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それを小説と呼ぶ
「批評」の終幕、そして「小説」の到来。小説という問題への探求、その思考の足跡をすべて刻んだ文芸批評家としての最後の主著。 これは「小説」の到来をめぐる書物である。「小説」は誰かに(私に?)よって書かれるのではなく、 誰かのところに、私のところに、或る時、とつぜんにやってくるのだ。 私はそう思っている。 ――あとがきより ボルヘス、高山羽根子、ウィトゲンシュタイン、円城塔、保坂和志、 マルクス・ガブリエル、筒井康隆、ゴダール、セザンヌ、ロラン・バルトetc. 「世界」「神」「無限」――、マクロなテーマについて思考することが、 いつのまにか「小説」の到来を呼び込む、そんな目論見に沿った論述は、どこに向かうのか? -
アメリカーナ 上下合本版
高校時代に永遠の愛を約束したイフェメルとオビンゼ。アメリカ留学を目指す二人の前に、現実の壁が立ちはだかる。オビンゼと離れてアメリカに渡ったイフェメルを待っていたのは、階級、イデオロギー、人種で色分けされた、想像すらしたことのない世界だった。やがて、人種問題を扱う先鋭的なブログの書き手として注目を集めるイフェメル。一方オビンゼは、イギリスからナイジェリアに帰郷し、不動産取引で巨万の富を得て、美しい妻や娘と優雅に暮らしていた。別々の道を歩んだかつての恋人たちに、再会の時が訪れる。全米批評家協会賞受賞の長篇代表作。 ※本電子書籍は、「アメリカーナ 上・下」の合本版です。 -
茶匠と探偵
星々は語らない。淡く見えるとも強く輝く―― 探偵と元軍艦の宇宙船がコンビを組み 深宇宙(ディープ・スペーシズ)での事件を解決する表題作の他、 異文化に適応しようとした女性が偽りの自分に飲み込まれる「包嚢」、 宇宙船を身籠った女性と船の設計士の交流を描く「船を造る者たち」、 少女がおとぎ話の真実を知る「竜が太陽から飛びだす時」。 “アジアの宇宙”であるシュヤ宇宙を舞台に紡ぐ全9篇。 現代SFの最前線に立つ作家、日本初の短篇集。 【収録作品一覧】 「蝶々、黎明に墜ちて」(“Butterfly, Falling at Dawn”) 「船を造る者たち」(“The Shipmaker”) 2010年度英国SF協会賞最優秀短篇部門受賞 「包嚢」(“Immersion”) 2013年度ネビュラ賞短篇部門受賞、ローカス賞最優秀短篇部門受賞/2012年度英国SF協会賞最優秀短篇部門最終候補、 2013年度ヒューゴー賞最優秀短篇部門候補、2013年度シオドア・スタージョン記念賞候補 「星々は待っている」(“The Waiting Stars”) 2014年度ネビュラ賞ノヴェレット部門受賞/2014年度ヒューゴー賞最優秀ノヴェレット部門候補、 2014年度ローカス賞最優秀ノヴェレット部門候補 「形見」(“Memorials”) 2015年度ローカス賞最優秀ノヴェレット部門候補 「哀しみの杯三つ、星明かりのもとで」(“Three Cups of Grief, by Starlight”) 2015年度英国SF協会賞最優秀短篇部門受賞、2018年度イグノータス賞翻訳短篇賞受賞/2016年度ローカス賞最優秀短篇部門候補、2016年度ユージイ・フォスター記念賞候補 「魂魄回収」(“A Salvaging of Ghosts”) 2017年度ローカス賞最優秀短篇部門候補 「竜の太陽から飛びだす時」(“The Dragon That Flew Out of the Sun”) 「茶匠と探偵」(“The Tea Master and the Detective”) 2019年度ネビュラ賞ノヴェラ部門受賞、2019年度英国幻想文学大賞ノヴェラ部門受賞 /2019年度ヒューゴー賞最優秀ノヴェラ部門候補作、2019年度ローカス賞最優秀ノヴェラ部門候補作、 2019年度世界幻想文学大賞最優秀ノヴェラ部門候補作 内容(「BOOK」データベースより) 探偵と元軍鑑の宇宙船がコンビを組み深宇宙での事件を解決する表題作他、異文化に適応しようとした女性が偽りの自分に飲み込まれる「包嚢」、宇宙船を身籠った女性と船の設計士の交流を描く「船を造る者たち」、少女がおとぎ話の真実を知る「竜が太陽から飛びだす時」など、“アジアの宇宙”であるシュヤ宇宙を舞台に紡ぐ全9篇。現代SFの最前線に立つ作家、日本初の短篇集。2019年度ネビュラ賞を受賞した表題作他、ローカス賞・英国SF協会賞受賞作を含む。 -
