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姉さまが亡くなって、もう30年以上が過ぎました。お転婆な子供だった私は、お化け煙突の見える下町で、母さま、姉さまと3人でつましく暮らしていました。姉さまは病弱でしたが、本当に美しい人でした。そして、不思議な能力をもっていました。人や物がもつ「記憶」を読み取ることができたのです。その力は、難しい事件を解決したこともありましたが……。今は遠い昭和30年代を舞台に、人の優しさが胸を打つシリーズ第1作。
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Posted by ブクログ
幼い姉妹の周りで起きる不思議で、ちょっと怖い毎日。 人や物が見た出来事の記憶を「見る」ことが出来る力を持った姉。優しく、しとやかで、体も心も傷つきやすい。 そんな姉を思いやる元気な妹。 姉が持って生まれたその不思議な力は、当然のごとく警察の事件解決に一役買うことになる。 幼い姉妹の心の葛藤と、...続きを読む犯人や被害者への思いがとても繊細に描かれている。 記憶をのぞき見ることで、知らなくてもいいような、人の心の内側が見えてしまうということがどういうことなのか。 非常におもしろいストーリーでした。
昭和30年代の日本の下町を舞台に、ひとの記憶を垣間見る特殊能力をもつ鈴音(ねえさま)と、お転婆なワッコの仲良し姉妹の活躍を描くシリーズ。 当時の風俗や背景が抒情たっぷりに描写されてノスタルジックな感傷に浸れる。 ワッコの一人称で丁寧に回想される物語は終始やさしい言葉遣いで語られており、ミシンやテ...続きを読むレビの導入に一喜一憂する市井の人々の日常が、目にもあざやかに浮かんでくる。 そしてなんといってもねえさまが非常に魅力的。 やさしく美しく、どこまでも一途にひたむきに、損なわれた人の痛みに寄り添おうとするねえさま。 そのせいで自分が病んで傷付いても、彼女は人の根底の善性を信じようとする。 そのありさまが実に尊く胸に迫る。 収録された事件はどれも当時の社会問題や世相を映しており、戦争や差別や貧困が影を落とすものも少なくない。 だが決して後味が悪くないのは、ねえさまのやさしさに救われているから。 どんな不幸に見舞われても、悲劇に打ち砕かれたその中からきらきら光るカケラをすくい上げようとするねえさまの姿が澄んだ感動をもたらす。 ねえさまを支えるワッコはじめ周囲の人々も魅力的。 口が悪いエリート刑事にお調子者の巡査、のちに姉妹の友人になるミーハー娘まで、バラエティ豊かな人々が加わって物語を賑やかす。 全体通して切なく心温まるストーリーなのだが、個性的なキャラクターによるテンポよくコミカルな掛け合いが痛快で、吹きだしてしまった箇所も多い。 口から先に生まれたようなワッコはじめ、不在の父親に代わって大黒柱を努めるかあさまも出番は少ないながらシメるところをきちんとシメてくれて好感がもてる。 個人的に朝の連続テレビ小説にぴったりの原作だと思うのだが……
一気にわくらばファンになりました。貧しくとも健気に生きていた時代は素晴らしいですね。お菓子のきれいな個包装をとっておく…なんて子どもたちの文化を知りませんでした。今の子どもたちは、平然と300円のハーゲンダッツを買っています。アイスにそんな大金を変えられる金銭感覚が怖いです。最安値30円でありながら...続きを読む、忘れられないホームランバーの美味しさこそが子どもの感性を育むと信じてます。
サイコメトラーのような能力を持った鈴音とその妹である和歌子のお話。 読みやすく、シリーズとなっている。
朱川湊人さんにハマったきっかけであり、また、私の読書人生(?)を再スタートさせた本です。朱川湊人さんの書く、上品な女性の一人称で語られる話はとても読みやすいです。
『人や物の記憶を読み取る能力』を持つ姉さま。 昭和30年代の、そんな姉さまとの日々を妹の和歌子の回想でつづる。 読みやすいし引き付けられる文章っていうのかな…どんどん続きが読みたくなる物語だった。 その時代ならではの事件が起きたり、日常の様子が綴られてていてとても読みごたえがあった。 終戦直後、み...続きを読むんなが必死に生きていた時代。その雰囲気を味わえて良かった。 続編も絶対読む! 「世にも奇妙な物語」で光一さんが出演してた「昨日公園」の作者さん!
