ハルキ文庫作品一覧

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  • 魯山人の食卓 新装版
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「食器が楽しいものになれば、必然、料理が楽しいものになるのです」――書・絵画・陶芸の大家・北大路魯山人は、食にも一切の妥協を許さぬ通人であり、それは店で出す食事、家庭の食卓を問わなかった。旨い寿司、自分で作る贅沢茶漬けに雑炊、そして食に携わるすべての人に沁みる簡にして要を得た名言……稀代の美食家の想いを余すところなく伝える食エッセイ集の新装版。
  • 旅するカラス屋
    5.0
    ここに行けば、どんなカラスに会えるだろう──カラスの生態を専門とする動物行動学者・松原始先生は世界地図を見ながら日々考える。そんな松原先生がカラスを追いかけ、日本を、そして世界を旅した距離はゆうに五万㎞超。調査で奥秩父や屋久島を駆け回り、冬の知床では雪の原野に身を隠すため頭から白いテーブルクロスを被る。音楽の街ウィーンでもマレーシアのジャングルでも、とにかくここのカラスが見たい! と探し歩く。カラスとカラス屋、どちらの生態も興味深い「カラス旅」エッセイ!
  • 少年時代
    5.0
    町を歩くチンドン屋のシゲさんが吹くサキソフォンの音色に惹かれ、彼についていった僕。シゲさんは僕に、“あきらめないこと”の大切さを教えてくれた。ある日、町で殺人事件が起きて……(「天の川の預かりもの」より)。その他、アクの強い両親のもと犬を飼い始めた少年、柔道部での上下関係に揉まれる少年……大人の世界の理不尽にさらされながらもひたむきに生きる、ピュアな彼らの成長を描く。昭和の香り漂う懐かしい時代の風景から予想外の展開が待ち受ける、書き下ろしの連作小説(解説・池上冬樹)
  • 新宿歌舞伎町駆けこみ寺 解決できへんもんはない
    5.0
    ”俺は命をかけとんのや”――在日韓国人の玄の幼少時代は不幸のどん底だった。中学時代からグレ始め、成人後は、不動産、サラ金……など自ら次々と事業を起こし、鉦の猛者となる。ヤクザとの抗争も絶えなかったが、平成12年白血病ウィルスの一種の感染者であることがわかる……。壮絶な人生の果てに巡り会ったのが、生まれて初めて人を信じられる場所、「新宿救護センター」であった。テレビ、新聞、雑誌などで大反響を呼んだノンフィクション。
  • 汚れた聖女
    5.0
    暴力団組員だった斉藤雅人は、今は足を洗い、神田でホットドッグ屋を開いていた。突然、雅人の店に山口詩音と名乗る女が、男に追われていると逃げ込んできた。事情もわからぬまま匿った雅人だったが、詩音のバッグには多額の現金が入っていた……。一方、それぞれの事情で、ネットカフェ住まいから抜け出せずにいる河合美和と井上真衣。ある日、詩音の荷物を預かった事がきっかけで、美和や真衣までもがヤクザや警察に追われる事になる――。女と男のリアルを描き切る書き下ろし長篇小説。
  • 総合商社 特命班
    5.0
    1~2巻770~836円 (税込)
    「もうお終いだ。俺もお前も。今から二人でここから飛び降りる?」 ──二〇一九年十二月三十一日十六時十六分──大手町にそびえる高層ビルNFタワー、総合商社・永福商事の本社ビル三十六階。入社十年の池畑大樹は、鬼気迫る表情で同期の青山仁に強く迫っていた。アメリカ、アジアなど海外赴任も多く、最前線で活躍していた二人に、一体何が起きたのか? 日本の未来は? 働くということは? 幸福とは? を問うノンストップエンターテインメント。令和の新企業小説。
  • 社長人事 不屈の達磨と社長の椅子
    4.8
    従業員五三〇〇人を擁する一部上場企業ジャパンテックパワー。日本の将来を背負い、再生可能エネルギーの発電施設を開発・運営する期待の企業が大きく揺れていた。株主総会を間近に控えたある日、社長が失踪。それに端を発した後継者争いが激化していく。混乱を極める会社に追い打ちをかけるように中国系ファンドの介入も噂され……。ベストセラー作家でありながら一部上場企業の執行役員の経歴を持つ著者が描く、圧倒的リアリティの経済エンターテインメント!
  • ウィメンズマラソン
    4.8
    岸峰子、30歳。シングルマザー。幸田生命女子陸上競技部所属。自己ベストは、2012年の名古屋で出した2時間24分12秒。ロンドン五輪女子マラソン代表選手という栄誉を手に入れた彼女は、人生のピークに立っていた。だが、あるアクシデントによって辞退を余儀なくさされてしまい……。そして今、2年以上のブランクを経て、復活へのラストチャンスを掴むため、リオ五輪を目指し闘い続ける。このままじゃ、次に進めないから――。一人の女性の強く切なく美しい人生を描く、感動の人間ドラマ。(解説・北上次郎)
  • グッバイ マイヒーロー
    4.7
    ぼくの心の中に忘れられない人がいる。何事にも几帳面で真面目な父ではなく、定職に就かず、何事にもいい加減、不まじめで、やりたいことしかしない叔父。ぼくの人生の岐路に突然に現れては混乱を巻き起こした男。いじめに遭っていた子供時代、悶々としていた学生時代、そして……。でもそんな叔父にぼくは救われてきたんだ。『嫌われ松子の一生』『百年法』の著者が、生き辛さに悩むすべての方にエールを贈る感動作! 単行本『いよう!』改題。
  • 風に吹かれて
    4.6
    米軍基地と古い城下町が共存する地方都市、岩国。フェンスの向こうをファントムが飛び立ち、でっかい入道雲が青空にわき上がっていたあの夏。中学二年のモリケンこと森木健一は、幼なじみのノッポ、ムラマサ、転校生のミッキーとともに、ある小さな冒険をしようとしていた。それは彼らが大人になるための通過儀礼だった──。
  • 黄昏ラジオ
    4.5
    わずか数分の街角リポートを懸命にこなす女性タレントと駆け出し放送作家の、中継を通じての淡い交流(「4分50秒の恋人」)。現在は裏方に徹しているかつての名局アナと今をときめく人気お笑いコンビのパーソナリティー対決(「空気に飛ばして」)。放送作家・作詞家・ミステリー作家、転々と肩書を変えながらいつしか元へ戻っている剛腕の男(「どこかではないここ」)。人気アニメのヒロイン役で人気絶頂の声優の、どこか満たされない複雑な想い(「麗しのヴェリーク」)。巡回する警備員が目にする深夜の放送局の光景(「夜を往く船」)。急病で出演を休んだ放送作家が自分不在の番組の展開に気をもむ一夜(「二酸化マンガンの夜」)。手がける番組がどれもヒットする敏腕ディレクターに隠された秘密(「ヒットメーカー(ハック・ラックの誤算)」)。担務変更による番組卒業時、裏方に徹するミキサーの心のうちに湧いた意外な感情(「リバーブ」)。海岸通りにほど近い喫茶店の女主人が語る、店と番組との不思議な因縁(「黄昏ラジオ」)。――ラジオ界のレジェンド作家が、放送局を舞台に繰り広げられるさまざまな人間模様を、甘く切なくコミカルに描く、しゃれっ気いっぱいの作品集。
  • 間取りと妄想
    4.5
    同棲中であるミワの家は、玄関のドアを開けると二つのドアが現れる。彼は帰宅すると、ミワのいるリビングに通じるドアではなく、先にもう一方のドアを開くという……(「どちらのドアが先?」)。三橋葉子は、母の死を機に、叔父が暮らしていた家に移り住んだ。葉子はその家に住むにあたり、窓がなくドアも見つけにくい小部屋をつくった……(「仕込み部屋」)。単行本時、話題沸騰した唯一無二の間取り小説、待望の文庫化。(解説・春日武彦)
  • 友よ、静かに瞑れ
    4.5
    海辺の温泉街で旅館を営む旧友の坂口が逮捕された。街一帯を牛耳っている下山観光の事務所で刃物を振り回したのだという。坂口は決して人に刃物をむけるようなやつじゃない。真相を探るために坂口の親友である新藤剛はこの街にやってきた。下山観光と坂口の間に何があったのか。坂口を留置場から出そうと、新藤は体を張って動き出す……。痛み、傷つき、彼らは命がけで己を生きる。血よりも濃い男の友情、生き様に熱く震える、語り継がれる北方文学の傑作が、装いも新たに登場。
