あらすじ
わたしがまだ時折、自殺願望に取り付かれていた頃、サラちゃんは殺された──新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。十五年前、引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた『笹塚町一家殺害事件』。笹塚町は千尋の生まれ故郷でもあった。香はこの事件を何故撮りたいのか。千尋はどう向き合うのか。そこには隠された驚愕の「真実」があった……令和最高の衝撃&感動の長篇ミステリー。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
普段、ミステリー小説はあまり読まない。
それでもこの作品を手に取ったのは、Xで見かけた読書投稿をきっかけに、
「読んでみたらどうだろう」という小さな声が、心のどこかで響いたからだった。
特に気になったのが、湊かなえさんの作品だった。
物語の中心に描かれるのは、
新進気鋭の映画監督と、まだ世に出ていない脚本家の二人。
世間からの評価や立場は対照的だが、
どちらもそれぞれの人生に課題を抱え、それと向き合おうとしている。
印象的だったのは、
映画監督が「過去」を辿り続けているのに対し、
脚本家は「現在」を生きながら、
どこかで「見ないふり」をしている、という対比だった。
監督の一貫した「知りたい」という姿勢と、
脚本家の「知ることから目を背ける態度」。
この二つの姿勢の違いが、物語の緊張感を生み、
背景を少しずつ浮かび上がらせていく。
物語が進むにつれて、
脚本家が次第に「知ろうとする側」へと踏み出していく。
自分の中で蓋をしてきたものと向き合うことは、
痛みを伴うこともある。
それでも、知ろうとすることでしか、
人は前に進めないのだということを、
この物語は静かに示しているように感じた。
また本作は、
「事実」と「真実」の距離についても考えさせられる。
メディアを通して語られる世間の評価は、
ときに情緒的で、無責任ですらある。
事実は一つでも、
それをどう繋ぎ、どう解釈するかによって、
見えてくる“真実”はまったく違ってしまう。
事件や出来事を題材にしたドキュメンタリーや脚本、物語も、結局は事実と事実を想像力で繋ぎ合わせて構成されている。
その想像力の使い方によって、
人を救うこともあれば、傷つけてしまうこともあるのだろう。
ミステリー小説の世界だけでなく、
現実社会のニュースや出来事においても、
流されてくる情報に自分が揺らぐのではなく、
一つ一つの事実をどう繋ぎ合わせるのか、
自分自身の想像力と姿勢が問われているのだと感じた。
読み始めた当初は、
何を描いているのか掴みきれない部分もあった。
しかし、物語が進むにつれて、
「あっ、そういうことか」と点が線になっていく。
伏線が回収されていく過程に、
この先どうなるのだろうという高揚感が生まれ、
気づけばページをめくる手が止まらなくなっていた。
この作品は、
ミステリーとしての読み応えだけでなく、
「知ろうとすること」「見ないふりをしないこと」の大切さを、読後に深く残す一冊だった。
僕にとっては、
ミステリーの面白さと同時に、
物事をどう受け取り、どう考えるかという姿勢そのものを
あらためて見つめ直すきっかけになった作品でした。
Posted by ブクログ
長編だけどやっぱり読んでよかった^ ^湊かなえにハズレはないとまた思わせてくれた♬結末に途中で勘づいた時の快感はやはりたまらないです^ ^⭐︎
Posted by ブクログ
オーディブルにて。
北川景子さんの朗読が秀逸でした。
重い話だなーと感じつつ聴き進めて行ったけど、最後はモヤが晴れるようなスッキリとした終わり方。
良かったです。
Posted by ブクログ
おもしろかった。湊かなえさんがこういう作風も得意なのは知らなかった。
複数人の思いと事象がすれすれで交錯し合っていて、描き方が丁寧。
読んでいて胸が苦しくなるシーンも多かったが、読後感はすっきり晴れ晴れとしており、タイトルの「落日」のもたらすイメージ(仄暗さ、切なさ、静けさ、すこしの安心感…)にぴったりだなぁという感想。
Posted by ブクログ
イヤミスではなくラストまでどこに着地するのか分からず、物語の中に入り込める作品。これも湊かなえらしい作品だと思う。