芭蕉全発句
国文学に通暁し、実作と研究双方のよき理解者たる文芸評論家が、渾身の情熱を注いで正面から俳聖に挑む。全句の訓詁注釈を通して実景、実感、伝記的事実、言葉の意味、詩性――芭蕉の世界に迫り、「軽み」論から「いのち」と「かたち」へ、日本人の魂に根ざす文学的本質へと読者を誘う。今日の俳句・短歌隆盛の礎となった不朽の一冊。(解説・尾形 仂)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
応化クロニクルシリーズ 全5冊合本版
ごく近い将来の日本。金融システムの崩壊と経済恐慌と財政破綻があった。打ちのめされた貧しい階層、社会的弱者、出稼ぎ外国人、市場競争の敗北者の群が路上に放り出された。海の向こうでも悪夢が現実のものとなる。 中国の中央政権が倒されて、各軍管区が覇を競い、二自治区が独立を宣言。またほぼ同時期に、ロシアではサハリン油田の冨を背景に極東シベリア共和国が誕生し、一気に大動乱の時代が到来した。戦禍に苦しむ大陸の民が、日本を平和で裕福な社会と見なして海を越え始めた。国軍は領海に入った難民の船をつぎつぎと撃沈した。それでも大量の難民が砲火をかいくぐって沿岸に漂着した。食糧暴動が頻発して治安の悪化は極限に達した。 応化二年二月十一日未明、<救国>をかかげる佐官グループが第一空挺団と第三十二普通科連隊を率いて首都を制圧。それに呼応して、全国の基地で佐官が率いる部隊が将官の拘束を試みた。小戦闘、処刑、新しい司令官の擁立があった。同日正午、首都の反乱軍はTV放送とインターネットを通じて<救国臨時政府樹立>を宣言。同軍は政府軍と反乱軍に二分した。内戦勃発の春にすべての公立学校は休校となった。そして、両親を亡くした兄妹たちは、手段を選ばず生きていくことを選択した――。 内戦下における家族愛、絆、人種問題、戦争と平和、経済と宗教、それぞれが孕む矛盾――。混沌の中を生き抜いていく少年少女の、裸者からの一大成長譚。今は亡き作家がゆるやかに破滅へと向かう世界と日本を予言した衝撃の大問題作が合本版になって登場。 *本書は『裸者と裸者』上下、『愚者と愚者』上下、『覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪』の5冊を合わせた合本版です。 -
運命と希望
北欧史に残る謎を子孫が描く、圧倒的野心作! 「自分以外には扱えない主題と、 それを実際に物語として形にできる筆力。 その両輪を備えた作家のみが作ることのできる物語。 うらやましい。」 ――漫画家・幸村 誠氏(『ヴィンランド・サガ』) 1436年春、後にスウェーデン最古の貴族ナット・オ・ダーグ家として知られる一族の一人息子モンス・ベンクトソンが、反乱指導者エンゲルブレクト・エンゲルブレクトソンを斧で殺害した。モンスはエンゲルブレクトの忠実な従者であったが、殺害の動機は600年が経った今も謎のまま。その北欧史の謎を、モンスの子孫である著者が史実を基にフィクションという形で解き明かした野心作。 家族、戦争、反乱、愛と裏切り、権力欲と奸計。ブロマンス、シスターフッドも盛り込んだ圧倒的面白さ!『1793』三部作で北欧ミステリー界に実力を知らしめ、第76回日本推理作家協会賞(翻訳部門)を受賞した著者による傑作歴史ミステリー。 -
楽園
2021年ノーベル文学賞受賞! 初期代表作 舞台は20世紀初頭、現在のタンザニアの架空の町。主人公ユスフの12歳から18歳までの成長の過程が辿られ、東アフリカ沿岸地域の歴史的な大転換期が、少年の目から語られる。 宿を経営するユスフの父親は借金に行き詰まり、裕福な商人アズィズに借金の形に息子を差し出す。ユスフは使用人(奴隷)として働き、内陸への隊商で莫大な富を得ているアズィズの旅に加わる。 互いに争うアラブ人、インド人、アフリカ人、ヨーロッパ人のいくつもの勢力を目撃し、さまざまな経験を積んだユスフは次第に自らの隷属状態について疑問を抱きはじめる……。 作家は1948年ザンジバル(現在のタンザニア)生まれ。革命の混乱を受けて67年にイギリスに渡る。ケント大学で博士号を取得。ポストコロニアル文学を教えながら執筆活動を続け、現在、同大学名誉教授。これまでに長篇10作を発表し、1994年に刊行した4作目となる本書『楽園』はブッカー賞およびウィットブレッド賞の最終候補となる。2021年にノーベル文学賞を受賞する。 巻末に「ノーベル文学賞受賞記念講演」を収録。 -
