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花実母娘のルーツとなる祖母の壮絶な人生譚。
花実は中学三年生となった。進路を考える年頃。そして、ほんのり初恋の気配も。そんなある日、花実の母・真千子がひったくりの被害に遭う。その事件から、花実は「金」に対しての意識がより強くなり、よりシビアな中三となる。事件の犯人が判明するが、それは予想外のほろ苦い結果に。
そんなある日、見知らぬ女性から祖母タツヨの訃報が届く。以前「太陽はいつもひとりぼっちだ」と言い放ち去って行った祖母。そして、その女性からタツヨの日記を渡される。そこには、暗く辛い昭和を生き抜いてきたタツヨの長い長い凄惨な人生が刻まれていた。それを読んだ花実は・・・・・・。
前半と後半ではまったく違う世界を味わえる作品。本当に二十歳の著者が書いたのだろうか、と驚く展開、描写。著者のまったく新しい一面を見ることが出来る渾身の長編小説です。
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Posted by ブクログ
14歳の誕生日に「さよなら田中さん」でデビューした鈴木るりかさん。この続編として「太陽はひとりぼっち」、「私を月に連れてって」が出版され、四冊目のこの「星に願いを」は二十歳の誕生日に出されたということ。
「太陽はひとりぼっち」で突然現れたおばあちゃん。お母さんに「死んだ」とされ、お母さんを子供のとき虐待してひとりぼっちにさせた、「クソババア」。
そのおばあちゃんが亡くなったという。おばあちゃんに頼まれ「死後事務委任契約」を結んでいた吉澤さんという女性が、おばあちゃんと契約したとおり、おばあちゃんをお葬式無しで火葬し、無縁塚に葬り、「預金通帳」と「死亡保険金証書」をお母さんに渡しにきた。そしてその他の物は一切捨てるように言われていたのだが、吉澤さんは三冊のノートだけはどうしても捨てられず、お母さんの所に届けにきた。
お母さんは読もうとしなかったが、花実が読んだそのノートには、おばあちゃんの思いのたけが綴られていた。どれだけ真千子に会いたかったか。赦してほしいけれど、自分で自分を赦せない気持ち。どうしてあの時はあの子にあんな事をしてしまったのか、自分が押さえられなかったという悔やんでも悔やみきれない気持ち。そんな本音を誰にも言わず、娘と孫の前では「クソババア」になりきって、遠くから幸せを祈っていた。その気持ちを綴ったそのノートも残さないつもりでいた。
読みながら、これは鈴木るりかさんが二十歳前に書いたということをすっかり忘れていた。
「どうしてこんな若い子が、こんなん書けるかなあ?」と呟いたら、先に読んでいた娘(中学生)が「人生二周目なんちゃうの」と言った。人生二周目?えっ?前世があったってこと?なるほどなあ。いや、知らんけど。
田中家の箪笥の奥の髑髏にこれ以上触れてはいけないと思うけど、おばさんは、まだ気になることがある。「太陽はひとりぼっち」でおばあちゃんがチラッと言ってたこと。「私を月に連れてって」でお母さんの幼馴染がチラッと言ってしまったこと。「もしかしたら殺人犯かもしれない!!??」花実のお父さんのこと。気になるんだけど、明るい花実親子をそのままにしておきたいとも思う。
だけどきっと聡明な花実はこれから色々知っていくだろう。お母さんの健康も気になる。
鈴木るりかさん、大学卒業までに次を出して下さい。田中親子の物語を人生のライフワークにして下さい。
Posted by ブクログ
「田中さんシリーズ」第4作は、「金の星」と「星に願いを」の2篇。
中学3年生になった花実。千葉から転校してきたイケメン同級生といい感じ?な日々に起きた母のひったくり被害。それをきっかけに母は仕事を辞め、田中家の経済事情を心配する花実だったが…。
ゴルゴ13の報酬、お金持ちの資産、草むしりをして得た友達のママの真心、香川くんの三千円、そしておばあちゃんが残してくれたお金。
様々なお金の意味や、額面だけじゃないそれらの持つ重さを感じ取れる花実がすごい。
そして後半、タツヨおばあちゃんの日記。
母娘の確執の裏側が辛すぎる。「ごめんなさい、ごめんなさい」と過去の夫や幼い娘に謝りながら過ごす老後の悲惨さ。それを泣きながら読む花実。
真千子がノートを読んだのかな。母娘のわだかまりが少しでも解けることに期待。
第5作、高校生になった花実と真千子さんに会えるのを楽しみにしています。
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