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Posted by ブクログ
めくらやなぎと眠る女がアニメ映画化されたので、どんな話か読もうとこちらの短編集を買ったけど、肝心のめくらやなぎも、そのほかの短編も、どれも読んだことがあって、初読なのは三つのドイツ幻想だけだった。
納屋を焼く、はいろいろな短編集に入っているので、読むのはもう三度目かな。
好きな話なので、良い。
蛍、納屋を焼く、めくらやなぎの短編ほ、ガールフレンドとうまくいくとかそういうことはなく、友人が死んでしまったり、友人のガールフレンドがいなくなったり、喪失についての物語だと思う。
納屋を焼くというのも、納屋を消滅させるということになるのかもしれない。けど、それは誰からも必要とされていないから、気づかれもしない消滅だ。
何かを失う、ということについて。身近だけど、あまり意識して生活することはなく、だけどあまりにも身近な物語。
Posted by ブクログ
映画『めくらやなぎと眠る女』が好みの映画だったので、数年ぶりに引っ張り出して読み直した。
村上春樹の作品のなかでは長編、短編含めて一番好きな作品かもしれない。
特に本作のなかで一番好きなのはイ・チャンドン監督で映画化された『バーニング』の原作『納屋を焼く』だろうか。ミステリアスだがホラー的な要素もあって面白い。
そして『踊る小人』もシュールな怖さがあってとても良い。寓話のような、ファンタジーのような雰囲気もある。
『ノルウェイの森』の習作となった『螢』も良かった。何ならこっちのほうが良いかもしれない笑
読後、どこか空虚さを感じるのだが、この独特な空虚さを感じるのも村上春樹作品の魅力かもしれない。
Posted by ブクログ
7つのうち、最初の短編の「蛍」で、「僕」は「彼女」と中央線の電車の中で偶然に出会い、四ツ谷駅で降りる。その後、彼女は何も言わずに歩き始め、僕は、そのあとを1メートルほど離れながら歩く。四谷から飯田橋、飯田橋から神保町の交差点を経てお茶の水、さらには本郷に抜けた後で、駒込まで、僕は彼女のあとをついて歩く。そして、彼女は僕に「ここはどこなの?」と聞く。「駒込」と僕が答えると、彼女は「どうしてこんな所に来たの?」と尋ね、僕は「君が来たんだよ。僕はあとをついて来ただけさ」と答える。
グーグルマップで調べてみると、四ツ谷駅→飯田橋駅(2.1km、徒歩27分)、飯田橋駅→神保町交差点(1.2km、18分)、神保町交差点→御茶ノ水駅(950m、15分)、御茶ノ水駅→駒込駅(ここはほぼ直線、4.3km、62分)となり、合計で8.5km、122分となる。全く休まずに、口もきかずに、それだけの距離と時間を歩きとおし、「どうしてこんな所に来たの?」と僕に質問してしまう。
彼女は、彼の高校時代の友人のガールフレンドだったのだが、彼の友人は、どういう理由か分からないまま自殺してしまう。それから久しぶりに彼女と僕は偶然会うのだが、僕から見て彼女はやせてしまっていて、そして、上記の通り、普通ではない。
その後、彼女と僕は時々デートを重ねる。そして、クリスマスの夜に結ばれるが、彼女はそのまま僕の前から姿を消してしまう。その後に来た手紙には、彼女は「療養所」に入っているという内容が書かれている。
僕の友達の自殺により、彼女は心に深い傷を負い、まだ癒えてはいない、というよりも、異常をきたしている。デートを重ねるが、彼女は僕と一緒にいても、僕のことを見てはいない。「彼女の求めているのは僕の温もりではなく、誰かの温もりだった。」そのように、僕は感じながらも彼女と会い続ける。そして、結ばれた直後に、彼女は姿を消す。
とても哀しい物語だと思う。なぜ、このようなことが起こるのかということには、小説の中では一切触れられていない。ただ、そのように時は過ぎていくのである。
小説の最後に、僕は、別の友人からもらった瓶に入った蛍を屋上で逃してやる。蛍は飛んでいき、弱い光を放つが、彼にはその光をつかまえる術はない。
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小説・文芸
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