《ドラキュラ紀元一九五九》ドラキュラのチャチャチャ
実在・架空の人物・事件が入り乱れて展開する、壮大な物語、第3弾! ドラキュラの結婚式がおこなわれるローマに飛んだジャーナリスト、ケイトが遭遇したのは、長生者(エルダー)ばかりを狙う謎の“深紅の処刑人”! ~~~~~~~ 1959年、ローマ。 ドラキュラは、モルダヴィア公女アーサ・ヴァイダと結婚しようとしていた。 ジャーナリストのケイトは、死期を待つボウルガードと、彼を世話する美少女ヴァンパイア、ジュヌヴィエーヴを訪ねてローマに飛ぶ。 そこには英国のスパイ、ボンド中佐も。 その華やかな映画の都ローマに、ヴァンパイアの長生者(エルダー)を狙う謎の“深紅の処刑人”が出現し、町を恐怖に陥れる。 その目的とは、果たして――? 本邦初訳の中編「アクエリアス──ドラキュラ紀元一九六八」、「著者による付記」も収録。 電子版は、本文と登場人物事典との間をジャンプして参照することができます。 -
ドラキュラ紀元一八八八
実在・架空の人物・事件が入り乱れて展開する、壮大な物語、開幕! 吸血鬼ドラキュラ、大英帝国に君臨す! ヴィクトリア女王と結婚し、大英帝国を手中に収めたドラキュラ。 だが、人間とヴァンパイアが共存する社会は、わずか3年ののち、 ヴァンパイアの女だけを狙う切り裂き魔〈銀ナイフ〉の凶行に揺らぎだした。 政府の秘密機関〈闇内閣〉の命を受けた諜報員ボウルガードは、 500歳の美少女ジュヌヴィエーヴとともに切り裂き魔を追う―― 本編に加え、世界観を追補する短編「死者ははやく駆ける」や「もうひとつの結末」等、初訳資料も完全収録した完全版! 電子版は、本文と登場人物事典との間をジャンプして参照することができます。 -
高原英理恐怖譚集成
幻想文学新人賞(選者=澁澤龍彦・中井英夫)と群像新人文学賞の鬼才、高原英理の怪奇恐怖小説を集大成。都市幻想を描く「町の底」、ゾンビの愛の物語「グレー・グレー」など、伝説的なホラー小説集『抒情的恐怖群』の全7編に、「 闇の司」「 水漬く屍、草生す屍」「かごめ魍魎」など5編を増補。「ホラーの古典的素材を昇華させ、巧緻な語りの技術で幻惑的な幻想小説に仕上げた」と絶賛された中短編小説。 京極夏彦氏推薦!「幻想を言葉にするのではない、言葉が幻想なのだ。戦慄を飼いならした小説ではない、小説が戦慄せしめるのである。高原英理の紡ぐ殺ぎ落とされた幻想と幻想の行間に、我々は己の儚さを知り、ただ戦慄するのである。」 【目次】 I 町の底 呪い田 帰省録 緋の間 II 樹下譚 グレー・グレー 影女抄 III 闇の司 IV 水漬く屍、草生す屍 かごめ魍魎 よくない道 日の暮れ語り 後 記 -
未来省(The Ministry for the Future)
人類vs気候変動 闘いの30年未来記 2025年、インドを未曾有の大熱波が襲い、2000万人の犠牲者を出す。 喫緊の課題である気候変動に取り組むため国連に組織された、通称「未来省」のトップに就任したメアリー・マーフィー。 つぎつぎと起こる地球温暖化の深刻な事態に対し、地球工学(ジオエンジニアリング)、自然環境対策、デジタル通貨、経済政策、政治交渉……ありとあらゆる技術、政策を総動員。人類の存亡をかけ果敢に立ち向かっていく。 〈火星三部作〉のキム・スタンリー・ロビンスンが描く、現代から2050年代までの気候危機をめぐる近未来SF小説。 -
「妖奇庵夜話」シリーズ【全10冊合本版】
