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ホテル物語 グラフホテルと5つの出来事
日本では村上春樹研究でも知られる作家イム・キョンソンによる、ホテルを題材にした珠玉の短編集。年末の閉業を控えた名門「グラフホテル」を舞台に、5人の大人たちが、それぞれの人生の転換点・区切りを迎える出来事が描かれる。 ----- 「一か月間のホテル暮らし」 後輩監督の脚本チェックの仕事を引き受けることとなった映画監督のドゥリ。グラフホテルの部屋を用意され、そこで1カ月間集中して仕事に取り組むことになったが、かつての栄光と現在のギャップに心が揺れる。自身の体調の変化も重なり、思うように仕事が進まないでいたが、ある人との再会をきっかけに、彼女は新たな決意をする。人生の節目に彼女が下した決断とは? ----- 「フランス小説のように」 女と会うために、仕事中にも関わらずグラフホテルに向かう男。女の「フランス小説みたいなことをしたい」というリクエストに応えて、男は昼日中のホテルで女と密会することにしたのだ。非日常の世界で燃え上がる二人だったが、女のふとした言葉に男の心は揺さぶられる。はたして二人の関係はどうなるのか? ----- 「ハウスキーピング」 人とのかかわりをこばみ、SNSで発信されるひいきの作家の投稿を心の支えに、グラフホテルでハウスキーピングメイドとして働くジョンヒョン。完璧な清掃を繰り返す日々に充足感を得ていたが、そんなある日、過去の同級生との再会が彼女の心に波紋を広げる。 ----- 「夜勤」 夜勤のドアマンとして働くトンジュ。勤勉な彼には、過去にある年上の女性との燃えるような恋と別れの経験があった。そのほろ苦い思いもそろそろ薄らいできたそんなある日、二人は思いもかけない場所で再開することに…。過去と現在の思いが巡る中、トンジュと女が最後に下した決断は? 韓流恋愛ドラマを思わせる純愛と悲しい別れの物語。 ----- 「招待されなかった人々」 毒舌で人気の芸人サンウは、先輩芸人ヨンイルからセレブリティとの食事会に誘われる。その芸風とはうらはらに、人みしりのサンウはなかなか話の流れに乗れないでいたが、そこにいた投資顧問の男バンと意気投合する。ふたりは男同士の交流を深めるが、しかし「バンがなぜ自分と交流するのか」がわからないサンウは、意を決してその思いを吐き出すが…。閉館を控えたグラフホテルのピアノバーで繰り広げられる大人の軽妙な会話劇にも注目。 ----- -
ホテル・ルーム
時には、朝にホテルにたどり着く一日を。 日本列島は、台風の通り道だ。 空模様が暗くなり、雨が、風が激しくなり、 やがて猛烈な勢いを周囲に振りまいて、ある時ふっと抜けてく。 その奇妙な高揚感を夜通し自動車の中で体感し、台風一過の朝を海辺で迎え、 そのあと、ホテルでたっぷり眠る、というのは この島に生きる生活者にとっては最高の過ごし方かもしれない。 その時間を共に過ごした男女には、明日からまた別々の日々が始まる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
ほとけさまと心が「ほっこり」温まるお話
心が癒されると、人にも自分にもやさしくなれます。先行きが見えない毎日に戸惑ったり……、いいことやうれしいことを心の底から味わえなかったり……。そんな、なかなか「ひと息」がつきにくい私たちをスーッとラクにしてくれる「ちょっといいお話」が、ほとけさまのまわりには、たくさんあります。さあ、少しだけ心のリラックス、してみませんか。「なんだかいつもツイていない」「私ばっかりどうして?」と思ったら……◎心のざわつきが簡単に止まる方法◎「ガタピシ(我他彼此)」するのが人間関係だから……◎幸せに生きるために必要な「四つの食事」◎仏教でいう「我慢」という言葉からわかること◎「人生を変えるチャンス」は誰からもたらされる?ほとけさまからの「上手に生きるアドバイス」をぜひ受け取ってみてください。 -
骨ん中
