国内小説作品一覧

非表示の作品があります

  • 元外務省主任分析官・佐田勇の告白
    4.3
    1巻1,408円 (税込)
    対米関係の悪化の反面、日露関係は徐々にではあるが、歩み寄りを見せる。悲願の北方領土返還に向けて奔走した佐田勇は、とある政治闘争に巻き込まれたことで、外交の一線から身を引き、今は作家だ。しかし、政権交代、さらに再交代と政変が続く中、いずれの内閣も佐田の情報分析力を頼ってやってくる。ロシア大統領の何を衝けば交渉はスムーズに行くのか、詳細なレポートで佐田は政権を助けてきたが、そんな佐田を逆恨みする連中が霞が関にいて……。
  • 素子の碁 サルスベリがとまらない
    4.0
    『ヒカルの碁』をきっかけに、四十歳を過ぎてから夫婦で始めた囲碁。子供の頃から親しんでいれば直感的に理解できただろう定石や用語に頭を悩ませつつ、上達していく喜びを綴るエッセイ。初心者にもよく分かる囲碁コラムも満載! 「祝 還暦! 夫婦対談」を巻末に付す。
  • 元猫又ですが、陰陽師の家で猫のお世話係になったら婚約することになりました。
    4.0
    大正十年。女学生の琥珀はハチワレ猫の案内で、ある屋敷にたどり着いた。実は琥珀は父から猫又の生まれ変わりだと言われており、半信半疑ながらもどこか懐かしさを覚える、猫の沢山いるその四季島家に入ってしまう。縁あって猫のお世話係として働くことになり、なぜか大の猫嫌いの当主の陰陽師・御影と、持ち込まれる怪異に挑む。やがてある過去が明らかになり――。ほろりと泣けてキュンとする? 大正あやかし&猫まみれ小説。
  • もと夫婦
    3.0
    何気ない日常生活にひそむ、おかしさ、愚かしさ、そして愛の喜びと悲しみを、関西弁の味を心憎いまでに駆使して描く田辺聖子独自のユーモア世界……別れた夫婦が喧嘩をくり返しながら、いつのまにか元のさやにもどった「もと夫婦」、他に「求婚」「あじさい娘」「あめりか・じゃがたら文」「金蒔絵の雲」等9編を収録。
  • もどかしいほど静かなオルゴール店
    3.6
    あなたの心で鳴っている音に、あなたは、きっと気づいていない――。 “人の心に流れる音楽が聴こえる”という風変わりな店主が、南の島の小さな店で、お待ちしています。 発売前から書店員絶賛!の感動の物語。 「耳利きの職人が、お客様にぴったりの音楽をおすすめします」 ここは、お客様の心に流れる曲を、世界でたったひとつのオルゴールに仕立ててくれる、不思議なお店。 “小さな箱”に入っているのは、大好きな曲と、大切な記憶……。 北の小さな町にあった『ありえないほどうるさいオルゴール店』が、最果ての南の島で、リニューアルオープンしました! 今回も、7つの物語が奏でる美しいメロディーに載せて、やさしい涙をお届けします。 * * * 島を出て行った初恋の人を想い続ける郵便屋さん、音楽を捨てて都会からやってきた元ミュージシャン、島の神様の声が聞こえるババ様……彼らの心にはどんな音楽が? みんな必ず、小さな寂しさを秘めています。 でも、自分で気づいていない「本当の気持ち」も、 他人に知られたくない、「密かな想い」も、 音楽となって、あなたの心に流れているのです。 そして、美しい旋律を奏でています。 * * * 「好きです。この小説」「涙がまりませんでした」「心が満たされる物語!」「心が激しく揺れた」など、書店員さんから絶賛の声が発売前から集まっています!
  • 戻る男
    3.6
    過去をリセットできるとしたらどうしますか。  ある日、作家の新居航生のもとに一通の書状が届いた。航生は、作家として5年前に出版した『もう一つの扉』が大ヒットを飛ばしたが、その後は小説を書いておらず、離婚して一人暮らしをしていた。書状は、タイムスリップを研究しているという、八木俊太郎という人物からだった。それによれば、ある程度ならタイムスリップが可能だという。可能なのは、過去へのタイムスリップのみで、未来は不可能。その過去も、当人が生きている時代に限られ、過去の自分自身に会えるわけではなく、当時の自分に重なることになる。そして、歴史を大きく変えるようなことを実行するのは不可能、ということだった。  自分が体験した小さな事実なら変えられる――。 考えた末に、実際に体験したことを雑誌に書くことにして、航生は八木の提案を受け入れタイムスリップを経験してみることにした。  航生は、中学生のときにいじめの標的にされたことがあり、航生は、この過去を変えようと思った。八木の運転で連れて行かれた部屋で八木と話すうちに、航生は、中二の文化祭会場である市民会館のホールの席に学生服を着て座っていた――。果たして、過去はリセットできるのか。
  • もどろき・イカロスの森 ふたつの旅の話
    -
    1巻2,200円 (税込)
    親子三代の人生と記憶、 土地の歴史が重ねられる京都を舞台とした「もどろき」、 十代の旅の思い出と、 北サハリンで出会った人々との交流と描く「イカロスの森」。 芥川賞候補にもなったふたつの「旅」をめぐる作品と、 初の書籍掲載となる小説「犬の耳」、書き下ろしの解説を所収。 池澤夏樹 推薦 血族、旅先の出会い、淡い恋、人と人は言葉を交わし、運命の舞台でゆっくりと舞う。背景には京都やサハリンの地名が星座のように刻印されている。季節は移り、生きることが大らかに肯定される。たとえ私たちが「いかなる歓喜の中にあっても無限に悲しい」としても。 この二篇の小説を読み終わるとどこか遠くへ行きたくなる。結局のところ世界は美しい、と思えてくる。
  • モナドの領域(新潮文庫)
    3.9
    河川敷で若い女性の腕が発見された。ほどなく近隣のベーカリーでアルバイトの美大生が精巧な腕形のバゲットを作り、店の常連の美大教授が新聞のコラムで取り上げ、評判を呼ぶ。次に教授は公園で人を集め、その全知全能を示し始める。自らを神の上の「無限の存在である創造主」だという教授の真意とは。そして、バラバラ殺人の真相は? 天才筒井康隆がその叡智の限りを注ぎ込んだ歴史的傑作。(解説・池澤夏樹)
  • もぬけの考察
    3.7
    1巻1,463円 (税込)
    第66回 群像新人文学賞受賞作! この部屋の住人は、みんないなくなる? 都市の片隅にあるマンションの一室、408号室に入れ替わる住人たち――。奇想天外な物語が、日常にひそむ不安と恐怖を映し出す。 同じ部屋で前の時間が見えないまま孤独と恐怖を積み重ねていく構成で細部まで考えられていた。 理不尽さと暴力的な状況がスリリングで、多様な恐怖を描ける人だと思った。――柴崎友香 一連の奇想天外な考察は、インスタレーションと呼ばれる空間芸術の手法とも似ていて、 日常性からの逸脱を効果的に演出するにはうってつけだ。 ――島田雅彦 ある〈部屋〉のみを舞台にすることで、作品の〈空間〉は限定されている。 が、前の住人、その前の……と過去を連鎖的に想像可能で、今後の住人という未来も延々の想像が可で、その意味で〈時間〉が限定されない。そこに越境のポテンシャルが満ちている。――古川日出男
  • ものいふ髑髏
    3.5
    金貸しを営む銭法師の喜久五郎という男が墓所の近くを歩いていると、衣の裾にしゃべる髑髏が食いついてきた。その口車に乗り大儲けを企てるが、恐るべき復讐に遭い……(「ものいふ髑髏」)ほか、登山事故の入院先で体験した奇妙な出来事や、暴漢に襲われた男が垣間見る悪夢など、平安朝物語から日常に潜む恐怖や不思議現象まで、怖くて妖しい物語10編を収録。
  • 物憂い石の階段
    -
    1巻1,100円 (税込)
    浮かれたり、悩んだりして、大人になっていく。 背が高くて、サッカーが上手くて、頭がよくて。でも、眼鏡の奥から向けられる眼差しは少し冷たい。 そんな貴司についての話を聞いているうちに、無意識に彼に惹かれていくようになった優花。 しかし、親友・絵美から貴司のことが好きだと告白され、優花は自分の本心を言い出せなくなってしまう。 親友に嫉妬したり、好きな人の一言で一喜一憂したりと、恋心に翻弄される日々を過ごしていたある日、謎めいた彼を尾行することになり――。 大人でも子供でもない、10代の心を繊細に描いた青春小説。