突如発見された「妖怪」のDNA。 それを持つ存在を、「妖人」と呼ぶ。 都内に佇む茶室、妖奇庵。 美貌の主・洗足伊織(せんぞく いおり)は、 明晰な頭脳をもつ隻眼の美青年。 口が悪くひねくれ気味だが、彼は人間と妖人とを見分ける力を持つ。 その能力を頼られて、警察からは捜査協力の依頼が。 今日のお客は、警視庁妖人対策本部(Y対)の新人刑事、脇坂。 彼に「アブラトリ」という妖怪が絡む、女子大生殺人事件について相談され……。 家令の美青年で「管狐(くだぎつね)」の夷(えびす)、無垢な美少年で「小豆洗い」のマメ。 家族同様の絆で結ばれた二人と、ひっそり暮らしていたいのに、 事件が伊織を放ってはおかない。 穏やかな日常に潜む「悪意」を、伊織は暴くことができるのか。 大人気妖人探偵小説! ※本電子書籍は『妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず』『妖奇庵夜話 空蝉の少年』『妖奇庵夜話 人魚を喰らう者』『妖奇庵夜話 魔女の鳥籠』『妖奇庵夜話 グッドナイトベイビー』『妖奇庵夜話 花闇の来訪者』『妖奇庵夜話 誰が麒麟を鳴かせるか』『妖奇庵夜話 顔のない鵺』『妖奇庵夜話 ラスト・シーン』『妖奇庵夜話 千の波 万の波』を1冊にまとめた合本版です。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。 ※妖奇庵夜話の「き」は王扁に奇です。 -
だれか、わたしを助けて
【2026年 ジョイス・キャロル・オーツ賞 受賞】 ◎間室道子さん(代官山 蔦屋書店) とにかく「極寒の町」を読んでほしい! ラストに押し寄せる胸の痛みは、マイナス六十度の町で呼吸し、 生きてる人々の愛と命を体感させる。 ◎河出真美さん(梅田 蔦屋書店) たった数十ページで、登場人物の数十年分の人生が あなたの前に立ち現れてくる。 わたしの人生と似ても似つかないかれらの人生を覗いて、 それでもわたしは思っていた。 あなたの気持ちがわかる、あなたのことを知っている、と。 ◎梅﨑実奈さん(紀伊國屋書店新宿本店) エリカ・クラウスの物語が最高潮に輝く瞬間は、 常にラストシーンだ。 どんな悲劇が展開されようとも、単純な涙では終わらない。 この途方もない余韻は、圧倒的に詩である。 ◎古屋美登里さん わたしはこれまでさまざまな作家の作品を読んだり、 訳したりしてきたが、 これほど胸が震える小説に出会ったことはない。 ***** 逃れようのない現実を前に、わたしも、あなたも、「だれか、助けて」と心の中で叫んでいる。 極寒の町を捨て、運命の男と共に出ていくのか。 愛する人が死を望む時、この手で殺せるのか。 赤の他人の子どもたちを、本当に救うのか──。 岐路に立つ12人の、それぞれの決断。 『いつかわたしに会いにきて』で熱烈な支持を集めたエリカ・クラウス、待望の最新短篇集。 ***** 【目次】 日本の読者のみなさまへ 極寒の町 ピアノ ダッジ通りの北側 ヘラジカを食べてくれ だれか、わたしを助けて バンコクにいると 立っている男 ユダヤ人 神を畏れるごとく我を畏れよ あなたとなら一晩中こうしていられるけど、それって人生で最悪の夜になりそう ブルー・ホール 心臓と大血管損傷 訳者あとがき ***** -
桃尻娘シリーズ 全6冊合本版
桃尻娘シリーズ 全6冊合本版 『桃尻娘』『その後の仁義なき桃尻娘』『帰ってきた桃尻娘』『無花果少年と瓜売小僧』『無花果少年と桃尻娘』『雨の温州蜜柑姫』収録。 あたし、榊原玲奈でェす。花の高一。クラスの男の子はモモジリムスメなんていうけど、お勉強か、売春か、なんてオリジナリティのない青春はたえらンない! 不逞な抵抗精神がのぞく異色青春小説。 あたし、榊原玲奈でェす。花の高一。クラスの男の子はモモジリムスメなんていうけど、お勉強か、売春か、なんてオリジナリティのない青春はたえらンない! 不逞な抵抗精神がのぞく異色青春小説。 -
ウルフ・ホール 三部作
