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ウルトラ・ダラー
国家の謀略を暴いた「現代の黙示録」。 ダブリンに新種の偽百ドル札「ウルトラ・ダラー」あらわる――。一報を受けたBBCの東京特派員にして英国情報部員のスティーブンは、インテリジェンスを頼りに、国際諜報戦の暗部を照らし出す。浮かび上がってきたのは、米国、中国、北朝鮮の危険極まりなき謀略だった。1968年の日本人拉致から2002年の日朝首脳会談、そして偽札製造までを一本の線でつないだ本作は、「現実の事件が物語を追いかけている」と評された。 解説:歴史学者・山内昌之氏 <手嶋龍一氏の『ウルトラ・ダラー』は、もはやスパイ小説という古典的領域を乗り越え、日本人初のインテリジェンス小説のフロンティアを切り開いた作品となっている。手嶋氏の文学的世界それは、通常の文学修業や創作活動の延長ではまったく不可能な新しい文学ジャンルなのである> -
新・しゃばけ読本(新潮文庫)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 病弱だけれども、優しくて知恵の働く若だんなと、彼を見守る不思議で愉快な妖(あやかし)たちが、お江戸に起こる難事件珍事件を解決! 大人気しゃばけシリーズのガイドブックが登場です。物語紹介から妖と人物解説、作者&絵師の創作の秘密にも迫ります。巻末に絵本『みぃつけた』を特別収録。初心者からマニアの方まで、シリーズの魅力を楽しみ尽くすための豪華な一冊。『しゃばけ読本』増補改訂版。 -
小説・ウルトラマンダイナ 平和の星・ジ・アザー
「ウルトラマンダイナ」スピンオフ小説、二十年ぶりに文庫で復活! 平成ウルトラマン三部作の脚本家陣による小説シリーズ第二弾。 「ウルトラマンダイナ」のメイン脚本家が、テレビシリーズ第三十三話「平和の星」を大胆にアレンジ。 小説ならではのストーリー展開は全ファン必読。巻末に文庫版あとがきを追加。 スーパーGUTSが検知したメトロポリス各地で不規則に発信される怪電波、ルポライターが追う謎の少年少女変質事件。 そのふたつが交わるとき、闇に蠢く怪物が蘇る。 「何が怒りと憎しみのパワーだ! ふざけやがって! 」 アスカの怒りが巨人を呼ぶ「ダイナアアアアアアアアアア! 」 リョウ隊員の秘められた過去、そしてアスカとの関係は…。 「もうひとつのダイナ」。 -
小説・ウルトラマンティガ 白狐の森
「ウルトラマンティガ」スピンオフ小説、二十年ぶりに文庫で復活! 平成ウルトラマン三部作の脚本家陣による小説シリーズ第一弾。 「ウルトラマンティガ」全話の中でも大好評を博したエピソード第十六話「よみがえる鬼神」に大幅に手を入れ、脚本家自ら小説化した「錦田景竜シリーズ」第二弾を文庫化! 巻末に文庫版あとがきと文庫版特別書き下ろし短編も追加されます。 第三十一話「襲われたGUTS基地」に登場した人工生命体ビザーモ誕生譚を収録。 物の怪を封印することを宿命とする錦田小十郎景竜は、白狐の森で“鬼”と剣を交え深手を負うも謎の女に助けられる。しかしその女は…。 いっぽう現代では“鬼”の手に堕ちたレナと戦わなければならないダイゴの苦悩。二人の愛のゆくえは…。 シナリオに書けなかったウルトラマンがここにある。 -
炎の塔
銀座のランドマーク「ファルコンタワー」。高さ450メートルを誇る日本一の超高層ビルが完成した。 オープンの初日、タワーには震災を生き抜いた親子、重病を克服した夫婦、禁断の恋に落ちた教師と女子高生、離婚問題に直面する夫婦など、様々な事情を抱える人たちが訪れていた。 そんな彼らに未曾有の大火災が襲いかかった。通称“ギンイチ”銀座第一消防署の若き女性消防士・神谷夏美は猛威をふるう炎の中、死を賭した任務に出動するが――。 完璧だったはずの防火設備はなぜ破綻したのか? 最上階に取り残された人々の運命は? 想像を絶する焔と人間の戦いを描く極上エンターテインメント! -