「ちょんまげぷりん」作者デビュー作を電子化! バブル崩壊後の94年、日本海に面する東北の地方都市・岩館で大きな影響力を誇る川戸建設会長・川戸英太郎は、ゴルフ場開発に伴う暴力団系企業への多額の不正な債務保証での特別背任容疑の渦中にいた。さらに、逮捕直前には、息子で社長の英介が自殺するという最悪の事態を迎えたが、英太郎は表情を変えることなく、嫌疑をすべて認め、裁判は淡々と進んでいった。 有罪判決が下り、すべてを失ってなお、心に平明を宿しているようにみえた英太郎は、やがて静かに朽ちていった。しかし――。すべてが結末を迎えたに見えた8年後の02年冬、この事件を静かに追い続けていた東日新聞社社会部記者・宮浦弘樹は、英太郎の死亡記事を地方紙の片隅に偶然見つけたことから、物語は大きな転調を迎え、重厚な三代にわたる一族の“血の物語”を呼びさます。 -
炎と苗木
7年にわたり書き続けてきた田中文学の結晶。 〈掌の小説〉集大成、衝撃の44篇! 1篇1600字に世界が凝縮。生と死、過去と未来、絶望と希望、作家のイマジネーションが、いま、あらゆる境界を突破する。 〈田中慎弥の聖書〉とも言える標題作はじめ、小説の醍醐味に満ちた作品が織りなす圧巻の文学体験。2012年に出版界の話題をさらった『田中慎弥の掌劇場』の第2弾。 「作家が死んでも小説は残る。つまり自分の命より価値のあるものを自分で書かねばならないのが作家であり、一日で一気に仕上げる「掌劇場」の場合は特にそれを実感させられた。作家の自分が人間の自分を徹底的に痛めつける時間だった。私自身と死について扱ったものがあった。自殺に関するものもあった。私が何度も実行しようとしたのは事実だ。生涯他人に言えないことを見たり体験したりした末のことだった。また、身近な人がいなくなり、自分一人が生きていていいのかと悩んだ結果でもある。死に接近し、死を描くことが私の道になった。明日死ぬとしても今日のところは小説を書こう、という意識は、一日で仕上げる「掌劇場」の形式に添ったものと言えた。それと同じ時期に、現実の政治や、私の地元選出の総理大臣を反映させて書いたものもある。あの総理大臣に私が感じる反発は政治的、社会的背景のものではない。それだけに、私は私自身の今後が恐ろしい。死への恐怖より怖いのは、生きる恐怖だ。そして、この二つの距離はいまや、ほとんどない。」――「連載を終えて」毎日新聞西部本社版より ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください -
炎の塔
銀座のランドマーク「ファルコンタワー」。高さ450メートルを誇る日本一の超高層ビルが完成した。 オープンの初日、タワーには震災を生き抜いた親子、重病を克服した夫婦、禁断の恋に落ちた教師と女子高生、離婚問題に直面する夫婦など、様々な事情を抱える人たちが訪れていた。 そんな彼らに未曾有の大火災が襲いかかった。通称“ギンイチ”銀座第一消防署の若き女性消防士・神谷夏美は猛威をふるう炎の中、死を賭した任務に出動するが――。 完璧だったはずの防火設備はなぜ破綻したのか? 最上階に取り残された人々の運命は? 想像を絶する焔と人間の戦いを描く極上エンターテインメント! -
炎の氷河
高校の仲良し3人の女性がたどる、それぞれの波乱の人生と恋と、そして株をめぐる復讐の物語。なにか重苦しい情念に突き動かされる! -
ほぼ完璧な情事
われわれが「現実」と呼んでいる何がしかの出来事を言葉で作り上げる。 言うまでもなく、小説は言葉でできている。 恋愛小説だって、小説である以上、やっぱり言葉でできているはずだ。 そしてこの短編小説は、まだ起きていない情事を 男女2人の会話によって言葉で構築する。 そもそも言葉で出来上がっている小説の中で 未遂の行為、あるいはやらないかもしれない行為を言葉で造型する、 という二重の構造をこの小説は持っている。そして読者はこう思うかもしれない。 いや、ここにある会話の言葉たちは現実の前哨戦ではなく、 すでにそれ自体がじゅうぶんな現実である、と。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
ホライズン
主人公の真知子は海外企業に職を得た夫の転勤で南半球へ。 幼い娘と共に海外での新生活が始まった。 美しく小さな異国の街に暮らす日本人達のコミュニティには、暗黙のヒエラルキーがあり、夫の職業や現地の家の場所によって厳然たる階級が築かれていた。 その中で真知子は、投資銀行に勤める夫を持つ佐倉郁子、商社マンの妻の津田宏美、現地の日本人シェフと再婚した木村弓子と親しくなる。 しかし、日本人会のバザーで起こった事件をきっかけに、彼女たちの関係は一気にあやういものになっていく。 内気な真知子は翻弄されつつも、壊れかけた友情の糸を結び合わせながら、少しずつ自分の居場所を獲得していく…。 結婚、出産、仕事、お金…。 今、女性が「生きる」ことについて、真摯に、正面から向き合った傑作長篇。 -