    試し読み

    フォロー
  • 物語 愛と幻想
    -
    文芸作品はさまざまの様式に従って書かれているが、この本に集めた文章は、様式にとらわれず、自由に書いたものである。創造の少女・ナルダを添景とした愛の物語「遠い街」と、エッセイ風の「憂愁のノート」、それに幻想的作品を加え、四季の色彩がきらめき、詩情ただよう物語集となっている。
  • 物語が書きたくなる!小説バトルマンガ「ブンゴー」
    -
    小説執筆をバトルマンガとして描いたことでネットで話題となった名作が電子書籍で復活。妄想大好き少年が、ライバルたちと出会う中で、小説執筆に目覚める! 史上空前の創作コロシアムで壮絶な闘いが始まった! 『ヤングエース』などで活躍中の漫画家・鈴木小波が、自身の創作への想いを詰め込んだ作品です。
  • 物語の山脈
    -
    1巻2,750円 (税込)
    いくつもの物語を越えた先にはたして何が見えてくるのか。十四の物語を縦走する、極上の小説集。
  • ものがたりの賊
    4.0
    1巻2,000円 (税込)
    『宝島』から3年。お待たせしました。天才・真藤順丈による、ハチャメチャで面白い小説、出来ました 光源氏、坊っちゃん、伊豆の踊子……。文学史を彩るキャラクターたちが帝都を舞台に大立ち廻り! 日本文学至高のアベンジャーズ。
  • ものがたり ゆんぼくん 1
    5.0
    1~4巻440円 (税込)
    「ゆんぼ」という変わった名前をつけられた男の子。そのお母さんと、友達や飼い犬たちが織りなす名作叙情マンガ。
  • 恋愛小説アンソロジー 「最低な出会い、最高の恋」
    5.0
    読みたい物語がある! 物語投稿サイト『monogatary.com』(モノガタリードットコム)がお届けする、甘く切ない恋愛小説アンソロジー。 食堂の一番端っこで、黙々と食べている片瀬さんを、僕は一番遠い席から眺めていた。(「たった3日で恋ですか」夏川椎菜) あの女だ、あの日私が、赤ワインをこぼしたあの女だ。(「私とアタシ」マツモトクラブ) 視線ひとつで恋に落ちるとは思ってもみなかった。どうしようもなく惹かれている自分を止められない。 (「羨望」宮田愛萌(日向坂46)) それぞれの分野で活躍しながらも、その文才が注目される三人が贈る、瑞々しい小説デビュー作! ※この作品は、投稿サイトmonogatary.com初のコンテスト「モノコン2018」にて<表紙部門>優秀賞受賞作品である袖倉 藍のイラストを装画とし、夏川椎菜(声優)、マツモトクラブ(お笑いタレント)、宮田愛萌(日向坂46)が書き下ろした短編小説を収録した電子書籍オリジナル作品です。