「トマス・クロムウェル?」人はいう。「あれはたいした男だ」 1520年代のイギリス、ロンドン。 息子が生まれないと悩むヘンリー八世は、王妃との離婚を願う。しかし、教皇の反対により、一向に離婚協議は進まない。 トマス・クロムウェルは、卑しい生まれから自らの才覚だけで生きてきた男。数カ国語を流暢に話し、記憶力に優れ、駆け引きに長けた戦略家だった。仕える枢機卿の権勢が衰えていくなか、クロムウェルはヘンリー八世に目をかけられるようになるが―― 希代の政治家クロムウェルを斬新な視点で描き、世界を熱狂させた傑作、ついに登場。 著者紹介1952年にイギリスのグロソップで生まれる。ロンドン大学とシェフィールド大学で法律を学んだのち、ソーシャルワーカーとして働きはじめる。ボツワナやサウジアラビアでの滞在を経て1986年に帰国し、歴史小説から随筆まで幅広い分野の作品を発表。2006年にはその功績により大英帝国勲章を授与された。2009年に発表された12番目の著作にあたる本書は、全世界から高い評価を受け、ブッカー賞および全米批評家協会賞、歴史小説を対象とするウォルター・スコット賞を受賞したほか、コスタ賞およびオレンジ賞の最終候補となった。 -
はじめての百合スタディーズ クィア/フェミニストの視点から
百合オタク×フェミニスト×クィア当事者が 語りつくす、百合批評入門。 女性同士の親密な関係性を描く、百合というジャンル。 その起源から、国内外での多様な受容、そして近年の作品の潮流までを網羅。 当事者の視座を交え、「百合のいま」がわかる一冊。 <目次> 第一部 現在の百合と私たち 第二部 アニメと百合 論考I ──アメリカの百合文化 エリカ・フリードマン 第三部 BLと百合の違い 第四部 レズビアン救済願望と結婚 第五部 百合ジャンルの課題 論考II ──百合の歴史 品田玲花 <本書でとり上げるテーマの一例> 「レズビアン」が出てこなかった百合/現在の百合アニメの潮流/百合アニメとドラマの違い/BLと百合の対等性と権力差/女性が女性を眼差すこと/異性愛至上主義へのカウンターと百合の親和性/男性性とアイデンティティ/トランスジェンダー表象と百合/百合専門誌以外の「百合」/これからの百合ジャンル……etc 女性同士の友情や恋愛など、あらゆる親密さを包含するジャンルである百合。 百合の定義も、書き手や読み手も多様だ。 アニメや漫画、ドラマなど、「百合」と呼びうる作品は身近ないっぽう、百合はしばしば、現実を生きる当事者や、フェミニズム・クィアの議論から切り離されてきた。本書では国内外の百合の歴史とその変遷に触れつつ、当事者の視点から、あらゆる人に開かれた百合というジャンルを問い直す。 装画:森島明子 -
地下鉄駅
生を手離さずにいることは、こんなにも難しい――。 失業、借金、いじめ、病気……駅で自ら死を選ぶ人々と、その防止に奔走する地下鉄職員・葉育安。 現代台湾文学を牽引する作家・何致和が、都会の声なき声を拾い再生を描く台湾発の話題書。 台湾文学賞、誠品読書職人賞など受賞多数! ・ ・ ・ 葉育安(ヨウ・イクアン)、45歳、思春期の娘と認知症の老母との3人暮らし。 優柔不断、すべてに受け身で生きる彼が 地下鉄の自殺防止プロジェクト長として向き合うことになったのは、 地下鉄のホームで今まさに自死へ向かう人たち。 ・ 会社のお金を横領したサラリーマン、SNSで失恋を晒された中学生、持病に悩む老人、周囲から羨まれながらも生きる気力を失った女性……自殺防止プロジェクトリーダーを任せられた育安は、なんとか成果を出そうと試行錯誤を重ねるも、自らの足でホームから飛び降りる人たちを止めることはできない。 それでも群集のなかに身を置いて、日々を生きていく寄るべき人々の体温が、見知らぬ他人をいつしか温めていく――出口のない問題を抱え生きる全ての人へ、ささやかでも、明日へ向かう力の一端になる物語。 ・ 現代社会のひずみや抑圧を描いたソン・ウォンピョン『アーモンド』、ハン・ガン『回復する人間』らにも通じるストーリーテラーの初邦訳。 ・ 《解説:松本俊彦(精神科医・作家)》 読了後、語られなかったこと、描かれなかった余白に読者は深く心を揺さぶられ、何かを考え始める。こうした、読後から始まる独特の余韻、静かな残響音は、本作品における最大の魅力といってよいだろう。 ・ 《台湾文学金典賞授賞/選評 凌性傑(詩人・作家)》 何致和は中年男性の心境をきめ細やかに描き出し、公共交通機関と時代の鼓動を結び付け、地下鉄によって交わる人生を通じ、様々な流動を表現する。その流動感に、多声的な語り、語りの視点の交代が加わることで、重層的で、極めて読みごたえのある作品に仕上がっている。 地下鉄という現代の交通機関は、個々の実存の不安を乗せる一方で、出発と帰還を支えている。本書で最も引き付けられるのは、冷静に傍観しているようでいて、「理解しようとする」やさしさを潜めた語りである。 -