ホリデー・イン
「初めまして、お父さん」。 元ヤンでホストの沖田大和の生活が、しっかり者の小学生・進の登場で一変! 思いもよらず突然現れた息子と暮らすことになった大和は、宅配便会社「ハニー・ビー・エクスプレス」のドライバーに転身するが、荷物の世界も親子の世界も謎とトラブルの連続。 宅配便会社の仲間や、ホストクラブ経営者のおかま・ジャスミン、ナンバーワンホストの雪夜らも巻き込んでの、大騒動を描いた『ワーキング・ホリデー』が刊行されたのは2007年。その後の大和と進の物語を書いた『ウィンター・ホリデー』が2012年、同年には『ワーキング・ホリデー』が映画化され、文庫も含め「ホリデー」は人気シリーズへと成長。 本書には親子の物語ではなく、彼らを取り巻く人々の物語、いわば「ホリデー」シリーズの外伝ともいえる6つの短編が収録。 1 「ジャスミンの部屋」 …… ジャスミンが拾った謎の中年男の正体は? 2 「大東の彼女」 …… お気楽フリーターの大東の家族には実は重い過去があった 3 「雪夜の朝」 …… 完璧すぎるホストの雪夜にだってムカつく相手はいるんだ! 4 「ナナの好きなくちびる」 …… お嬢さまナナがクラブ・ジャスミンにはまった理由 5 「前へ、進」 …… まだ見ぬ父を探し当てた小学生の進の目の前には―― 6 「ジャスミンの残像」 …… ヤンキーだった大和とジャスミンの出逢いの瞬間 ハートウォーミングな6つの物語。 解説・藤田香織 -
ホワイト・アルバム
夏の個人教授 片岡義男のこれまでの短編の中で繰り返し出てくるモチーフや場面が、ここでも複数、登場する。 夏。オートバイ。路上の出会い。 年上の女。年下の男。旅。ストリッパー。 そして、片岡作品の王道(?)である「個人教授」がここにも。 これら見慣れたモチーフが組み合わされると、しかしその都度、新しい物語が生まれる。 同じようなシーンを繰り返し描いてきた片岡義男の短編は、なぜいつもあたらしいのか。 留まるのではなく、通過することを描いているからこそ、ほんの一晩、二晩の滞在の輪郭が鮮やかなものになる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
ホワイトバグ 生存不能
謎の異常気象! 連続怪死事件! その猛烈な吹雪が過ぎ去ると、死体の山が築かれる―― 「あらゆるジャンルを覆い尽くす、前人未到の“絶滅”娯楽小説! “人類絶滅”が絵空事ではなくなった今、本作が描く”犯人“も創作とは言い切れない」 ――小島秀夫(ゲームクリエイター) 「どう考えても、必読の一冊」 ――村上貴史(書評家) 累計137万部突破「生存者ゼロ」シリーズ著者が贈る、衝撃パニック小説 (あらすじ) アフガニスタンと中国を結ぶワフジール峠で、中国の国境警備隊が全滅した。 タジキスタン側から登ってきた日本の気象観測隊も、猛烈なブリザードのもとで何ものかの襲撃を受ける。 果たして極寒の山岳地帯でなにが起きたのか。グリーンランドで同様の現象を目にしたプロ登山家の甲斐は、 連絡の途絶えた気象観測隊の救出に協力するよう政府に求められ、研究者とともにワフジール峠に向かうが…… (著者プロフィール) 安生正 1958年生まれ。京都府京都市出身、東京都在住。京都大学大学院工学研究科卒業。 第11回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、『生存者ゼロ』(宝島社)にて2013年デビュー。 現在、建設会社勤務の傍ら、執筆活動を続けている。他の著書に『ゼロの迎撃』『ゼロの激震』(ともに宝島社)、『レッドリスト 絶滅進化論』(幻冬舎)、『不屈の達磨 社長の椅子は誰のもの』(角川春樹事務所)など。 -
ホワイトルーキーズ