P+D BOOKS 小児病棟・医療少年院物語
モモ子と凜子、真摯な看護師を描いた2作品。 『小児病棟』は、第1回読売「女性ヒューマン・ドキュメンタリー」大賞優秀賞を受賞し、テレビドラマ化された作品。 主役の看護婦(当時の名称)・モモ子役を桃井かおりが演じ、大きな話題となった。病気や障がいをもった乳幼児の看護に奮闘しながら、次第に子どもたちと心を通わせていくモモ子。ある日、手足を欠損して生まれ、両眼も失ったタロウの担当となる。個人的な感傷は、医療現場では封印すべきなのか――。 『医療少年院物語』は、著者が15年の歳月をかけて取材執筆した渾身の作。現場を訪れては「これは、とても書けない」と何度も挫折しそうになったという。不良仲間との万引きにはじまり、窃盗で捕まりノイローゼとなっていった少年や、テレクラで売春を重ね妊娠した少女など、看護婦と職員が苦悶しながら彼らとの交流をはかっていく。それは、何故彼らが非行に走ったのかという、問題の根源を知ることに繋がっていく。 -
P+D BOOKS 血族
亡き母が隠し続けた私の「出生の秘密」。 本書は、山口瞳氏自身の家系の謎に迫る自伝的一冊である。 自らのことをほとんど語ることなく亡くなった母。美しく奔放で、好きなように生きた母に人生について氏は何も知らなかった。幼い頃に目にした光景、家に出入りしていた人たちの言葉、そして数々の資料をひもとき作者は自らの出自の謎に迫り、その過程を、母の思い出などを交えて綴っている。 登場する人物は、直接関わりのない人々がイニシャルになっているのをのぞけば、親族はみな実名である。調べる過程で書き進めた作品ではなく、すべてが明らかになった後に書き始めており、後に、事実を明らかするための伏線も張っている。 作者は、母の死後、彼女がどこでどんな家に生まれ、母方の親族はどういうつながりになっていたのかを解き明かしていく。その結果、氏自身がみたものは……。亡き母への熱き愛と鎮魂をみごとに描破した菊池寛賞受賞作。 -
P+D BOOKS 剣ヶ崎・白い罌粟
直木賞受賞作含む、立原正秋の代表的短編集。 日本と朝鮮の血を引く家系に生まれた兄弟が、戦争という得体の知れないものに翻弄されながらも、自分たちの存在を確かめようと、“血”とは何かを追求した「剣ケ崎」。 金貸業者を踏み倒す事を仕事にしている奇妙な男にひかれて、その不可解な魅力と付き合っているうちに、自らも破滅してゆく中年の教師を描いた「白い罌粟」。 没落寸前の旧家・壬生家。その終焉を闇夜に輝く篝火に象徴させ、従弟との愛を“死”で締め括った人妻を描いた「薪能」。 義弟との束の間の愛に燃えた若妻を描く「流鏑馬」、麻薬窟に出入りし、女と薬に溺れる男を描く「薔薇屋敷」。 直木賞受賞作、芥川賞候補作など立原正秋の代表短編5編を納めている。 -
【原典】『日本昔ばなし』
誰の心の奥底にもある、残忍性と禁断──。それは理性の力でどんなに蓋をしようとしても、隙間から漏れ出し、生き延びてしまう……。『日本昔ばなし』の中の子殺しや子捨て、山姥の子ども食いの話、そして奔放な性の匂い……表立って語るのがはばかられるような人間の暗い面を炙り出す話には、『グリム童話』同様、人間の深層心理として世界に共通する面があります。日本の風土にじっとりとしみ込んだ人間の本性の恐ろしさと巧みな知恵、その豊かな「泉」を心ゆくまで堪能してください。収録内容手なし娘人魚と八百比丘尼食わず女房蛇の婿入りかぐや姫赤い髪の娘姥捨て山天道さんの金の鎖糠福米福六部殺し俵薬師 -
窓のないオフィス
