勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

792円 (税込)

3pt

月岡美琴は、松本市郊外にある梓川病院に勤めて3年目の看護師。風変わりな研修医・桂勝太郎と共に、膵癌を患い、妻子を遺して亡くなった長坂さんを看取り、誤嚥性肺炎で入院中だが「生大根の子糠漬けなら食べられる」という88歳の新村さんのために沢庵を切る(「秋海棠の咲く頃に」))。秋、循環器内科での研修が始まった桂は、肺炎の疑いで緊急搬送された92歳の女性に3時間延命する処置を下す。その判断は老人の延命治療に懐疑的な通称”死神”こと谷崎医師の教えに反していたが、それは連絡を受けた孫が駆けつけるまでの所要時間だった(「ダリア・ダイアリー」)。”口から物が食べられなくなったら、それが人間の寿命である。その常識を変えた夢の医療器具「胃瘻」”の登場、「できることは全部やってほしい」という患者の家族など、地域医療ならではの患者との関わり合いを通じて、月岡と桂は、老人医療とは何か、生きることと死んでいることの差はどこにあるのか、悩みながら進み続ける。

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勿忘草の咲く町で 安曇野診療記 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    日本は今まさに未曾有の高齢社会となっていると思う。
    人生100年時代と簡単に言うが、誰もが健康に暮らせるわけではない。
    本人の意思に関わらず、医療によって寿命を延ばすのが本当に幸せなのか。
    親が高齢になり、自分も何年か先には直面するであろう問題だ。信州松本の自然の中で奮闘する若き研修医と彼を見守り支

    0
    2024年10月22日

    Posted by ブクログ

    研修医の目から見た医療の景色、社会が蓋をしてしまっている生と死の問題などを優しく包みながら浮かび上がらせてくれる小説。
    現場の悩みを柔らかに伝えてくれている印象で、正解を求めるよりも、悩むことの大切さを教えてくれる話でした。

    0
    2024年07月31日

    Posted by ブクログ

    神様のカルテとはまた違う、でも医療に正面から向き合う医師の姿とその裏にある生活が描き出されている作品だった。より地域に密着した医療を夏川さんの言葉で魅せていただいた作品な感じがした。

    0
    2024年07月15日

    Posted by ブクログ

    読みやすかった。こういう、誰も悪い人が出てこない話は安心する。
    高齢化社会と医療。人間の寿命について深く考えさせられるお話でした。

    0
    2024年06月23日

    Posted by ブクログ

    根が切れてしまっているの一文にハッとさせられた。

    作者が医師ということもあり、経験談からきた本音の部分なんだろうと思う。

    神様のカルテでも感じたが、文章がとても穏やかで読みやすかった。

    0
    2024年05月03日

    Posted by ブクログ

    これは良かったね、猫を最初に読んだのだけれど、優しすぎるファンタジーだけの思ったのと違うと手に取るの躊躇った。高齢者医療が非常に気になり やっぱり読もうと、花屋の息子で勿忘草にダリアにとうんちくもあるし、花がきっかけで恋人同士になれた、季節の移り変わりもいいし、すんなり恋人同士になれたのもいいし あ

    0
    2024年04月27日

    Posted by ブクログ

    看護師の美琴と新人研修医の桂は地方の病院で日本の医療の現実と向き合う。

    夏川さんといえば地域医療、という印象があるくらいですが、こちらも「神様のカルテ」と同じく疲弊する地域医療の現場と現実を描いたお話です。テーマはより深刻になりつつある高齢者医療について。増えゆく高齢者の患者をどう支えるのか、どこ

    0
    2024年04月23日

    Posted by ブクログ

    ダリアの花言葉には「感謝」や「裏切り」など、良い意味と悪い意味という、両面性があります。

    ダリア・ダイアリーを読んだとき、軽く衝撃を受けました。谷崎先生も桂先生もどっちも正しい。

    前向きに見切るのか、後ろ向きに足掻くのか、医師が直面する、足がすくんでしまいそうな現実。

    対比がとても悲しいです。

    0
    2023年10月31日

    Posted by ブクログ

    地方の高齢者医療について、雄大で美しい自然と、かわいく心癒す花と、若い二人の爽やかな恋を添えて書かれたお話。
    個性的な医者それぞれが自分なりの哲学を持って、病と人の死について考えてる姿は、自分も考えさせられます。
    今読めてよかった。

    0
    2023年09月30日

    Posted by ブクログ

    副題の、安曇野診療記…からも分るように、信州の安曇野の中規模病院を舞台に、研修医 桂正太郎の成長物語。
    直面する老人医療の問題点に、真摯に向き合って行く姿は、胸を熱くします。
    個性的な指導医もまた、それぞれの葛藤を抱えながら患者と向き合っていて、こんな病院、先生だったら、安心して任せられると思ったり

    0
    2023年08月20日

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