【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 「なんという場所に来てしまったんだ」--現役研修医が書くコロナ禍の理想と現実。4人の思いが交錯するリアルすぎる青春物語。 北海道の片田舎にある空知総合病院に四人の研修医が赴任してきた。 賑やかな同期と順調な新生活の始まりかと思いきや、 彼らはワケありでそれぞれ悩みを抱えていた。 風見司は工学部の大学院を修了後、医学部に編入した経歴の持ち主であり、 病院という環境に慣れずにいた。 さらに初日から心肺停止の患者に出くわし、医療現場の厳しさに打ちのめされる。 沢井詩織は都内私立医学大学の医学部を卒業後、実家の医院があるこの地方に戻ってきたが、 医師になってから見える景色は違っていた。さらに沢井が幼い頃から父の医院に通っていた 患者を担当することになった。 だが、なかなか医師として認めてはくれず、沢井は意固地になって対応するのだが……。 朝倉雄介は貧しい母子家庭に生まれ、生活苦の中で医師を目指したが、 思い描いていた生活とのギャップにうんざりしていた。 湯水のように医療費が使われる高齢者医療の意味を見いだせずに、 くすぶっていた彼だが……。 清水涼子はかつて祖父母の主治医であったベテラン医師と出会うが、 患者の家族として見えた姿と、同じ病院で働く医師として見る今の姿は違っていた。 医療現場の過酷な労働環境や医療でできることの限界を目の当たりにするにつれて、 彼女は自分の目指す医師像について悩み始める。 新米研修医の同期四人は失敗と成長、喜びを分かち合いながら院内を奔走する。 二年後に医師として独り立ちすることを夢見て、空知の青空に希望を乗せて……。 佐竹アキノリ(サタケアキノリ):1992年、北海道生まれ。2014年、アルファポリス・ファンタジー小説大賞特別賞を受賞しデビュー。2020年、医師国家試験合格、初期臨床研修を開始。2022年から内科専攻医として勤務予定。著書に「最強騎士団長の世直し旅」(ヒーロー文庫)他、多数。 ふすい:イラストレーター、装画家。現実を土台に幻想的な透明感や空気感を表現する作風で人気。『青くて痛くて脆い』『レゾンデートルの祈り』等の書籍装画をはじめ、挿絵、児童書、広告、MVイラスト、CDジャケットのイラスト等を中心に活躍。初めての画集『Brililiant World』も話題。 -
WHITE ROOM
幻の書籍、宇都宮隆5thアルバムの同名ノベライズ版が電子版となって甦ります! 宇都宮隆と親交の深い音楽ジャーナリスト藤井徹貫が、2000年に発表された5thソロ・アルバム「WHITE ROOM」にインスパイアされて書き起こした同名の小説。「なんでもない夜のいつもと変わらぬ光景を君に捧げる」「ぼくらは限りある愛を分けあいながら生きている」など、印象的な7つのストーリーで構成されています。「WHITE ROOM」発表時に限定発行され、市販されることのなかったファン垂涎の貴重な作品であり、10年以上にわたって「幻の一冊」とされてきたこの小説が、電子版となって甦ります! -
本売る日々
本を愛し知識を欲する村人たちを描く! 文政5(1822)年。月に1回、城下の店から在へ行商に出て、 20余りの村の寺や手習所、名主の家を回る本屋の「私」。 上得意先のひとり、小曾根村の名主・惣兵衛は 近頃、孫ほどの年の少女を後添えにもらったというが、 彼女に何か良い本を見繕って欲しいと言われ―― 用意した貴重な画譜(絵本)が、目を離した隙に2冊なくなっていた。(本売る日々) 村の名主たちは、本居宣長の『古事記伝』、塙保己一が編纂した『群書類従』など 高価な本を購い、書店主と語り合う。 村人が決して実用的でない知識を求めるのはなぜなのか。 徐々に彼らが知識を、特に古代や朝廷を研究する「国学」を求める 理由が分かってくる。 江戸時代の豊かさは村にこそ在り、と 考える著者が、本を行商する本屋を語り部にして 本を愛し知識を欲し人生を謳歌する 人びとの生き生きとした暮らしぶりを描いた中編集。 解説 平松洋子 単行本 2023年3月 文藝春秋刊 文庫版 2025年6月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
本からの手紙
著者、第二作目にして、初の書籍化。 本の中に残された一文からすべては始まる。 寛太と忠が万引きした本の中には、謎のメッセージが残されていた。消された形跡のある、まるで手紙の一文のようなメッセージを書いたのは、いったい誰なのか。そして消されたメッセージには、いったい何が書かれていたのか。ひょんなことから、それらを探すことになってしまった寛太と忠。そこにはある女性の暗い過去が関係していた。果たして、寛太と忠は真実にたどり着くことができるのか。 本書のテーマは『過去からの脱却』です。主人公の寛太と忠はもちろん、出てくる登場人物がそれぞれ、過去の出来事を引きずって数十年経っても尚、その影に苦しめられています。そして誰でも生きていれば必ず過去があり、多かれ少なかれ、その過去の影響を受けているのではないでしょうか。その過去とどう向き合い、どんな未来へ足を踏み出すのか。人それぞれの生き方、向き合い方があるはずです。 本書が過去と向き合い、より良い未来を、思い描くきっかけになってくれたら幸いです。 -