中堅システム会社で順調にエリートコースを歩んできた大友祥子は、社内政治の罠にかかり、最悪の状況にあったシステム導入プロジェクトのプロジェクトマネージャに任命された。 そのプロジェクトは、鬱病患者と自殺者をだし、前任のプロマネは突然姿を消していた。 まさに「失業か!鬱病か!」という状況。 着任した大友は、このプロジェクトが今まで自分が積み上げてきたやり方では到底太刀打ちできない状況であることを知り、呆然となる。 大友祥子は、この絶望的なプロジェクトを動かせるのか! この作品を読むと、ITシステム導入がどのようにおこなわれるか基本的な流れがわかります! -
綾乃・波乱の人生劇場
【主な登場人物】●綾乃/主人公の女。3人兄弟の長女。小学生4年生で擁護施設に預けられ、母親の愛に飢えて生きていく。●綾乃の妹/神経質で寝小便を繰り返す。綾乃を頼る。●綾乃の弟/赤ちゃんの時に、綾乃と同じ施設の中で別れ別れに暮らす。●綾乃の母親/父親に逃げられて、3人の子どもをかかえて生活に疲れ果て、子どもたちを養護施設に預ける。●指導員/施設の中で働く男。綾乃に性を教えていく。【作品紹介】小学4年生になった女の子、綾乃は母親に連れられて養護施設に投げ込まれる。物語はここから始まる。親が恋しくて、恋しくてたまらない綾乃。まるで、子どもの刑務所のような施設の中の掟。団体生活のリンチまがいのいじめ、下半身丸出し…など、大人にもみくちゃにされながら、悩み泣きながらもしたたかに乗り越えていく綾乃。子どもの綾乃が、この過酷な環境の中で果敢に戦いながら成長していく……★自伝的告白小説! -
羆撃ち
メディアで大反響を呼んだ、猟犬フチと羆を追う孤高のハンターの物語!「必涙。」―― an・an・NHK週刊ブックレビュー・週刊文春・週刊新潮・週刊朝日・北海道新聞・日経新聞・ソトコト ほか多数これほどまでに迫真に満ちたハンティングの記録があったでしょうか。著者の久保俊治はいまも北海道・知床半島で羆を追う孤高のハンター。20代の頃より羆専門のハンターとして活躍、猟歴40年以上を誇ります。アイヌ語で火の女神を意味する「フチ」と名付けた北海道犬を相棒に小樽から知床半島まで羆を追い駆けめぐります。さらにはアメリカにハンター留学もしてさまざまな体験をします。初著作とは思えぬ卓越した筆力で壮絶な猟の一部始終を活写しています。ワクワクするような冒険譚に加え、大自然の春夏秋冬を繊細に描写。そして心を打つ「フチ」との悲しい別れのシーン。つまり著者は言葉を持ったハンターなのです。端的に評せば戸川幸夫氏+北方謙三氏。質の高い新たな動物文学の書き手が誕生しました。 -
信長の血涙
チーム信長の成功譚。 そこから見えてくるのは、信長のリーダーシップだ。 ――作家 伊東潤氏、推薦! 生き馬の目を抜く戦国の世――国は荒み、民百姓は飢えていた。 「俺に力を貸せ! この地獄の世を、新しき天下に変えるのだ」 天下静謐の理想に燃える大うつけの信長だが、常に国境を敵に脅かされ、その貧弱な兵力では尾張統一すらままならない。小豪族の集合体である尾張は、重石となっていた信秀の死後、力の均衡が崩れて無法地帯になりかかっていた。 やがて織田弾正忠家の家督を巡り弟・信勝が謀反との報せが届くが……。 涙もろく情に厚い、若き日のまったく新しい織田信長を描く傑作歴史長編。 -
おっさんたちの黄昏商店街
ただ、優しくて――笑いと涙が溢れてくる。 “昭和"が大好きなおっさんたちに、レトロな男子と奔放な女子高生が加わって、町おこしが始まった。 ザ・昭和な「映画館」「角打ち酒場」「歌声喫茶」などを舞台に綴られる、切なくも心温まる恋と人情の連作集。 廃れゆく商店街をなんとかしようと独り身のおっさんたちが「町おこし推進委員会」を結成したが……。 自らの過ちで娘を死なせた裕三は、二十数年の間、苦悩の底にいた。 いまや絶滅危惧種ともいえる謎のおっさん源次は、生死の狭間でもがいていた。 そして、平成生まれの高校生だけど昭和が大好きな翔太と幼馴染の桐子。 翔太は、レコード店の七海に恋をするが……。 それぞれが自らの弱さと向き合いながら、支え合い、真っ直ぐに生きる「昭和ときめき商店街」の仲間たち。その絆は、町おこしを通じて深まり輝いていく――。 その絆は、町おこしを通じて深まり、輝いていく――。◎解説=池上冬樹 -