    試し読み

    フォロー
  • モノクロの夏に帰る
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    海の向こうでは、戦争で毎日人が死んでいる。 でも遠くない将来日本からは、戦争を経験した人がいなくなる。 まだ若い僕たちは、この事実とどう向き合えばいいのだろう。 「僕は祖父の戦争体験を捏造したことがある」 戦時中のモノクロ写真をカラーにして掲載した『時をかける色彩』という写真集が刊行された。祖父母ですら戦争を知らない二十代の書店員がそれを店頭に並べたことで、やがて世界が変わり始める。保健室登校の中学生、ワーカホリックのテレビマン、アメリカから来た少年と、福島で生まれ育った高校生。遠い昔の話のはずだった「戦争」を近くに感じたとき、彼らの心は少しずつ動き出す。 平和を祈る気持ちが、小さな奇跡を呼ぶ。 読み終えたとき、少しだけ世界が優しく見える感動の青春小説。
  • ものぐさ数学のすすめ
    -
    1巻660円 (税込)
    数学の極意は、サボリの精神。文化はゆとりから生まれる。ゆとりをつくりだすのは「怠惰な勤勉」ではなく、「創造的なサボリ」の精神だ。――数学アレルギーや受験ノイローゼを吹き飛ばす、逆説にみちた、痛快無比な数学文化論。数学者の夢を語り、入試改革案を打ち出すなど、発想の飛翔力がすばらしい名著。
  • 鬼狂い
    5.0
    愛する娘美和を白血病で失った時、夏目国光の妻佐里は出奔した。六年の後再会した佐里は末期癌に冒され喘いでいた。共に離さず肌に抱いていた愛娘の骨片が空白を埋めた。夏目は警察をやめ、家を売り、更に強盗を働いて金を作って、骨を噛む苦痛から佐里を解放するため、麻薬を購って死出の旅に出た。警察に追われ窮地に立つ二人を救ったのは山中に潜む老婆の集団だった。数奇な出来事と秘薬が与えた妖しい光明に従って、夏目と佐里の北へ向う旅が再び始まる――。生と死の深淵と凄絶な愛の形を物語に紡いで、著者の小説世界の一大結晶を示した、傑作ハードロマン。
  • モノノケ踊りて、絵師が狩る。 ―月下鴨川奇譚―
    3.5
    江戸末期の絵師・月舟が描いた妖怪画には、本物が封じ込められているという。そして現代。月舟の子孫・詩子は、美大に通う学生だが、もうひとつの顔があった。散逸した月舟の妖怪画を探し、憑きものを落とす家業を継いでいたのだ。幼馴染みの青年・七森が持ち込んだ情報によると、月舟の絵を所有する画廊のオーナーが足を火で炙られるような痛みを訴えているらしく?【目次】一 猫又/二 ろくろ首/三 面霊気/四 鬼女/結 無題
  • モノノ怪 執
    3.3
    15年経った今でもノイタミナ全70作中第1位(※「あなたが選ぶ思い出の3作品」2005年―2009年制作部門1位)という人気を誇る和製ホラーアニメ作品『モノノ怪』。その作品世界を踏襲したスピンオフ小説を「僕僕先生」「黄泉坂案内人」 シリーズで人気の仁木英之が書下ろす。 猪苗代湖畔の天守に夜になると現れる姫、深川の長屋住まいのつくり花師を取り込んだ妖狐、古戦場に現れる獰猛な妖怪、本郷前田藩の屋敷近くに出る顔をはぐ怪物など、モノノ怪あるところに現れる妖しき薬売り。「形」「真」「理」の3つが揃うとき、薬売りの持つ”退魔の剣”の封印が解かれ、モノノ怪を斬る! 斬新な世界観で多くのファンを魅了した和製ホラーアニメ『モノノ怪』に登場する謎多き薬売りのスピンオフ小説、全6話。
  • もののけ寺の白菊丸
    4.0
    数えで12歳となった白菊丸は、母と離れて勿径(もっけい)寺へと入った。さる貴き方の落胤である白菊丸は寺で修業し、ゆくゆくは僧侶となるのだ。始まった寺での日々。同じように預けられた稚児たちと一緒に学び、幅広い教養を身に着けていく白菊丸は、ある日、先輩稚児たちに声をかけられた。曰く、勿径寺の宝蔵には力ある物の怪たちの骸が封印されている。新しく寺に入った者は、胆力を鍛えるため、夜中にひとりでその宝蔵に行かなければならない、と。新人いびりとも知らず、その夜、白菊丸が宝蔵を訪れるとそこには白い毛皮をまとった物の怪がいて…。稚児たちがつぎつぎと騒動に巻き込まれるなか、和尚には何やら隠し事があるようで?
  • もののふうさぎ!
    -
    1巻781円 (税込)
    網戸うさぎは居合道部の2年生。武道に打ち込むことで中学時代の弱い自分を乗り越えようとしているが、いまだに過去の自分から脱却できない。そんな中、うさぎに「女子剣豪大会」の話が舞い込んだ。形試合ではなく、実際に剣を交えるのだという。手練れのもののふ居合女子たちを相手に、うさぎの本当の闘いが始まった! 第6回文芸社文庫NEO小説大賞優秀賞作品。
  • ものみな歌でおわる・爆裂弾記 現代日本の戯曲
    -
    『復興期の精神』の著者の代表的戯曲3篇を収録――虚実交錯する二元的批判構図を持ち、特異な発想と構想で、常に戦後文学に先鋭な問題を提起し続けた『復興期の精神』の著者・花田清輝の、代表的戯曲3篇。明治18年、自由民権運動を背景に、女壮士・新聞記者・講釈師・演歌師などを配して、その過激な運動の壊滅までの顛末を描いた諷刺喜劇「爆裂弾記」のほか、「ものみな歌でおわる」「首が飛んでも――眉間尺」を収録。
  • モノレールねこ
    3.9
    小学生のぼくは、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。ある日、ねこが車に轢かれて死に、タカキとの交流は途絶えてしまったが…。表題作の「モノレールねこ」ほか、ザリガニの俺が、家族を見守る「バルタン最期の日」など、夫婦、親子、職場の同僚など、日常にさりげなく現れる大切な人との絆を描いた8篇。
  • 模範郷
    5.0
    1950年代、6歳から10歳まで台湾にいた「ぼく」。日・米・中・台の会話が交錯する旧日本人街「模範郷」。そこは間違いなく「ぼく」の故郷であり、根源であった。何語にも拠らない記憶の中の風景が変わり果てたことを直視したくない「ぼく」は、帰郷を拒んでいた。だが知人の手紙を機に半世紀ぶりにかつての家を探しに行くことを決意する。越境文学の醍醐味が凝縮された一冊。第68回読売文学賞受賞作。
  • モビィ・ドール
    4.0
    東京から南へ二百二十キロ。太平洋に浮かぶ巌倉島は、イルカの棲む島として知られている。平和なこの小島で、動物行動学者・比嘉涼子は環境保護NPOの一員として、イルカの生態調査に従事していた。だがその平穏な日々は、突然出現したシャチの群に破られる。島のイルカたちを救うために、一頭のシャチ=モビィ・ドールへの追跡が始まった……。海に生きる生命を鮮やかに描く海洋小説の傑作。
  • 紅葉舞う 鬼女は伝説になった
    -
    1巻539円 (税込)
    鬼女紅葉伝説における「紅葉は鬼女か、貴女か――」その評価は分かれるところだが、これこそが本作の主要なテーマである。 紅葉が出身の会津を離れ、京に上るには理由がある。それは、朝廷を揺るがせた大事件に端を発していた。 その出生に謎を持つ紅葉は、父笹丸から仇討ちの謎を受け継ぐ。2つの謎が一向に解けぬまま、自身の生に終焉が近づいていることを覚る。 千年の古から伝わる伝説の謎に迫る長編小説、ここに刊行。
  • 紅葉山高校茶道部
    3.3
    1巻1,408円 (税込)
    ここは僕らの大切な場所 紅葉山高校茶道部部長・高2の桧山柊は二学期始業早々、 顧問から校内の茶室「紅葉楼(こうようろう)」の移転を告げられる。 紅葉山を借景に、池を抱く広い茶庭に四季折々の花が咲き、 観月にもふさわしいその茶室は、柊自身にも部員皆にもかけがえのない場所だった――。 「紅葉楼」を、そこでしか得られない時間を守るため、少年たちの熱い闘いが始まる!

    試し読み

    フォロー
  • 桃

    4.4
    父の通夜にきた女の、喪服からのぞいた襦袢の襟の色(「桃色」)。女が出て行ったあと、卓袱台のうえに残された腐りかけた桃の匂い(「桃--お葉の匂い」)。濃密で甘く官能的な果実をモチーフに紡ぎ出される八つの短編。

    試し読み

    フォロー
  • 桃色浄土
    4.0
    大正中期、四国の隔絶された漁村に突如、白い異国船が現れた。目的は高価な桃色珊瑚。乱獲により珊瑚は採れなくなって久しかったが、イタリア人のエンゾは海深く潜り珊瑚を探し続ける。そんな彼に強く惹かれていく海女のりんを、幼なじみの健士郎は複雑な気持で見つめていた。やがて採れないはずの珊瑚が発見されたことから、欲望にとり憑かれた若者たちが暴走し始める――。自然の厳粛さと人間の愛憎を描いた、傑作伝奇小説。
  • 桃色東京塔
    3.3
    警視庁捜査一課に配属されながら、事件で失敗し出世の道を閉ざされた黒田岳彦。一方、過疎の村にあるI県警上野山署捜査課係長の小倉日菜子は警官の夫を職務中に亡くしていた。捜査を通じて心を通わせてゆくが、いくつかの事件がふたりの距離を変えはじめる。悩み、葛藤する男女を描く「遠距離恋愛」警察小説。
  • 桃色まちおこし
    4.0
    1巻704円 (税込)
    史上最強の童貞、現る! 「食の次に大事なのはエロじゃろうが!」艶女(つやめ)町商店会の会長の鶴の一声で、AV監督の修業をすることになった知春(ともはる)。 さびれた商店街の復興策としてアダルトビデオのプロダクションを立ち上げる、ついては町の若者を一人選抜して東京に監督修業に向かわせようということになり、白羽の矢が立ったのだ。 てんやわんやのうちに東京に行き、業界の様々な人に話を聞いていく知春。だが彼は、エロいものに接するとすぐに鼻血が出てしまい、さらに興奮すると気絶してしまうというやっかいな体質の持ち主だった! こんなエロアレルギーの男に今回の任務が果たせるのか!? 現場で女優にキスされ気絶した知春だったが、目覚めて言われたのは「お前は史上最強の童貞だったんだ」という一言。なんと知春は気絶しているうちに……!? そして、高校の同級生だったるみ子、今はAV女優として活躍している百合丘レミと出会って……。 まちおこしの行方は、知春の運命は!? 『都立水商!』『史上最強の内閣』の著者がおくる、「ところどころホント!」(著者談)のAV純愛物語! カバーイラストは、2017年にも舞台(福田雄一/脚本・演出、安田顕/出演)が公開された「スマートモテリーマン」で知られる、SHU-THANG GRAFIX(浦野周平)氏描き下ろし。
  • モモコとうさぎ
    4.5
    モモコ、22歳。就活に失敗して、バイトもクビになって、そのまま大学卒業。もしかして私、誰からも必要とされてない――? 現代を生きる若者の不安と憂鬱と活路を見事に描きだした青春放浪記!
  • 桃尻娘
    4.0
    1~5巻555~705円 (税込)
    エットオ、あたし、榊原玲奈でェす。学校は都立で、団地暮し、モチ非処女。マ、平均的女子高校生なワケ。モロ受験生を真面目にやるか、つっぱって売春やるか、ンな凡庸な青春はたえらンない!! ――現代高校生の風俗をイキのいい毒舌体で捉え、猥雑のきわみに不逞な抵抗精神をのぞかせる異才のデビュー作。
  • ももずり  女記者 冴子
    -
    1巻495円 (税込)
    「それよッ! その腰の切れだわ。いい感じよ。これでばっちりいけるわよ。アン、あたしもいっちゃう…」――魅惑のふとももからフェロモンをまき散らす美人スポーツ記者・冴子。禁欲生活で腰の切れを失った各界の若手選手を、ぴっちり閉じた乳液まみれのふとももで昇天再生。ホントにするより気持ち好い~という、冴子必殺の“ももずり”とは~