  • 宵待草夜情
    4.5
    大正九年の東京。祭りの夜に、カフェ「入船亭」の女給・照代が殺された。着物を血に染めて店を出てきたのは、同じ店で働く鈴子。鈴子の恋人・古宮は、彼女が殺したのかと考えるが──。はかない男女の哀歓を描き、驚きの結末を迎える表題作ほか五篇。人の心の底知れぬ謎、深く秘められた情念から、予想をはるかに超える真実が立ち上がる。不朽の傑作ミステリー、待望の新装版。(解説・泡坂妻夫)
  • 鯨オーケストラ
    4.4
    僕は、町のローカルラジオ局で、深夜の番組を担当している。ある日ラジオで、十七歳の時に絵のモデルをしたことを話したところ、リスナーから、とある美術館で、僕によく似た肖像画を見た、と葉書が届く。そこから導かれるようにして、僕の時間は動き出した──。土曜日のハンバーガー、流星新聞、キッチンあおい、行方不明の少年、もぎり嬢の多々さん、鯨オーケストラ……時間も空間も記憶も越えて、すべてがつながっていく、小さな奇跡の物語。
  • さらば荒野 ブラディ・ドール⑴
    完結
    4.4
    全18巻616~858円 (税込)
    港町N市にある酒場「ブラディ・ドール」。店のオーナー・川中良一の元に、市長の稲村からある提案が持ちかけられた。その直後、弟の新司が行方不明になっていることを知った川中は、手掛かりを掴むために動き出す。新司は勤務先から機密事項を持ち出し、女と失踪している事が判明した。いったい弟は何を持ち出したのか!?そして黒幕は――。ハードボイルド小説の最高峰が、ここに甦る。シリーズ第一弾!!
  • 罪人に手向ける花
    4.4
    癒し系女性検事・黒木二千花、登場! ゆったりめのワンピースに、ふわふわと波打つ長い髪。笑顔を絶やさず被疑者に向かい合う彼女には、元検事だった父の影響からか絶対に悪を赦さないという強い信念があった。その彼女が担当する殺人事件の被疑者は、かつて二千花の父が起訴を見送った男だった。その男は今度も無罪なのか、それとも……。法廷ミステリーの旗手として注目を集める著者による新たなる検事小説。
  • 楽園の犬
    4.3
    一九四○年、太平洋戦争勃発直前のサイパン。日本と各国が水面下でぶつかり合う地に、横浜で英語教師をしていた麻田健吾が、南洋庁サイパン支庁庶務係として降り立つ。ここにはあらゆるスパイが跋扈し、日本と他国との開戦に備え、情報収集をしていた。そして麻田もまた日本海軍のスパイという密命を帯びていた……。時代が大きなうねりを見せる中、個人はどこまで自分の考えを持つことができるのか? そして、どこまで意志を通すことができるのか? 南洋の地を舞台にした壮大な物語、待望の文庫化!
  • 沈黙の終わり(上)
    4.3
    二十年掛けて築き上げてきたことが、ここで一つの形となった。――著者 20周年を飾る、記念碑的作品、誕生。 千葉県野田市の江戸川沿いで、七歳の女児の遺体が発見された。そのニュースを知った東日新聞埼玉支局の古山は、埼玉でも四年前に八歳の女児の行方不明事件があったことを思い出す。調べてみると、その現場は今回の事件と江戸川を挟んですぐ近くだった……。三十年以上隠されてきた連続幼女誘拐殺人。縄張りに拘る無駄な県警のプライド。利権を死守したい政権による圧力。すべてを乗り越え、真相を追え! 記者の魂を描いた傑作ミステリー。
  • ひゃっか!
    4.3
    即興で花をいける、5分の勝負。2人1組でエントリー。花をいける所作も審査対象。――高校二年生の大塚春乃はこの大会に惹かれ、出場を目指していた。だが生け花は高校生にとって敷居が高く、パートナーが見つからない。そんな春乃の前に現れた転校生・山城貴音。大衆演劇の役者だという彼は、生け花の素養もあると聞き……。高校生たちの花にかける純粋な思いが煌めく、極上の青春小説。
  • 古本食堂
    4.3
    鷹島珊瑚は両親を看取り、帯広でのんびり暮らしていた。そんな折、東京の神田神保町で小さな古書店を営んでいた兄の滋郎が急逝。珊瑚が、そのお店とビルを相続することになり、単身上京した。一方、珊瑚の親戚で国文科の学生・美希喜は、生前滋郎の元に通っていたことから、素人の珊瑚の手伝いをすることに……。カレー、中華など神保町の美味しい食と思いやり溢れる人々、奥深い本の魅力が一杯詰まった幸福な物語、早くも文庫化。
  • 男たちの十字架
    4.3
    南アルプスの山中に現金20億円を積んだヘリコプターが墜落。その金は台湾マフィアが裏金を国外へ運び出す為のものだった。同僚をマフィアに殺された刑事・尾方、元台湾マフィアの功刀、組織の面子の為に、また己の野望の為に、二人を追いかける台湾マフィアの殺し屋・揚烈輝。それぞれの野望とプライドを賭けての現金争奪戦が始まった――。極寒の苛烈な雪山の中での壮絶なるサバイバル戦。20億の現金を手にするのは果たして誰なのか・・・・・・?
  • 奇蹟の馬 サイレンススズカ
    4.3
    それはもはやレースではなく、サイレンススズカという馬ただ一頭のパフォーマンスのためにショーアップされた舞台のようなものだった――(「奇蹟の馬 サイレンススズカ」より)。常に美と速く走ることだけを追求し、進化を強制された芸術、サラブレッド。人間が作り出した競馬という舞台で輝いた名馬たちの物語を鮮烈に描いた感動ドキュメント!
  • 紙の月
    4.3
    ただ好きで、ただ会いたいだけだった――わかば銀行の支店から一億円が横領された。容疑者は、梅澤梨花41歳。25歳で結婚し専業主婦となったが、子どもには恵まれず、銀行でパート勤めを始めた。真面目な働きぶりで契約社員になった梨花。そんなある日、顧客の孫である大学生の光太に出会うのだった……。あまりにもスリリングで、狂おしいまでに切実な、傑作長篇小説。各紙誌でも大絶賛された、第25回柴田錬三郎賞受賞作、待望の文庫化。
  • 紅茶とマドレーヌ
    4.2
    1~2巻836円 (税込)
    及川姫乃・四十一歳は、ある日いきなり没落した。会社を経営していた夫が、借金を残して失踪したのだ。女子校時代は学院のプリンセス、タワマン住まいで、ずっと専業主婦だったのに、高校入学を控える娘・笑里とどう生活していけば!? だが姫乃は途方に暮れている場合ではないと、得意の焼き菓子作りを活かし英国式ティールームを開こうと決意。娘や友人たちと支え合って泣いたり笑ったり……。香り高い紅茶ととびきりの焼き菓子が疲れた心をやさしく包み込む、温かく愛おしい物語。
  • 妖国の剣士(新装版)
    完結
    4.2
    全8巻858~880円 (税込)
    人間と妖魔とが争いを続けている安良国。幼い時に攫われた弟を探すため、女剣士・黒川夏野は旅に出た。東都・晃瑠への道中、人の姿に化けた妖魔の伊紗に、盗まれた竹筒を取り戻す手伝いをしてほしいと頼まれて社に向かう。その時夏野は、竹筒に封印されていた妖かしの目を己の左目に取り込んでしまった。その後、晃瑠に到着した夏野は安良国最強の剣士と謳われる鷺沢恭一郎と、片目の少年・蒼太に出会うが──。傑作時代ファンタジー新装版第一弾!!(解説・細谷正充)
  • おいしくて泣くとき
    4.2
    無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。店のオーナーの息子・心也は、怪我で大好きなサッカーができなくなり、中学最後の夏休みを前に晴れない気持ちを持て余している。また心也は、時々こども飯を食べにくる同級生のことを気にしていた。一人は夕花。クラスから疎外され、義父との折り合いも悪い。もう一人は金髪パーマの不良、石村。友情と恋心、夏の逃避行。大人たちの深い想い。〈子ども食堂〉から始まる思いやりの連鎖が、温かな奇跡を呼ぶ。傑作長篇、待望の文庫化!