本所あづま橋小間物細工くじゃく屋
お七の祖父が営む「くじゃく屋」は美しい石を使った小間物で密かな人気を集めてきた。だが祖父の死後、借金が発覚。取り立てにきたのは仇敵の大店・甲州屋で、返済できなければ妾になれという。八方塞ふさがりのお七に手を差し伸べたのは「遊び人の金さん」と呼ばれる美丈夫の浪人だった。知識を活かし、西洋渡りの石を探しているという金さんの手助けをすることになるお七だが――。心あたたまる人情時代小説。 -
なりゆき荘のごはん当番
母から【普通】が1番という教育をされてきた横芝明璃は、まじめに就職活動をしてなんとか滑り込んだ会社でブラック気味に働く27歳。あるとき突然会社が倒産してしまい、一緒に暮らす母親からの圧をかけられたくないために、偶然出会った青年の祖母が営むシェハウスなりゆきで暮らすことに。割烹旅館を改装したそのシェハウスは、家賃3万、敷金礼金なし、光熱費・食費・清掃費も含めた共益費含めて計8万円。そして月に一度の住民会議に必ず出席し、住民が順番にごはん当番となり、全員で食事をするというルールが課されていた。「普通が1番」「自我を出しすぎないこと」「協調性を大事にすること」をモットーにしていた明璃は、個性&食事の癖が豊かな住民たちに翻弄される日々。けれど、年齢も性別も好みも何もかもが違う「誰か」とごはんを食べる生活は、明璃の中にある「普通」の壁を壊していき……。 -
過ぎる十七の春
運命の春が来る──。従兄弟同士の直樹と隆は、まもなく十七歳の誕生日を迎えようとしていた。毎年同様、隆の住む花の里の家を訪れた直樹と典子兄妹。そこは木蓮や馬酔木や海棠や空木などに埋もれた野草の里。桃源郷のような場所にも関わらず、心優しい隆の目は昏く、なぜか母親の美紀子に対して冷淡な態度をとってしまう。母子に一体何があったのか――。「あの女が、迎えに来る…」毎夜部屋を訪れるなにものかの気配に苛立つ隆。息子の目の中に恐れていた兆しを見つけて絶望する美紀子に異変が。直樹と隆──二人の少年を繋ぐ悲劇の幕が上がる!! 解説・朝宮運河(書評家・ライター) -
モノノ怪
天下が静けさを取り戻して間もなくのこと。駿府の古城址で、親友でありライバルであり牢人の子どもと「戦ごっこ」に熱中する由比正雪少年。ある日、城址で怪しい格好の男(薬売り)を見かける。いつしか城址には怪異の噂が流れ、城址への立入りを禁止されることに。正雪は牢人達の力を借りてモノノ怪を倒そうと企てる。しかし、モノノ怪に襲われ死者が出て、絶体絶命となった時、再び薬売りが現れ――。その出来事を契機に、少年・正雪は政治に興味を示し文武の修行の旅へ出ることに。やがて大人になった正雪は、牢人や民や自由や幸福のために立ちがることを決意するが――。由比正雪に“何か”の気配を感じとって、その成長を見守り続ける薬売り。果たして動乱の行方やいかに? -
大関 和 看護に人生を捧げた日本のナイチンゲール
今は病院に看護師がいるのは当たり前だが、江戸から明治に変わった当時の日本では違った。感染症などの知見もまだ少なく、「看病人」と呼ばれ、看護の知識もない素人が行うことが多かった。 そんな時代に、日本の看護を根づかせるために、いち早く学んだ人物が大関和だった。 生まれ故郷の黒羽を離れて上京し、東京から新潟、そしてまた東京へ。場所は違っても看護の仕事に従事し、「私が助けなければ誰が助けるのか」という情熱をもって仕事に取り組んだ。 そして、当初は見下されていた立場であったが、彼女らの長年の看護実績が実を結び、「当たり前の存在」として変わっていった。 本書は、そんな大関和の激動の人生を追う一冊。 -