    試し読み

    フォロー
  • 百瀬、こっちを向いて。
    4.0
    「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは――。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった…!」恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。
  • 桃仙人 小説 深沢七郎
    3.5
    「深沢さんはアクマのようにすてきな人でした」。斬り捨てられる恐怖と背中合わせの、甘美でひりひりした関係を通して、稀有な作家の素顔を描く。
  • もも、たま、いろ。
    -
    1巻1,100円 (税込)
    高校三年生の安藤珠子のあだ名は「たま」。恋愛未経験で誰も好きになったことがないたまだけど、あることをきっかけに「都会から来た」と評判の転校生・浅野君が、気になるように≪初めての恋≫。ライバルの登場や、お互いのすれ違いから想いをなかなか伝えることが出来ない。さらに、予期せぬ出来事がたまを襲って――。
  • 桃太郎の母 ―ある文化史的研究―
    -
    日本民俗学の成果を、比較民俗学的研究と結合することにより、歴史家の捨ててかえりみなかった昔話の中から、人類太古の大地母神の信仰を掘り出し、母性の姿を消しゆく過去の記憶から引き出して、人類文化史の重要な一側面に解明の光を投じた「桃太郎の母」ほか、「月と不死」「隠された太陽」「桑原考」「天馬の道」「穀母と穀神」の5編を収録。汎人類的な視野と精緻な方法論、豊富な文献の駆使によって、人類文化史の一側面に画期的考察を加えた名著。
  • 桃太郎は鬼ヶ島をもう一度襲撃することにした
    -
    世の中の「グレーゾーン」に切り込む著者が、古今東西の名作物語をパロディ化! ●鬼ヶ島に2度目の“襲撃”を試みる、自称ジャーナリストの桃太郎 ●最近スマホを購入した、「オオカミがでたぞ!」で有名な羊飼いの少年 など。 誰もが知っている15の物語をパロディ化しつつ、いまの日本の闇、問題点を痛烈に浮き彫りにする。 毒と風刺とユーモアが効いた「現代寓話集」。 ―― 読み始めるととまらない――! “視点”が一新される全15話 第1話 鬼ヶ島再襲撃 第2話 石のスープ 第3話 子供たちが屠殺ごっこをした話 第4話 雪女 第5話 ミダス王 第6話 オオカミと少年 第7話 パンドラ 第8話 金の斧 第9話 ハーメルンの笛吹き 第10話 注文の多い料理店 第11話 不思議の国のアリス 第12話 イザナギとイザナミ 第13話 アリとキリギリス 第14話 オオカミと七匹の子ヤギ 第15回 漁師とおかみさん  【著者プロフィール】 森達也 (もり・たつや) 1956年、広島県生まれ。 映画監督・作家・明治大学特任教授。 オウム真理教信者達の日常を映したドキュメンタリー映画「A」を公開。 ベルリン国際映画祭などに正式招待される。 続編「A2」では山形国際ドキュメンタリー映画祭において特別賞・市民賞を受賞。 2016年、作曲家・佐村河内守氏に密着・撮影した「FAKE」も大きな話題に。 「i-新聞記者ドキュメント-」は、キネマ旬報ベストテン(文化映画)1位を獲得。 作家としては、2010年に刊行した『A3』にて第33回講談社ノンフィクション賞を受賞。 他、著書に『放送禁止歌』(知恵の森)、『ニュースの深き欲望』(朝日新聞出版)、『ドキュメンタリーは嘘をつく』『死刑』(ともにKADOKAWA)、『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい』(講談社)など多数。
  • ももちゃんはパパと暮らしたい
    -
    1巻220円 (税込)
    5歳の女の子であるももちゃんは、ある秘密を隠しながら、「パパ」とふたりで仲良く暮らしていた。ささやかな日常以外望むものは何もないのに、足場が徐々に崩れだして――
  • 桃と灰色
    -
    1巻471円 (税込)
    一人暮らしを始めた女子大生、いきなり「物干し竿」がないことに気付き、戸惑ってしまう。一体どうすればいいのか。いまどきの女子のぎこちない生活を描いた作品。「第12回坊っちゃん文学賞」大賞受賞作。電子書籍として2012年1月に刊行。

