【感想・ネタバレ】死者のための音楽のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年03月08日

井戸、鬼、巨鳥の話が個人的に好きだと思いました。
井戸の中で彼らは今も彷徨っているのでしょうか、自分が普段歩いている地面の下でうごめく影を思い浮かべました。
鬼の話は、かなりなまなましく感じました。血に濡れたような桜の花弁、鬼の気を引いて異世界へ行ってしまった気弱な弟のことを考えると切ない気持ちにな...続きを読むりました。
最後に、巨大鳥の話。何でも願いが叶うというのも考えものだなあと思ってしまいました。鳥はただ恩返ししたかっただけなのでしょうが。ラストはかなりショックでした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年07月22日

様々な時代に跨って描かれる、恐ろしくて切ない物語。
お気に入りは、表題作の「死者のための音楽」。全編を通して親子の対話で描かれている作品。この世じゃなく、あの世のでもないどこか別の世界で行われているかのような会話に惹き込まれてしまいました。

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Posted by ブクログ 2014年03月05日

面白かった~。さすがです。乙一さんの別名作品です。
でもやっぱり乙一さんの色です。独特の空気感です。どの短編も印象的だけど、一番好きなのは「鳥とファフロッキーズ現象について」かな。恐さと切なさが入り混じった何とも言えないストーリーでした。

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Posted by ブクログ 2013年12月15日

どの作品も、風景描写と情景の美しさが際立ちました。
特に「鬼物語」があまりにも美しく、涙が出そうでした。
読み終わった後のあとがきで初めて、ある作家さんの別名義であると知り…考えたけどわからず調べ、なるほど!!と。言われれば納得。

美しさ、儚さ、切なさ、何度でも読みたい作品集です。

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Posted by ブクログ 2024年01月23日

あの世とこの世の境界を曖昧にする、不思議で切ない7篇。時代も場所もさまざまな設定なのに違和感がなく、どこか懐かしい昔話のような世界が広がっている。
特に好みだったのは「井戸を下りる」「黄金工場」「未完の像」「鬼物語」「鳥とファフロッキーズ現象について」。もうほとんど全部好みだった。
どの物語も、読ん...続きを読むでいて悲しい予感がある。きっとこの先悲しいことが起こると分かっていて読み進めるのは辛いけれど、その予感を裏切らないで最後にしっかり切ない気持ちにさせてくるところが良かった。
この切なさは登場人物たちの愛情によるもので、どの物語にもみんなが生きた証があった。余韻に浸っていたい。

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Posted by ブクログ 2021年05月05日

怪しく、切なく、淡いしっとりとした情緒のあふれる短編集。話のジャンルとしては怪奇系の小説なのですが、それぞれの短編ごとに描かれる、死と様々な愛の形が、大仰でもなく、どこか静かに、染み入るように語られていきます。
その語り口が織りなす空気感と、情緒が生々しい話であっても、どこか静謐で幻想的な雰囲気に物...続きを読む語を変えていく印象を持ちました。どことなく恒川光太郎さんっぽい雰囲気があるかも。

収録作品は7編。一番印象的だったのは、生き物を黄金に変えてしまう廃液を流す工場を描いた「黄金工場」
語り手である少年と年上のお姉さんの淡い交流と、人間の欲であったり嫉妬であったりが、残酷かつ寓話的に描かれていて印象的。少年の語り口がどこか懐かしく、一方でもう戻らない悲哀も感じられ、そうした情緒的な面もとても好みでした。

「鬼物語」は巨大な鬼に襲われる村と姉弟を描いた短編。
暴れまわる化け物の恐ろしさと、姉弟のそれぞれを想う心が作中終盤に描かれる桜の鮮烈かつ、幻想的なイメージと調和します。

「鳥とファフロッキーズ現象について」
何者かに父を殺された少女と、親子で世話をしていた鳥の奇妙な生活を描いた短編。
鳥と少女のユニークな生活模様のイメージが面白かったのと、ラストの切なさが心に残る。

表題作「死者のための音楽」は死に瀕した母と娘の対話を描いたもの。
臨死体験で綺麗な花畑が見えた、という話はよくあるけれど、この短編はそれの音楽版。音楽のイメージ、そして母親の人生と娘への想いが優しく美しい語り口で描かれます。

山白朝子というのは、ある有名作家の別名義。解説ではOさんと呼ばれています。
そのOの作品も読んだことがあるのですが、O作品は映画『CUBE』や『SAW』を思わせるスリラーから、不気味なミステリ。
はたまた、切ないものや古風な語り口まで色々あったので、この山白朝子名義で、そうしたバリエーションの豊かさを抑えて、テーマを統一して描かれている印象がありました。

一方でO名義で発表されている『CUBE』『SAW』っぽいスリラーと、この話に収録されている「鬼物語」が、同じテーマを宿しているようにも感じます。それでも切り口や設定を変えるとこうも物語の雰囲気が変わるかと、そういう意味でも面白く読めました。O作品はだいぶご無沙汰なのですが、名義別で作品を読み比べてみたくなります。

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Posted by ブクログ 2019年12月21日

ああ巧いなあと胸を打つ怪談集。ホラーと怪談は全く別のものだと思い知らされます。怖いだけではない美しさが哀しさが温かみがそこにあります。名前を使い分け、あらゆるジャンルをものにする作者ならではなのかも。

