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莉国後宮女医伝
女子太医学校を卒業した19歳の新人医官・李翠珠(り・すいしゅ)は、市井の医療院で研修をスタートした。 いずれは地元・南洲に帰り、実家の医院を継ぐつもりだ。 いまだ、世の風潮は女性が職業を持つことへの根強い反発がある。そのため、患者に見下されるなど嫌な思いをすることも少なくなかった。 だが、師匠であるベテラン医官・拓中士は評判の人格者で、翠珠はやりがいに満ち溢れながら仕事をしていた。 ある日翠珠は、懇意にしている薬店に、御史台(監察官)の捜査が入った現場に遭遇する。 調査にやって来た若き官吏・鄭夕宵(てい・ゆうしょう)曰く、数か月前に流産した皇帝の寵妃・河嬪(かひん)の殿舎から堕胎薬が見つかり、薬を盛られて流産した可能性が持ち上がったらしい。 そんな折、第一妃・呂貴妃(ろきひ)が後宮の外部の薬店と取引をしていたことが判明し、彼女に嫌疑がかかっているのだという。 重要参考人としてあわや捕縛されかけた店主を、翠珠は医学的知識を根拠に救う。 その数日後、とつぜん翠珠に後宮への配属替えが命ぜられる! 指導官の先輩女医・晏紫霞(あん・しか)は、花も零れる絶世の美女だった。医術の腕も相当なものらしい。 突如配置換えさせられた理由も不明だし、市井の医院で働きたかった翠珠はがっかりするが、 夕宵や紫霞と関わるうちに、彼らの内面を知り、よき関係を築いていく。 しかし今度は、呂貴妃が体調を崩し、その原因を探ることになった翠珠は、後宮のいざこざに巻き込まれていき――。 後宮にはびこる病を、怜悧でキュートな新米医官が解き癒す。 ページをめくる手がとまらない! 面白さ100%の中華警察医療ミステリ、開幕! -
祈りのカルテ
諏訪野良太(すわのりょうた)は、純正会医科大学附属病院の研修医。初期臨床研修で、内科、外科、小児科など、様々な科を回っている。 ある夜、睡眠薬を大量にのんだ女性が救急搬送されてきた。その腕には、別れた夫の名前が火傷(やけど)で刻まれていた。 離婚して以来、睡眠薬の過剰摂取を繰り返しているというが、良太は女性の態度と行動に違和感を覚える。 彼女はなぜか、毎月5日に退院できるよう入院していたのだ――(「彼女が瞳を閉じる理由」)。 初期の胃がんの内視鏡手術を拒否する老人や、循環器内科に入院した我が儘な女優など、驚くほど個性に満ちた5人の患者たちの謎を、新米医師、良太はどう解き明かすのか。 「彼」は、人の心を聴ける医師。こころ震える連作医療ミステリ! -
鳥籠のかぐや姫
時は金鵄(きんし)国、第33代帝、天誠帝の御世。 都から遠く離れた隠岐野の郡の辺境の里にて、かぐやは祖父母である讃岐家の翁と媼に育てられていた。 かぐやは見た目は美しいが、幼い頃から人とは異なる力を持っており、本人も知らぬ間に夜な夜なふらりと邸を抜け出し、気付くとこの国にはびこる妖影(かげ)と呼ばれる魔物を斃していた。 その際にどこからともなく光る弓矢が現れ、髪も金色に輝くことから、気味悪がった翁と媼はかぐやを監禁し虐げながらも、彼女の美貌を見て求婚してくる貴族からの貢ぎ物で私腹を肥やしていた。 かぐやはたまに屋敷を訪ねてくる、兄と慕う錺(かざり)職人の零月に唯一心慰められていたが、ここからはどこにも行けないと諦め、心を殺して生きていた。 そんなある日、前帝の子であり、現帝からの信頼も厚い美丈夫、祇王隆勝が訪ねてくる。 隆勝は妖影を討伐する黒鳶隊の大将をしており、かぐやの異能の噂を聞いてやってきたが、翁と媼からの仕打ちを知り、仮初めの婚姻の形を取ることでかぐやを連れ出す。 かぐやは姫巫女として黒鳶隊に入れられ、中将の海祢や少将の凛といった仲間たちとも過ごす中で、次第に自分の意思を取り戻していくが、同時に厳しくも優しく自分を見守ってくれる隆勝に心惹かれていって……? 美しく、心震える異能×和風恋愛ファンタジー! -
空想科学読本