過去何度も読んでいる作品だけどその度に違う人物に共感する。見たい世界を書く駆け出しの脚本家、映画を通して真実を知りたい監督、そのふたりの出身地が夕陽の美しい街。
真尋は脚本を書き、香は映画を作ることで昇華できる。千穂と力輝斗の恋が切なかった。
Posted by ブクログ
他の本では大オチになってもいいような大きな伏線回収がいくつもあり、どんどん惹きつけられながら読み進めた。幼少期の頃に起こった事件の真相を、大人になった主人公たちが追うというストーリー展開で、物語後半に進むにつれ、それぞれの過去が予想できない形で繋がっていくのが圧巻だった。
Posted by ブクログ
甲斐千尋、長谷川香、笹塚町一家殺人事件のナゾの全てが説き明かされる時、感動を覚えた。
タイトルの意味が分からず読み進めていた。解説を読んで落日に込められた意味が分かり、この作品をもっと鮮明に感じられた。
匿名
悲しいお話し、大人も勝っては子供だったのに
なんでそんなに平気で子供を残酷に傷つける事ができるの?と、何度も胸が苦しくなりました。
2人の主人公の強くて真っ直ぐなところがすくわれます。
Posted by ブクログ
オーディブルにて
一応スッキリはしたんだけど、
胸糞の悪さともやもやが残る作品だった。
虚言癖のJKってたちが悪い。
同情できる部分が見当たらなかった。
Posted by ブクログ
伏線の張り方はさすがだった。
伏線が回収されるごとにゾワゾワして一気読みに敵してた。
湊かなえには珍しくハッピーエンド(?)で監督の心が晴れて終わるのはすっきりした
Posted by ブクログ
最終的には登場人物が関わりあってて
田舎の人間関係の狭さも物語ってるな…と。
かなり作り込まれたストーリーで
内容を知っていても、もう一度読みたい作品。
Posted by ブクログ
全体的に綺麗に終わった印象
最後に伏線が集約される感じがまた引き込まれた
でも全体的に面白かったなー
なるほどーあーー‼︎って繋がった時がめっちゃ楽しかった
Posted by ブクログ
真相が綺麗にわかるのでスッキリした気持ちで読み終えることができる。女性の主要人物が軒並み美人設定なのは本当に必要だったのか疑問に思うものの、章ごとに2人の登場人物の視点が変わっても読みやすかった。でも感動ミステリーっていう宣伝文句はやめてくれないかなぁ…。
Posted by ブクログ
最近新刊の『暁星』や映像化されるという『人間標本』や『未来』のニュースで、沢山目にする『湊 かなえ』という名前。デビュー当初は、割りと新作が出ると読んでいましたが、ちょっとほっこりとする作品もあるものの、全体的にはずっしりと思い内容で、読むと少し放心状態になってしまうこともあり、少し遠ざかっていました❗️
本書は3年前に文庫化されて、積読していましたが、ようやく重い腰を上げて読み始めました❗️
タイトルから想像すると、彼女特有のイヤミスかと少し構えて臨みましたが、想像していた展開とはイイ意味で違って、ちょっと温かい気持ちで読み終えました。
長谷部 香監督がどのような作品を作ったのか⁉️それを思うと、また一段とこの作品への愛情がわきます。
Posted by ブクログ
実際に起こった事柄が事実、そこに感情が乗っかたものが真実
真実を紡ぎだしていくクリエイターはすごい
辛い事実から自分や大事な人を救うために、
自分たちの見たい世界を見たり、
一方では真実をまっすぐに追い求めたり、
様々な人の様々な闘い方に触れることができる
たとえば辛い事実に直面したときに
私はまっすぐ真実に向かっていけない気がする
一時間前を創った監督も
笹塚町一家殺害事件を描けた真尋も
事実に向き合って真実を紡いでかっこいい
Posted by ブクログ
同じ人間に対し、見る人が違ったり
接し方が違うと全く別人格のように考えられる
という実験的な作品と感じた。
構成も含め面白かったけれど
なんだかどんよりする作品。
Posted by ブクログ
物語の中心人物は一体誰なんだ、と分かりづらい書き方だけど、読み終えたとき、この人たちの物語を書きたかったのかと思った。私は誰に感情移入して読んでいたのだろうか?多分、誰でもないな。
Posted by ブクログ
おもしろいのだけど、自分の趣味ではない
