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それはもはやレースではなく、サイレンススズカという馬ただ一頭のパフォーマンスのためにショーアップされた舞台のようなものだった――(「奇蹟の馬 サイレンススズカ」より)。常に美と速く走ることだけを追求し、進化を強制された芸術、サラブレッド。人間が作り出した競馬という舞台で輝いた名馬たちの物語を鮮烈に描いた感動ドキュメント!
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Posted by ブクログ
些か大仰でドラマチックな文体を終始脳内で田口トモロヲが朗読するに任せ、歪で鮮鋭で残酷な愛すべき競走馬の世界を垣間見る。全ての馬に栄光と、安寧あれ。
本屋で柴田氏の本があったので中身を見ずに買ったが、もろもろの柴田氏作品を一冊にしたもののようである。ほぼ全て初見だったのでよかった。 表題のサイレンススズカについてはしっかり書かれているし、パーマーの鞍上の話など知らない話も多く、楽しめる本でした。
柴田哲孝『奇蹟の馬 サイレンススズカ』ハルキ文庫。 『伝説の名馬 ライスシャワー物語』に続く競馬で活躍した名馬を描いたノンフィクション。 競馬のことは全く知らないし、余り興味も無いのだが、柴田哲孝の作品となれば読まずにはいれない。 競馬という人間の欲望を満たすためのギャンブルのため、人間のエゴ...続きを読むにより創られたサラブレッド……と競馬など何も知らぬ自分が言ってしまうのは簡単なのだが、柴田哲孝は名馬と呼ばれたサラブレッドたちとその名馬を育てる厩務員たちの生き様を鮮烈に描いてみせる。 レースにはドラマがあり、ドラマを創り出す名馬がいる。しかし、その人生の終わりの瞬間は余りにも残酷だ。サラブレッドは自ら喜んで走ると言うが、過酷なレースの果てに脚を折り、そこで安楽死させられるサラブレッドたち。勿論レースから引退し、余生を過ごすサラブレッドたちも多く居るのだが、やはり競馬は人間の欲望を満たすためのエゴに過ぎないのかも知れない。 描かれる名馬は、サイレンススズカ、ツインターボ、メジロパーマー、ユキノビジン、ウォッカ、イクノディクタス、エアグルーヴ、アドマイヤグルーヴ、ナイスネイチャ、ライスシャワー、サンデーサイレンス。 1998年刊行の『伝説のバイプレイヤー』、1999年刊行の『たった一瞬の栄光』、2000年刊行の『奔馬、燃え尽きるまで』、2002年刊行の『逃げ馬物語』、2008年刊行の『サンデーサイレンスの奇跡』から抜粋、加筆訂正、再編集の上、文庫化。 本体価格780円 ★★★★
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