マンガやアニメ、特撮映画などで描かれる設定やエピソードは、科学的にどこまで正しいのだろうか? 初刊行から20年、累計500万部突破のベストセラー『空想科学読本』シリーズから、原稿31本を厳選、全面改訂して収録する。本書で検証するのは『ウルトラマン』『ONE PIECE』『名探偵コナン』『シン・ゴジラ』『おそ松さん』など、世代を超えて愛される作品の数々。爆笑の果てに、人間が描いた夢の世界の素晴らしさが見えてくる! -
トンネルの森 1945
太平洋戦争さなか、幼くして母を亡くしたイコは父の再婚相手になじめぬまま、生まれたばかりの弟と三人で小さな村に疎開することに。家のそばにある暗く大きな森がトンネルのようで怖くてたまらなかった。同級生たちはあの森に脱走兵が逃げ込み自殺したのだ、と噂をしていた。ある夜、森の奥からハーモニカの細い音色が流れてくる。数日後、沼で失くしたイコの下駄が森の出口に置かれていた。「あり・が・とう」イコはちいさく呟いた。戦争は激化し、東京大空襲で半死半生の父が見つかる。不安に押しつぶされそうになったイコは森に入る。「兵隊さーん」そこでイコが目にしたものは……。「「魔女の宅急便」の著者が描く少女の戦争。(解説:小川 洋子) -
火鍛冶の娘
古代日本。火鍛冶(ほかじ)の匠を父に持つ少女、沙耶は、 父のような火鍛冶になるのが夢だった。 しかし里には、女は鉄を鍛えてはならないという掟があった。 そこで男と偽り、父が病で逝った後も鍛冶を続けていた沙耶だが、 そんな彼女に意外な依頼が。 それは麗しの王子の成人の祝いに、剣を鍛えてほしいというもの。 沙耶は夢中で鍛えるが、その剣は恐ろしい魔剣へと変貌し……。 少女の夢と挫折、そして冒険を描いた傑作和風ファンタジー! 【登場人物】 ■沙耶(さや)……天才的な鍛冶の才能を持つ少女。男と偽って鍛冶の匠を目指す。 ■阿古矢王子(あこやおうじ)……伊佐穂の国の第一王子。驚くほどに美しい。 ■加津稚王子(かづちおうじ)……第二王子。武に秀でた、茶目っ気のある青年。 ■護足(ごたり)……武人。沙耶のもとを、剣の製作を依頼しに訪れる。 -
新訳 ナルニア国物語
【全世界1億2千万部以上! カーネギー賞受賞シリーズ第1弾】 児童文学の金字塔! 新訳&挿絵付 装画・挿絵:ソノムラ ※本書は、既刊の角川つばさ文庫版の表記や表現を大人向けに【【大幅に】】加筆修正し、全ての漢字にふられていたルビをへらしたものです。 ●あらすじ 両親と離れ、田舎の風変わりな教授の家に預けられた4人の兄妹。ある日末っ子のルーシーが空き部屋で大きな洋服だんすをみつけるが、扉を開くとそこは残酷な魔女が支配する国ナルニアだった! 「4人の人間がナルニアを救う王になる」という予言のせいで、子どもたちは魔女に命を狙われることに。4人は聖なるライオン“アスラン”と共に魔女に戦いを挑むが…。カーネギー賞受賞シリーズ第1弾。不朽の名作が新訳でよみがえる! ●新訳のここがポイント 翻訳にあたって、原作の英語の格調高さをくずさぬよう、配慮されて訳されています。「英米の子どもたちが原文を読んで味わうとおりの「楽しさ」――知らない世界に出会うときのわくわく感や(略)好奇心もふくめて――を大切にしました」「とくに原文の解釈には最新の注意をはらいました」と、この本の底本となった角川つばさ文庫版の訳者あとがきに記されています。 ・第十三章で、魔女が「深遠なる魔法のことを忘れたのか?」と問われ、先行訳ではアスランが「忘れてしまったようだな」や「どうかな、忘れてしまったかもしれない」と答えていたが、アスランがそんな大事なことを忘れるはずがないので、原文の「Let us say(と仮定しよう)」を活かし、「忘れていたということにしよう」に。 などなど、注意しないと正しく訳せないくだりが今の日本語で美しく訳されています。 -
香華宮の転生女官