天皇機関説タイフーン
言論はいかに弾圧され、口を封じられるのか。どうやって人々は生き延びるのか。 台風の如く、人々を翻弄し、敗戦に至る日本の行く末を決定した天皇機関説事件。 「昭和百年」に「合法無血のクーデター」の真相に迫る。 評伝『江藤淳は甦える』の著者による、天皇と憲法をめぐる人間ドラマ! 宮沢俊義は蓑田たちから次のターゲットとされていた。昭和十年には危うい位置に座っていたのである。美濃部の後を継いだ憲法学の少壮教授は、いかに巧みにサバイバルしたか。それは当人には棘となり、良心は痛み続け、戦後にまで尾を曳く。美濃部とは違う宮沢の「小さい」ありよう。それを他人事として批判するだけではすまされない。大なり小なりあの「小さい」ありようは当時の人々に内在していた。当時に限定することなく、いまの我々、いや私にもそれがあることを認めざるを得ない。史料を注意深く読んでいくと、その「小さい」ありようは、東京帝大出の官僚にも、政治家にも、それどころか、首相で海軍大将の岡田啓介にも、はるか上の「最後の元老」西園寺公望にも、雲の上の昭和天皇にも分有されていたのではないかとも思えてきた。けっして他人事ではないのだ。(あとがきより) -
図書館の魔女 霆ける塔
待望のリブラリアン・ファンタジー、再始動。 マツリカが、キリヒトが、帰ってきた。 囚われた魔女を救うべく、仲間たちは雷鳴轟く山峡の砦を目指す。 風が唸り、雷が轟く「霆ける塔」に囚われた図書館の魔女・マツリカ。宿敵ミツクビの罠にかかり、閉ざされた山城で彼女を待つのは、夜毎降り注ぐ稲妻と奇妙な因縁を背負う砦の主。脱出の糸口を探るマツリカを、新たな謎と出会いが待ち受ける。一方遠く離れた故郷では、ハルカゼ、キリン、そしてキリヒトたちが、マツリカ救出のため立ち上がる。 彼らは、わずかな手がかりと研ぎ澄まされた知恵を武器に、雪深い山脈を越え、未踏の隠し砦を追う! 強靭な意志と絆が試される極限状況の中、マツリカは、そして仲間たちは、この絶望的な状況を打ち破ることができるのか? メフィスト賞が生んだ弩級のファンタジー「図書館の魔女」。シリーズ最新作がついにそのベールを脱ぐ。 -
八雲と屍体 ゾンビから固有信仰へ
墓を掘り起こし八雲は思考する 八雲が記した数々の“死”と“屍”、「物語をねだる者」と「語り部」たち、レキシントンの古屋敷を舞台に語られた幽霊譚、ディオダティ荘の夜を彩る怪奇談義、前世の記憶を持つ少年・勝五郎の転生、火星に運河を見つけた男・パーシヴァル・ローウェルとの出会い… 小泉八雲を彩るエピソードはあまりに刺激的でファンタジーじみている。しかし、それらは果たして「真実」なのか── 大塚英志の決定版・八雲論。 初めて小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)に触れる読者に捧ぐ、八雲と八雲の物語を愉しむための必読書。 決してファンタジーと現実を混同してはならない。 だから、私たちは八雲という死者のファンタジーを“理解”してはいけない。 それは死者の擬人化であって、私たちが読んでいるのはあくまでも「偽八雲」なのである。(本文より) -
ビルディング(乙女の本棚)作品集(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」から、イラストレーター・ねこ助の自選作品集が登場! 描き下ろしとして夢野久作+ねこ助『ビルディング』も掲載 小説とイラストの出会いを祝福する、魅惑の1冊。 名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。そのなかからイラストレーター・ねこ助による作品をピックアップした美しい画集が新たに生まれました。 収録されているイラストは、新美南吉『赤とんぼ』、中島敦『山月記』、太宰治『魚服記』、堀辰雄『鼠』、夢野久作『ルルとミミ』のなかから選ばれた、イラストレーター本人がお気に入りのものばかり。 さらに、描き下ろしとして夢野久作『ビルディング』も収録し、通常シリーズとはことなるサイズ感で小説とイラストが楽しめます。