  • ZONE 豊洲署生活安全課 岩倉梓
    4.2
    日本全体が少子化で人口減に悩まされる中、東京都江東区豊洲は、空前の人口増と再開発に沸き立っている。新たに設置された豊洲署生活安全課の女性刑事・岩倉梓のもとに持ち込まれる事件の数々。《児童ネグレクト》《貧困老人の孤独死》《震災詐欺》――。生まれつつある街の中で、梓は自分に出来る仕事を悩みながらも一歩一歩模索していく……。本格派・福田和代が描く、新世代警察小説。(解説・宇田川拓哉)
  • 光の山脈
    4.2
    犬たちとともに山を駆けめぐり、イノシシを狩るロッタこと六田賢司。無欲で純粋なこの若き猟師の前に立ちはだかったのは、暴力団と手を握った企業による悪辣な自然破壊だった。その魔手が、身重の妻と新聞記者である兄に及んだとき、ロッタは狼犬・シオと、豪雪と蒼氷の南アルプスにたてこもる。マイナス20度の極寒の世界で、容赦なく顔を叩く地吹雪。壮絶なサバイバル戦の火蓋が切って落とされた……。山岳冒険小説の金字塔と大絶賛された感動の物語。
  • 今日のハチミツ、あしたの私
    4.2
    蜂蜜をもうひと匙足せば、あなたの明日は今日より良くなる──。「明日なんて来なければいい」と思っていた中学生のころ、碧は見知らぬ女の人から小さな蜂蜜の瓶をもらった。それから十六年、三十歳になった碧は恋人の故郷で蜂蜜園の手伝いを始めることに。頼りない恋人の安西、養蜂家の黒江とその娘の朝花、スナックのママをしているあざみさん……さまざまな人と出会う、かけがえのない日々。心ふるえる長篇小説。
  • 店長がバカすぎて
    4.2
    谷原京子、二十八歳。吉祥寺の書店の契約社員。超多忙なのに薄給。お客様からのクレームは日常茶飯事。店長は山本猛という名前ばかり勇ましい「非」敏腕。人を苛立たせる天才だ。ああ、店長がバカすぎる! 毎日「マジで辞めてやる」と思いながら、しかし仕事を、本を、小説を愛する京子は――。全国の読者、書店員から感動、共感、応援をいただいた、二〇二〇年本屋大賞ノミネート作にして大ヒット作。巻末にボーナストラック&早見和真×角川春樹のオリジナル対談を収録。
  • 未来へ……上
    4.2
    1~2巻748円 (税込)
    「かなちゃんのお仏壇を、だして」。多賀内若葉は、成人式を迎えた“ひとり娘”の菜苗から、思わぬ願い事をされた。二十年前に双子を授かったときには、愛らしい娘たちと優しい夫の家族四人、いつまでも幸せに暮らすのだと思っていた。けれど、それから五年後の夏、双子の姉・香苗は遠足のバス事故で亡くなってしまった。菜苗の願いを聞き入れ、しまい込んでいた仏壇を出してから、若葉は封印していた悲しい記憶を呼び起こされ、不思議な夢を見るようになる――(全2巻)。
  • チェンジ!
    完結
    4.2
    御坂晃はドラフト三位でプロ入りして八年目の三十歳。自己ワースト記録を更新し二軍落ちを言い渡された。代わりにセカンドを守ることになった上杉は、打撃はいいが守備は下手らしい――。そんな中、二軍コーチの西内から外野をやってみないかと打診され……(「コンバート」より)。コンバート、怪我、フォームの改造、引退勧告など、野球選手には常に様々な問題が降りかかる。それぞれのポジションの選手が直面する苦悩、決断、友情など、心の機微が胸に響く、ヒューマン野球短編集。
  • 三国志 一の巻 天狼の星
    4.2
    時は、後漢末の中国。政が乱れ賊の蔓延る世に、信義を貫く者があった。姓は劉、名は備、字は玄徳。その男と出会い、共に覇道を歩む決意をする関羽と張飛。黄巾賊が全土で蜂起するなか、劉備らはその闘いへ身を投じて行く。官軍として、黄巾軍討伐にあたる曹操。義勇兵に身を置き野望を馳せる孫堅。覇業を志す者たちが起ち、出会い、乱世に風を興す。激しくも哀切な興亡ドラマを雄渾華麗に謳いあげる、北方〈三国志〉第一巻。

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  • 食堂メッシタ
    4.1
    ミートソース、トリッパ、赤牛のロースト、鶏バター、アンチョビトースト……美味しい料理で人気の目黒の小さなイタリアン「食堂メッシタ」。満希がひとりで営む、財布にも優しいお店だ。ライターの笙子は母親を突然亡くし、落ち込んでいた時に、満希の料理に出会い、生きる力を取り戻した。そんなある日、満希が、お店を閉めると宣言し……。続々重版の大人気シリーズ「食堂のおばちゃん」の著者が放つ、料理と愛の物語。
  • マティーニに懺悔を(新装版)
    4.1
    教会のベンソン神父が若い女性を伴って、街のバーへ私を訪ねてきた。連れの女性・長原美沙子の婚約で、神父は上機嫌に祝杯をあげた。だが、一週間後、自殺未遂の新聞記事に彼女の名前が……。暴力団に乱暴され、婚約を破棄されたのだという。それを知った神父は一人で乗り込み、逆に返り討ちに遭ってしまった。どうやら茶道の師匠である私の、封印したもう一つの顔の出番のようだ――。傑作ハードボイルド、待望の新装版。(解説・西上心太)
  • ふるさとは本日も晴天なり
    4.1
    深夜のラジオ放送に熱中し、将来は映画監督になることを夢見る、どこにでもいる普通の少年、横山雄二。そんな彼が苦労の末、見事放送局にアナウンサーとして合格。持ち前のバイタリティーで人気アナウンサーへの階段を上っていたが、ある事件をきっかけに会社で孤立してしまう。自暴自棄になりかけた雄二を救ったのは「家族の愛」と、少年時代夢中になって聴いていた「ラジオ」だった。広島県の人気アナウンサー「天才!横山雄二」が描く感涙の物語。
  • キッチン風見鶏
    4.1
    港町で三代続く老舗洋食屋「キッチン風見鶏」。おすすめは、じっくりと手をかけた熟成肉料理だ。漫画家デビューを夢見るウエイター・坂田翔平は、幽霊が見えてしまうのが悩みのタネ。お客さん一人ひとりに合わせた料理が好評なオーナーシェフ・鳥居絵里は、家族の健康を案じつつ空元気を出して奮闘中! 誰しも未来は不安だし、人生は寂しいものだ。でも、だからこそ、自分の心に?をつかずに生きていく──。美味しさとやさしさが溢れる傑作長編。
  • 機械式時計王子の休日 千駄木お忍びライフ
    4.1
    1~2巻704~726円 (税込)
    千駄木すずらん通りの一番端にある、四代続くトトキ時計店。十刻藤子は、妹・桜子の三つ子の出産で手が離せなくなった母親に代わり店番をすることに──。時計に全く無関心で知識もない藤子の前に、スイスから来たという不思議な兄弟が現れた。町のシンボルであった時計塔を二十年ぶりに動かすというが……(「塔の上の大時計」より)。日常のさまざまな謎を、ラグジュアリーな時計とともに解決していく、書き下ろし下町ミステリー。