「働かざる者食うべからず」が信条の苦労性貧乏OL・長峰凜、28歳。仕事も恋も、最近若干停滞気味。 ある日凜は、彼氏が親友と浮気をしている場面に遭遇する。 追いかけようとして車に轢かれてしまった凜は、目覚めると中国とおぼしき過去の世界に転生していた! すぐ横には血まみれの死体。まったく状況が呑み込めずにいると、なんと殺人事件の犯人と間違えられ、投獄されてしまう。 窮地に陥る凜だが、時の皇帝の甥で武官である趙子陣(ちょう・しじん)に助けられ事なきを得る。 周囲の人の話から推測するに、どうやら凜は、自分と同じ名前を持つ宮廷女官・南凜(なん・りん)の体に転生してしまったらしい。 子陣の屋敷に居候することになった凜は、現世では全く役に立たなかった数々のスキルを使い、子陣や周囲の人を助ける。 その活躍ぶりが耳に入り、凜は皇帝の勅命を受けて香華宮で女官として働くことに! 裏ミッションとして、皇帝のスパイを命じられた凜は、宮中で数々の奇妙な事件に遭遇し……? -
あやかし和菓子処かのこ庵
見習い和菓子職人・杏崎かの子、22歳。 彼女には不思議な力があった。幼い頃から、妖や幽霊の影が見え、人の嘘が「猫語」に聞こえるのだ。 その能力のせいで親しい友人もできず、苦労しながらひっそりと生きてきた。 ある日かの子は、経営難と技量不足を理由に、勤めていた和菓子店をリストラされる。 夜道をとぼとぼ歩いていると、後ろから来たバイクに全財産が入ったバッグをひったくられてしまった……! 彼女は、そんな窮地を謎の大きな2頭の犬を使役する着物姿の美男子・御堂朔(みどう・さく)に救われる。 なぜか自分を知っているらしい朔に連れていかれたのは、東京の下町にある神社の境内に建つ和菓子処「かのこ庵」。 なんと、同じく和菓子職人だった亡き祖父が、朔に一億円の借金をして構えた店らしい。 そして朔は、陰陽師の血をひく人間で、この神社の鎮守だという。先ほどの大きな犬は式神だったのだ。 一億円の借用書を見せられ、「店で働けば借金をチャラにしてやる」と言われたかの子だが、なんと「かのこ庵」はあやかし専門の不思議な和菓子屋だった。 しかもお客様は、なんと猫に化けてやってきて――!? イラスト/前田ミック -
目を合わせるということ【電子特典付き】
“楽器を持たないパンクバンド”として人気を誇るBiSHのモモコグミカンパニーによる初エッセイが、待望の文庫化! 2015年3月のグループ結成後、わずか3年で初のMステ出演を果たすまでのグループと著者自身の軌跡を辿る1冊。 約半年間にわたって綴られた本編の他、モモコグミカンパニー母とWACK代表の渡辺淳之介氏のインタビューも掲載。 また、書き下ろしの「文庫版あとがき」に加え、単行本刊行当時のツイートから「名言ツイート」をピックアップした「Twitter名言集」を新たに収録。当時のツイートを振り返った書き下ろしの一言も掲載。 グループで最も多くの楽曲で作詞を手がける著者だからこその、瑞々しく真っすぐな言葉が胸を打つエッセイ集!※電子書籍特典として著者の直筆メッセージ画像を収録しています。 -
姫君と侍女 明治東京なぞとき主従
時は、明治5年の東京。 日本橋の大店の娘で15歳の佳代(かよ)は、旧大名深水家のお屋敷で、美しいが風変わりな姫君・雪姫(ゆきひめ)の侍女として行儀見習いの奉公をしていた。 だがその春、湯島聖堂博覧会で展示されていた徳川家康愛鳥の鷹の掛け軸が消えた。 掛け軸の預け主で、最後に会場に入って観覧していたのは深水家。 その中に盗人がいるのではと疑ったポリスが屋敷に乗り込んでくる。 お家の一大事に、持ち前の頭脳で立ち向かうは雪姫。 そして、佳代も隠していた天才的な絵の才能――目に見たそのままを絵に描く力を発揮することになり……! 幕末維新の動乱の名残り色濃い東京で、姫君と侍女がともに抱く大きな夢とは――? 主従バディが新しい時代に躍動する、胸のすく青春なぞとき物語! 第7回角川文庫キャラクター小説大賞〈優秀賞〉〈読者賞〉ダブル受賞作!! -
聖女ヴィクトリア
霊が視える少女ヴィクトリアは、平和を司る〈アウレスタ神殿〉の聖女のひとり。しかし能力を疑われ、追放を言い渡される。そんな彼女の前に現れたのは、辺境の騎士アドラス。「俺が“皇子ではない”ことを君の力で証明してほしい」この奇妙な依頼から、ヴィクトリアはアドラスと共に彼の故郷へ向かい、出生の秘密を調べ始めるが、それは陰謀の絡む帝位継承争いの幕開けだった。皇帝妃が遺した手紙、20年前に殺された皇子――王宮の謎を聖女が解き明かすファンタジー! -
