螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

小説・文芸
649円 (税込)

3pt

秋が終り冷たい風が吹くようになると、彼女は時々僕の腕に体を寄せた。ダッフル・コートの厚い布地をとおして、僕は彼女の息づかいを感じとることができた。でも、それだけだった。彼女の求めているのは僕の腕ではなく、誰かの腕だった。僕の温もりではなく、誰かの温もりだった……。もう戻っては来ないあの時の、まなざし、語らい、想い、そして痛み。リリックな七つの短編。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    882281
  • 電子版発売日
    :
    2020年12月18日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    めくらやなぎと眠る女がアニメ映画化されたので、どんな話か読もうとこちらの短編集を買ったけど、肝心のめくらやなぎも、そのほかの短編も、どれも読んだことがあって、初読なのは三つのドイツ幻想だけだった。

    納屋を焼く、はいろいろな短編集に入っているので、読むのはもう三度目かな。
    好きな話なので、良い。

    蛍、納屋を焼く、めくらやなぎの短編ほ、ガールフレンドとうまくいくとかそういうことはなく、友人が死んでしまったり、友人のガールフレンドがいなくなったり、喪失についての物語だと思う。
    納屋を焼くというのも、納屋を消滅させるということになるのかもしれない。けど、それは誰からも必要とされていないから、気づかれもしない消滅だ。
    何かを失う、ということについて。身近だけど、あまり意識して生活することはなく、だけどあまりにも身近な物語。

    0
    2025年04月30日

    Posted by ブクログ

    『螢』は「ノルウェーの森」の原形とされている短編。
    『納屋を焼く』は「バーニング」の題で韓国で映画化されている。


    40年前の短編集であるけれど、いつもの村上春樹作品と同じく、時代性を感じさせないので現代の作品と同じ感覚で読める。
    この、時代にとらわれていない感じがいいところだといつも思う。
    どの時代の読者が読んでも、その時代時代を借景にして普遍的に通じるのである。
    本作に収録の短編はどれも完成度が高く、ミステリアスな感じも村上春樹作品の入門としてよいと思う。

    0
    2025年04月19日

    Posted by ブクログ

    村上春樹さんの再読2冊目。この本は案外内容を覚えていた。もう20年以上前に読んだはずなのに、深く印象に残ったのだと思う。特に「納屋を焼く」が独特で好きだ。これを原作とした韓国映画「バーニング」も読後に観てみたが、自分の想像とはずいぶん異なる雰囲気と結末だった。想像の余地が大きいのが春樹さんの作品のまた面白いところだなと思った。

    0
    2025年03月27日

    Posted by ブクログ

    さびしさ
    喪失
    やるせなさ

    学生の時にはなんとも思えなかった、この静かな、たしかにある感傷がしみた。これが歳を重ねたということだろうか

    0
    2025年02月14日

    Posted by ブクログ

    映画『めくらやなぎと眠る女』が好みの映画だったので、数年ぶりに引っ張り出して読み直した。
    村上春樹の作品のなかでは長編、短編含めて一番好きな作品かもしれない。
    特に本作のなかで一番好きなのはイ・チャンドン監督で映画化された『バーニング』の原作『納屋を焼く』だろうか。ミステリアスだがホラー的な要素もあって面白い。
    そして『踊る小人』もシュールな怖さがあってとても良い。寓話のような、ファンタジーのような雰囲気もある。
    『ノルウェイの森』の習作となった『螢』も良かった。何ならこっちのほうが良いかもしれない笑

    読後、どこか空虚さを感じるのだが、この独特な空虚さを感じるのも村上春樹作品の魅力かもしれない。

    0
    2024年09月11日

    Posted by ブクログ

    理屈がないのに滑らかで、安心感のあってそれでいてやるせのない話を読んでいると、この感情は自分ただ1人しか味わえない、誰にも共有し得ないものだと実感すると同時に、自分がだだっ広い空間にポツンと投げ出されて行き場をなくしたような停滞感も味わうことになる。進めないのか進みたくないのか、もう分からない。

    0
    2024年08月01日

    Posted by ブクログ

    読後感の爽やかな村上春樹短編集。
    ノルウェーの森の元となった『螢』は春樹の学生時代の原体験を感じられ、『めくらやなぎと眠る女』は郊外のノスタルジーと青春の記憶を紐づけて描写し、全体的に若く切ない空気感が漂う。悪くないね。

    0
    2026年02月15日

    Posted by ブクログ

    「めくらやなぎと眠る女」は短編映画化して欲しいし、「踊る小人」に出てくる象をつくる工場はいつ読んでも気になる。笑

    0
    2026年01月25日

    Posted by ブクログ

    納屋を焼くがとても面白かった。
    納屋を焼くという本当の意味についてわかった瞬間鳥肌が立った。なんとなく読み始めた話で最初はよく分からない話だったが分かった時とても面白かった。
    短い短編集で読みやすい。

    0
    2026年01月16日

    Posted by ブクログ

    7つのうち、最初の短編の「蛍」で、「僕」は「彼女」と中央線の電車の中で偶然に出会い、四ツ谷駅で降りる。その後、彼女は何も言わずに歩き始め、僕は、そのあとを1メートルほど離れながら歩く。四谷から飯田橋、飯田橋から神保町の交差点を経てお茶の水、さらには本郷に抜けた後で、駒込まで、僕は彼女のあとをついて歩く。そして、彼女は僕に「ここはどこなの?」と聞く。「駒込」と僕が答えると、彼女は「どうしてこんな所に来たの?」と尋ね、僕は「君が来たんだよ。僕はあとをついて来ただけさ」と答える。
    グーグルマップで調べてみると、四ツ谷駅→飯田橋駅(2.1km、徒歩27分)、飯田橋駅→神保町交差点(1.2km、18分)、神保町交差点→御茶ノ水駅(950m、15分)、御茶ノ水駅→駒込駅(ここはほぼ直線、4.3km、62分)となり、合計で8.5km、122分となる。全く休まずに、口もきかずに、それだけの距離と時間を歩きとおし、「どうしてこんな所に来たの?」と僕に質問してしまう。
    彼女は、彼の高校時代の友人のガールフレンドだったのだが、彼の友人は、どういう理由か分からないまま自殺してしまう。それから久しぶりに彼女と僕は偶然会うのだが、僕から見て彼女はやせてしまっていて、そして、上記の通り、普通ではない。
    その後、彼女と僕は時々デートを重ねる。そして、クリスマスの夜に結ばれるが、彼女はそのまま僕の前から姿を消してしまう。その後に来た手紙には、彼女は「療養所」に入っているという内容が書かれている。

    僕の友達の自殺により、彼女は心に深い傷を負い、まだ癒えてはいない、というよりも、異常をきたしている。デートを重ねるが、彼女は僕と一緒にいても、僕のことを見てはいない。「彼女の求めているのは僕の温もりではなく、誰かの温もりだった。」そのように、僕は感じながらも彼女と会い続ける。そして、結ばれた直後に、彼女は姿を消す。
    とても哀しい物語だと思う。なぜ、このようなことが起こるのかということには、小説の中では一切触れられていない。ただ、そのように時は過ぎていくのである。
    小説の最後に、僕は、別の友人からもらった瓶に入った蛍を屋上で逃してやる。蛍は飛んでいき、弱い光を放つが、彼にはその光をつかまえる術はない。

    0
    2025年04月12日

螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫) の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    882281
  • 電子版発売日
    :
    2020年12月18日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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