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Posted by ブクログ
『なごみ』という月刊誌に「味を作る道具と人」というタイトルで連載されていたものが元ということ。
ここに登場する「道具」は、本来の仕事をこなしながらも、使い道以上にその存在が意味を持っている。
長く一緒に居ること。道具と人。人と人。
近くにいる人を大切にできることが一番幸せなのだと思う。
時としてそれは失わなくてはならないこともある。
そんな時、自分自身とどう向き合って生きていくのか。そこに道具は寄り添ってくれるのか。
みな短いお話だけど、一つ一つがきらり。
『今年のゼリーモールド』
娘が東京の大学に行き、夫婦二人になった八ヶ岳西麓の家と、母親の心のすき間
『ピザカッターは笑う』
妻と二人で洋食屋を営むシェフ。
店に集う、高校生の息子たちの男女グループのやり取りにきゅんとしながら、自分の青春を思い出してしまったか、アホなことを企む。
『コーヒーサーバーの冒険』
年長さんになったチルちゃん。水色の靴を履いて。
『あのときの鉄鍋』
大学時代のサークル仲間が死んで、30年ぶりに吉祥寺に集った。
三千枝がずっと抱えていた、あの一夜の謎が解ける
『水餃子の机』
家族の歴史と共に生きてきた机・・・何だか健気
『錆び釘探し』
結婚が怖い若い男が、偶然出会った老夫婦の道程に思いをはせる
『ホットプレートと震度四』
地震がいい仕事をした!
ホットプレートはむしろ被害者(笑)
『さよなら、アクリルたわし』
ぐるぐるする心で、ぐるぐるとアクリル毛糸を編む
『焚いてるんだよ、薪ストーブ』
仲の良い二組の夫婦に訪れた、突然の欠落
Posted by ブクログ
食にまつわる道具を通して揺れ動く男女を
描いた9編からなる短編集
日々の暮らしの中の、ふとした瞬間に起こる
心のさざめき。何気ない道具をきっかけに
過去の思い出や人間関係の機微が浮かび上がる。
今年のゼリーモールド
ピザカッターは笑う
コーヒーサーバーの冒険
あの時の鉄鍋
水餃子の机
錆び釘探し
ホットプレートと震度四
さよなら、アクリルたわし
焚いているんだよ、薪ストーブ
いいなと思ったのは、「あの時の鉄鍋」
大学時代の友人、大槻湊が亡くなり、還暦を迎えた懐かしいメンバーで湊の家へ形見分けに集まる。
結婚祝いでもらった鉄鍋と同じ鉄鍋を見ながら、
長い年月の中で、かつての自分の想いや夫との
関係、道具への思いが変化している事に気づく。
どの話も味わい深かったが、「さよならアクリル
たわし」のような理不尽に同級生からマウントされる女性の話もあり、少しイラッとした。マウントしてくるヤツにはひたすら関わらないことだ。
ただ終わり方はあれで良かったのか‥?
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