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神様を探す二人の旅が始まる。
「少しばかり不思議な話を書きました。
木と森と、空と大地と、ヒトの心の物語です」
--夏川草介
第一話 寄り道【主な舞台 青森県弘前市、嶽温泉、岩木山】
第二話 七色【主な舞台 京都府京都市(岩倉、鞍馬)、叡山電車】
第三話 始まりの木【主な舞台 長野県松本市、伊那谷】
第四話 同行二人【主な舞台 高知県宿毛市】
第五話 灯火【主な舞台 東京都文京区】
藤崎千佳は、東京にある国立東々大学の学生である。所属は文学部で、専攻は民俗学。指導教官である古屋神寺郎は、足が悪いことをものともせず日本国中にフィールドワークへ出かける、偏屈で優秀な民俗学者だ。古屋は北から南へ練り歩くフィールドワークを通して、“現代日本人の失ったもの”を藤崎に問いかけてゆく。学問と旅をめぐる、不思議な冒険が、始まる。
“藤崎、旅の準備をしたまえ”
※この作品は単行本版『始まりの木』として配信されていた作品の文庫本版です。
Posted by ブクログ 2024年04月14日
ここ最近で一番の本だった。
民俗学について研究する女学生と大学の先生の話で、何よりこの2人のやり取りがおもしろい。
民俗学って何なのか、まずそれが分からないと思うが、本を読んで思ったのは倫理に近いものだと感じた(正確には違う)。理屈ではない、神に対する信仰心とかそういった類のことである。
正直私は、...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月02日
私、この本に出会えてよかった。
民俗学を軸に、日本人の心のあり方を考えさせてくれる1冊。
大学院生藤崎千佳が、何とも個性的で偏屈な准教授古屋神寺郎とともに、日本各地を巡る旅の物語。
まず、古屋先生が濃い笑。
ここまで濃くはないけども、私が師事している教授も濃いなぁと、自分の世界と重なってしまった...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月02日
大学で民俗学を専攻する千佳は、変わり者の指導教官である古屋に付いて、日本各地を旅してまわる。
千佳に皮肉ばかりをあびせる辛口な古屋だが、実は情に厚く、日本の行く末を案じる熱い心を持っているのだった。
千佳はそんな古屋の内面に触れ、民俗学の意味について理解しはじめる…
民俗学という学問がどういうも...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年11月23日
主人公と大学の先生とのやりとりは、読んでいて楽しかったです。と同時に、こんなに大学の先生と親密になり、自身の研究にいそしめる状況が羨ましくもありました。日本の素晴らしい自然風景の描写も、目に浮かぶようでした。
民俗学について、この本を読むまではほとんど知識がなく関心もなかったです。
現代の日本人...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月29日
ひと言で言うと、偏屈の鎧を着た民族学の准教授と
元気な大学院生が、フィールドワークの旅に出るというお話
この二人の関係がいいね
突き放しているようで、実は深い思いやりを持つ師と、文句を言いつつも尊敬し信頼する学生
民族学の深さも感じられる
でも、一番心に残ったのは
後半に出て来る老住職の言葉だ
庭...続きを読む
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