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Posted by ブクログ
古事記は物語と歴史が渾然と入り混じった時代の産物であり歴史そのものではない、と著者が結ぶようにかなりぶっ飛んだ内容になっているようです。
果たして古事記に書かれている天皇の何代目から実在の人物なのかという事も興味があって、大体のところはわかっているらしい。
古事記、その成立は和銅5年(712)43代元明天皇の時代に太安万侶が筆録。
そもそもは天武天皇の発案を受け稗田阿礼がイザナギ・イザナミからの伝承を暗唱し、その暗唱を太安万侶が筆写して編集したというのだからすごいな記憶力!
その意味するところ日本が天皇家を基にしてなっているという事を真理とするための根回しのような歴史書なのか。
阿刀田さんの解説付きで読んでも無理矢理な理屈や飛びすぎた表現が一杯。
歴史書は勝者の記録と言われるが、力づくで歴史を作り出している部分が多いのも似た様な事と考えれば良いのかもしれない。
Posted by ブクログ
日本書紀は大和朝廷が渡来人に端を発する天皇家の正統性を担保するために都合のいいストーリーを神話の形をとって作成したものらしい、従って日本書紀にはない記述が多い古事記にこそ真実が散りばめられている。という説を読んだことがありますが、本書を読んでその古事記すらも似たようなものだと知って、がっかりしたというよりむしろ楽しい気分になりました。
征服とか権力闘争といった生々しい過去すら、どこかのんびりしていて、かつ微笑ましくも滅茶苦茶な神話に仕立て上げてしまった太古の日本人のもつ大らかな気質が感じられ、流石は八百万の神を祀ってきた民族だなぁと感心します。
今の世知辛い日本では殆ど感じることがないこの気質を、日本人として少しでも次の世に引き継げたらいいのにと思いました。
Posted by ブクログ
2年前に読んでいるんです。再読。読書会の課題図書。
前に読んだ時も面白かったのですが、再読しても面白かったです(笑)。
そして、改めて、「読んだはずなのに、ほぼ忘れている」ことに衝撃。
ヒトは、忘れる生き物ですねえ。
だから素敵なこともいっぱいあるんですが。
●とにかく、「ああ、この神社、この旧跡、行ってみたいなあ」という想いが。空腹時に素敵なグルメエッセイを読んだ気分(笑)。
(もともと、寺社巡りが好きだ、などという趣味があるからなんですけれど)
●あらためて、イザナギ・イザナミからスサノオ、オオクニヌシのあたりまでの、なんともワイルドで壮絶な物語性に目が眩みます。
これが、古事記成立当時は、子孫である(子孫であると自称する)天皇家と権力者たちにとっては、「不名誉」では無かった訳ですから、その頃の道徳の在り方っていうのがオモシロイ。
●神武天皇からヤマトタケルのあたり、つまりは「東方の未開民族たちを征服する権力の物語」。
このあたりは、誰もうかがえない実相という謎に向けて、被疑者の言い分を聞きとる刑事になった気分ですね。ミステリー謎解き感満載。
どうして、こういう物語になったのか。
そして、どうしてやや後年成立した「日本書紀」と齟齬があるのか。オモシロイ。
●そして雄略天皇のあたり。章題「殺して歌って交わって」。もうこのタイトルが秀逸の爆笑ですね。
リチャード三世も真っ青な、超ドロドロな大河ドラマ。
これ、その後継者たちが、正当化するために描いても、こうなってるわけだから。ホントのところはどれほどだったのか…。
まだメディアも人権も選挙も無い、権力という装置が、剥き出しの赤身のような生々しい時代。
特段、日本がどうこうという、名誉であるとか恥であるとかではなく、そういうものなんだよなあ、と思いました。
※リチャード三世も、阿刀田高さんのシェークスピア本で学んだことなんですけどね。
阿刀田さんの、この古典解説エッセイシリーズは、この先、再読再再読の愉しみもわくわくだなあ、と思わせてくれました。
歴史という物語を愉しめるならば、実に外れのない名著ですね。
Posted by ブクログ
『古事記』の現代語訳を読もうとして挫折し、
それならと薦められたのがこの本で、
古事記の世界やストーリーが親しみやすく書かれていて
確かに入門書としては最適。
『古事記』で頻出する人名は主要人物を除いて端折られているし
(神様の名前をいちいち掲げるのはややこしいので省略、といった具合である)
一人ひとりの神様が人間臭くイキイキと描かれているので
字面を追うだけになりがちな『古事記』とは違って
頭のなかで場面を想像しやすくなっている。
また、作者自身の古事記の舞台訪問記といった紀行文も
章ごとに挟み込まれていて、古代と現代との時間的空白を
つなぐ役目を果たしてる。
しかも、これがけっこう面白い。
自分はガイドブックとして、たまたまコンビニで見かけた
『一個人別冊 古事記入門』に掲載されている
神話ゆかりの地の写真を見ながら読んでいたので、
紀行文と合わせてイメージが掴みやすかった。
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