読みごたえもあって、各章・各エピソードおもしろかった。だけど、読み終わって全体を振り返ったときに、なんとなく好きじゃないかなーって思ってしまった。もう一度読むとまた違った感覚になりそうな気もするけど。
Posted by ブクログ
新人脚本家と話題の映画監督。引きこもり兄による一家殺害事件といういわばシンプルな凶悪事件が、2人の目線で掘り下げられ徐々に真実が明らかに。登場人物それぞらの憂いがふんだんに散りばめられ、切なくも納得感のある結末。
Posted by ブクログ
イヤミスというジャンルに分類される著者であるが、こちらはそこまでイヤな感じはせず、ただちょっと悲しく切ない感じ。まさにタイトル通りの切ない雰囲気。
Posted by ブクログ
脚本家の甲斐真尋と映画監督の長谷部香、2人が主人公のこのお話。
ある事件の映画化に向けて取材を通し、見えてくる真実。
イヤミスの女王と呼ばれる湊かなえさんのこの作品。このお話はそれほどイヤミスとは感じなかった。
ただただ、真実はなんだったのか、何があったのか、どんなふうに絡んでくるのか。それが知りたくてどんどん読めていった。
やっぱりすごい作家さんだなぁ。ものすごい勢いで引き込まれていった。
色々考えさせられるお話ではあるが、最後にはホッとするような展開になり、安堵した。
読んでよかったお話。
Posted by ブクログ
終盤になり、真実が明らかになることで心臓を掴まれるような、悲しい事実もあれば、主人公にとって少しの救いもあった結末だったと思う。 こんなにも、つらいシチュエーションを思いつく、湊かなえさんに毎度、圧倒される。
匿名
一気読みしました。
ところどころ辛くて目を背けたくなる描写がありました。
見たくないものに蓋をして現実逃避している私には、途中までとても辛く切ないお話でした。
でもさすが湊かなえ先生!良かったです。
Posted by ブクログ
主人公が、ある事件の新作の相談を受けたところから物語が始まる。
長谷部監督の過去と主人公甲斐千尋の現在との二軸で物語が進んでいき、ラストが交わることはなんとなく想像できてしまった。
身近な人が亡くなっており悲しみを抱えているという境遇が重なるからか、ゆっくりとお互いのことを分かりあっていった。でも亡くなった人への想いが強いからこそ幼少期を回顧するシーンが長かった。
人は二度死ぬんだって。
1度目は、体の死。2度目は、存在の消えてしまう死。
Posted by ブクログ
しっかり結末のあるお話を読みたいと思っていたのでちょうど良かったです。
なんだか主人公の想いがあまり届かなかったけど、基本的に第三者目線で見れて楽しかった。(描き方はそうではないけれど)
やっと、Netflixが観れる!!
Posted by ブクログ
湊かなえさんの、イヤミスとは一線画したヒューマンミステリーと言えようか。
ある事件を通じて、姉を亡くした主人公の視点から過去の人間関係が明らかになっていく。
ストーリーはよく練られていたとは思うが、かなり回りくどく少しテンポが悪かったのが残念。なんとなくエンディングも想像ついた。
Posted by ブクログ
昔隣に住んでいたサラちゃんが殺された事件について、新人脚本家の主人公が、新進気鋭の映画監督から新作の相談を受ける。
物語は映画監督の記憶がエピソードXとして、主人公が事件について調べていく過程が第X章として交互に描かれる。
前回読んだリバースもだったが、けっこう淡々と進んでいき、最後一気に全容がまとめられる。
少しずつ事件についてわかっていくので、最後には事件の真相に気づく。
多分読者が真相に気づく頃にいい感じにまとめてくれてるんだと思う。ギリギリまで事件の調査やってるしね。
「感動の長編ミステリー」との謳い文句ほどかはさておき、最後は希望が残るストーリーだった。
しかし、イヤミスの女王が描く作品、読んでいる間は気分が悪いというか、なんか嫌な奴しかいない。
あえて嫌な部分だけ書いてるのかもだけど。
Posted by ブクログ
なんか、惜しかったな… 序盤の掴みは良く、これは期待できると感じたのに途中で失速し、オチも悪くないのに展開の仕方が悪かったのか全体的にイマイチな印象で終わった。
Posted by ブクログ
落日★3.5
15年前にとある田舎町で起きた長男による一家殺害事件の真相を巡るミステリー。
湊かなえらしい暗く悲しい雰囲気を感じながらだんだんと真相が明かされていく感じが気持ちよかった。