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父が「一人で旅に出る」ことは、「会社に行く」のと同じようなものだった――。その死によって「紀行作家の父」に向き合った娘が、父として、また紀行作家としての宮脇俊三をしなやかに綴る、心にしみるエッセイ。
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Posted by ブクログ
鉄道紀行作家の在りし日の生活を娘が描くエッセイ。俊三氏が著作で言っていたとおり、父が一人で鉄道旅をすることが日常であった家族ということが再確認できる本だった。晩年、休筆宣言をし、大病を得てからの俊三氏の様子を見ると、彼の著作から受けたイメージとは少し違うという、ある意味当たり前な感想を持った。灯子氏...続きを読むの文が、俊三氏の随筆の感じにかなり近い。父親を文筆家として尊敬していたんだろうと思う。そっぽを向いた娘(灯子さんだよね。七五三か)の手を引く俊三氏のカバー写真も良い。
鉄道紀行で名を残す宮脇俊三の在りし日の姿を伝えるエッセイ集。アルコール中毒の様子を読むのはつらいが、宮脇の飄々とした名文が、どのような苦闘のなかから生み出されたのかを窺い知ることができたのは、よい読書経験だった。
父と娘の情愛、親バカぶりなど素顔の宮脇俊三が描かれている。解説の酒井順子もそうだが、特に女性が好感を持つ微笑ましいエピソードが多いが、最晩年の姿など知らなくても良かった事もあった。正直、読まない方が良かった。
中学入学祝として、鉄道が好きな息子に宮脇俊三の著作を贈ろうと何冊か見繕っていたところ、発見したのが本書。娘から見た父・宮脇俊三の生活の様子が描かれている。宮脇俊三の晩年はアル中となったり、療養生活に入ったりと、決して明るいものではない。他方、コネで著者を出版社に入れたこと赤裸々に綴っており、親ばか振...続きを読むりも垣間見ることができる。モーツァルトを好んでおり、執筆の合間に聴いていたエピソードもある。全般的に洗練された短め文章で、一文が構成されているので読みやすい。
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