    試し読み

    フォロー
  • 桃の侍、金剛のパトリオット
    3.7
    1900年、清朝末期の中国で、魔神の 「金剛力」 を秘めた子を産む運命を背負う 「桃源公主」 が産声をあげた。「香桃」 と名付けられた彼女は、神秘教団 「義和団」 の村で育つが、彼女を狙う清の将軍袁世凱の軍が村を襲撃する。だが香桃は村に潜んでいた旧長岡藩士鬼頭周蔵の機転で日本に亡命した。時は流れて1914年、浅草で占い小屋を営む書生、宇佐美俊介のもとに侍装束の少女が現れ、彼の占い札に妖力が宿っていることを告げる。彼女の正体は成長した香桃だった――。日本近代、辛亥革命、そして世界大戦――激動の極東に渦巻く謀略の最中に繰り広げられる歴史伝奇浪漫!
  • 桃の花
    -
    1巻178円 (税込)
    短編ながらも登場人物にそれぞれ奥深さがあり、物語に入り込みやすい小説。
  • モモ100%
    3.4
    1巻1,595円 (税込)
    モモの退屈な日常に彗星のごとく現れた、運命のトリックスター・星野。嘘つきな彼との命綱みたいな恋、別れ、そして出会い――。愛すべき文体で綴られた、少女漫画小説!文藝賞受賞第一作。
  • ももへの手紙
    3.8
    “ももへ”それだけを書き遺し、仲直りできずに亡くなった父。それから母・いく子と瀬戸内の島に引っ越してきたももは、田舎の生活にも馴染めず、しずんだ日々を送っていた。そんなとき現れたイワ・カワ・マメの3妖怪! 身勝手な彼らに振り回される中で、ももはいく子とすれ違い喧嘩をしてしまうが、直後、いく子が病に倒れて!? 蘇る父の記憶。母を救うため嵐の中へ走り出すももに、奇跡が起きる──。心に響く家族の愛の物語。
  • 桃 もうひとつのツ、イ、ラ、ク
    3.9
    許されぬ恋。背徳の純粋。誰もが目を背け、傷ついた――。胸に潜む遠い日の痛み。『ツ、イ、ラ、ク』のあの出来事を6人の男女はどう見つめ、どんな時間を歩んできたのか。表題作「桃」を含む6編を収録。
  • 萌野
    -
    ニューヨークで、はじめて親となろうとしている息子夫婦に対する微妙な心情と、18年ぶりにアメリカを再訪したその父親の文明批評的視点を交錯させて、知的関心の全領域を、「人間的な親和の文章」でつづる。自在な形式と、鋭い洞察力により、不滅の作家精神を実証した、強靱な文学境域。
  • 燃ゆる命のおとずれ
    -
    1巻367円 (税込)
    高校受験を目の前に苛立ちを覚える達也、そしてそんな息子を追いつめていく母悦子。二人の心は灰色に染まりつつあった・・・。しかし、不思議な女性との出会いによって、変わっていく。子を持つすべての親へ送る心温まる一冊。
  • 燃ゆる樹影
    値引きあり
    3.7
    八ヶ岳の麓にあるアカマツの診察を終えた樹木医の沢村は、自身のホームページを通して知り合った陽子という若い娘を見舞うため、諏訪湖畔にある病院へ向かった。和やかな面会の最中、陽子の母親が病室に入ってきたが、彼女は、二十数年前、愛し合い、片時も離れたくないと思っていた美枝子だった。運命の再会を果たしてしまった55歳の樹木医と46歳の画廊喫茶の女店主。情趣豊かな風景の中で燃えあがる恋情を描く、珠玉の恋愛小説。
  • 萌ゆるとき<新装版>
    3.0
    1巻550円 (税込)
    さよなら童貞、青春大爆発。こんなおばさんじゃいやかしら・・・・? ・・・若い、元気よ、ああ、なんてこと! 「ねぇ、ここ、猥らしいでしょ?いいのよ、ちょうだい、いっぱいよ!」黒崎潤平、高校二年生。彼女ナシ。純情を貫き通そうと女を拒んでいたのだが、それが大人の女の股間を疼かせ、欲情を駆り立てる。年上の女たちに翻弄されつつ性長する潤平。
  • 燃ゆるとき
    4.1
    1巻638円 (税込)
    わずか4パーセントの生存率といわれるノモンハンの激戦を生き抜いた森和夫は、「どんな苦労も苦労のうちに入らない」と、築地魚市場の片隅に従業員4人で起業した。商社の横暴、ライバル起業との特許抗争、米国進出の苦難を乗り越え、東洋水産は、「マルちゃん」のブランドと「赤いきつね」のCMで知られる大企業へと育つ。「運命共同体」を経営理念に、創業以来社員と共に歩んだ経営者の情熱と成功を実名で描く、経済小説の傑作。
  • 燃ゆるときシリーズ【2冊 合本版】 『燃ゆるとき』+『新・燃ゆるとき ザ エクセレント カンパニー』
    -
    1巻1,210円 (税込)
    築地魚市場の片隅に興した零細企業が、「マルちゃん」ブランドで一部上場企業に育つまでを描く。東洋水産の創業者・森和夫は「社員を大事にする」経営理念のもと、様々な障壁を乗り越えてゆく実名経済小説。【2冊 合本版】になって登場!
  • 新・燃ゆるとき ザ エクセレント カンパニー
    3.5
    1巻726円 (税込)
    「サンマル」のブランドで知られる大手食品メーカー東邦水産は、サンマル・INCを立ち上げ、即席麺の米国市場に進出した。長年悩まされた赤字からもようやく脱却し、第二工場も稼働を開始するが、セクハラ問題、ユニオン対策など、従業員の文化の違いに直面する…。山積する問題に、「事業は人なり」の理念で臨んだ結果は、米国市場トップシェアの獲得だった! 市場原理主義を標榜する米国で、日本型経営の成功を描く力作長編。
  • もらとりあむタマ子
    4.0
    山下敦弘監督・前田敦子主演で話題となった映画『もらとりあむタマ子』のノベライズ版!“もらとりあむ”以前のタマ子の東京生活が明かされる!?「大学を卒業しながら就職もせずに、父一人で暮らす実家に戻ってぐうたらな日々を過ごす女の子・タマ子。秋から冬へ、春から夏へと季節はめぐり、タマ子は新たな一歩を踏み出せるのか?」山下敦弘監督、前田敦子主演、主題歌・星野 源の最強コラボレーションが話題の映画「もらとりあむタマ子」、山下敦弘監督、脚本家・向井康介の原案設定を元に、ドラマ「相棒」、「炎神戦隊ゴーオンジャー」などの脚本を手掛ける波多野 都がノベライズ。東京での生活など映画では描かれなかったエピソードもたっぷりの、もっと知りたかったタマ子の世界がここにあります!

    試し読み

    フォロー
  • モラトリアムな季節
    3.0
    大学受験に失敗した和也は予備校に通うため仙台で独り暮らしを始めた。小学5年生のときに4ヵ月だけ住んだO町での思い出が真っ先に心に浮かんだ。閉塞した浪人生活に悩む和也の前に、初恋の相手であるナオミが現れる。高校時代の彼女とも、よりを戻しつつある和也の心は激しく揺れ動く――。昭和五十年代を舞台に、混沌とした青春期を瑞々しく描いた成長物語。
  • 森

    -
    明治33年、15歳の菊地加根は九州から東京の森の学園・日本女学院に入学した。恋愛、友情、嫉妬……、「新しい女性」の理想を掲げた自由な校風の下、加根を取りまく女学生たちの青春の姿が細やかに描かれ、明治の群像が瑞々しく蘇る。女性たちの自立への物語であると同時に、幕末から明治30年代に至る文化史でもある豊潤なロマネスク小説。近代日本の百年を生きた著者の最後の大作。
  • モリオ
    3.8
    1巻1,100円 (税込)
    映画『かもめ食堂』『めがね』『トイレット』の荻上直子監督、初の小説集! 母の足踏みミシンが大好きだったモリオの憧れは、花柄のスカートをはくこと。でもそんな自分を肯定できない(表題作)。末期癌の猫の面倒を見ているうちに、「僕」は自分に「猫と心を通わせる力」があることに気づく(「エウとシャチョウ」)。コンプレックスに苛まれる者たちが再生していく姿を、優しくユーモラスに描く、透明感に溢れた荻上ワールド。
  • 森鴎外『舞姫』を読む(文芸漫談コレクション)
    -
    「外国に行き、お金に困っている年端もいかない女の子を援助しているうちに、彼女が妊娠しちゃって、でも捨てて帰ってくる話ですから。…これ以上ない、ゲスな話だ。」(いとう)。今回は、新聞や週刊誌に書き立てられたら大変なことになっていたであろう、森鴎外の『舞姫』を読む。芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2016年11月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。
  • 森から出てこなかった男
    完結
    -
    全1巻275円 (税込)
    生命とはなにか、自分とはなにか。 人はその答えを、大自然を学びつくすことから得ようと試みる。 片岡義男の作品の中にはしばしば、北米大陸の自然を相手に 文明を最小限に切り詰め、自給自足の生活をおくる人々が現れる。 これもまさしくその系譜につらなる短編だ。 ティーンエージャーの頃から、シエラ・ネヴァダの大自然こそ 自分が身を置くべき場所だという天啓を得て、14年の歳月を過ごし、 その後、アラスカに移動して志を同じくする仲間たちと 山荘を作った男がこの小説の主人公だ。そこにはおそらく ヘンリー・デヴィッド・ソローや、シエラ・ネヴァダの大自然を 守ることに一生をかけたジョン・ミューアの魂がこだましている。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
  • 森があふれる
    3.4
    1巻1,540円 (税込)
    作家の夫に小説の題材にされ、書くことを通じて奪われ続けてきた主婦の琉生はある日、大量の植物の種を飲んで発芽、やがて家をのみ込む森と化し――夫婦の犠牲と呪いに立ち向かった傑作。
  • 森がわたしを呼んでいる
    4.0
    父を亡くし、母と暮らす中学生の佐知子。真夜中に激しい地震があった翌々朝、自宅の周囲には突然、深い森が広がっていた。折しも母は仕事で海外へ。ひとりぼっちの佐知子に次々と迫る危険な影は、森の誕生の秘密と関わっているのか。そのとき、追い詰められた佐知子の耳に、亡き父の声と鳥の羽ばたきが聞こえてきた――。生と死が交錯する不思議の森の深奥で佐知子が出会ったものは。

