螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

649円 (税込)

3pt

秋が終り冷たい風が吹くようになると、彼女は時々僕の腕に体を寄せた。ダッフル・コートの厚い布地をとおして、僕は彼女の息づかいを感じとることができた。でも、それだけだった。彼女の求めているのは僕の腕ではなく、誰かの腕だった。僕の温もりではなく、誰かの温もりだった……。もう戻っては来ないあの時の、まなざし、語らい、想い、そして痛み。リリックな七つの短編。

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螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    めくらやなぎと眠る女がアニメ映画化されたので、どんな話か読もうとこちらの短編集を買ったけど、肝心のめくらやなぎも、そのほかの短編も、どれも読んだことがあって、初読なのは三つのドイツ幻想だけだった。

    納屋を焼く、はいろいろな短編集に入っているので、読むのはもう三度目かな。
    好きな話なので、良い。

    0
    2025年04月30日

    Posted by ブクログ

    『螢』は「ノルウェーの森」の原形とされている短編。
    『納屋を焼く』は「バーニング」の題で韓国で映画化されている。


    40年前の短編集であるけれど、いつもの村上春樹作品と同じく、時代性を感じさせないので現代の作品と同じ感覚で読める。
    この、時代にとらわれていない感じがいいところだといつも思う。
    どの

    0
    2025年04月19日

    Posted by ブクログ

    村上春樹さんの再読2冊目。この本は案外内容を覚えていた。もう20年以上前に読んだはずなのに、深く印象に残ったのだと思う。特に「納屋を焼く」が独特で好きだ。これを原作とした韓国映画「バーニング」も読後に観てみたが、自分の想像とはずいぶん異なる雰囲気と結末だった。想像の余地が大きいのが春樹さんの作品のま

    0
    2025年03月27日

    Posted by ブクログ

    さびしさ
    喪失
    やるせなさ

    学生の時にはなんとも思えなかった、この静かな、たしかにある感傷がしみた。これが歳を重ねたということだろうか

    0
    2025年02月14日

    Posted by ブクログ

    映画『めくらやなぎと眠る女』が好みの映画だったので、数年ぶりに引っ張り出して読み直した。
    村上春樹の作品のなかでは長編、短編含めて一番好きな作品かもしれない。
    特に本作のなかで一番好きなのはイ・チャンドン監督で映画化された『バーニング』の原作『納屋を焼く』だろうか。ミステリアスだがホラー的な要素もあ

    0
    2024年09月11日

    Posted by ブクログ

    理屈がないのに滑らかで、安心感のあってそれでいてやるせのない話を読んでいると、この感情は自分ただ1人しか味わえない、誰にも共有し得ないものだと実感すると同時に、自分がだだっ広い空間にポツンと投げ出されて行き場をなくしたような停滞感も味わうことになる。進めないのか進みたくないのか、もう分からない。

    0
    2024年08月01日

    Posted by ブクログ

    7つのうち、最初の短編の「蛍」で、「僕」は「彼女」と中央線の電車の中で偶然に出会い、四ツ谷駅で降りる。その後、彼女は何も言わずに歩き始め、僕は、そのあとを1メートルほど離れながら歩く。四谷から飯田橋、飯田橋から神保町の交差点を経てお茶の水、さらには本郷に抜けた後で、駒込まで、僕は彼女のあとをついて歩

    0
    2025年04月12日

    Posted by ブクログ

    「納屋を焼く」の話が印象的だった。スマートな見かけの青年が、どういう理由か周辺の納屋を焼いていく。納屋を焼く人と納屋は焼かない人とに分かれるという。その不思議な世界観にひかれた。村上春樹の素敵な文章に浸れて、幸せな時間を過ごせて良かった。

    0
    2025年02月11日

    Posted by ブクログ

    これは完全に村上春樹ワールドです。この世界にどっぷり浸かりたいと思う健全な精神で読んだらとっても面白いと思います。

    0
    2024年11月13日

    Posted by ブクログ

    だいぶ昔に読んだ本。再読。

    その頃は、二回同じ本を読まない主義というか、他にも読みたい本が山ほどある中で、後戻りしていられないという、読書を味わい尽くす使命感のようなものがあった(今もあまり変わらない)。その頃の記憶が、当時の音楽や情景に宿っていて、それは小説にも閉じ込められていたと気付く。

    0
    2024年08月29日

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