香港陥落
1941年12月8日未明、日本軍はハワイオアフ島の真珠湾軍港を奇襲攻撃、太平洋戦争が始まった。さらに同日未明、当時イギリスの植民地だった香港攻略作戦を開始した日本軍は18日に香港島へ上陸、25日、イギリスは全面降伏。以降、香港は3年8ヵ月にわたって日本の統治下に置かれた―― 元ロンドン駐在の外交官・谷尾悠介、イギリスから香港へ流れ着いて通信社で働くリーランド、香港の貿易商・黄。日本軍が占領する直前のイギリス領香港で出会った国籍の異なる三人。酒と広東料理とシェイクスピアを愛する男達が、それぞれが秘密を抱えながらも奇妙な絆で結ばれていく。過酷な時代の狂風が吹き荒れる中、国家と個人はどう向き合えばいいのか。谷崎潤一郎賞・ドゥマゴ文学賞のダブル受賞作『名誉と恍惚』を凌ぐ、傑作長篇。 -
香港の甘い豆腐
初めて訪れた香港で知る、私の出生の秘密。 学校に行っていないことが母親に発覚し、厳しく詰問されていた女子高生の彩。その母親との諍いの最中に、うっかり口にした、「どうせ父親も知らないから」という言葉がきっかけで、母親は突然、半ば強引に彩を香港へと連れ出す。どうやら彩の父親はいま香港にいるらしい。生まれてからこのかた彩には父親という存在の影すらなかった。自分がうまくいかないことの全ては、そのせいではないかと思っていた。頭が悪いのも、溌剌としていないのも、夢がないのも、希望がないのも、全部。とはいえ父親に会いたいとは一度も思ったことがなかった。そんな彩の気持ちも知らない母親が、彩に唐突に訊く。「懐かしい感じ、する?」「するわけないじゃん、香港になんか来たことないのに」。すると母親は「遺伝子には町の記憶は入ってないのね」と思いもかけないことを口にした。もしかして、私の父親は日本人ではないのだろうか、香港の人? そう疑問に感じ動揺する彩だったが、熱気と活気に溢れる香港の街、そして力強い響きを持つ広東語に惹かれるうちに、少しずつ気持ちがほどけていく。 -
本心 分冊版
【『本心』分冊版 プロローグ/第一章 <母>を作った事情(全14巻)】 愛する人の本当の心を、あなたは知っていますか? 『マチネの終わりに』『ある男』に続く、平野啓一郎 感動の最新長篇! 「常に冷静に全てを観察している賢い主人公の感情が、優しくそして大きく揺れるたび、涙せずにはいられない。」── 吉本ばなな 「心配だっただけでなく、母は本当は、僕を恥じていたのではなかったか?」 ロスジェネ世代に生まれ、シングルマザーとして生きてきた母が、生涯隠し続けた事実とは── 急逝した母を、AI/VR技術で再生させた青年が経験する魂の遍歴。 ◆ 四半世紀後の日本を舞台に、愛と幸福の真実を問いかける、分人主義の最先端。 ◆ ミステリー的な手法を使いながらも、「死の自己決定」「貧困」「社会の分断」といった、現代人がこれから直面する課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点。 ◆ 読書の醍醐味を味合わせてくれる本格小説! 【あらすじ】 舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。 母の友人だった女性、かつて交際関係のあった老作家…。それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。 さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る── 。 -
本日、応援日和
