青春怪談

青春怪談

小説・文芸
946円 (税込)

4pt

美男子で合理主義の青年、宇都宮慎一は商売で店を持つことにのめり込み、その婚約者、奥村千春はバレエの道を邁進している。二人には、早くに伴侶を亡くした親がおり、ある時、親同士をくっつけてしまおうと画策するが……。一方でつかず離れずの関係を続ける慎一と千春をうらやむ周囲の人間から、仲を引き裂こうと怪文書が届き、この二人にもドタバタ劇が訪れる!

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青春怪談 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    獅子文六が大好きだ。チャーミングな嫌味とでもいおうか、描写が丁寧で場面が目に浮かぶが、くどくなく、
    匙加減が抜群。

    0
    2025年09月08日

    Posted by ブクログ

    同棲愛にロマンスの無い恋愛が昨今の若い人たちの恋愛を表現しているように見える。
    今読んでも色褪せない、今だから読むと納得する本。
    セックスと恋愛がセットになっていた時代はもう終わりを迎えている現代をそのまま描いたような内容でもあり、こざっぱりしていて好き。
    何冊か獅子文六は読んできましたが、これはちょっと毛色が違う感じでこんな大切な事も書いていたのかと発見できた一冊。

    0
    2023年03月05日

    Posted by ブクログ

    「ずっと避けてきてごめんなさい」と、獅子文六先生に謝りたいです。

    獅子文六の作品は長いあいだ絶版となっていましたが、近年再評価の流れで一気にその名を知られるようになりました。ちくま文庫のポップな装丁も手伝ってか特に若い層に評判は広がり、一時期ヴィレヴァンの文庫本コーナーで頻繁に見かけたことを覚えています。

    ミーハーなのに通ぶりたい人間の典型であった若い頃の私は、このポップかつサブカル受けしていたであろう獅子文六作品を、無視できないくせに避けていました。しかも目に飛び込んできたタイトルが「コーヒーと恋愛」。このタイトルだけでウヒーとむず痒かったのです(正直今でもむず痒さはゼロではないです)。若い時分はもっとコアなものを求めていたのですが、それはとても浅はかで愚かな考えだったと今は思います。

    先日ひさしぶりに獅子文六の名を本屋で見かけ、経年とともに多少は自分の愚かさもマシになったのか、自然と手が伸びました。そしてこの「青春怪談」と出会ったのです。とても面白い小説で、この出会いを逃していた若い頃の自分はやはり愚かであったと反省しました。古臭さは一切感じず、むしろ現代にフィットする内容に驚きました。

    ストーリーの大筋は、一時期のTVの昼ドラのように愛憎入り乱れた恋愛ものとも言えますが、けしてドロドロとしていません。いかにも純文学な堅苦しさもなく、ユーモラスで飄々とした作風でスッキリと読みやすいです。戦後日本のレトロモダンな雰囲気もありますが、過剰でなく、必要以上に装飾的ではありません。現代との差を感じない普遍的な人間の生活や情動を描いています。

    ビー玉が斜面を転がるような読みやすさですが、時にピタリと目が留まり、ため息がでるような胸を打つ文章表現もあります。感嘆のあまりうめきながら本を閉じ、一時のあいだうずくまってしまったほどです(本当に)。獅子文六を避けていた若き自分を呪いました。以下に抜粋します。

    ”厭世は、大事件である” (208p)

    バレリーナの千春が困難にぶつかり深く落ち込み、鬱状態にある場面の一文です。鬱状態にあると自分自身も含め、世の中がどうなっても構わない気持ちになります。それは確かに自分の世界を揺るがす、文字通り「大事件」なのです。仕事や家事より、何よりも優先して心を配らなければいけない一大事なのです。自分の内なる声を無視するのでなく、「これは大事件だ」と自分の声に耳を傾ける必要があるのです。シンプルですが力強く励まされるように響く一文でした。

    また、千春を慕う後輩バレリーナの藤谷新子が、千春のボーイフレンド・慎一に嫉妬の炎をあげるシーンでもため息が出ました。以下抜粋。

    ”慎一が、無比の強敵であることを、彼女は、よく知ってる。第一に、彼は、男性である。つまり、官軍である。その上、稀代の美男子ときている。錦の御旗を掲げた、水爆機の如きものである。これに対する彼女は、ただ熱情と献身の竹槍しかない”(211p)

