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秋が終り冷たい風が吹くようになると、彼女は時々僕の腕に体を寄せた。ダッフル・コートの厚い布地をとおして、僕は彼女の息づかいを感じとることができた。でも、それだけだった。彼女の求めているのは僕の腕ではなく、誰かの腕だった。僕の温もりではなく、誰かの温もりだった……。もう戻っては来ないあの時の、まなざし、語らい、想い、そして痛み。リリックな七つの短編。
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Posted by ブクログ
村上春樹さんの再読2冊目。この本は案外内容を覚えていた。もう20年以上前に読んだはずなのに、深く印象に残ったのだと思う。特に「納屋を焼く」が独特で好きだ。これを原作とした韓国映画「バーニング」も読後に観てみたが、自分の想像とはずいぶん異なる雰囲気と結末だった。想像の余地が大きいのが春樹さんの作品のま...続きを読むた面白いところだなと思った。
さびしさ 喪失 やるせなさ 学生の時にはなんとも思えなかった、この静かな、たしかにある感傷がしみた。これが歳を重ねたということだろうか
映画『めくらやなぎと眠る女』が好みの映画だったので、数年ぶりに引っ張り出して読み直した。 村上春樹の作品のなかでは長編、短編含めて一番好きな作品かもしれない。 特に本作のなかで一番好きなのはイ・チャンドン監督で映画化された『バーニング』の原作『納屋を焼く』だろうか。ミステリアスだがホラー的な要素もあ...続きを読むって面白い。 そして『踊る小人』もシュールな怖さがあってとても良い。寓話のような、ファンタジーのような雰囲気もある。 『ノルウェイの森』の習作となった『螢』も良かった。何ならこっちのほうが良いかもしれない笑 読後、どこか空虚さを感じるのだが、この独特な空虚さを感じるのも村上春樹作品の魅力かもしれない。
理屈がないのに滑らかで、安心感のあってそれでいてやるせのない話を読んでいると、この感情は自分ただ1人しか味わえない、誰にも共有し得ないものだと実感すると同時に、自分がだだっ広い空間にポツンと投げ出されて行き場をなくしたような停滞感も味わうことになる。進めないのか進みたくないのか、もう分からない。
文学に触れた。村上春樹氏の小説をちゃんと読んだのは初めてだったが、不思議な体験だった。 小説内での当たり前と、ファンタジー、そして我々の現実世界の当たり前との境が曖昧で、ミステリアスだった。常に余白を残していて、解釈の余地を与えてくれるが、自己投影がしやすいとも限らない。 『納屋を焼く』 始まりか...続きを読むら不安定な空気が流れていた。男の発言はどこまでが本当なのかも分からない。それなのに主人公は自分の思考を侵食され、習慣まで変えられてしまった。全貌が掴めない恐怖を感じた。 『踊る小人』 ファンタジーでありながら、どこまでがファンタジーか分からない作品。夢は現実と入り混じり、現実はより夢のようである。主人公を取り巻く不条理さがメルヘンの衣を着ているようたった。
「納屋を焼く」の話が印象的だった。スマートな見かけの青年が、どういう理由か周辺の納屋を焼いていく。納屋を焼く人と納屋は焼かない人とに分かれるという。その不思議な世界観にひかれた。村上春樹の素敵な文章に浸れて、幸せな時間を過ごせて良かった。
これは完全に村上春樹ワールドです。この世界にどっぷり浸かりたいと思う健全な精神で読んだらとっても面白いと思います。
だいぶ昔に読んだ本。再読。 その頃は、二回同じ本を読まない主義というか、他にも読みたい本が山ほどある中で、後戻りしていられないという、読書を味わい尽くす使命感のようなものがあった(今もあまり変わらない)。その頃の記憶が、当時の音楽や情景に宿っていて、それは小説にも閉じ込められていたと気付く。 私...続きを読むにとって村上春樹はそうしたタイムカプセルの象徴であり、本書の「蛍」はストーリー自体も回想のようで、私自身の記憶と錯綜し、感情が紐解かれるようだ。そして、案外、話を覚えているものだ、というのが自分自身、意外だった。 言葉の意味も深く分からず、夢中で読んだ。その余韻に浸りながら、感受性豊かだった学生時代を思い出す。世界観、喪失感に厨二病のように取り憑かれ、誰かや自分の言葉、価値観に振り回されながら、それに陶酔していた日常を。 『ノルウェーの森』を教えてくれた人が、この短編集に世界を広げてくれたのだった。今はもう、その人と簡単に会える関係性にはないが、元気でいてくれたらなと思う。
新潮文庫夏の100冊で手に取った1冊。叙情性豊かな短編集です。 ■蛍 ノルウェイの森の元素材となった本作。文庫本2冊分のエッセンスをギュッと纏めてくれてこちらで再読した気になります。 ラストがノルウェイの森は旅に出るストーリーだったが、こちらは蛍を放つ、と言う叙情性豊かな造りになっています(ちょっ...続きを読むとあざといかも)。 ■納屋を焼く 納屋を焼くと言う男と消え去る女性。burn the barnは分かるけど何が言いたいのかは最後までよくわからなかった(納屋を焼く=殺害のメタファーのようです)。 ■踊る小人 夏目漱石の夢十夜みたいな小説。踊りの上手い小人と像工場で働く僕。夢と現実。皇帝と革命。メタファーが物凄いが、蛍に並んで感性を触られるようで本作の中では一二を争う位好き。 ■めくらやなぎと眠る女 過去に関わった友人から聞いた体を蝕むめくらやなぎと耳の聞こえないいとこのお話。正直、"?"と言う感想(読み込めばまた解釈も変わるかも)。 ■三つのドイツ幻想 博物館の描写はThe・村上春樹と言う感じでなかなか良かった。
螢を読むと、ノルウェイの森を再読しようかなという気にさせられる。この作品は抽象的な表現が殊更に多く、正直何を言ってるかわからないものもあった。だが、描写の引出しが多いのは流石だと感じた。村上春樹が他作家と異なる点はこの引出しの多さだと思う。
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