  • ゼロ打ち
    4.0
    大和新聞の記者・片山は、選挙の取材中に「ある都議会議員の不審死」を知り、懇意にしている刑事に探りを入れた。一方、国会議員のベテラン秘書の中村は、新人候補の大学教授の選挙応援に駆り出された。苦しい選挙戦のなか、本人の女性スキャンダルが拡散され──。「政治」と「カネ」と「犯罪」の深い闇。政界のタブーに昂然と斬り込んだ問題作、待望の文庫化。巻末に、著者と動画メディア「文藝春秋PLUS」編集長とのスリリングな特別対談を収録。(「ゼロ打ち」とは、選挙の開票開始直後、開票率0パーセントに近い時点で特定候補者の当選確実を報じること)
  • 食堂のおばちゃん
    4.0
    1~18巻748~759円 (税込)
    焼き魚、チキン南蛮、トンカツ、コロッケ、おでん、オムライス、ポテトサラダ、中華風冷や奴……。佃にある「はじめ食堂」は、昼は定食屋、夜は居酒屋を兼ねており、姑の一子と嫁の二三が、仲良く店を切り盛りしている。心と身体と財布に優しい「はじめ食堂」でお腹一杯になれば、明日の元気がわいてくる。テレビ・雑誌などの各メディアで話題となり、続々重版した、元・食堂のおばちゃんが描く、人情食堂小説。(著者によるレシピ付き)。
  • なりすまし
    4.0
    ある朝、夫婦でブックカフェを経営している和泉浩次郎が娘の杏奈を連れて出勤すると、妻エリカが店内で惨殺されていた。その捜査の過程で、エリカが戸籍を偽っていたことを告げられる。妻はいったい何者で、誰が殺したのか? 激しく動揺する和泉だったが、実は彼も戸籍を偽る「なりすまし」だった。焦燥する和泉を嘲笑うかのように、娘の杏奈も殺されてしまう。いったい彼の周囲で何が起きているのか……? 戸籍売買、無戸籍児、そして「なりすまし」──暗部を描き切った社会派小説の傑作!
  • 結婚紹介殺人事件
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 榊原千亜記の短大時代からの親友・橋本恵美がアパートの自室で全裸死体となって発見された。恵美は結婚紹介所〈エルピーライフ〉に入会しており、その日も五人目の相手とデートをしていたはずであった。千亜記は「恵美がスキャンダラスな女ではないこと」を証明するために、刑事の忠告を無視して、単独で捜査を始めるのだが。“幸せな結婚”を夢見る男と女の交錯する愛憎を描く長篇ミステリーの傑作。
  • 極道酒場
    4.0
    東京下町にある、赤提灯に「めしとさけ」と黒々と書いた縄のれんの一軒。そこは元組長の大将が営む、採算度外視の旨安居酒屋。噺家に小説家志望、刑事に紅一点の常連が集う中に初めて訪れたサラリーマン・西岡亨は何故か気に入られ通い詰めることに。だが、その居酒屋ではしょちゅう事件が起こり!? 特殊詐欺、ライバル店の嫌がらせ、政治家の裏金問題などなど……どんな問題も大将の逸品と剛腕で見事解決! 人情&グルメエンターテインメント、開幕!
  • あなたに電話
    4.0
    大学生・勇との駆け落ちを計画する主婦の史子(ルビ:ふみこ)。当日取りやめる場合のみ、電話をすると約束していた。緊張しながら荷造りを進める史子だが……。(「6:30 PM成田発」)「もう会いたくない、電話もしないで」と自ら告げて別れたにもかかわらず、元恋人からの電話を待ち続けている潮子(ルビ:しおこ)。留守電を気にしながら職場へ向かうと、仕事仲間の織田から食事に誘われ……(「Never Call Me Again」)。あのとき電話に出ていれば、変わったはずの二人の運命。電話をテーマに様々な恋のシーンを描く、珠玉の短編集が復活しました。(解説・唯川恵)
  • 新装版 旨いものはうまい
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 “今から思ふと、食べもののことや酒を飲む話を書き始めたのは、かういふものを書いてゐれば誰からも尊敬されたりする心配はないし(中略)誰にも気兼ねしないで本音が吐けると考えてのことだつたやうである” ニューヨークで毎日のように通った酒場、麦の匂いがする英国のトースト、広島の牡蠣、横浜の点心、近畿の松茸……。文士・吉田健一が旨いものへのこだわりと本音を包み隠さず語った幸福な食エッセイ集が、新装版になって帰ってきた!
  • 新装版 酒食生活
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 師匠を追いかけて訪れた浅草「並木の藪」で頼むのは、鴨なんばんのソバ抜き・通称「鴨ヌキ」。女将のたねさんが笑顔で運んでくれた、祇園「山ふく」の雑ぜ御飯。美味しいのになぜか味が嘘くさい空港のハヤシライス。こだわりと人情で彩られた、日本各地の行きつけの店と、食にまつわる礼儀作法、そして今は亡き人々の温かい記憶。昭和の文士によるとっておきのグルメエッセイが、新装版として復活しました!(解説・嵐山光三郎)(新装版解説・白央篤司)
  • 新! 店長がバカすぎて
    4.0
    三年ぶりに吉祥寺本店に店長として復帰した山本猛は張り切るが、相変わらず人を苛立たせる天才だ。それでも部下の京子は新人作家の才能に打ちのめされ、好きな作家の新作に心躍らせ、時には泣き、笑い、怒り、日々戦っている。スタッフや作家の大西先生や小料理屋を営む父親などの応援を受けながら──。思いっきり楽しんだあとに小説と書店の未来を、仕事の意味を、生きる希望を改めて深く考えさせられる、二〇二〇年本屋大賞ノミネート作品の第二弾。(解説・大九明子)
  • ブリザード・フラワー
    4.0
    老朽化した警察拳銃を新しいものに交換することとなり、廃棄処分のため移送されていた拳銃百四〇挺と実弾千四百発が何者かに強奪された。犯人はその拳銃に弾丸を装塡し無作為にばら撒いた。「お役に立つと思います」というメモとともに。そして都内では重大犯罪や自殺が頻発し始めた。厳重警戒体制下におかれた東京、「警視庁の祟り女神」と呼ばれる組織犯罪対策部の氷見麻里子はバディの越石渉とともに奪われた拳銃を追う……。警察小説シーンに新たなヒロイン登場!
  • 戦渦の神宝
    4.0
    昭和二〇年夏、敗色濃厚な太平洋戦争末期、考古学を研究していた大学生・外園武志は、帝国考古協会へ呼ばれ、三種の神器と並ぶ神宝・十種瑞宝の探索を命じられる。陸軍はその霊力を使い、戦局の挽回を図ろうとしていた。信長に奪われたともいう宝を探す最中、武志は『神事本紀』という古書に巡り合う。それには知られざる宗教の歴史と瑞宝の軌跡が記されていた。彼は巫女見習いの弓月眞理依や謎の男・煙藤四郎と古代の謎を追い求めるのだが……。傑作歴史冒険ミステリーの登場!