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 【目次】 新美 南吉『赤とんぼ』 中島 敦『山月記』 太宰 治『魚服記』 堀 辰雄『鼠』 夢野 久作『ルルとミミ』 夢野 久作『ビルディング』(全文収録・イラスト描き下ろし) ※本書について 本書は、乙女の本棚シリーズとして刊行された『赤とんぼ』『山月記』『魚服記』『鼠』『ルルとミミ』のなかから、イラストレーター・ねこ助自身が選んだイラストを掲載しています。巻末の『ビルディング』のイラストは描き下ろしです。 小説部分は『ビルディング』は全文、その他は抜粋となります。 -
Cocoon第二部 全5冊合本版
Cocoonシリーズ第二部 全5冊合本版。 『Cocoon 京都・不死篇-蠢-』『Cocoon 京都・不死篇2-疼-』『Cocoon 京都・不死篇3-愁-』『Cocoon 京都・不死篇4-嗄-』『Cocoon 京都・不死篇5-巡-』収録。 最強の花魁が、帰ってきた! 京都で新たな闘いが始まる! 最強の鬼・平将門を倒し、江戸を破滅から救った瑠璃。しかしその代償は生半可なものではなく、義兄を失い、友の炎を失い、自らも片腕を失った。江戸を離れ、京都にたどり着いた瑠璃は最愛の人を想わせる男性に出会う。つかの間の平穏を得たかに思えたが、京都では陰陽道を使う、不気味な集団が動き出そうとしていた。(『Cocoon 京都・不死篇-蠢-』) -
海風クラブ
白い犬の後を追いかけてきたタロコ族の少年と、自分を売ろうとする父親から逃げてきた少女。山の深い洞穴で二人は出会い、心を交わす。 少年が少女の村に、少女が少年の村へ入れ替わり出ていくのを、巨人は見つめていた。 山は巨人の体であった。人々に忘れ去られた最後の巨人ダナマイ。彼の言葉を解すのは、傷を負った動物たち。 時を経て再会する二人を軸に、様々な過去を背負う人々を抱えて物語は動き出す。 舞台は原住民と漢人、祖霊と神が宿る台湾東部の海豊村。 山を切り崩すセメント工場の計画が持ち上がり、村の未来を前にして、誇りを守ろうとする人々と、利益を享受しようとする人々が対立する。 巨人がなおも見つめ続ける中、かつてない規模の台風が村を襲い、巨人と人間の運命が再び交差する――。 物語を動かすのはつねに、大いなるものに耳を傾ける、小さき者たち。 ★2023年台湾書店大賞小説賞受賞 ★「博客来」ブックス・オブ・ザ・イヤー入選 -
ヒビカイー365日の怪談#2025
一日一怪。365日「怖い」と「不思議」が楽しめる日めくり怪談集の2025年版が登場。 今日はどんな怪と出会えるのか、4人の怪談作家が全国から聞き集めた色とりどりの恐怖をゆっくりじっくりご堪能あれ。 現在は入手困難かつ未電子化であった「恐怖箱 切裂百物語」と「恐怖箱 彼岸百物語」の200話に加え、神沼三平太の未刊行作品、そして怒涛の書き下ろしをあわせた全365話を再編集、1年を怪談づくしで彩った。文庫本にして848ページの大ボリューム本はもはや呪物。 寝る前に1話ずつ読むもよし、未来を先取りするもよし、あなたの2025年に怪と幸あれ。 -
老いぼれを燃やせ
予言的ディストピア小説『侍女の物語』の著者が放つ辛辣なユーモア。老境の平穏からはほど遠く、未練と怒りまみれの高齢者らの紆余曲折を描く傑作短篇集! 「老いぼれを燃やせ」――老人ホームで暮らすウィルマは視力が衰え、幻覚症状が現れていた。踊り騒ぐ小さな人の群れが見えるのだ。ある日、米国の老人ホーム連続放火事件の報せが入る。やがて彼女の施設も暴徒に取り囲まれ……。「アルフィンランド」――ファンタジー小説シリーズで成功を収めたコンスタンスは、かつて恋人に酷く裏切られた経験があった。そんな彼女が仕組む復讐とは? 「蘇えりし者」「ダークレディ」とで三部作を成す。「岩のマットレス」――ヴァーナは退職後、北極圏クルーズ船で旅に出た。そこにいたのは、高校時代に彼女の人生を変えた男。これまで4人の夫を看取ってきた彼女は、ある計画を立て……。「フリーズドライ花婿」――インチキ骨董商のサムには妄想癖があった。自分が殺され女性医師に解剖されるところを思うと、心が癒やされるという。そんなサムがオークション用の倉庫で出くわしたものは? 人間心理の闇を見つめ、痛いほど的確に、強烈なユーモアをもって描き出す9つの作品を所収。予言的ディストピア小説『侍女の物語』の著者による傑作短篇集! -