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Posted by ブクログ 2016年09月25日

美しく切ない幻想短編。「黄金工場」、「鳥とファフロッキーズ現象について」、「死者のための音楽」が好き。
「黄金工場」お母さん怖い。
「鳥とファフロッキーズ現象」鳥の行動が不穏でいつか何かを引き起こすんじゃないかと心配しながら読んでました。こんな感動させてくるとは。
「死者のための音楽」優しい、しっと...続きを読むりとした情緒があってよかった。

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Posted by ブクログ 2015年08月16日

もの悲しいストーリーですね。「平面いぬ」のブルー等に似ているアニマル系もあったり・・・乙一氏の別バージョン誕生の話もありそこそこ満足。

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Posted by ブクログ 2014年04月19日

某作家が別名で書いた短編集。 某作家の以前読んだことのある短編集が良かった。惨いシーンが入ることもあるけど、愛情と切なさが入り混じったストーリーを読みやすい文章で作る。この短編集にはそれが強く出ている。昔話っぽいものもある。「鳥とファフロッキーズ現象について」は何とも言えない複雑な気持ちになり印象的...続きを読む。これからも雑誌の冥の方でも楽しみに読んでいきたい。

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Posted by ブクログ 2014年01月05日

せつなさ漂う怪談短編集。
「鳥とファフロッキーズ現象について」と「黄金工場」が面白かった。
というかどれも面白かった、んだけどこれここで終わりかよー!がほとんど。
なんていいとこで了なの。

山白む朝の、幽冥の境界に、それでも人と共にあろうとする愛の物語でした。

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Posted by ブクログ 2013年12月02日

語り口が魅力的で美しい光景が広がる様でした。
桜の下や、井戸の底の部屋や、仄暗い工場なんかが…。
美しさに血の色や昏い切なさみたいな色の紗がかかって綺麗な織物の様です。

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Posted by ブクログ 2022年12月21日

どれも面白かったが、設定された時代が少し古いものが多くてあまり好みではなかった...かな。
「鳥とファフロツキーズ現象について」が1番好きだった。

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死にそうになるたびに、それが聞こえてくるの――。手首を切った母が搬送された病室で、美佐は母の秘密を知る。幼い...続きを読む頃から耳が不自由だった母は、十歳のときに川で溺れて九死に一生をえた。その後、川底で聞いた不思議な音楽を追い求める。夫に先立たれ、一人で美佐を育てた母。彼女に贈られた、美しい音楽とは。表題作「死者のための音楽」ほか、人との絆を描いた怪しくも切ない七篇を収録。怪談作家、山白朝子が描く愛の物語。

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Posted by ブクログ 2022年01月04日

二年振り以上に帰省。フェリーで十五時間。
電波も来ない、途中下車できない状況は自分にとって読書に最適。
ゆらゆらと波に揺られながら、暗い海を眺めつつ手に取った一冊。
 
怪談、というよりファンタジー短編集。
とんでもなくすばらしいわけでもなく、つまらないわけでもない。
表題作も良かったが、「鳥とファ...続きを読むフロッキーズ現象について」のほうが良かった。
読後、乙一作品の「しあわせは子猫のかたち」をなぜかおもいだしました。

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Posted by ブクログ 2020年10月12日

妖しい雰囲気の短編集。
寝る前にちょこちょこと読み進めていった。
タイトルが物凄くいい。

表題作も良かったけれど、カラスの話も好き。
井戸も面白かったなー。
ジワジワとしみてくる面白さ。

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Posted by ブクログ 2017年04月03日

趣味は焚火のOさんの別名義。
Oさんの作品は巧みだが青臭い。
本作品集は巧みさが前面に出て、スマートだ。

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長い旅のはじまり ※時代物。
父を殺された娘が、処女にして懐妊。(略……あとは読書メモに。)

井戸を下りる
私は若いころ、井戸の底の畳の部屋で暮らす雪と知り合った。(略……あと...続きを読むは読書メモに。)

黄金工場
ぼくは工場廃液のそばで黄金のコガネムシを拾う。生き物が黄金に変化するらしい。(略……あとは読書メモに。)

未完の像 ※時代物。
仏師修行中の私のもとに、人を殺した償いに仏像作成を教えてくれと少女が来る。(略……あとは読書メモに。)

鬼物語 ※時代物。
少女と弟は父なし子。気の触れた母、祖父と暮らし、村から疎まれている。熊のごとき鬼の言い伝え。(略……あとは読書メモに。)

鳥とファフロッキーズ現象について
父と私は怪我した鳥を屋根裏で飼う。(略……あとは読書メモに。)

死者のための音楽
手首を切った母と駆けつけた美沙とが互いに語り合う。と思いきや、(略……あとは読書メモに。)

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Posted by ブクログ 2015年07月20日

タイトルになっている「死者のための音楽」それに魅入られてしまった、悲しいラストが一番印象に残った。
どの短編も、途中まではいいんだけど、構成やら何やらで読ませておきながら、ぽつっと終わってしまう感があった。
それが味っていえば味なんでしょうけど

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Posted by ブクログ 2014年02月17日

7話の中篇集。
「鳥とファフロッキーズ現象について」がとても切かなった。
3代に渡る「鬼物語」は、オチがないけど、終わることのない鬼への恐怖が不気味だった。

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