まほり
大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た都市伝説に興味をひかれる。上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに貼られているというのだ。この蛇の目紋は何を意味するのか? ちょうどその村と出身地が近かった裕は、夏休みの帰郷のついでに調査を始めた。偶然、図書館で司書のバイトをしていた昔なじみの飯山香織と出会い、ともにフィールドワークを始めるが、調査の過程で出会った少年から不穏な噂を聞く。その村では少女が監禁されているというのだ! 謎が謎を呼ぶ。その解明の鍵は古文書に……?下巻へ続く。 -
フラ・フラダンス
福島県いわき市に暮らす高校生・夏凪日羽(なつなぎ・ひわ)。 卒業後の進路に悩む日羽は、かつて姉・真理が勤めていた「東北のハワイ」こと「スパリゾートハワイアンズ」のポスターを見て衝動的に、新人ダンサー=フラガールの採用試験に応募する。 未経験ながらも採用された日羽は、鎌倉環奈、滝川蘭子、オハナ・カアイフエ、白沢しおんたち同期と共にフラガールへの道を歩み始めるが、 個性豊かすぎる5人の足並みはそろわず、初ステージで、ある大失敗をしてしまう。 「今までで、一番ざんねんな新人たち」と呼ばれ、落ち込む彼女たちだったが、 恋、ダイエット、そしてフラ…と、いいことも辛いことも分かちあいながら、フラフラしながらも絆を深めていく―――。 それぞれの想いを胸に彼女たちは今日もステージへ 笑いあり涙ありの新人フラガール成長物語を完全ノベライズ! 解説「ココにいるわたしたちは、ひまわりのように空を見上げる」――吉田玲子(脚本家) -
ブルーもしくはブルー
高収入でスマートな男性と結婚し、都心の高級マンションで人から羨まれる暮しを送る佐々木蒼子。しかし夫には愛人、自身にも若い恋人がいて夫婦の関係は冷めていた。恋人と旅行の帰途。偶然、一人で立ち寄ることになった博多の街中で昔の恋人・河見を見かける。彼に寄り添っていたのは、なんと自分そっくりのもう一人の「蒼子」だった。「ドッペルゲンガー?」名前も顔も同じなのに、全く違う人生を送る2人の蒼子。互いに言いようのない好奇心と羨みを抱いた2人は、1か月だけ期間限定で入れ替わり生活してみることにする。しかし、事態は思わぬ展開となって……! 「私より、あっちの蒼子の方が幸せなのかもしれない」読みだしたら止まらない、中毒性ありの山本ワールドが新装版で登場。 -
身代わり若殿
海賊剣術の遣い手が、旗本の病弱若殿の身代わりに!? 広島藩の村上家(村上海賊の末裔)でたくましく育てられた村上虎丸は、 江戸に牡蠣を献上に行った折、旗本・葉月家の用人、坂田五郎兵衛に目をつけられる。 なぜなら、葉月家の若殿・ 葉月定光と虎丸は、瓜二つだったのだ! ある日、病弱だった葉月家の若殿が急逝してしまう。 跡継ぎもおらず、このままだと御家取り潰しの危険もある。 用人・坂田五郎兵衛は、以前見た若殿と瓜二つの若者を探し出しに、代わりに当主になってもらおうと広島藩主へ頼み込むのだった。 若殿の代わりに、葉月定光として生きることを引き受けた虎丸。 だが、色白で病弱だった若殿に似せるため、日焼けが取れて痩せるまでは外出禁止。 江戸の葉月家の屋敷の一室から出られない。 動きたくて仕方がない虎丸は、屋敷を抜け出し、身分を隠して市井の事件を得意の剣術を駆使して解決するようになり――。 -
さくら、うるわし 左近の桜