透明人間になれる女子高生。そんな彼女が、競馬場で買った初めての馬券は… 「マーブルケーキ」。 健気さに、ついつい惹かれてしまうのだ。女子アスリートにまつわる3本のショート・スポーツエッセイ 「不釣り合いなガール」「一体感の再構築」「娘の成長」。 月曜日の明治神宮野球場。故に、あの親子は、なぜ野球を観ているのだろう? 「月曜日のコントローラー」。 マラソンで窮地に陥るエリートサラリーマン。その時、彼の耳に奇妙な声援が入ってきた 「ファイト!」。 応援すると、そして、応援されると、僕らは強くなれるのか? スタジアムで繰り広げられる、プレーヤーとオーディエンスとの絶妙な共犯関係。著者初の短編小説を含む、6つの力作がここに揃いました。 気鋭のインディ・スポーツライターが描く「ファンタジー×スポーツ」の合わせ技。新しいスポーツの世界観をとことんお楽しみ下さい! -
本日、職業選択の自由が奪われました
2024年、政府は新たに「雇用安定化法」を制定。国家が国民の就職先を管理することとなった。結果、就職活動は全面廃止、失業率やニート問題は改善されたものの、国民は職業選択の自由を失った。それから数年後、山田康太は緊張した面持ちで学校の卒業式に出席していた。これから自分が働く就職先が決定するためだ。調理師の仕事を希望する康太。しかし、康太の就職先はブラック企業の営業職に決まってしまい――。職業選択の自由を奪われた社会で、本当に就きたい「仕事」を求め孤軍奮闘!? 働く人ならみんな共感の、スカっとできて最後は泣ける、お仕事応援ドラマ! -
本日はコンビニ日和。
大好きなすみればあちゃんが、1年前死んだ――。純平が住む小さな町・虹色町には、何でも揃うコンビニがある。お店を作ったのは、町の人気者だった純平の祖母・すみればあちゃんだ。そんなばあちゃんが残したのは、18歳の純平をコンビニオーナーにするという遺言だった。自信のないままオーナーになった純平だが、個性豊かなスタッフとお客に囲まれ働くうち、すみればあちゃんの想いを知ることになり……。切なくて温かい、こもれびの物語。 -
本日は遺言日和
人間いつかは…のために、遺言の書き方教えます! 小さなプランニング会社・弥生プランニングに務める新米社員の川内美月は「遺言ツアー」なる旅行企画を思いつきで提案する。ダメ元と思いきやすんなり実現の運びとなるが、神奈川・湯河原温泉の旅館「荻野屋」で始まった二泊三日のセミナーは個性派ぞろいの参加者たちに振り回されどおし。やがて、それぞれの人生へふれていくことで、美月は遺言を書くことの本当の意味に気づかされていくが、思いもかけぬトラブルが待ち構えて……笑いと涙のハートウォーミングな「終活」ストーリー。「遺言」と聞いて、「いずれ…」「関係ない…」「先のこと…」と考えてるあなた、必読です! 大ヒット『限界集落株式会社』著者が贈るハートフルストーリー! 「2泊3日遺言ツアー」改題。(解説/青木千恵) -
本日は、離婚日和です。
憧れのウエディングプランナーとして働いていたが、担当したカップルが次々と離婚。新婚クラッシャーと呼ばれ、職を失った別居鳴美(26)。人生に行き詰まるなか、思いがけず決まった再就職先は――離婚式プランニング事務所!? 美形だが掴みどころのない所長・桐山と二人で鳴美は離婚式を取り仕切ることに。旧郎旧婦、裂人、お色崩し。未知の世界に戸惑うものの、様々な夫婦の想いに触れた鳴美は心動かされていき……。 人生の再スタートを応援する、離婚式プランナー物語! -
本所おけら長屋 外伝
金はないが情はある、お節介で名高い「おけら長屋」を舞台にした大人気シリーズの“外伝”は、人気登場人物たちの若き日を描く前日譚。 ●「馬鹿と外道は紙一重」万造と松吉は偶然、同じ日におけら長屋に引っ越してくる。意気投合した二人は、長屋の髪結いの女の家で、小遣いをもらって暮らしている小一郎という優男に憧れるが……。 ●「家督は寝て待て」上総久留田藩藩主の四男だった高宗は、いかにして津軽黒石藩藩主になったのか? 十五歳の高宗と五歳の玉姫の出会いを描く。 ●「金太が街にやってくる」おけら長屋は、実は“事故物件”だった!? 住民らに立て続けに災いが起きる中、長屋立ち退きの話まで持ち上がる。なんとか阻止したい住民たちが考えた案とは? ●「みちのくさとり旅」妻を亡くし、黒石藩の剣術指南役を辞した鉄斎は、剣術とは何かという答えが見いだせないまま、江戸に向かっていた。旅の途中、仙台に立ち寄った鉄斎は、宿屋で盗難騒動に巻き込まれる。 特別付録として、シリーズ第一幕(1~20巻)の名場面ガイドも収録。笑いと涙の“おけらワールド”を、ぜひご堪能ください。文庫書き下ろし。
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