍力によってもたらされたものなのである。最後の攻撃の拠点となっていた海洋基地を押え、突撃に出ることなく本土軍に降伏を強制することが出来たのは、ただ海軍力おかげだったのである、日本の艦船は壊滅していた。日本は五百五十万トン以上の艦船を擁して戦争に入り、その後、分捕りや建造によってそれをかなり増大させていたが、しかし輸送船団の組織や護衛が不十分で、有機的でなかった。日本艦船は八百五十万トン以上が沈められたが、そのうち五百万トンは潜水艦の犠牲になった。同様に海に依存している島国としてのわが国は、この教訓を読み取ることが出来る。(P436-437より)」
この日本について書かれた三点の描写を抜き出しても
あるいは矛盾しているかのような著者の複雑な立場と物事の捉え方をみることができる。
愚者は自身の経験から学ぶ。現在でも何ら変わらない。
己の正しさを疑うのは困難である。
だが自身の行動の責任は自身が取らなければ社会は成り立たないし
その成員である資格はない。
Posted by ブクログ
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独ソ戦開始まで
戦時内閣の首班当事者かつ文学賞を得る筆力を備えた人物による記録は
ガリア戦記を思わせるものがある
これはブリテンでなくイギリスの戦いと書かれているけれど
日本にとってはわりと関係ない大西洋の戦いやアフリカ戦線も興味深い
Posted by ブクログ
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素晴らしく格調高い名文。彼が有名作家のタレント議員として国会議員になれたのも当然かと思う。でも、これが知的障害で、まともな文章も書けなくて、まともな高校にも入学できなかったというのだから、ほんとに信じられない。
Posted by ブクログ
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ついに本格的に第二次世界大戦が始まり、フランスは早々に敗れる中有名なダンケルク撤退戦(ダイナモ作戦)などを含む大陸からの撤退、そしてこれも有名な「イギリスの戦い(バトル・オブ・ブリテン」など様々な戦いが縦横無尽に具体的な日付や担当者、部隊名や兵力を可能な限り明示して描かれる。戦線は大西洋や地中海、北
...続きを読むアフリカなどにとどまらず、ギリシア、マルタ、クレタ島などに及びこの巻の最後にはナチのソ連侵攻を持って終わる。この時チャーチルは、既に事前にナチドイツ軍のソ連侵攻の可能性が高い事を知悉しておりすぐさま世界に向けて演説を行っているがその演説が中々自由人や民主主義を報じる国民やソ連一般人への激励を含み感動的であった。いよいよ次巻は凄惨極まる東部戦線と日本の参戦が描かれるものと思われ楽しみである。極上の当事者による客観性も高い第二次世界大戦の回想録であると言えよう
Posted by ブクログ
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第二次世界大戦を前史から丁寧に掘り起こしチャーチル自身の危機感を記述しついには第二次世界大戦が始まりチャーチルに組閣の大命が下るまでをこの巻で描いている。やや回りくどい表現も多いが極度に難解でもなく歴史を大局から必要十分な情報量で書いています。良書。
Posted by ブクログ
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