  • 逢魔ヶ刻
    4.0
    ゆく宛のない旅の中、見知らぬ駅に降り立った笹森。「夜見」というその街で唯一の旅館に泊まることになった彼は、酒場で小夜子という女と出会う。彼女と街の不思議な魅力に捕らわれて、数日間この街に滞在するうちに、この土地に伝わる悲劇の伝説と、二年前に起きた旅行者の失踪事件を知ることになる。時間の流れが止まったようなこの街で何が起ころうとしているのか? 幻想的な古都を舞台に描くサスペンス&ホラー。
  • ワイルドドッグ 路地裏の探偵
    4.0
    浅草の古ぼけた遊園地『花やしき』裏で、調査会社を営んでいる元警察官の松戸。覚えのない不祥事に巻き込まれ、出所不明の口止め料4千万を渡された挙げ句、身辺を張り込まれるという境遇に陥った彼は、人生の負け犬を装って探偵を続けていた。そこに警視庁の同僚だった紅林から警察官に成れなかった少女・依美を共同経営者にしないかという申し出が来る。不穏な匂いを感じつつも、それを受け入れた松戸は、紅林経由で依頼のあった教育機関役員の素行調査を進めるのだが……。新たなる探偵バディ小説の登場!
  • 還らざる聖域
    4.0
    解放部隊です。現在、われわれは全島を武装制圧しています。違反を見つけた場合は警告なしに射殺します──突如、街中に響いた宣言。部隊は上陸に際し、多くの島民を虐殺。警察署などを爆破し、あらゆる通信を遮断した。孤島となった屋久島で、山岳救助隊員・高津夕季と山岳ガイド・狩野哲也らは生き残りを賭けて、山嶺を駆け巡る! 空前の山岳アクション大作。(解説・西上心太)
  • 神楽坂スパイス・ボックス
    4.0
    1~3巻792~836円 (税込)
    五年間つき合ってきた彼にふられた雑誌編集者のみのり。イタリアンレストランの若きオーナーシェフである元彼を見返すため、自らも飲食店を開店し人気店にしてみせると心に誓う。そのために彼女は、夫を亡くし実家に引きこもっている姉ゆたかに一緒に店をやろうと誘う。姉も亡くなった義兄もシェフだったからだ。そして姉妹は神楽坂の路地の奥の奥にあった木造家屋にスパイス料理専門店を開店させる。そしてその店では、料理を食べた人たちにある変化が……。心に栄養が染み渡る料理小説!
  • 熱中ラジオ 丘の上の綺羅星
    4.0
    十六歳だった嘉門タツオは、タクシーから降りて笑福亭鶴光に、荒い息づかいで声をかけた。「弟子にしてください!」。一方、先達の金森幸介の曲は、「ヤングタウン 今月の歌」に選ばれ、洋々たる未来が開けていた……。千里丘のラジオ局は、大阪の若者たちの憧れそのもの。だけど未来は必ずしもまっすぐじゃない。辛い内弟子時代と破門、鳴かず飛ばずからの再デビュー。業界追放の苦しみの中、タツオは放浪し、自分の生きる芸事の道を探す。大阪人の夢物語そのものと言える、濃くもあったかい自叙伝物語!
  • 今夜も愉快なインソムニア
    4.0
    ある医療事故を契機に不眠症にかかってしまった外科医の俺は、昼間に強烈な睡魔に襲われることからミスを連発し、ここ一年メスを握っていない。症状を改善するため通っていた睡眠障害専門の診療所の臨時医をなぜか引き受けてしまった結果、俺は様々な事件(連続殺人鬼や外国スパイなど)に巻き込まれることに……。手術場に立てない元外科医の俺の未来はどっちだ!? 「このミス!」大賞出身作家が描く、コミカル&スピーディーなミステリをどうぞ!
  • 君のいた日々
    4.0
    「どこかではぐれないように。はぐれてもまた会えるように」と、ふたりで約束した――春生は去年、妻の久里子を病気で亡くした。いまだにメソメソしていて息子の亜土夢にあきれられている。久里子は去年、夫の春生を突然亡くした。倒れた朝、彼にちょっとだけ意地悪をしたことをいまも悔いている……〈妻を失った夫〉〈夫を失った妻〉のそれぞれの世界から優しく紡ぐ、人生の愛しさに満ちあふれた感動の物語。(解説・木皿泉)
  • 女子大生つぐみと古事記の謎
    4.0
    大学で古事記を研究する森田つぐみは、ある日、謎の組織に拉致されそうに成り、雑誌記者の犬飼大志郎に助けられる。おまけに見に覚えのない同級生殺しの容疑者として警察からも追われるはめに。なぜつぐみが狙われるのか。二人は逃走を続けながら、その理由を探る。そしてつぐみが、古事記に関するある謎を握っていることを知る。神武天皇と草薙の剣の重大な秘密に迫る、鯨流古代史ミステリー!
  • 共犯レクイエム 公安外事五課
    4.0
    杉並書少年係の女性刑事・篠原早紀は、強盗未遂事件の捜査で担当した被疑者の少年を殺され苦悩していた。そんな中、突然公安である警視庁外事五課へと異動になり、癖のあるメンバーとともに、東欧スパイの監視を開始する。同課の風間律子を目標としていた早紀は五課課長・常川から律子の内偵を命じられる。早紀の異動は、五課内に潜む裏切者炙り出しのためだった。東欧のスパイハントの傍ら、公安部内の黒い影を彼女は払うことができるか……。傑作スパイサスペンスの登場。
  • 存在しない時間の中で
    4.0
    世界各国から研究者や大学院生が集まっている天文数物研究機構。ある日、若手研究者たちが主宰するセミナーに謎の青年が現れ、ホワイトボード二三枚に及ぶ数式を書き残して姿を消した。誰も見たこともないその数式は、この宇宙そして世界の設計図を描いた〈何ものか〉が存在する可能性を示唆していた。人類は〈神の存在〉に沸き立ち、アクセスを試みる。そして、その日から現実が大きく変わることになる……。「この世界にシナリオが存在したら、あなたはどう生きますか?」を問いかける衝撃作! 作家・早見和真氏が「『一気読みしたら負け』。プロになってからずっとそう思っていた僕が、一晩で読まされてしまいました」と絶賛したSFミステリー。
  • びんぼう草
    4.0
    汚い捨て猫を拾ってしまった私。ブサイクな猫でもらい手が見つからず困った私は……(「ぶー」)。私は高校時代の友人・セッちゃんと偶然デパートで会った。彼女はとんでもなく行儀が悪い男の子を連れていた(「友だちの子供」)。フリーランス・ライターのひい子は、ひとり暮らし。川で獲ってきた大量のシジミと同居することに……(「シジミの寝床」)など、笑って、心がスッキリ楽しくなる小説集、装いも新たに登場。(解説・内田春菊)
  • ぼくもだよ。 神楽坂の奇跡の木曜日
    4.0
    「人は食べたものと、読んだものでできている」──書評家のよう子は、神楽坂に盲導犬のアンと暮らしている。出版社の担当の希子と隔週の木曜日に、打ち合わせを兼ねたランチをするのが楽しみだ。一方、神楽坂で〈古書Slope〉を切り盛りするバツイチの本間は、五歳になる息子のふうちゃんと、週に一度会えるのが木曜日だ。書物への深い愛と強い信頼、それを共有できる大切な人。本に込められた〝想い〟を伝えていく──。(解説・新川帆立)
  • パンとスープとネコ日和
    4.0
    1~5巻550~594円 (税込)