    試し読み

    フォロー
  • 森家の討ち入り
    4.0
    赤穂四十七士――その中に、津山森家に縁が深いものたちがいた。神崎与五郎、横川勘平、茅野和助。彼らはそれぞれの理由から、赤穂藩主・浅野長矩に仕え、刃傷事件からの吉良邸討ち入り、そして最後は帰らぬ人となった。忠義のために生きた彼らと、そこには彼らを支える、「女」たちの戦いもあった。それぞれの忠義のために、己の生き様を貫いた男と女の姿が、そこにはあった――。新たな忠臣蔵の傑作が、ついに登場。『与五郎の妻』ゆいは5年前まで江戸詰めの夫と目黒の下屋敷で暮らしていた。ところが騒乱のせいで津山森家が改易、夫とは離縁を余儀なくされる。一度は実家へ戻ったゆいだったが、再び嫁ぎ、今は江戸作事奉行の妻となっていた。前の夫―神崎与五郎の消息は分からぬまま、日々淡々と過ごしていた。そんなゆいのもとに、謎の人物から、森家の家紋が入った扇が届けられた。一体誰が、何のために。そして前の夫は――。『和助の恋』国家老の密命を帯びた茅野和助は先代の死去に伴い、津山森家の家督を継ぐことになった式部衆利のもとへ急いでいた。その道中、何ものかに襲われる。そこに通りがかった、赤穂浅野家の陣屋に住まう郡奉行・吉田忠左衛門一行により助けられる。そこで和助は手厚い看護を、伊登から受ける。『里和と勘平』里和は津山森家存亡の危機を阻止するため、御犬小屋に忍び込んだ。そこで出会ったのは、かつて思い合っていた横川勘平、その人だった。遂げられれなかった思いが再燃する二人。だが、今は立場があまりにも違う二人がとった道は――。他2編収録。
  • 森崎書店の日々
    4.0
    本の街・神保町を舞台にした青春恋愛映画の原作小説。交際を始めて1年になる恋人から、突然、「他の女性と結婚することになった」と告げられた貴子は、深く傷ついて、ただ泣き暮らす毎日を送ることになった。職場恋愛だったために会社も辞めることになった貴子は、恋人と仕事をいっぺんに失うことに。そんなとき叔父のサトルから貴子に電話がかかる。叔父は40代、奥さんの桃子さんに家出され、ひとりで神保町で「森崎書店」という古書店を経営していた。飄々としてつかみどころがなく、親類の間では変人として通っていたサトル叔父、小さい頃は貴子も遊んでもらったこともあったものの、ここ数年は交流はなかった。その叔父からの連絡は、「店に住んで、仕事を手伝って欲しい」というものだった。誰かの救いを求めていた貴子は、叔父の申し出を受け入れて、本の街のど真ん中に住むことになった――。物語の1年半後を描いた続編小説「桃子さんの帰還」も収録。

    試し読み

    フォロー
  • 相剋の森
    3.9
    1~2巻825円 (税込)
    「山は半分殺してちょうどいい――」現代の狩人であるマタギを取材していた編集者・美佐子は動物写真家の吉本から教えられたその言葉に衝撃を受ける。山を殺すとは何を意味するのか? 人間はなぜ他の生き物を殺すのか? 果たして自然との真の共生とは可能なのか――。直木賞・山本賞受賞作『邂逅の森』に連なる「森」シリーズの第一弾。大自然と対峙する人間たちを描いて感動を呼ぶ傑作長編。
  • 森田博のファンタジー小説集「幸作と幸子と閻魔大王」
    -
    1巻506円 (税込)
    宇宙の創世を描いたSFファンタジー小説「二人の酔っぱらい」「仙人候補生」と姉弟、「幸作と幸子と閻魔大王」など 色んなジャンルの楽しい小説集となっております。ちょうど上方落語の「高津の富」のような何度聞いても笑ってしまう作品群だと思います。
  • 森に眠る魚
    4.0
    1巻605円 (税込)
    東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通してしだいに心を許しあうが、いつしかその関係性は変容していた。あの子さえいなければ。私さえいなければ…。凄みある筆致であぶりだした、現代に生きる母親たちの深い孤独と痛み。衝撃の母子小説。
  • 森の家
    4.0
    自由のない家族関係を嫌う美里は、一回り年上の恋人と彼の息子が住む家に転がりこむ。お互いに深く干渉しない気ままな生活を楽しむ美里だったが、突然の恋人の失踪でそれは破られた。崩壊寸前の疑似家族は恢復するのか? 血の繋がりを憎むのに、それを諦めきれない三人。「家族という概念は放浪の旅に似ている。人はまるで終わりのない旅のように、いつまでも本当に安らげる自分の居場所を探していく」――千早茜
  • 森の王様
    -
    1巻1,045円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 元特攻隊員と老右翼理論家との対峙を通して、日本民族にとっての不可避の主題「死の哲学」を究明した衝撃作「散華」の他に、初期詩篇・初期小説・未完作・習作、さらに「散華」をめぐる埴谷雄高との往復書簡などを収録。高橋和巳の人と文学の原点を明かす愛読者必読の巻。
  • 森の奥の怪しい家
    -
    嫁をもらえと口うるさい母親との生活に、ストレスが溜り気味の慎太郎。代々、オーナーが夜逃げする、森の奥のペンションの新しい経営者と知り合ったところから、なにやら周辺が騒がしく、色っぽい話もチラホラと……。素朴な青年が遭遇する不思議なふれあい、ひなびた山村で繰り広げられるユーモアとペーソスに溢れる豊かな人間模様、心やさしい人々が織りなす心温まる珍騒動の数々。
  • 森の乙女と神殿騎士
    -
    1巻550円 (税込)
    アルメリアは記憶を失い、ずぶ濡れの冷え切った身体をアネモスに助けられる。二人は森に住む夫婦と言われるが何も覚えていない。夜の営みにも慣れた頃、村人から雨が降らないことを教えられる。何十年かに一度の厄災。それを救えるのは神殿の巫女だけ。しかしアネモスは何も教えてくれないばかりか、アルメリアを閉じ込めてしまう。もう誰を信じたらいいのか。守ってくれるのは誰。記憶が戻ったとき、始めて知る真実の愛。騎士隊長とアネモスの決闘。勝つのはどちら。そして厄災からみんなを救えるのか。
  • 杜ノ国の神隠し
    3.0
    1~2巻825~847円 (税込)
    壮大な物語が、はじまる。 文庫オリジナル書下ろし 古代和風ファンタジー 真っ赤な炎が目に入る。 ここは、どこ――。 大学生の真織は、どこか神社のような暗がりのなかで、“その少年”に出逢う。 生き神としてまつられる神王・玉響に。 「これぞファンタジー。とにかく面白かった」(書店員) 「情景描写が優れていて、非現実的な世界が想像しやすい」(図書館員) 父母を亡くした二十歳の大学生・真織は、ふしぎな光に誘われ、春夏秋冬の豊かな森にのびた真っ白な道を通りぬける。 真っ赤な炎と袴姿の少年。 神社の境内のような場所で“何か”が行われている。 「誰かいるのか?」と呼ぶ声が――。 いま、壮大な物語の幕が上がる。 古代和風ファンタジー、登場! 〈文庫書下ろし〉
  • 森のシェフぶたぶた
    3.8
    森の中に建つ人気のオーベルジュ(=泊まって食事を楽しむレストラン)、ル・ミステール。そこには、泊まった人にしかわからない「謎」があるらしい。ちょっと変わった名前のシェフが、四季の美味しい料理で出迎えてくれるというけれど……? 中身は心優しい中年男性、外見はぶたのぬいぐるみ。山崎ぶたぶたが大活躍。読めば元気になれる、大ヒット・ファンタジー!
  • 森のなかの海(上)
    4.2
    1~2巻660円 (税込)
    阪神淡路(はんしんあわじ)地区を大地震が襲った日、36歳の仙田希美子(せんだきみこ)の平穏な人生も崩壊を始めた。夫は地震の直後に愛人のもとへ行き、姑(しゅうとめ)もその存在を認めていたのだった。離婚を決意した希美子は、両親や妹たちに支えられ再出発をはかる。やがて、学生時代に知り合った老婦人、毛利カナ江から奥飛騨の広大な森と山荘を相続し、息子二人と移り住むことに。現代に希望の光を与える大作。