小旅館「左近(さこん)」の長男・桜蔵(さくら)は、母と弟が暮らす家を離れ、父・柾(まさき)の元から大学に通っている。柾の庶子ではあるが特に不自由はなく、柾の本妻である遠子(とおこ)とは、気軽に連れ立って出かけられるほどだ。複雑な家族関係に不満はないが、誰からか継いだ、不可思議な体質は困りものだ。見えないはずのものを見てしまうだけでなく、その者たちに魅入られ、身体をほしいままにされてしまう。それも、集まってくる者たちはいずれも桜蔵を「いい女」と呼んではばからないのだ。 耳を求めさまよう犬、男か女か判然としないマネキン――この世ならぬものたちが桜蔵の身体を求め……。生と性、死の気配が絡み合う珠玉の連作幻想譚。 -
茶寮かみくらの偽花嫁
いくら食べてもおなかがすいて、直ぐに倒れてしまう。 そんな、原因不明の特殊な虚弱体質のせいで、ふつうの人生をあきらめていた大島小鳥(おおしま ことり)、18歳。病欠続きで、ついに出席日数が足りず、高校を留年してしまった。 ある日、行き倒れていたところ、ミステリアスな、美貌の料理人・坂頼兼(さか よりかね)に助けられる。小鳥を助けた彼は、突然「僕と、結婚しませんか」と誘い……疑問を抱きつつも、打算で結婚生活をはじめることに。彼の作った料理だけが、なぜか彼女を満たし、健康に生活させてくれたからだった。 「彼はなぜわたしを助けたか」? 疑念はふくらむ一方だけど、満たしてくれる料理を通して、頼兼のとなりがだんだん居心地よくなって――。 舞台は鎌倉。訳アリ大食い女子高生が、ミステリアスな美貌の料理人とはじめる、怪異彩る契約結婚譚。 -
藤色の記憶
心中間際に心変わりした恋人によって、土の中に埋められてしまった優枝。掘り起こし救い出してくれたのは、白兎という見知らぬ少年だった。彼は恋人への復讐をそそのかすが、どこかからかうようなその態度に、優枝は戸惑うしかなかった。そこへ、生き別れの弟・慶介から突然電話がかかってくる。母が手遅れの病で入院し長くなく、優枝に会いたがっているという。かつて父と自分を捨て家を出ていった母。逡巡する優枝に白兎は「生き返った命は7日間しかもたない」と告げる。それを聞いた優枝は白兎とともに、一度は捨てた故郷へ戻る決意をする……。大人の女のサスペンス・ミステリ! (※本書は、2012年9月講談社より刊行された単行本『白兎2 地に埋もれて』を加筆修正し、改題の上文庫化したものです) -
緋色の稜線
ホテルで行きずりの女を殺してしまった吉行は、車で逃げる山中で不思議な少年と幼女に出会う。「和子」と名乗る幼女の家に帰る途中だという。なりゆきで乗せてやることになった車内で、無邪気に話す和子の声を聞きながら、ふと吉行は自分の過去を振り返る。夜の闇が迫りひどい疲労感に襲われた吉行は、親子と偽り小さな旅館に宿をとる。穏やかな夕食と温泉。まるで本当の親子のようだ、そう独り言ちる吉行の目に飛び込んできたのは、膝に乗ってきた和子の首に残る、一筋の赤い線だった。過去の記憶がよみがえり苛む……。大人のサスペンス・ミステリ! (※本書は、2012年9月講談社より刊行された単行本『白兎1 透明な旅路と』を加筆修正し、改題の上文庫化したものです) -
僕の目に映るきみと謎は
あなたは呪いの人形を受け取りました。 この人形を親友に渡さなければ、あなたは、次の友引の日に死んでしまいます。 あなたは、親友に、渡しますか? 僕の幼馴染、祀奇恋子(まつりぎ・こうこ)の視る世界は異常である。 彼女は謎(オカルト)を視て、怪異(ミステリ)を解き明かす霊能探偵だ。 ある時、僕たちの通う高校で生徒の連続自殺が起きた。そこには受け取った相手を呪い殺す「トモビキ人形」がかかわっているらしい。 親友から人形を渡された女子生徒の相談を受け、恋子は5W1Hを駆使して怪異を暴く、「除霊推理(オカルトトラッキング)」に挑むことを決める。 怖がりのくせに逃げない幼馴染を守るため、僕も助手として調査を始めるが――。 -
青梅線レポートの謎
奥多摩で「OMレポート、もしくは青梅線レポートを知らないか」と訪ね歩いていた男が刺殺された。被害者の足どりを追って奥多摩へ向かうことになった十津川警部。数ヶ月前、奥多摩町役場の助役の娘・亜紀も、同じ言葉を口にしていたが、行方不明になっていたことが判明する。十津川は、亜紀の部屋で見つけた30cmくらいのロボットを警察に持ち帰ったところ、そのロボットが爆発。さらに、AIの第一人者の謎 の死、奥多摩で発見されるクローンの猿と、謎が謎を呼んでいく……。奥多摩で進行する、巨大な陰謀とは……。そして、十津川警部の前に現れたのは、今までにない最新の敵だった!? -