    唯一の身内である母を突然亡くしたアキコは、長年勤めていた出版社を辞め、母親がやっていた食堂を改装し再オープンさせた。しまちゃんという、体育会系で気配りのできる女性が手伝っている。メニューは日替わりの〈サンドイッチとスープ、サラダ、フルーツ〉のみ。安心できる食材で手間ひまをかける。それがアキコのこだわりだ。そんな彼女の元に、ネコのたろがやって来た――。泣いたり笑ったり……アキコの愛おしい日々を描く傑作長編。
  • 下町洋食バー高野 捨て猫のプリンアラモード
    4.0
    1~2巻748~858円 (税込)
    オリンピックまで二年、昭和三十七年の東京。十七歳の郷子は、二年半前に集団就職で上京したものの、劣悪な労働環境から工場を逃亡した。そのまま上野駅でうろうろしていたところを、浅草にある「洋食バー高野」のおかみ・とし子に拾われ、そこで働くことに。美味しく温もりあふれる絶品料理と、一緒に働く人々や、訪れるお客さんに出会い、郷子は新しい“仲間”と“居場所”を見つけていく──。下町の社交場「洋食バー高野」を舞台に描く、少女の上京物語。
  • 流星シネマ
    完結
    4.0
    全1巻836円 (税込)
    「いま、ここにいない人やモノの声を聴く」──都会のへりのガケ下の町。鯨塚があるその町で、僕は〈流星新聞〉を発行しているアルフレッドの手伝いをしている。深夜営業の〈オキナワ・ステーキ〉を営むゴー君、「ねむりうた」の歌い手にしてピアノ弾きのバジ君。〈ひともしどき〉という名の詩集屋を営むカナさん、メアリー・ポピンズをこよなく愛するミユキさん──個性的で魅力的な住人が織りなす、静かで滋味深い長編小説。
  • 造花の蜜(上)
    4.0
    歯科医の夫と離婚をし、実家に戻った香菜子は、その日息子の圭太を連れ、スーパーに出かけた。偶然再会した知人との話に気をとられ、圭太の姿を見失った香菜子は、咄嗟に“誘拐”の二文字を連想する。息子は無事に発見され安堵したのも束の間、後に息子から本当に誘拐されそうになった事実を聞かされる。――なんと犯人は「お父さん」を名乗ったというのだ。そして、平穏な日々が続いたひと月後、前代未聞の誘拐事件の幕が開く。各紙誌で絶賛を浴びたミステリの最高傑作。
  • サーベル警視庁
    4.0
    1~2巻704~748円 (税込)
    明治三十八年七月。国民が日露戦争の行方を見守るなか、警視庁第一部第一課の電話のベルが鳴った──。殺された帝国大学講師・高島は急進派で日本古来の文化の排斥論者だという。同日、陸軍大佐・本庄も高島と同じく、鋭い刃物で一突きに殺されたとの知らせが……。第一課は、伯爵の孫で探偵の西小路や元新選組三番隊組長で警視庁にも在籍していた斎藤一改め、藤田五郎とともに捜査を進めていくが──。警察小説の第一人者・今野敏、初の明治警察小説。(解説・西上心太)
  • 落日
    4.0
    わたしがまだ時折、自殺願望に取り付かれていた頃、サラちゃんは殺された──新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。十五年前、引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた『笹塚町一家殺害事件』。笹塚町は千尋の生まれ故郷でもあった。香はこの事件を何故撮りたいのか。千尋はどう向き合うのか。そこには隠された驚愕の「真実」があった……令和最高の衝撃&感動の長篇ミステリー。
  • 流れる砂
    4.0
    1巻1,078円 (税込)
    私立探偵・畝原の受けた依頼は、些細なマンションの苦情だった。女子高生を部屋へ連れ込む区役所職員の調査の中で畝原は、彼の父親が、口を封じるように息子を殺して心中する現場に遭遇してしまう。だがそれは、札幌を揺るがす事件の序章に過ぎなかった……。翌日、行方不明の娘を持つ女性の素行調査を依頼された畝原は、殺された職員との恐るべき関係を掴むが――。関係者が殺されるなか、畝原は、巨大な闇の真相に辿りつけるのか!? 傑作長篇ハードボイルド (解説・関口苑生)
  • 六本木無頼派 麻布署生活安全課 小栗烈
    完結
    4.0
    全4巻737円 (税込)
    麻布署生活安全課の巡査長、小栗烈は警察組織の中で、誰ともツルまない孤高の刑事。その身勝手で破天荒な行動から「万年巡査長」に留まっていた。ある日、六本木のインターネットカフェで、カジノ賭博が行われているとタレコミが入り、小栗は捜査に乗り出した。しかし、捜査線上に浮上してきた容疑者の女が突如何者かに殺害された。警察内部のシマの奪い合い、見え隠れする暴力団の影――。様々な事件が交錯する中、真相を解明することが出来るのか!?手に汗握る待望の新シリーズ、ここに始動!!
  • 捜査一課 警部補 児島要
    完結
    4.0
    全3巻712~733円 (税込)
    桜の花も散った四月。神楽坂の一軒家で殺人事件が発生し、一報を受けた警視庁捜査一課の児島要警部補は現場へ急行した。被害者・岩崎康介の全身には六箇所の刺し傷があり、怨恨の線が疑われた。児島は同僚の立山加奈子巡査部長と捜査にあたることとなり、第一発見者でもある被害者の妻・岩崎桃子への事情聴取へと向かうのだが……。「公安捜査」シリーズの著者が書き下ろしで贈る、迫真の警察小説!
  • NNNからの使者 猫だけが知っている
    4.0
    1~4巻616~638円 (税込)
    最近寂しさが身に染みる独身男藤本誓のもとに、やけに模様がくっきりとした三毛猫が現れるようになった。と同時に、会社からの帰り道、野良と思われる白猫が「お腹すいた」と猛アピールしてくるように。食べ物を与えるようになった誓は、次第に猫が飼いたくなり、ペット可物件に入居してしまう(表題作「猫だけが知っている」より)。今日もミケさんたちは、猫好きな誰かのことをじっと見ている!? ページをめくるたび、あなたも猫の魅力のとりこになる、モフモフ猫小説誕生!
  • 時空の巫女
    4.0
    原盤製作会社社長の飯島は、新人アイドルを発掘していく中で、二人の女性に会う。かつてネパールの生き神様「クマリ」だったチアキ・チェスと、AVに出演していた池沢ちあき。一方で、自衛隊の情報部の綾部は、アメリカから送られてきたレポートに困惑していた。超能力者たちの見る、地球滅亡を思わせるような夢、そしてその中に出てくる日本人と思われる名前「チアキ」-。「チアキ」は果たして世紀末の救世主なのか?渾身の書き下ろしSF長篇!
  • イダジョ! 医大女子
    4.0
    1~3巻748~770円 (税込)
    普通のサラリーマンの娘・安月美南が入学した聖コスマ&ダミアノ医科大学はお金持ちの子息が通う中堅医科大学だ。そこに何も知らずに放り込まれた美南は、個性的な面々に囲まれながら、医者になる覚悟を問われ、膨大な勉強に追われ、不運な逆境に襲われながらも、医者になるため邁進する!読むと元気になれる、医療×青春学園エンターテインメント!
  • スタンダップダブル!
