始まりの木

始まりの木

869円 (税込)

4pt

神様を探す二人の旅が始まる。

「少しばかり不思議な話を書きました。
木と森と、空と大地と、ヒトの心の物語です」
--夏川草介

第一話 寄り道【主な舞台 青森県弘前市、嶽温泉、岩木山】
第二話 七色【主な舞台 京都府京都市(岩倉、鞍馬)、叡山電車】
第三話 始まりの木【主な舞台 長野県松本市、伊那谷】
第四話 同行二人【主な舞台 高知県宿毛市】
第五話 灯火【主な舞台 東京都文京区】

藤崎千佳は、東京にある国立東々大学の学生である。所属は文学部で、専攻は民俗学。指導教官である古屋神寺郎は、足が悪いことをものともせず日本国中にフィールドワークへ出かける、偏屈で優秀な民俗学者だ。古屋は北から南へ練り歩くフィールドワークを通して、“現代日本人の失ったもの”を藤崎に問いかけてゆく。学問と旅をめぐる、不思議な冒険が、始まる。
“藤崎、旅の準備をしたまえ”

※この作品は単行本版『始まりの木』として配信されていた作品の文庫本版です。

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始まりの木 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    日本の文化は多神教によって支えられてきた。神も仏もそこらにいる考えであるから、目に見えないこと理屈の通らないことを感じ、人間がいかに小さく、無力であると自覚する。これが、昔の日本人の謙虚で我慢強く美しい心を作っていたのではないか、と書いていた。
    神様がいると信じることは、世の中に目に見えないものがあ

    0
    2025年07月18日

    Posted by ブクログ

    この本にもっと早く(できれば10代)に出会いたかった!!

    その時自分がいる環境や立場で感じるものが違ってくると思うけれど、その違いを楽しみながら、繰り返し読みたいと思える作品です

    0
    2025年03月31日

    Posted by ブクログ

    夏川さんの本を最初に読んだのは、スピノザから。その本の何とも言えない優しさと強さに感動し、夏川さんの本を読みたいと手にする3冊目が「始まりの木」
    第一話で、古屋先生がどうして片足が不自由になったかが分かることに、驚いた。下手したら後半に分かる流れでもおかしくないのに。でも読み進めていって、登場人

    0
    2025年02月24日

    Posted by ブクログ

    藤崎 旅の準備をしたまえ、このフレーズ好きだわ。ラストの所で出て来るのも粋だね、出だしから奇人扱いだけどちゃんと理由があるし余計な事を言わずに誤解されたまま。最初から最後まで読みたい欲求がある、なんでだろう波長かな、出だしの季節を表現する3〜4行がうま過ぎて、もちろん情景が浮かぶ。十一月の京都は黄と

    0
    2024年10月29日

    Posted by ブクログ

    やはり、夏川草介さんの紡ぐ文章はどこか温かい。情景も自分がその場にいるかの如く想像しやすい。
    また、作品名となっている「始まりの木」は古屋先生にとっては第三話であると思うが、二人にとっては第五話だと思う。

    0
    2024年08月18日

    Posted by ブクログ

    夏川さんの言葉のチョイスと思い浮かぶ情景の美しさがやっぱり好き。夏川さんの本に出てくる人物はなぜこれほどまでに心が綺麗なのだろう。心が澄む、綺麗な情景という言葉の意味をスッと馴染ませてくれる。私はこういう感性を持って生きていたい、まっすぐと自分の進む道を見据えて、そこに至るために近道でも回り道でもな

    0
    2024年07月12日

    Posted by ブクログ

    民俗学の准教授古屋神寺郎と大学院生藤崎千佳の物語。民俗学とは何ぞや、と問いかけながら、日本人としての矜持を問いかける。
    二人の五つの旅が五つの短編となる。
    偏屈ものの古屋と、彼を尊敬しながら偏屈さに耐える千佳の会話が絶妙で面白い。
    「観音様とは特別な仏ではない。心の中にある自然を慈しんだり、他人を尊

    0
    2024年05月13日

    Posted by ブクログ

    ここ最近で一番の本だった。
    民俗学について研究する女学生と大学の先生の話で、何よりこの2人のやり取りがおもしろい。
    民俗学って何なのか、まずそれが分からないと思うが、本を読んで思ったのは倫理に近いものだと感じた(正確には違う)。理屈ではない、神に対する信仰心とかそういった類のことである。
    正直私は、

    0
    2024年04月14日

    Posted by ブクログ

    私、この本に出会えてよかった。

    民俗学を軸に、日本人の心のあり方を考えさせてくれる1冊。
    大学院生藤崎千佳が、何とも個性的で偏屈な准教授古屋神寺郎とともに、日本各地を巡る旅の物語。

    まず、古屋先生が濃い笑。
    ここまで濃くはないけども、私が師事している教授も濃いなぁと、自分の世界と重なってしまった

    0
    2024年04月02日

    Posted by ブクログ

    民俗学という世界を通じて見せてもらったのは、日本人の心。私がどこで行き、何を失いかけているのかを教えられた気がいたしました。
    再読中です。

    0
    2024年04月02日

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