    試し読み

    フォロー
  • 森のなかのママ
    4.0
    画家だったパパの突然の死から五年。浮き世離れしたママと、美術館に改装した家で暮らす大学生のいずみ。離れの間借り人、渋い老人の伏見に恋しているが、伏見はじめ美術館に出入りする男たちはみなママに夢中だ。ある日、放映されたパパのドキュメンタリー番組に、パパの愛人が出演していた……。なにが起ころうと否応なしに続いていく人生と渡り合うために、ママがとった意外な行動とは――。
  • 森のはずれで
    3.0
    1巻1,527円 (税込)
    「九年前の祈り」で152回芥川賞を受賞した小野正嗣の原点。 異国の森のはずれに、幼い息子と住む「ぼく」。妻は第二子を出産するため実家へと旅立った。やがて森から不思議な物音が響き、次々に異形の者が現われる。妻は帰ってこない……。 在るべきものの不在、あり得べからざるものの出現、行くべき場所はなく、帰る家もない者の不安と焦燥、ささやかな慰藉。連作形式で描出される「奇妙な時間と空間の裂け目の中に生きる」父子は、私たちとどこか似てはいないか。新芥川賞作家、渾身の意欲作です。
  • 杜の都であやかし保護猫カフェ
    3.0
    1巻803円 (税込)
    東京での社畜生活に疲れ、杜の都・仙台から少し離れた港町の実家でニート生活を送っていた美琴は、散歩の途中で保健所に連れていかれそうになっていた猫を助ける。アレルギーを持つ母のため、家で飼えない美琴は、商店街に開店したと聞く「保護猫茶房・猫又」へ……。そこにいたのは、妖しいほどの美貌を持つ青年店主・透真と、もふもふ白猫の銀之助。実は、この保護猫カフェには、ある秘密が隠されていた! しかも、美琴は「猫にまつわる力」を見込まれアルバイトとして働くことになり――。ひと癖もふた癖もある保護猫たちと、さまざまな事情を抱えたお客様。猫たちのしあわせな“ニャン生”のため、本日も「保護猫茶房・猫又」営業中です!
  • 森は知っている
    4.1
    南の島で知子ばあさんと暮らす十七歳の鷹野一彦。体育祭に興じ、初恋に胸を高鳴らせるような普通の高校生活だが、その裏では某諜報機関の過酷な訓練を受けている。ある日、同じ境遇の親友・柳が一通の手紙を残して姿を消した。逃亡、裏切り、それとも――!?その行方を案じながらも、鷹野は訓練の最終テストとなる初ミッションに挑むが……。
  • 森博嗣「日々」ブログ5冊合本
    -
    1巻4,950円 (税込)
    小説家・森博嗣は日々何を思い、考えているのか? 2017年7月7日~2019年12月31日までの毎日の仕事、遊び、思考の詳細。 森博嗣堂浮遊書店ブログ「店主の雑駁」からの書籍化5作品が合本に。 ◆収録作品 『森籠もりの日々』 『森遊びの日々』 『森語りの日々』 『森心地の日々』 『森メトリィの日々』
  • 森へ行きましょう
    3.8
    川上弘美さんの恋愛と結婚を描いた長編小説。一気読み必至の傑作です。 主人公は1966年ひのえうまの同じ日に生まれた留津とルツ。このパラレルワールドに生きるふたりの女性は、いたかもしれないもうひとりの「自分」。それは読者のあなたのもうひとりの「自分」かもしれませんし、留津とルツの恋人や夫も読者のあなたのもうひとりの「自分」かもしれません。 主人公の2人のように「いつかは通る道」を見失った世代の女性たちのゆくてには無数の岐路があり、選択がなされます。選ぶ。判断する。突き進む。後悔する。また選ぶ。進学、就職、仕事か結婚か、子供を生むか……そのとき、選んだ道のすぐそばを歩いているのは、誰なのか。少女から50歳を迎えるまでの恋愛と結婚が、留津とルツの人生にもたらしたものとは、はたして―― 道は何本にも分かれて、つながっていて、いつの間にか迷って、帰れなくなって……だからこそ「人生という森は深く、愉悦に満ちている」。
  • 森をひらいて
    3.7
    1巻1,540円 (税込)
    手を繋ごう。この戦争を逃れて、私たちは生きる。生き延びる――。外界と隔絶された学園で寮生活を送る少女たちの間で流行する、「森を作る」という遊び。誰もが森を持つ中、揺は一人だけ森を作ることができない。思い悩む揺だったが、激化する戦争の影が学園にも忍び寄る。自らの生きる道を求めて、揺はある賭けに出る……。
  • モルダウの黄昏・HoLEP ―前立腺肥大と向き合った男の物語
    -
    1巻770円 (税込)
    前立腺肥大症は、男性特有の疾患である。患者数は年々増加し、1990年に約25万人だった実際に治療を受けた患者数は、2002年には約40万人と急増。今日、潜在的には50歳以上の男性5人に1人、約480万人がこの疾患で悩んでいると言われている。前立腺肥大症の手術をすると、代償として男性の性的機能の喪失。たくさんの患者を悩ましてきたが、最近、ホルミウムヤグレーザーを用いた内視鏡下の前立腺核出術「HoLEP(ホーレップ:holmium laser enucleation of the prostate)」が、この疾患で悩む人びとの福音となって登場。 HoLEPという手術では、大きな前立腺症例に対しても輸血の必要がなく安全に施行でき有用性が高くしかも、入院期間も大幅に短縮。その上に、男性の性的機能を損なうリスクがかなり軽減。その新しい手術法を著者が受け、身をもってその効果を確認。本書は、前立腺肥大症に悩んだ著者の体験を通して、男としての性を悩み、夢を見つづけて止まない男の黄昏と本音、男が能力喪失を決して認めないその機微を描いたセミ官能小説。「男と女」という関係が、近くて遠い人間社会の永遠の謎であることを感じさせる。本書の背景には、遠くスメタナの「モルダウ」が聞こえている。
  • モルヒネ
    3.4
    結婚間近の医師・藤原真紀の前に、7年前、黙って姿を消した恋人・倉橋克秀が現れた。オランダでピアニストとして活躍しているはずの彼が、なぜ突然?やがて、克秀が余命3ヶ月の末期癌であることが発覚した…。書店発、話題のベストセラー、ついに電子化!