    4.0
    三十一歳を目前に北海道支局に「飛ばされ」た、全国紙スポーツ記者の前橋絵里。そこで出会った弱小の神別高校野球部が、旭川支部予選を勝ち上がっていく。彼らの不思議な強さの「秘密」に惹かれた絵里はやがて、ナインが甲子園を目指す特別な「理由」を知る。その中心には、見た目はそっくりで性格が対照的な、エースの青山康一とセンターの健一という双子がいて……。野球を知らなくてもワクワクして元気が出るハートフル・エンターテインメント、待望の文庫化!(解説・大矢博子)
  • 屍人の時代
    4.0
    女優志望の緋口結衣子は、終戦直後の零戦を巡る恋愛映画の主演に選ばれる。しかし何者かによって脚本はおろか連絡先のメモまで奪われ、映画自体の企画が無かったことにされてしまう。不可解な状況の中、彼女の前に現れたのは呪師霊太郎と名乗る貧相な若者だった(「零戦の時代」より)。戦後の北海道を放浪する謎の探偵・呪師霊太郎――時を経て、なお姿を現す不思議な探偵が遭遇した4つの不可思議な事件とその解決を描く。本来発売されることの無かった幻の書籍まさかの発売。『人喰いの時代』の衝撃再び。
  • おやすみ、東京
    完結
    4.0
    全1巻814円 (税込)
    東京、午前一時。この街の人々は、自分たちが思っているよりはるかに、さまざまなところ、さまざまな場面で誰かとすれ違っている――映画会社で〈調達屋〉をしているミツキは、ある深夜、「果物のびわ」を午前九時までに探すよう頼まれた。今回もまた夜のタクシー〈ブラックバード〉の運転手松井に助けを求めたが……。それぞれが、やさしさ、淋しさ、記憶と夢を抱え、つながっていく。月に照らされた東京を舞台に、私たちは物語を生きる。幸福な長編小説。
  • 居酒屋すずめ 迷い鳥たちの学校
    4.0
    昼間の居酒屋を利用して開かれるフリースクール『すずめの学校』。「居酒屋すずめ」で開校中のそこに通うのは、不登校の中学生や学び直したい老女、挫折したフィギュアスケーターや引きこもりのニートなど様々。居酒屋の経営安定のためと始めたオーナー兼教師の鈴村明也だったが、彼自身もまた、生徒と交わるうちに学び、気付き……。一歩踏み出す勇気をくれる物語。
  • 台所のラジオ
    4.0
    それなりの時間を過ごしてくると、人生には妙なことが起きるものだ――。昔なじみのミルク・コーヒー、江戸の宵闇でいただくきつねうどん、思い出のビフテキ、静かな夜のお茶漬け。いつの間にか消えてしまったものと、変わらずそこにあるものとをつなぐ、美味しい記憶。台所のラジオから聴こえてくる声に耳を傾ける。十二人の物語。滋味深くやさしい温もりを灯す短篇集。
  • 宇宙船の落ちた町
    4.0
    「宇多莉町には何もない」。住民が揃ってそう口にする田舎町で生まれ育った青砥佑太は、十四歳の夏、裏山で巨大な宇宙船の墜落を目撃する。十年後、宇宙船に乗っていた異星人は地球社会へと徐々に溶け込み、佑太は近隣の大都市・舞楼市に移住して無気力な生活を送っていたが、彼らの関係性は「あるアイドルの握手会」から劇的に変わっていく。過去と未来、共生と排斥、都市と辺境、世界と自己――。人が自身と異なる存在とどう向き合うかを描いた物語。
  • 幕末まらそん侍
    4.0
    黒船の来航により、風雲急を告げる幕末の世。安政二(一八五五)年、安中(群馬県)藩主・板倉勝明は、藩士の心身鍛錬を目的として安中城内より碓氷峠の熊野神社までの七里余り(約三十キロ)の中山道を走らせた。「安中の遠足」とも呼ばれた、日本のマラソンの発祥である。美しい姫をめぐりライバルとの対決に燃える男。どさくさ紛れに脱藩を企てる男。藩を揺るがす隠密男。民から賭の対象にされた男。余命を懸け遠足に挑む男。悲喜こもごもの事情を背負いながら、侍たちが走る走る。果たして勝者は? 人気の著者が放つ、涙と笑いの痛快スポーツ時代小説!!
  • たい焼き・雑貨 銀座ちぐさ百貨店
    3.9
    銀座のはずれにある、ちょっと変わった「ちぐさ百貨店」。千種綺羅の祖母美寿々が営むこの店は、雑貨を売る傍ら、尻尾に魅力が隠された焼き立てのたい焼きも販売している。そんな店を訪れた人々の心を、美味しいたい焼きと所狭しと並べられたこだわりの品々が癒していく。ハンドメイドの一点物アクセサリー、親子を繋ぐつげ櫛、季節外れのスノードーム、店頭に飾られた鯛の木型……。雑貨が人と人を、そして思い出をも、つなぎ癒やしていく、心温まる再生の物語!
  • れんげ荘
    3.9
    1~8巻550~682円 (税込)
    月十万円で、心穏やかに楽しく暮らそう! ――キョウコは、お愛想と夜更かしの日々から解放されるため、有名広告代理店を四十五歳で早期退職し、都内のふるい安アパート「れんげ荘」に引っ越した。そこには、六十歳すぎのおしゃれなクマガイさん、職業“旅人”という外国人好きのコナツさん・・・・・・と個性豊かな人々が暮らしていた。不便さと闘いながら、鳥の声や草の匂いを知り、丁寧に入れたお茶を飲む贅沢さを知る。ささやかな幸せを求める女性を描く長篇小説。(解説・岸本葉子)
  • 残照
    3.9
    1~15巻607~814円 (税込)
    東京・台場で少年たちのグループの抗争があり、一人が刃物で背中を刺され死亡する事件が起きた。直後に現場で目撃された車から、運転者の風間智也に容疑がかけられた。東京湾臨海署(ベイエリア分署)の安積警部補は、交通機動隊の速水警部補とともに風間を追うが、彼の容疑を否定する速水の言葉に、捜査方針への疑問を感じ始める。やがて、二人の前に、首都高最速の伝説を持つ風間のスカイラインが姿を現すが……。興奮の高速バトルと刑事たちの誇りを描く、傑作警察小説。(解説・長谷部史親)
  • しあわせガレット
    3.9
    派遣契約最終日の帰り道、バターと砂糖の甘い香りに誘われた詩葉が見つけたのは、千駄木の路地奥に佇む「ガレットとクレープの店 ポルトボヌール」。“幸せの扉”という意味だという。店を切り盛りするのは、赤い髪の店主・多鶴さんだ。こだわりの本格ガレットを食べて魅了された詩葉は、四日間通いつめアルバイトで雇ってもらうことに。ブルターニュ仕込みのおいしい料理と謎めいた常連さんに囲まれて、三十五歳の詩葉の新たな生活が始まる──疲れた心をおいしく癒す、あたたかな連作短篇集。
  • 彼女が天使でなくなる日
    3.9
    九州北部にある人口三百人ほどの星母島。子どもについての願い事なら何でも叶えてくれるという「母子岩」があり、近年有名になっている。そこで〝モライゴ〟として育てられた千尋は、一年前に戻ってきて、託児所を併設した民宿を営んでいた。子どもにまつわる様々な悩みを抱え、母子岩のご利益を頼りやってきた宿泊客に、千尋は淡々と為すべきことを為し、言うべきことを言う……。簡単な癒しではない、でも大切なことに気づかせてくれる、宝物のような小説。
  • 911代理店
    3.9
    1~5巻748~814円 (税込)
    「911」──米国は日本と違い、警察、消防、救急の区別なく、緊急事態は全てこの番号に電話を掛ける。そこで必要な対応を決定するのだ。「株式会社911代理店」はそれを日本で行うことを目的とする。恋人をテロで失い自棄になっていた元スカイマーシャルの神谷隼人は、ある出来事を契機にそこに勤めることに。しかし元悪徳警官と名高い社長をはじめ、元詐欺師に現天才ハッカーなどと、社員は皆一癖も二癖もあって? 正義とは何かを問う、痛快アクション!
  • 晴明の事件帖 消えた帝と京の闇
    3.9
    1~5巻792~836円 (税込)
    新築した邸が火災に見舞われた藤原実資の前に現れたのは、京の都で最も優れた力を持つ陰陽師・安倍晴明。有職故実に秀でた実資は、晴明の言葉にできない魅力にひかれて行動を共にしながら、彼と遭遇した不可解な事件を日記に綴っていくことを決意する。そんな折、二人と帝に、最大の敵となる蘆屋道満の呪が迫ってくる……。期待の新シリーズ登場!
