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織田信長――群雄割拠する戦国の世、尾張の国に時代を凌駕する一人の天才が出現した。目を奪うきらびやかな軍装、常識を超えた鉄砲・長槍の戦術、そして足利将軍の政治的利用から破格の人材登用に至るまで、強烈な美意識と凄まじいまでの発想が、旧体制の既得権一切を破壊し、中世から近世へと歴史の扉をこじ開けてゆく。卓越した才を誇る家臣の明智光秀や木之下藤吉郎の理解さえ拒み、孤高に君臨する主君信長。その心奥に潜む壮絶な精神と雄大な構想に迫る画期的歴史長編。
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Posted by ブクログ
岐阜を得てからの信長さんのお話。 とてもコンパクトに淀みなくお話が進んでいきます。 歴史の流れもわかりやすかったです。 このお話の信長さんは優しさと厳しさをバランスよく併せ持っており、とても懐が深く、人間味がありました。 これは惚れちゃう! 朝倉&浅井父子の髑髏杯も生と死を見つめ武士として己が今...続きを読むやっていることへの使命感と決意を忘れないためだったし、比叡山や伊勢長島の一向一揆殲滅も腐敗した既得権を徹底的に打ち壊して少しでも早く多くの人の幸せをかなえるためとされていました。 キレイごとで社会は納まらない。 理想を夢想するのではなく現実にするために信長さんは戦い続けていたし、謀将を持たずにすべて自分で判断しスピーディーに動くことで乱世をまとめていきました。 人に厳しくあたる分、己をより厳しく律して戦い続ける信長さん。 すごく魅力的に描かれていました。 歴史分析も人間分析もよくできた物語だと思います。 変にお色気シーンなどもなく、骨太で簡潔な物語。 今まで読んだ信長さんモノでは一番好ましい。 歴史の流れのお勉強にもなるし、人間とは~ってことも考えさせられるし…。 下巻も楽しみです!
2回目読破。 相変わらず、信長贔屓な目線が少し気になる。 しかし、読みやすくて、明智光秀・細川藤孝の視線で信長の動きが 追えるのが楽しい。 下巻ももう一度読もう。
本作に描かれているのは「天才」信長であり「革命児」信長である。「狂人」でもなく「魔王」でもない。 謎の多い本能寺の変については、沢山の説があるが、ここで描かれる結末は、既得権益を滅ぼそうとした天才と、それについて行けなかった、ついて行きたくなかった過去の存在とのせめぎあいの結果である。50年の...続きを読む人生では、あまりに革命的な考えは実現できなかった、と言うことか。 数々の歴史上の資料の真偽を検証しながら、俗に言われる信長と光秀とは違った関係が描かれている。信長最期の日の、光秀の感情の動きに多少疑問を持ってしまうが。
織田信長の大志(政治・宗教・芸術)に極めて野心的に思考を働かせた名作となっている。キーワードは、不世出な天才としてあらゆる既得権を根絶やしにすること。そして新しい政体を作り上げていくこと。 信長が何を考えていたか資料が残っていないためいずれの史書も推測の域を脱していないがそれに対して美意識の想...続きを読む像により事跡を分析明快に小説の流れを作っている。光秀を後継者にする意志が裏目に出たという結果になっているが織田信長という人物を描ききっている。
いちいち面白くていちいち納得させられる。特に何度も繰り返される「既得権の打破」というのは納得。ところで読んでいる自分の中には確固とした信長像が無い(よくあるうつけ像、鉄砲の重用、など教科書的なイメージしか無い)ので、この本で描かれる信長像がすんなり入ってくる(きてしまう)。これはよいことなのか悪いこ...続きを読むとなのかわからないんだけど、今後他の作者の信長描写も読んでみないと簡単に池宮信長が自分の信長像になっちゃうなーと思った。なるほど、そうやって楽しむのか。ざっと知っている以上に、信長包囲網ってのは凄いもんだっわけで、結構大変だったんだな。
織田信長を尊敬してるんやけど、そーゆー人にはオススメです。 ちょっと信長に寄りすぎな解釈もあると思うけど、 読み物の一つとしてはまぁまぁ面白かったです。
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