お咒い日和 その解説と実際
知識があれば効果が得られる。超えてはいけない一線の手前で踏みとどまれる。そして、一線をこえることも、できるかもしれない。 海女が身につけるドーマンセーマンのお守りの意味、神社の御幣が麻である理由、羽織の組紐に込められた思い、マタギや日本酒醸造元や宮大工などの伝統的職業の方々が大切にしている儀式、 かごめかごめや影踏みなど、わらべ歌に秘められたものとは。 ふだん何気なく話している言葉や見かけるもの、お守りと思っているものや作法や所作などが、実は呪いにつながっているとしたら。 圧倒的な数の文献と民俗学知識とフィールドワークにより、お咒いの実態を明らかに。すぐにでも実践したくなるおトクなうんちく満載。「お祓い日和」と併せて読みたい一冊。 第一章 お咒い日和●日常的な行為も、実はお咒いと密接に関わっている。言葉の持つ力、何気ない所作に宿る呪術的なエネルギー、現代では娯楽として扱われている音楽も、かつてはマジカルな存在だった。それらひとつひとつを繙く。 第二章 古来のお咒い●信仰、禁忌、験担ぎ――。伝統的な職業・産業の世界には、今もお咒いが残っている。古の昔から今に至るまで、各所に根づいたその知られざる実態を、多くの文献とフィールドワークから明らかにする。 第三章 お咒いと占い●マジナイ、あるいはノロイは、願望成就を目的に行う行為だ。ではその願いが果たして叶うかどうかを知るためには――。その方法が占いだ。深い関係にある両者について、第一章、第二章を踏まえながら解き明かす。 -
八丁堀赤鬼忠孝譚
因縁をつけられて父親を無為に殺された高井伊八郎は、加護藩からひとり、江戸に仇討ちに出てきていた。憎き仇の名は、竜崎又右衛門。長らく仇を見つけられぬまま、行き倒れた伊八郎が助けられ意識を取り戻すと、そこは多くの恵まれない生い立ちの子どもを引き取って育てている、忠孝園という施設だった。そして、忠孝園を運営する有徳の士・祐源は、話に聞いていた父の敵、又右衛門と面影がそっくりだった――果たして、祐源の正体は善人の面をかぶった極悪人なのか? 自分が祐源を斬ったら、遺された子どもたちはどうなる??様々な黒い噂も耳に入り、伊八郎は真実を突き止めるべく、祐源に近づこうとするのだが―― さまざまな人生模様が交差する人情時代ミステリ! -
総選挙ホテル
○著者の言葉「働く現場でしか学べないことがたくさんあると思っています。育った環境も、考え方も、年齢も違う職場の中で揉まれることが、人として成長させてくれると思っています。しんどいけれど喜びもある、それが職場。そこにある感動を小説にしたいと考えました。」桂望実 ○単行本時帯推薦文より 「一丸となって」でも「勧善懲悪」でもない感動的な人間ドラマがここにはある。まさに極上のエンタテインメントだ。松田哲夫(編集者・書評家) ○内容紹介 ある中堅ホテルを立て直そうと、外からやってきた変わり者の社長が提案したことは「総選挙」! そう、ホテル内の従業員の配置を“選挙”で決めるという斬新な人材シャッフル案でした。しかもそれだけに終わらず、管理職の選挙まで! 果たして従業員の反応は? 今の日本の働く環境の閉塞感を打ち破るお仕事小説。さまざまな年代の男女が抱え働く悩みに答え、働くことの意味、働くことで成長できる喜びを読書で味わえる、お仕事エンタメ作品。 -
まことの華姫シリーズ
