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最近部屋で、おかしなものを見るようになった夫婦。妻は彼らの視界に入り込むそれを「幽霊ではないか」と考え、考察し始める。なぜ自分たちなのか、幽霊はどこにとりついているのか、理系の妻とともに謎を追い始めた主人公は、思わぬ真相に辿りつく。その真相は、おそろしく哀しい反面、子どもを失って日が浅い彼らにとって救いをもたらすものだった――「世界で一番、みじかい小説」。その他、表題作の「私の頭が正常であったなら」や、「トランシーバー」「首なし鶏、夜をゆく」「酩酊SF」など全8篇。それぞれ何かを失った主人公たちが、この世ならざるものとの出会いや交流を通じて、日常から少しずつずれていく……。そのままこちらに帰ってこられなくなる者や、新たな日常に幸せを感じる者、哀しみを受け止め乗り越えていく者など、彼らの視点を通じて様々な悲哀が描かれる、おそろしくも美しい”喪失”の物語。【解説:宮部みゆき】
...続きを読むPosted by ブクログ 2022年05月16日
山白朝子と乙一と中田永一は同一人物だという知識を得て、その3人のアンソロジー本で山白朝子を知ってすごく好みのタイプだと思っていた。
そう思ってから初めて読んだ彼女(と呼んでもいいのか)の短篇集は、やはりとても好みだった。
乙一はホラー系で中田永一は恋愛系で山白朝子はミステリ系…みたいなざっくりとし...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年04月12日
たまたま手に取った本だったが、読んでよかった。8つの短編集。忘れっぽい私は短編集だと気に入った話以外、内容が飛んでしまいがちだけど、この本は全て記憶に残っている。
どの話も残酷だったり悲しい出来事からの展開が多いけど、読み終えた時には小さな光を感じる。何度も涙が出て鼻をグズグズさせながらページをめく...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月23日
山白朝子は乙一の別名義とのこと
ホラーファンタジーとでもいうのか。
知らずに(最初に選んだ時は知ってたはずだけど忘れてた)読み始めて、なんだ苦手なホラーかよと思ったが、おどろおどろしいなんてことはなく、最初の話はユーモアもあり、サスペンス要素もあり、最後の話はファンタジーで、ほっこり。
乙一のおすす...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月06日
ホラー、ミステリー、SF的要素の混じった短編集。文章が、とても読みやすく変に文学ぶってなく、映画のように情景が目に浮かぶ。それぞれの話が、全然別のタイプながら展開が早くてひねりもあって、読み終えた後、なるほど、と納得感があった。通勤電車での暇つぶしには最高だった。
表題作は、特に良かった。今後思い...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年06月13日
蠟庵先生じゃない短編集。どれも喪失の物語で、胸を締め付けられるような息苦しさが常に付きまとっていました(2編ほど毛色の異なるSF短編でしたが。あの小説家は作者なのかな)。だからこそ最後の『おやすみなさい子供たち』がすごく沁みました。
お気に入りは『首なし鶏、夜をゆく』。タイトルも内容もすごくハマりま...続きを読む
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