「わくらば」にはよく知られている、病気におかされた葉を意味する「病葉」と草木の若葉を意味する「嫩葉」という正反対の意味がある、とは本書の解説で知った。 であれば本書の主人公、活気溢れる妹の和歌子と病身の姉、鈴音の対照的な姉妹の姿が浮かんでくる。 本編ではわからずに解説でなんとか著者の深い意図がやっと...続きを読むわかる。ちょっと恥ずかしい。
昭和30年代。まだ日本が貧しかった頃の物語。 古き良き時代・・・と言っていいのかわからないけれど、今よりも不自由な(当時の人たちにはそんな認識はなかったと思うけれど)中に、人の優しさが息づいていた時代。 現実は厳しく、ときに残酷だ。 けれど反面愛しくて優しくて、ときに泣きたくなるほどに切ない。 ほん...続きを読むわりとした語り口で、穏やかさとあたたかさが描かれている。 不思議な力を持つ姉と、姉を慕う妹。 柔らかな印象なの凛とした美しさも感じさせる姉・鈴音は、病弱なところも含めて憧れ的な存在なのかもしれない。 二人をしっかりと見守る女丈夫な母親の果たす役割も大きい。 そして全編を通して感じるのは、甘く切ない何か。 たぶん鈴音の持つ能力はサイコメトリーと呼ばれるものだろう。 「サイコメトラーEIJI」のEIJIと同じ能力だと思われる。 鈴音はその能力によって事件解決の手伝いをしたり、身近な人の悩みを解消したりすることもできる。 けれど、同時にその能力によってもたらされるマイナスの部分も鈴音が引き受けなければならない。 特異な能力を持ってしまった人間は、普通よりも過酷な運命を辿りやすい。 少なくとも物語の中ではそういう設定のことが多い。 どんなに哀しい運命でも、「人生は無意味なんかじゃない」と思いたい。 たとえこの世のすべてが寂しく虚しいものに見えてしまうときがきたとしても・・・。 朱川さんらしい味わいのある物語だった。
この世で一番悪いことは、人の命を取ることです。その次に悪いのは、信頼を裏切ることです。 自分が信じられていることに、誇りを持ちなさい。信じられたからには、もう自分の体ではないのだと思いなさい。 信じた方が悪いんだなんて、口が裂けても言ってはいけません。あなたを信じた人は、あなたを愛した人でもある...続きを読むんですから。
人や物がもつ記憶を読み取る能力がある“姉さま”とその妹“ワッコちゃん”。昭和30年代の東京を舞台に、人と人とのつながりや温かさ、少しの哀しみが沁みる連作短編小説。 時を経て、40年ほど前の子ども時代を、ワッコちゃんが柔らかな語り口で回想するかたちでストーリーは展開していきます。盗難事件や殺人事件、...続きを読む悲しい出来事が続きますが、姉さまやワッコちゃんを始めとした人間味溢れる登場人物のおかげで悲しいだけは終わりません。 この作品には「善か悪か」を読み手に問うシーンが多く登場し、ひとつの大きなテーマになっています。犯罪自体は悪です。しかしなぜ犯罪に手を染めなければならなかったのか、その背景には本人が苦しんだ過去や嘘や事実が隠されている場合もあり、悲しさと切なさが綯い交ぜになりました。 事件ものが多いなか、『流星のまたたき』は切なくも淡い恋模様が描かれとても優しい気持ちになります。 夕日が照らす土手や煙突、部屋に響くミシンの音、三つ指揃える礼儀など、古き良き昭和の情景が鮮やかに広がりノスタルジックな気分に。 『わくらば』の意味は追々分かってくるのでしょうか。続編も楽しみ。
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