ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
2pt
死にそうになるたびに、それが聞えてくるの――。母をとりこにする、美しい音楽とは。表題作「死者のための音楽」ほか、人との絆を描いた怪しくも切ない七篇を収録。怪談作家、山白朝子が描く愛の物語。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
面白かった~。さすがです。乙一さんの別名作品です。 でもやっぱり乙一さんの色です。独特の空気感です。どの短編も印象的だけど、一番好きなのは「鳥とファフロッキーズ現象について」かな。恐さと切なさが入り混じった何とも言えないストーリーでした。
どの作品も、風景描写と情景の美しさが際立ちました。 特に「鬼物語」があまりにも美しく、涙が出そうでした。 読み終わった後のあとがきで初めて、ある作家さんの別名義であると知り…考えたけどわからず調べ、なるほど!!と。言われれば納得。 美しさ、儚さ、切なさ、何度でも読みたい作品集です。
山白朝子=乙一の別名義(ちなみに中田永一も)。名前でジャンルを書き分けていて、山白朝子はホラー寄り。 充実した内容の7篇の短篇集。 けっこうしっかり怖く、けっこうしっかりグロテスクなお話も多かった。中でも「鬼物語」は巨大な鬼が村を壊滅させてゆくのだけど、描写が容赦ない。鬼の話だけど現実で昔起きた三...続きを読む毛別のヒグマの事件を彷彿とさせる。 全体的に「人間の因果」を感じる物語が多かった。実際生きていると、人と人は思いがけないところで繋がっていることに気づくことがある。違和感の正体に気づいたときに、妙に納得することもある。 そういう現実でもあることをホラーの衣で包んで差し出されたような感覚。 オカルト的な意味でぞっとしたあと、そのようなことが起きた意味が分かって別の意味でもう一度ぞっとする。 「鳥とファフロッキーズ現象について」は少し毛色が違って印象的だった。 山間に住む父娘が家の屋根の上で瀕死になっていた黒い大きな鳥を助けて、治療したあと家に置いているうちにいつのまにか飼い鳥になり、という物語なのだけど…ホラー版鶴の恩返しじゃないけど、とある憂き目に遭ってしまった娘に、鳥が思わぬかたちで恩返ししはじめる怖面白いお話。 「井戸を下りる」は井戸に棲みつく女の話でどことなく「番町皿屋敷」や「リング」を思わせるし、内容的には関連性はないのだけど、「ホラーの舞台」としてなじみがあるものはやっぱり薄気味悪いのだと思った。 ホラーは人の本能に訴えかける素材があるからこそ成立するのだと改めて思った。 怖く、切なく、人の業の深さを感じる。さまざまな意味での「ホラー」を楽しめる、シンプルにとても面白い短篇集でした。
怪しく、切なく、淡いしっとりとした情緒のあふれる短編集。話のジャンルとしては怪奇系の小説なのですが、それぞれの短編ごとに描かれる、死と様々な愛の形が、大仰でもなく、どこか静かに、染み入るように語られていきます。 その語り口が織りなす空気感と、情緒が生々しい話であっても、どこか静謐で幻想的な雰囲気に物...続きを読む語を変えていく印象を持ちました。どことなく恒川光太郎さんっぽい雰囲気があるかも。 収録作品は7編。一番印象的だったのは、生き物を黄金に変えてしまう廃液を流す工場を描いた「黄金工場」 語り手である少年と年上のお姉さんの淡い交流と、人間の欲であったり嫉妬であったりが、残酷かつ寓話的に描かれていて印象的。少年の語り口がどこか懐かしく、一方でもう戻らない悲哀も感じられ、そうした情緒的な面もとても好みでした。 「鬼物語」は巨大な鬼に襲われる村と姉弟を描いた短編。 暴れまわる化け物の恐ろしさと、姉弟のそれぞれを想う心が作中終盤に描かれる桜の鮮烈かつ、幻想的なイメージと調和します。 「鳥とファフロッキーズ現象について」 何者かに父を殺された少女と、親子で世話をしていた鳥の奇妙な生活を描いた短編。 鳥と少女のユニークな生活模様のイメージが面白かったのと、ラストの切なさが心に残る。 表題作「死者のための音楽」は死に瀕した母と娘の対話を描いたもの。 臨死体験で綺麗な花畑が見えた、という話はよくあるけれど、この短編はそれの音楽版。音楽のイメージ、そして母親の人生と娘への想いが優しく美しい語り口で描かれます。 山白朝子というのは、ある有名作家の別名義。解説ではOさんと呼ばれています。 そのOの作品も読んだことがあるのですが、O作品は映画『CUBE』や『SAW』を思わせるスリラーから、不気味なミステリ。 はたまた、切ないものや古風な語り口まで色々あったので、この山白朝子名義で、そうしたバリエーションの豊かさを抑えて、テーマを統一して描かれている印象がありました。 一方でO名義で発表されている『CUBE』『SAW』っぽいスリラーと、この話に収録されている「鬼物語」が、同じテーマを宿しているようにも感じます。それでも切り口や設定を変えるとこうも物語の雰囲気が変わるかと、そういう意味でも面白く読めました。O作品はだいぶご無沙汰なのですが、名義別で作品を読み比べてみたくなります。
ああ巧いなあと胸を打つ怪談集。ホラーと怪談は全く別のものだと思い知らされます。怖いだけではない美しさが哀しさが温かみがそこにあります。名前を使い分け、あらゆるジャンルをものにする作者ならではなのかも。
もの悲しいストーリーですね。「平面いぬ」のブルー等に似ているアニマル系もあったり・・・乙一氏の別バージョン誕生の話もありそこそこ満足。
某作家が別名で書いた短編集。 某作家の以前読んだことのある短編集が良かった。惨いシーンが入ることもあるけど、愛情と切なさが入り混じったストーリーを読みやすい文章で作る。この短編集にはそれが強く出ている。昔話っぽいものもある。「鳥とファフロッキーズ現象について」は何とも言えない複雑な気持ちになり印象的...続きを読む。これからも雑誌の冥の方でも楽しみに読んでいきたい。
せつなさ漂う怪談短編集。 「鳥とファフロッキーズ現象について」と「黄金工場」が面白かった。 というかどれも面白かった、んだけどこれここで終わりかよー!がほとんど。 なんていいとこで了なの。 山白む朝の、幽冥の境界に、それでも人と共にあろうとする愛の物語でした。
語り口が魅力的で美しい光景が広がる様でした。 桜の下や、井戸の底の部屋や、仄暗い工場なんかが…。 美しさに血の色や昏い切なさみたいな色の紗がかかって綺麗な織物の様です。
どれも面白かったが、設定された時代が少し古いものが多くてあまり好みではなかった...かな。 「鳥とファフロツキーズ現象について」が1番好きだった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 死にそうになるたびに、それが聞こえてくるの――。手首を切った母が搬送された病室で、美佐は母の秘密を知る。幼い...続きを読む頃から耳が不自由だった母は、十歳のときに川で溺れて九死に一生をえた。その後、川底で聞いた不思議な音楽を追い求める。夫に先立たれ、一人で美佐を育てた母。彼女に贈られた、美しい音楽とは。表題作「死者のための音楽」ほか、人との絆を描いた怪しくも切ない七篇を収録。怪談作家、山白朝子が描く愛の物語。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
死者のための音楽
新刊情報をお知らせします。
山白朝子
フォロー機能について
「角川文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
エムブリヲ奇譚
怪と幽 vol.017 2024年9月
私の頭が正常であったなら
「山白朝子」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲死者のための音楽 ページトップヘ