煙男
よって、煙刑に処する。 いじめ、迷惑行為、パワハラ、それはSNSで炎上した者を処刑する連続殺人犯―― ネットで炎上した人物を殺害し、煙の中に吊るして本人のSNSアカウントに投稿する連続殺人鬼「煙男」。 ベテラン記者の藤崎は、娘を殺した煙男に復讐するため、独自に事件を追っていた。 そんな中、新たな現場の近くで煙男の被害者として拡散されている人物を発見する。 記憶を失っているという男は予期せぬ言葉を口にした――僕が、煙男かもしれません、と。 藤崎は自称・煙男と真相に迫っていくが……。 -
私の可愛い、可哀想な夫【小説】
ふしだらな悪女と噂される、妖艶な雰囲気を纏った伯爵令嬢、 ショコラことショコラーテ・ブノワ。 愛する家族の後押しもあり 夜会で一目惚れした名門家の青年アラン・シュゼットと結婚するも、 結婚式を終えシュゼット家で過ごす初めての夜、 ショコラのもとを訪れたアランは言い放つ。 「私には愛する人がいる。だからお前を愛することはない」 なんて不憫で、可哀想で、可愛い人――。 自身の魅力に気付かず、出世を阻まれ、 報われない愛に身を捧げようとする哀れな夫を溺愛する、 一途な伯爵令嬢の計画的ラブストーリー! 【書き下ろしストーリー】 ショコラとアランの花にまつわるエピソードと、 穏やかで甘美な後日談を含む書き下ろしストーリー 『貴方に捧げる薔薇の花』を収録! -
明治のナイチンゲール 大関和物語
NHK朝ドラ「風、薫る」原案! 明治時代、「カネのために汚い仕事も厭わず、命まで差し出す賤業」と見なされていた看護婦。家老の娘に生まれながら、この「賤業」につき、生涯をかけて看護婦の制度化と技能の向上に努めた大関和。和は離婚して二人の子を育てる母親でもあった。和とともに看護婦となり、彼女を支え続けた鈴木雅もまた、二人の子を持つ「寡婦」であった。これは近代日本において、看護婦という職業の礎を築いた二人のシングルマザーの物語である。 【目次より】 ●第一章 故郷黒羽 家老の娘/「嫁田」の友/田打桜/物言う嫁 ●第二章 鹿鳴館 パン・ペルデュ/牧師植村正久/鉄道馬車に乗って/「看病婦」と「看護婦」/婦人慈善市/大山捨松からの誘い/リディア・バラの決意/メアリー・トゥルー/横浜の貧民窟/鄭永慶の最期 ●第三章 桜井看護学校 「東の慈恵」「西の同志社」/校長矢島楫子/断髪の新入生/広瀬梅の苦学/『Notes on nursing』/火屋磨き/「不義の子」/病院実習/「器械出し」の名人/花魁心中騒動/「泣キチン蛙」/トレインド・ナースの誕生 ●第四章 医科大学附属第一医院 「白衣の天使」/松浦里子と本多銓子/「我朝のナイチンゲールとならん」/医師との軋轢/「求めよ、さらば与えられん」 ●第五章 越後高田「知命堂病院」 高田女学校/廃娼演説会/木下尚江との出会い/瀬尾原始との再会/心の夢/鈴木雅、天然痘と戦う/日本初の派出看護婦会/婦人矯風会の授産施設/赤痢の村へ/村人たちの抵抗/「避病院」の改良/国恩と信仰/日清戦争と看護婦/「衛生園」にかけた夢/岡見京との邂逅/梅と「ルツ子」/車上の花見/慈愛館の昼餉 ●第六章 東京看護婦会 派出看護婦会の乱立/後藤新平との約束/監獄署へ通う/木下尚江からの求婚/相馬愛蔵の誠意/遊郭から逃げた少女/『派出看護婦心得』/心の死/箱根への隠遁/鈴木雅の引退/「貴官の剣を貸し給え」/『婦人従軍歌』/六郎の結婚/慰問袋運動 ●第七章 大関看護婦会 復彦との再会/炊き出しでの出会い/「生まれては苦界、死しては浄閑寺」/大関看護婦会/六郎の客死/内務省「看護婦規則」/大山捨松、スペイン風邪に倒れる/鈴木雅との別れ/関東大震災 ●おわりに
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