  • イシマル書房 編集部
    3.9
    満島絢子は念願かなって神保町の小さな出版社にインターンとして採用された。しかし、当のイシマル書房は親会社から「半年で経営が改善されなければ他社に株を売却する」と最後通告を受ける――会社存続の危機に、石丸社長を中心に、理由あり作家、引退していた編集者、活版職人で絢子の祖父、元ヤンキーの営業マン、全国の書店員……など「小説」を愛する人々が立ち上がった。果たして起死回生のベストセラー小説は生まれるのか? 書き下ろし長篇。
  • 屋根裏のチェリー
    3.9
    もういちど会いたいです──都会のはずれのガケの上にある古いアパート。その屋根裏にひっそり暮らしている元オーケストラのオーボエ奏者のサユリ。唯一の友だちは、頭の中にいる小さなチェリー。「もっと外へ出て行かなくちゃ」とチェリーは言うが……。ハンバーガーやササミカツ定食やレモン・ソーダが好き。食いしん坊でこよなく音楽を愛するサユリと個性的な登場人物が織りなす、『流星シネマ』と響きあう愛おしい小さな奇跡の物語。
  • 純喫茶パオーン
    3.9
    創業五十年(おおよそ)の喫茶店「純喫茶パオーン」。トレイを持つ手がいつも小刻みに震えているのに、グラスたっぷり表面張力ギリギリで運ぶ「おじいちゃんの特製ミルクセーキ」と、どんなにお腹がいっぱいでも食べたくなっちゃう「おばあちゃんの魔法のナポリタン」が看板メニューだ。その店主の孫である「ぼく」が小学五年・中学一年・大学一年でそれぞれ出会う不思議な事件と、人生のちょっとした真実。きっとあなたも通いたくなる、心地好さ。
  • 狼は瞑らない
    3.9
    佐伯鷹志は、かつて警視庁警備部警護課に在籍し、SP(セキュリティー・ポリス)として、政治家の警護をしていたエリート警察官だった。いまは一線を退き、北アルプスと立山連峰に挟まれた、広大な山岳地帯で遭難者を救助する、山岳警備隊の隊員となって久しい。その佐伯を狙う謎の暗殺集団。彼らは、警察と政界の闇の部分を知りすぎた佐伯を消すために送り込まれた、“掃除屋”と呼ばれる男たちだった。そして、幾重にも張りめぐらされた非常の罠。風速四十五メートルの大型台風に襲われ、下界と完全に弧絶した、標高二千メートルを超える険峻な山岳地帯を舞台に、過去を背負った男たちの、決死のサバイバルが始まる!
  • 悲鳴
    3.9
    1巻1,078円 (税込)
    ごくありふれた浮気調査のはずだった。私立探偵・畝原の許へ現れた女は、夫の浮気現場の撮影を依頼してきた。だが、畝原が調査を始めると依頼人から指定された現場に現れたのは夫の本当の<妻>だったのだ。依頼人の女は、何者なのか? やがて畝原へのいやがらせが始まり、依頼人の女に関わった者たちに危機が。警察、行政をも敵に回す恐るべき事実とは何か!? 深く刻まれた現代の疵を描く、傑作長編ハードボイルド。(解説・細谷正充)
  • キャベツ炒めに捧ぐ
    3.9
    「コロッケ」「キャベツ炒め」「豆ごはん」「鰺フライ」「白菜とリンゴとチーズと胡桃のサラダ」「ひじき煮」「茸の混ぜごはん」……東京の私鉄沿線のささやかな商店街にある「ここ家」のお惣菜は、とびっきり美味しい。にぎやかなオーナーの江子に、むっつりの麻津子と内省的な郁子、大人の事情をたっぷり抱えた3人で切り盛りしている。彼女たちの愛しい人生を、幸福な記憶を、切ない想いを、季節の食べ物とともに描いた話題作、遂に文庫化。(解説・平松洋子)
  • ヒーローインタビュー
    3.9
    仁藤全。高校で四二本塁打を放ち、阪神タイガースに八位指名で入団。強打者として期待されたものの伸び悩み、十年間で一七一試合に出場、通算打率二割六分七厘の八本塁打に終わる。もとより、ヒーローインタビューを受けたことはない。しかし、ある者たちにとって、彼はまぎれもなく英雄だった――。「さわや書店年間おすすめランキング二〇一三」文藝部門第一位に選ばれるなど、書店員の絶大な支持を得た感動の人間ドラマが、待望の文庫化!
  • 引っ越し大名三千里
    3.9
    2019年8月30日、映画全国公開決定!! 主演:星野源 国替えという超難関プロジェクトに挑む、痛快時代小説がついに映画化!!徳川家康の血を引く譜代大名でありながら、生涯に七度の国替えをさせられ、付いた渾名が「引っ越し大名」という不運の君主・松平直矩。またもや幕府から国替えを命じられたものの、度重なる激務によって亡くなった「引っ越し奉行」の役目を継がされたのは、引きこもり侍と後ろ指を指される若輩者の片桐春之介だった。「人無し・金無し・経験無し」の最悪の状況で、果たして姫路播磨から豊後日田への国替えは成功するのか? 上司からの無茶振りに右往左往する武士たちをコミカルに描き、時代劇に新風を吹き込んだ新鋭が描く傑作時代小説。
  • 東京地下レトロ雑貨店へようこそ
    3.8
    東京の地下に広がる巨大な街・地下迷宮街。地下道のどこからでも入ることができ、悩みを抱える者、陽の下に居辛くなった者が迷い込むという。そして街の中には、見惚れるほど美しい魔女が営む、不思議な力を持ったレトロな雑貨を売る店があるらしいが……。魔女は心の暗がりを包み込み、人々に光射す未来への縁を紡いでいく。蟠りを抱える人々と昔懐かしいレトロな魔法の雑貨が織りなす、ちょっぴりダークであたたかな連作短編集。惑い悩むあなたの心の影にもきっと明かりが灯ります。
  • わたしの本の空白は
    3.8
    気づいたら病院のベッドに横たわっていたわたし。目は覚めたけれど、自分の名前も年齢も、家族のこともわからない。夫を名乗る人が現れたけれど、嬉しさよりも違和感だけが立ち上る。本当に彼はわたしが愛した人だったの? 何も思い出せないのに、自分の心だけは真実を知っていた……。〝愛〟を突き詰めた先にあったものとは──。最後まで目が離せない傑作サスペンス長編! (解説・千街晶之)
  • いつかみんなGを殺す
    3.8
    東京紀尾井町にある老舗超高級ホテル、グランド・シーズンズ。経営者一族で総支配人の鹿野森優花は弱冠二十八歳。だが更に社長となるためには、今日行われるイベント・ミッドサマードリームナイトを成功させなければならなかった。しかし対抗する旧勢力から思いもよらぬ邪魔立てが。しかも折しも某有名海外覆面調査員がレストランを訪 れ……!? 第六回細谷正充賞受賞作にして、〝G〟を巡りホテルの人々が錯綜する、抱腹絶〝叫〟エンターテインメント!
  • 横浜ネイバーズ
    3.8
    1~6巻858~880円 (税込)
    横浜・中華街、四川料理の名店「翠玉楼」は来月で閉店を迎える。いずれはオーナーの座を継ぐつもりでいたロンこと小柳龍一は当てが外れ、毎日することもなく、ぶらぶらと暇を持て余していた。二十歳を超えたからって、まだ将来なんて決められない。そんな働く気も夢も、何もない彼の元に次々と厄介事が持ち込まれる。それはロンが〈山下町の名探偵〉と呼ばれていたからだ。「何も手にはもっていないけれど、それでも」──大きな共感を集める等身大のヒーローが誕生!

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