江戸は両国。暮れても提灯の明かりが灯る川沿いの茶屋は、夜も大賑わい。通りの向こうの見世物小屋では、人形遣いの芸人、月草の名が最近売れてきている。 なんでも、木偶の姫様人形、お華を相方に、一人二役の話芸を繰り広げるのだという。それも、話芸が目当てというより、お華に会いに来るお客が多いというのだ。 何故なら。“まことの華姫”は真実を語る―― 姉を殺したのは、実の父かもしれないと疑う、小屋一帯の地回り山越の娘・お夏。 六年前の大火事で幼な子を失い、諦めきれずに子ども捜しを続ける夫婦。 二年前に出奔したまま行方知れずの親友かつ義兄を探しにはるばる西国からやってきた若旦那。 そして明らかになる語り部・月草の意外な過去…… 心のなかに、やむにやまれぬ思いを抱えた人々は、今日も真実を求めてお華の語りに耳を澄ます。 しかし、それは必ずしも耳に心地よいものばかりとは限らなくて…… 快刀乱麻のたくみな謎解きで、江戸市井の人々の喜怒哀楽を描き出す、新たな畠中ワールド! -
牛姫の嫁入り
江戸時代中期。その存在すら極秘の忍者派遣業を営む三日月村で育った女忍び・コウ。見た目は美しく成績も優秀。今回コウに課された任務は、旗本・加納家からの依頼で、加納家の長男と、十万石の大名である藩主・藤代家の末娘・重姫を見合いさせること。かつて絶世の美少女と噂されていた重姫はここ10年、人前に姿を見せずにいた。そのまぼろしの姫を誘拐してお見合いさせようというのだ。前代未聞の“誘拐見合い”という密命を受けて三日月の夜、屋敷へ忍び込んだコウが見たものは……! 時代劇ミッションインポッシブル!女忍びのまっすぐな生き方が心を打つ。「猫弁」「あずかりやさん」シリーズで大人気の話題の著者による、美とは親子の情愛とは、友情とは恋とは? 笑いあり、感動ありの、女性大満足の時代劇エンターテインメント。 映画界でもっとも権威ある脚本賞「城戸賞」2006年 受賞作の小説化。 -
dele
【あなたの死後、不要となるデータを削除いたします。】 罪の証。不貞の写真。隠し続けた真実。 『dele.LIFE』で働く圭司と祐太郎の仕事は、秘密のデータを消すだけ――のはずだった。 あなたの記憶に刻まれる、〈生〉と〈死〉、〈記憶〉と〈記録〉をめぐる連作ミステリ! 『dele.LIFE(ディーリー・ドット・ライフ)』。 真柴祐太郎がその殺風景な事務所に足を踏み入れたのは、三ヶ月ほど前のことだった。 所長であり唯一の所員でもある坂上圭司いわく、 「死後、誰にも見られたくないデータを、その人に代わってデジタルデバイスから削除(delete)する。それがうちの仕事だ」。 誰かが死ぬと、この事務所の仕事が始まるのだ。 新入りの祐太郎が足を使って裏を取り、所長の圭司がデータを遠隔操作で削除する。 淡々と依頼を遂行する圭司のスタンスに対し、祐太郎はどこか疑問を感じていた。 詐欺の証拠、異性の写真、隠し金――。 依頼人の秘密のファイルを覗いてしまった二人は、次々と事件に巻き込まれる。 この世を去った者の〈記録〉と、遺された者の〈記憶〉。 そこに秘められた謎と真相、込められた切なる想いとは。 『MISSING』『MOMENT』『WILL』などで「生」と「死」に直面した人々を描いてきた著者が、 今だからこそ書き得た新たな代表作。 ≪dele=ディーリー。校正用語で「削除」の意。≫ ※本書は、二〇一七年六月に小社より刊行された単行本を加筆修正の上、文庫化したものです。 -
オリンピックがやってきた 猫とカラーテレビと卵焼き
戦争の記憶が薄れてきた昭和39年の秋。高度経済成長ただ中の日本で、国民の期待と関心を一身に集め東京オリンピックが始まろうとしていた。 東北の小さな地方都市で、西洋館に住み込みで働く料理上手のおトキ。彼女は戦後不遇な少女時代を送り、11歳で親戚から女衒に売られそうになったところを、この家の女主人に救われた。上品な女主人、奥様は世間知らずだが聞き上手、タロットカードの占いもするので、町内からいろいろな人々が相談にやってきた。 同じ町内に大家族で住む民子の家に、生まれて初めて見るカラーテレビが運び込まれ、家族みんなが興奮に沸き立っていた。「うちにもオリンピックがやってくるんだ!」 民子の同級生で、母がいないためにいつも汚い格好でひとりでいるるみ子。しかしなぜか、自分にだけは積極的に話しかけてきて、みんなの手前ばつ悪くうっとうしく感じる民子。ある日るみ子の祖父母が交通事故で亡くなってしまい、東京に引き取られることになる。見送る日、迎えにきた父親にるみ子から「ともだち」と紹介され、民子は思わず泣いてしまう。 そして、東京オリンピックが始まった。 どこの家庭でも、開会式を見るためにブラウン管の前に家族全員が集まる。 永遠に続くと思っていた平凡で平和な日々、でもいずれはすべて遠い記憶になってしまうのだ。 昭和の時代、日本中の家庭にあった笑いと切なさと涙。人々の記憶に刻まれたなつかしい時代の、なつかしい日々を描いた「朝ドラ」的物語。 -
