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Posted by ブクログ
少し久しぶりに湊かなえさんの小説を聴了しました。
何とも、主要な視点に据えられる長谷部香と甲斐真尋の間の監督と脚本家という関係の中で育まれる作品と人間関係や、長谷部家 / 甲斐家の家庭環境と学校での成長過程の話に目が行きがちにはなりました。
が、笹塚町一家殺人事件の引き金となる物語の真相は、前述の2人とそれぞれ幼い頃から密な関係があった、立石力輝斗と甲斐千穂の間柄にあったというのだから驚きました。
長谷部香と甲斐千穂、それに事件の被害者であり物語のキーパーソンである立石沙良は同い年で、年上の力輝斗も年下の真尋もその3人全員と象徴的でインパクトのある深い関係を築くというのは、中々に複雑だが深みがあり関係性を類推しながら読み進めるのはとても楽しめました。(沙良と真尋は関わりがなかったかもしれないが)。
立石沙良の描き方が、主人公ではなく先ず事件の被害者として出てくるものの、虚言癖があるのは実は本当で、実は兄のことを妬んでいて、最終的には単純に「完全な被害者」または「悪意ある加害者」のどちらか片方だけではなく、歪んだ家庭環境の中で兄力輝斗と互いに追い詰め合っていった複雑な真相を抱えた人物として終えるのが、中々見られない秀逸なキャラ設定ですごいなと感じました。
落日、良作でした。
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