    ”ただ熱情と献身の竹槍しかない” ときた!なんて憎らしいぐらいに上手い表現なんだろう。絶対に勝てない、愚かな挑戦であることが伝わりますし、「熱情と献身」イコール「竹槍」という比喩が膝を打つほど絶妙です。実際に戦中の日本で、国民が竹槍でB29爆撃機を撃墜しようと練習していた史実も連想され、藤谷新子の不憫さを表現するのにこれ以上のものはないとすら思えます。

    また獅子文六は、この作品のテーマのひとつとしてジェンダー論にも果敢に触れています。それが現代的に正しいかどうかは置いておいて、1950年代に新聞連載の小説で取り上げるのはかなり新鋭的だったのではと思います。

    巻末の付録記事のなかでやたら「新聞小説、新聞小説というけど、普通の小説と変わらない」という獅子文六自身の言説が頻繁に出てきます。新聞連載の多かった獅子文六は、「新聞小説」と揶揄されることがよっぽど疎ましかったのだろうなと思います。大衆的だと軽視されていたこともあったのかもしれません。獅子文六を軽んじていた若い頃の私に言われているようで、最後にあらためて反省しました。

    0
    2024年02月24日

    Posted by ブクログ

    60年前の作品なのに、古びていない。
    何よりキャラがすごくたっている。
    意外なのが、男性の書く女性なのにヒロインの千春ちゃんが結構ワガママというかハジケキャラというか、新子ちゃんとの関係といい斬新です。でも、慎一君が逆に落ち着いているので、バランスが取れているのかな?イライラせずに読めました。
    新子ちゃんと船越さんとドロドロ具合といい、頑固なお父さんに天真爛漫なお母さん、こうして書くと女性のキャラが多いですね。みんなすごくリアリティがあり読ませます。
    作中に出て来る小物たちもおしゃれで素敵です。

    0
    2019年10月28日

    Posted by ブクログ

    この小説1954年に新聞連載されたもの。今の世と違和感を感じない恋愛模様、獅子文六の手腕はさすがです。ロマンティックで洗練された物語で最後まで飽きずに楽しめた。帯や解説にある通りクールボーイミーツドライガール、若い二人と周りの大人たちを巻き込んだ超絶ドタバタ恋愛劇。あー面白かった!私は船越トミ子を越路吹雪が演じた新東宝で映画化された方を観たいです。

    0
    2018年03月04日

    Posted by ブクログ

    獅子文六はやはり面白い。書かれたのが戦後10年に満たないにも関わらず、新作といってもおかしくないくらいのみずみずしさを感じる。ちくま文庫による復刊は本当にありがたい。

    0
    2017年05月14日

    Posted by ブクログ

    モダンでロマンチックで、楽しかった〜。展開に飽きがこなくて、人間観察が鋭く、かつ、粋で、ワクワクさせられっぱなしだった。
    ほんとに50年以上も前の作品なのかと疑ってしまうくらい、現代社会に通じる部分や問題提起もあって、すごい、の一言。性に関する記述は特に、驚いたし、著者の人間に対する愛情を感じた。

    0
    2017年04月13日

    Posted by ブクログ

    面白かった!60年以上前に書かれた小説なので、程よく現実と乖離していて、それでいてリアリティもあって…この時代の新聞小説、もっと読んでみたいな。

    0
    2017年02月12日

    Posted by ブクログ

    読んだ後不思議と清々しい気持ちになった。ドタバタホームコメディーでもあり、一風変わった青春恋愛小説でもあり、後半はミステリーのようであり、かと言って難しくなくテンポよく読めた。戦後日本で青春を送る若者達に焦点を当て書いたものだが、結婚、仕事、恋愛、性、主人公達の淡白で合理的な考え方が現代の若者に通ずるものを感じた。ジェンダー論にまで斬り込みあの当時にこの話を書いた獅子文六の自由さ。戦後東京のおしゃれな風俗も感じられるのもよかった。

    0
    2024年11月10日

    Posted by ブクログ

    結構古い本なのに今読んでも十分楽しめる作品だった。

    戦後間もない頃の風俗描写は当時の作家さんだから書けるんだろうなぁって感じのリアリデイのあるノスタルジーが溢れててステキ。

    登場人物もみんな魅力的で愛おしい。

    獅子文六さんの他の作品も読んでみたいなぁ。

    0
    2017年03月18日

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