いのちの再建弁護士 会社と家族を生き返らせる
「企業再生こそ日本の再生だ」 鞄には、再建途上で亡くなった社長の遺書と、病で亡くした娘の作文。 “命の鞄”を支えに、誰もが見放した会社を100以上復活させ、人生を、命を救い続ける男。 彼が修羅場で見たものとは? 30年以上にわたり、“絶望の中の希望”を伝え続けてきた弁護士の物語。 会社と家族を生き返らせる男、村松謙一。 倒産の危機に見舞われた会社を、法律を駆使した経営改革を行い、蘇らせる企業再建弁護士だ。 30年以上の活動のなかで、ゼネコンや宅配会社、個人商店まで100以上の会社を蘇えらせてきた。 その圧倒的多数が、助かる見込みはどこにもないとすべての人に見放され、息も絶え絶えに飛び込んできたケースである。 ダメな会社はどんどん潰した方がいい、という見方は未だに根強く存在する。 だが、「それは100%間違いだ。企業再生は日本の再生だ」と村松は言う。 依頼者に生きる勇気を与え、会社の復興と共に多くの人々が幸せになる道筋をつくり続けた男が、修羅場で見たすべてをまとめた。 ※本書は2012年3月に弊社より刊行された単行本『いのちの再建弁護士』を文庫化したものです。 -
水木しげるの異界探訪記
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 古代霊と目玉の親父の導きで、武良家のご先祖様を訪ねて隠岐から鎌倉時代へ。生まれ故郷の境港から戦国時代・古代出雲へと旅する中で明らかになる水木しげる・日本人のルーツ。ニューギニアの夢を通して戦地の記憶を呼び覚まし、そこもまた故郷だったと知る南方編。番外編として水木しげるの死生観が描かれたお葬式編、国譲りの真相を探して歩く古代出雲編を収録。時空を超え異界を旅する水木サンの源流とは? -
立川忍びより
ブラック企業を辞め、東京都立川市にある実家の中華料理店で引きこもっていた青年・大倉多聞。 両親の借金のカタに見合いをさせられるが、その相手の家族がどうにもおかしい。 婿入りを前提に相手の家に居候することになったが、 許嫁となった女子高生・杏子も、当主の祖父・藤林源吾も、凄腕の忍術の使い手だった! 車に変化する蛙・山王丸、アイドルオタクとして活動する杏子の兄の三太、黒装束に身を包みある秘密を抱えている母親の美佐など、 おかしな家族とも少しずつ関係性を築いていく。 「立川の大盛りの店を守る」謎のバトルを、中華料理で見事に闘い一皮むけた多聞だったが、 彼が藤林家に婿入りするのには、隠された背景があった。 鍵となるのは、立川で活動をしているある地下アイドルで……。 『僕僕先生』の著者による、現代の「忍者一家」で過ごすことになった青年の日常を描く、 はちゃめちゃボーイ・ミーツ・ファミリーな成長物語! -
水木しげるの不思議草子
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 屁こきじいさん、鉢かつぎ姫、ものくさ太郎など……室町・江戸時代の庶民に親しまれてきた読み物『御伽草子』。その中でも人気の高い「猫のさうし」「福富草紙」「鉢かづき」「物くさ太郎」「瓜姫物語」「御曹子島渡」の6編を水木サン流にアレンジし、新たな息を吹き込んだ。化け物集会に付喪神、あまのじゃくや鬼などに加え、さらにはおなじみのねずみ男も登場! 妖怪画の一人者が新たに解釈し、生き生きと描き出す。 ユーモアとウィットに富んだ水木版・不思議昔ばなし