螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

506円 (税込)

2pt

秋が終り冷たい風が吹くようになると、彼女は時々僕の腕に体を寄せた。ダッフル・コートの厚い布地をとおして、僕は彼女の息づかいを感じとることができた。でも、それだけだった。彼女の求めているのは僕の腕ではなく、誰かの腕だった。僕の温もりではなく、誰かの温もりだった……。もう戻っては来ないあの時の、まなざし、語らい、想い、そして痛み。リリックな七つの短編。

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螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫) のユーザーレビュー

3.7
Rated 3.7 stars out of 5
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    Posted by ブクログ

    村上春樹さんの再読2冊目。この本は案外内容を覚えていた。もう20年以上前に読んだはずなのに、深く印象に残ったのだと思う。特に「納屋を焼く」が独特で好きだ。これを原作とした韓国映画「バーニング」も読後に観てみたが、自分の想像とはずいぶん異なる雰囲気と結末だった。想像の余地が大きいのが春樹さんの作品のま

    0
    2025年03月27日

    Posted by ブクログ

    さびしさ
    喪失
    やるせなさ

    学生の時にはなんとも思えなかった、この静かな、たしかにある感傷がしみた。これが歳を重ねたということだろうか

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    2025年02月14日

    Posted by ブクログ

    映画『めくらやなぎと眠る女』が好みの映画だったので、数年ぶりに引っ張り出して読み直した。
    村上春樹の作品のなかでは長編、短編含めて一番好きな作品かもしれない。
    特に本作のなかで一番好きなのはイ・チャンドン監督で映画化された『バーニング』の原作『納屋を焼く』だろうか。ミステリアスだがホラー的な要素もあ

    0
    2024年09月11日

    Posted by ブクログ

    理屈がないのに滑らかで、安心感のあってそれでいてやるせのない話を読んでいると、この感情は自分ただ1人しか味わえない、誰にも共有し得ないものだと実感すると同時に、自分がだだっ広い空間にポツンと投げ出されて行き場をなくしたような停滞感も味わうことになる。進めないのか進みたくないのか、もう分からない。

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    2024年08月01日

    Posted by ブクログ

    文学に触れた。村上春樹氏の小説をちゃんと読んだのは初めてだったが、不思議な体験だった。
    小説内での当たり前と、ファンタジー、そして我々の現実世界の当たり前との境が曖昧で、ミステリアスだった。常に余白を残していて、解釈の余地を与えてくれるが、自己投影がしやすいとも限らない。

    『納屋を焼く』
    始まりか

    0
    2023年02月20日

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