    試し読み

    フォロー
  • モンキーアイランド・ホテル
    4.0
    骨董商の海都譲治が、その奇妙な名前のホテルを訪れたのは、10年ぶりのことだった。スコットランドの静かなホテルで、偶然出会った若く美しい日本人女性との、めくるめく日々――それが、彼をおびやかすことになろうとは……。という表題作のほかに、『奇跡』。名翻訳家が初めて挑戦する、ミステリー仕立ての珠玉の作品集。
  • 紋章
    -
    自意識の分裂に悩み戸惑う知識人の久内と、狂気のような熱情をこめて醸造技術の発明に没頭する一途な男雁金。ふたりの対照的な成り行きに、近代の合理的な人間認識と"日本精神というもの"との相剋を見る。漱石、芥川以来の「西欧的近代と向き合う人間」というテーマを内包しつつ、"第四人称"の「私」という独自のスタイルで物語る。晩年の『旅愁』へと向う前の著者中頃の代表的長篇小説。
  • モンスターと食卓を
    4.2
    1~3巻660~682円 (税込)
    杉石有(なお)は、研修医時代のある出来事によるトラウマを抱えつつ法医学者として暮らしている。そんな彼が突然恩師から託されたのは、美しすぎる非常識な青年シリカ。果たして奇妙な同居生活が始まり……
  • モンスターハンター ストーリーズ2 ~破滅の翼~公式ヴィジュアルブック
    -
    紡がれし絆の記憶……。 『モンスターハンター』の世界で描かれる王道RPG第2弾『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』のヴィジュアルを余すことなく詰め込んだ1冊。主人公や破滅レウスをはじめ、登場するキャラクターやモンスターたちのヴィジュアルや設定を開発スタッフのコメントとともに掲載。 その世界観の設定画、あの迫力満点のムービーの絵コンテなど、設定資料ももりだくさん。さらに! 描き下ろしイラストまで収録したファンなら必携のヴィジュアルブックです。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • モンスター・ライド
    完結
    -
    全1巻275円 (税込)
    1人の男の死を悼むために、 モーターサイクリストたちは続々と小さな町にやってくる。 人口わずか1800人の小さな町・ウィリアムズ。 そこにある日、数百人規模のモーターサイクリストたちが終結する。 ただならぬエンジン音。見慣れぬ男たち。 平穏な町にとっての異常事態に、警察も非常体制を取る。 しかし、彼ら彼女らの目的はただ一つ。 敬愛するライダー、モンスター・ジョーの葬儀を心をこめて執り行うことだけだ。 葬儀の際の、静けさと爆音。静と動の鮮やかな交代劇。 町に大きな刻印を残したかに見えた轟音もライダーたちも やがて空気のように去っていく。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
  • 門前金融(『歩兵の本領』講談社文庫所収)
    -
    自衛隊員専用の高利貸「青年援護会」から法外な利息で三万円の借金をした。信じがたい安月給、きつい訓練、日課となっている「いわれなき体罰」。好きで入ったわけじゃない自衛隊だけど、一等陸士赤間三郎は思うのだ、娑婆ではみんなそれぞれによんどころない事情を抱えているんだと。浅田次郎が自らの自衛隊体験を活写した、涙と笑いの青春グラフィティ! 『歩兵の本領』所収。
  • 問題のあるレストラン 1
    5.0
    1~2巻880円 (税込)
    男社会のなかでポンコツのレッテルを貼られた7人の女は、どん底から這い上がるためにレストランを開き、共通の敵である男たちに戦いを挑む。それは、まるで気の合わない、問題のある女たちによる問題のあるレストランだったが、ダメなレストランではなかった―。店を続ける苦難と戦いながら、人生を変えるレシピを探す彼女たちの運命は?
  • 門をくぐる
    3.0
    1巻1,144円 (税込)
    自分の人生を振り返り、天国逝きだと胸を張れる人間が、どれだけいるのだろう。 人と人との確かな絆――命、つながり――を描いた文学作品。 初めは夢だと思った―― 男が目覚めたのは、水面にたゆたう小舟のなか。古い装束をまとった船頭と二人きりの妖しい道行き。その過程で徐々に明かされていく衝撃の事実。 人生を振り返るなかで、人はなにを取り戻したいと思うのか。なにが正しかったと言えるのか。いま、ふたたびまみえる「高瀬舟」の世界。

    試し読み

    フォロー
  • モーツァルト
    -
    1巻660円 (税込)
    モーツァルトの人と音楽とその演奏を、示唆深くつづって興趣つきない、音楽ファン待望の書――稀有の天才モーツァルトを深く敬愛する、当代随一の音楽評論家・吉田秀和氏の、格調高い示唆あふれる評論集。モーツァルトの生涯と音楽をエピソード豊かに語り、卓越した個性の全体像を明快に描く、透徹した知性と鋭敏な感性に満ちた、音楽ファン必読の書。交響曲、協奏曲など、作品への傾倒ぶりを、味わい深い名文でつづる!
  • モーツァルト荘
    4.0
    都会を捨てた一家が静かな高原で営むペンション〈モーツァルト荘〉。ラジカセのロックで踊り狂い、奇妙な忘れものを残していく若夫婦、駆け落ちカップルを囲む不思議な晩餐会、月夜に前庭で舞う裸婦、そしてクリスマス・イブに化けて出るのは狐?四季折々、訪れる老若男女が起こしていく事件ともいえない波紋の数々―。彼らが奏でる人生の協奏曲を円熟の筆で伝える連作小説集。
  • モーテル0467 鎌倉物語
    3.0
    あの夏が終わるとき、ぼくらの青春も終わる 夏でも秋でもない今、夏が終わる瞬間。ぼくたちの引きのばされた青春も終ったのだろうか――モーテル0467は江の島を望む七里ヶ浜の丘にある。本当の名前は「七里ヶ浜ホテル」。祐介が、亡くなった父の後を継いでこのホテルの支配人になった頃、古い洋館の看板は剥げ落ちて、残されたのはHOTELの文字と0467-22-○○○○という電話番号だけだった。しかも、Hの文字はMと見分けがつかない。以来、ここは、「モーテル0467」と呼ばれるようになった。 祐介の”恋人未満”の同級生洋子、姉の七里、飲み仲間の俊也と健太、バーの主人・徹。そして長期滞在者の梅ばあさんに、ある日突然飛び込んできたハワイ帰りのおっさん竜二、家出してきた美女・詩織。どこかわけありな人たちを、湘南の四季を背景に生き生きと描いた傑作長篇小説。  解説は小説家の亀和田武さん。

    試し読み

    フォロー
  • モーニング Mourning
    3.9
    20数年ぶり、親友の葬儀で福岡に集まったのは、大学時代の4年間、共同生活を送った3人の仲間と私。葬儀を終え、1人の仲間が言う。「レンタカーで帰って自殺する」。――思いとどまらせるため、私たちは一緒に東京まで帰る決意をし、あの頃へ遡行するロングドライブが始まった。それは同時に、心の奥底に沈めた出来事を浮上させることになるが……。

    試し読み

    フォロー
  • モーニングサービス
    3.3
    1巻1,320円 (税込)
    浅草は観音裏、昭和の香りを色濃く残す喫茶店「カサブランカ」。美味いコーヒーと亭主夫妻の人柄に惹かれ、今日もまた、風変わりな客たちがやってくる。芸者の大姐さん、吉原の泡姫、秘密を抱えた医大生……それぞれの複雑な事情がカップの湯気に溶け、そっと飲み干せば少し力が湧いてくる。疲れた心がじんわり温もる人情連作集。

    試し読み

    フォロー
  • MOMENT
    4.2
    死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら……。病院でバイトをする大学生の「僕」。ある末期患者の願いを叶えた事から、彼の元には患者たちの最後の願いが寄せられるようになる。恋心、家族への愛、死に対する恐怖、そして癒えることのない深い悲しみ。願いに込められた命の真実に彼の心は揺れ動く。ひとは人生の終わりに誰を想い、何を願うのか。そこにある小さいけれど確かな希望――。静かに胸を打つ物語。
  • ヤア爺とあまがえる君
    -
    1巻880円 (税込)
    畑を耕したり、家でのんびり過ごしたりと自由気ままに暮らすヤア爺は、庭に住みついていたあまがえると出会った。自分の考えや実体験などを訥々と話すヤア爺に対し、それらを受け入れながらもクールに返すあまがえる君。日を追うごとに交流を深めていく夏、冬眠するあまがえるに心で話しかける冬。移り変わる季節と、変わらない2人の関係を描く。

    試し読み

    フォロー

最近チェックした本