縊死体 乙女の本棚作品集
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」から、イラストレーター・ホノジロトヲジの自選作品集が登場! 描き下ろしとして夢野久作+ホノジロトヲジ『縊死体』も掲載 小説とイラストの出会いを祝福する、魅惑の1冊。 名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。そのなかからイラストレーター・ホノジロトヲジによる作品をピックアップした美しい画集が新たに生まれました。 収録されているイラストは、夢野久作『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』、夢野久作『死後の恋』、江戸川乱歩『人間椅子』、イェイツ(芥川龍之介訳)『春の心臓』のなかから選ばれた、イラストレーター本人がお気に入りのものばかり。 さらに、描き下ろしとして夢野久作『縊死体』も収録し、通常シリーズとはことなるサイズ感で小説とイラストが楽しめます。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 【目次】 夢野久作『瓶詰地獄』 泉鏡花『外科室』 夢野久作『死後の恋』 江戸川乱歩『人間椅子』 イェイツ(芥川龍之介訳)『春の心臓』 夢野久作『縊死体』(全文収録・イラスト描き下ろし) ※本書について 本書は、乙女の本棚シリーズとして刊行された『瓶詰地獄』『外科室』『死後の恋』『人間椅子』『春の心臓』のなかから、イラストレーター・ホノジロトヲジ自身が選んだイラストを掲載しています。巻末の『縊死体』のイラストは描き下ろしです。 小説部分は『縊死体』は全文、その他は抜粋となります。 -
トヨタの子
日本企業最大の利益を誇るトヨタ自動車。その創業者&ボンボン御曹司(?)の夢と苦難を綴った「奇想天外」経済小説! 第1号市販車は故障で立ち往生続出。 喜一郎は公職追放で会社解体? 労働争議と苦汁の社長辞任。 “タイムリープ”神社で滝行する章男? 「恥を知れ」と罵られながら臨む、米議会公聴会。 最新鋭水素自動車MIRAI遭難事故? 想像も出来なかった涙の再会…… 豊田家御曹司・章男少年は曾祖父・佐吉の顕彰祭へ家族と来ていた。いたずら坊主の章男は裏山から転び落ちた拍子に車にはねられてしまう。一方は明治時代、佐吉の息子・喜一郎は「自動車」に乗ってきたというアキオと名乗る不思議な子供と、しばしの友情を育む。そして時代が進むたび喜一郎の前に不思議な人が次々と現れる……彼らはいったい何を伝えに来たのか? 「もっといいクルマをつくろうよ」 おじいさん、あなたの言葉だったのですね。この小説を読んで二度泣いた。-豊田章男 =主人公はこの二人!= トヨタ自動車創業者 豊田喜一郎 自動織機で世界を席巻し、日本の自動車産業を興しながら、失意の最後を遂げた男 トヨタ自動車会長 豊田章男 喜一郎の孫。ボンボン御曹司と揶揄されながら、世界一の車メーカーを改革した男 -
川が流れるように
1948年、コロラド州アイオラ。ヴィクトリアは17年間、家と農園の外にほとんど出たことがなかった。母を早くに亡くし、桃農家の父と叔父、弟のために家事をこなすだけで日々は過ぎていく。そんな彼女の人生が突然変わる。謎めいた青年ウィルと出会ったのだ。ウィルは故郷をもたず、各地を放浪しているという。自由な彼といるとき、ヴィクトリアは自分も変わったように感じた。だが、町の人々はよそ者を疎んだ。それでも、ヴィクトリアはウィルを選ぶ。初めて父に嘘をついてまで、逢瀬を重ねる。だが、背後には悲劇が迫っていた――。大切なものを失いながらも、自分の道を進み、再生を遂げる女性の姿を描く感動作。アメリカ、イギリス、ドイツなどで続々とベストセラーリスト入りした米国作家のデビュー長篇小説
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