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ざわめく傷痕
犯行現場で警察に射殺された少女―― その体には、悪夢のような傷が刻まれていた。 MWA賞受賞作家が放つ、戦慄の犯罪小説。 〈グラント郡〉シリーズ第2弾。 賑やかな週末のスケート場で起きた発砲事件。 仲間といた少年が襲われ、犯人の十代の少女は警官によって射殺された。 現場付近のトイレから未熟児の遺体が見つかり、少女の赤ん坊と推測されるなか、 検死官サラは彼女の亡骸に暴行とレイプの痕跡を発見する。 だが少女の下腹部には、出産できないようにむごい傷がつけられていた。 捜査が暗礁に乗り上げたとき、さらにひとりの少女がさらわれ――。 ■カリン・スローターの好評発売中既刊 〈グラント郡〉シリーズ 『開かれた瞳孔』 『ざわめく傷痕』 〈ウィル・トレント〉シリーズ 『ハンティング 上・下』 『サイレント 上・下』 『血のペナルティ』 『罪人のカルマ』 『ブラック&ホワイト』 『贖いのリミット』 『破滅のループ』 一話完結作品 『グッド・ドーター 上・下』 『彼女のかけら 上・下』 『プリティ・ガールズ 上・下』 -
フォックス家の殺人〔新訳版〕
名探偵エラリイが導き出した、十二年前の毒殺事件の真相とはいったい? 巨匠クイーンの〈ライツヴィル〉ものの秀作、新訳版刊行 -
危険な友情
1924年、ニューヨーク。警察署で供述書を作成するタイピストとして働くローズの前に、新人タイピストのオダリーが現われる。彼女は美しい黒髪をボブにし、最新流行の高級な服に身を包んだ自由奔放な雰囲気の女性で、酔っ払いを上手にあしらって警官たちを感心させた。オダリーと親しくなったことでローズの人生は一変し、豪奢なホテルの一室で同居をはじめる。だがオダリーには秘密があった。贅沢な生活の資金はどこから? なぜ警察署に勤めているのか? そして彼女がローズに仕掛けた罠とは。2人のタイピストが織りなす優美なサスペンス!/解説=大矢博子 ※単行本版タイトル『もうひとりのタイピスト』を改題した文庫版を底本といたしました。 -
幻の名車グレイゴーストを奪還せよ!
冒険小説の巨星クライブ・カッスラー作品 ファーゴ夫妻シリーズ第10弾! 消えたロールス・ロイスのクラシックカー。子爵家を狙う陰謀の背後を追え! 1906年。創設間もないロールス・ロイス社の名声を確立した名車シルヴァーゴーストには、幻の試作車「グレイゴースト」があった。この試作車が英国マンチェスターの路上からこつ然と姿を消す。調査に乗り出したのは探偵アイザック・ベルだった!くだって現在。ファーゴ夫妻のもとに、サムの母方の遠縁を名乗るペイトン子爵家から、保有するグレイゴーストを担保とした融資の打診が舞い込む。二人はロンドンのモーターショーに現物確認のため出向くが、そこで再び名車は姿を消してしまう……。 -
地の告発
かつて『大鴉の啼く冬』の事件で重要な役割をはたしたマグナス老人が病死した。ペレス警部たちが参列したささやかな葬儀の最中、墓地や近くの農場が巻きこまれる大きな地滑りが発生。被害状況を確認すると、土砂が直撃した空き家から身元不明の女性の遺体が見つかる。ところが検死の結果、女性は地滑りの起きる前に死んでおり、しかもその死は他殺と判明。ペレス警部は被害者の身元割り出しを急ぐが、思わぬ事実が明らかに……。シェトランド諸島を舞台に英国現代本格ミステリの進化と深化を実証しつづける名シリーズの、新たなマイルストーン。/解説=吉野 仁 -
太陽がいっぱい
米国の貧乏青年トムはひょんなことから、富豪グリーンリーフに息子を連れ戻してほしいと頼まれ、礼金欲しさにイタリアへと旅立った。現地でトムが出会ったのは、金にも女にも恵まれた放蕩息子ディッキーだった。裕福で自由奔放なディッキーに羨望を抱くトムは、自分を下男同様にこき使うディッキーに殺意をも抱くようになる。そしてディッキーの許婚マージをも手に入れようと画策する。自分とディッキーの容貌が酷似しているのに気づいたことが、そのきっかけに……。サスペンスの巨匠ハイスミスの代表作。ルネ・クレマンの映画で有名になったが、原題は「才子リプリー」で、典型的なピカレスク・ロマンだ。 -
リンカーン・ライム
名探偵リンカーン・ライムが刑事事件の捜査から撤退。 連続殺人鬼「未詳40号」をアメリア・サックスは単身追うが―― 殺人犯を追跡中のアメリア・サックスの目の前で、エスカレーターが通行人を巻き込んだ!アメリアの必死の救助活動もむなしく男は死亡、殺人犯「未詳40号」も逃走してしまった。 ある事件をキッカケにリンカーン・ライムがニューヨーク市警の顧問を退いた今、アメリアはライムの助力を得られず、その教えに沿って捜査をつづけるほかなかった。 一方ライムは、エスカレーターで死亡した男の妻から民事訴訟のために事故を調査してほしいとの依頼を受ける。ライムの弟子として働き始めた車椅子の元疫学研究者ジュリエット・アーチャーを交え、調査が開始される。なぜエスカレーターは不具合を起こしたのか。そもそもこれは事故なのか。犯人追跡のさなかに事故が起きたのは偶然なのか? そして「未詳40号」ことヴァーノンが物陰からそっと眼を光らせる。自分を追う女刑事アメリア――殺人計画を完遂するためには、あの女刑事を阻止しなくてはならない……。 日常の道具を凶器に変える殺人者。鉄壁のパートナーシップが揺らぐ中、名探偵ライムと刑事アメリアは犯人を捕らえることができるのか。 ドンデン返しの魔術師の名シリーズ、第12作。 ※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
復讐の大地
トム・クランシーのオプ・センター新シリーズ待望の第三弾! ISIL公開処刑、アメリカの報復が始まる! 対ISIL世界連合の大統領特使ボブ・アンダーウッド将軍の一行が、シリアのアルブカマル市に向かう途中、ロケットランチャーによる攻撃を受け、車両縦隊は全滅、将軍は誘拐された。数時間後、アメリカ大統領ミドキフと高官たちは、ISILのリーダー、マバード=アッ・ドーサリーによって将軍が斬首されるさまをライブテレビで見ることに。米国はすぐさま報復として空母打撃群を派遣、敵の本拠に攻撃を仕掛けて壊滅させるが、生き延びたアッ・ドーサリーはさらなる復讐を誓うのだった……。 -
老人と犬
『少年と犬』(第163回直木賞受賞)馳星周氏絶賛! 「人は犬にいかに癒されるか。ケッチャムは暴力と流血の中でその事実を綴る」 『隣の家の少女』『オフシーズン』に次ぐ、待望の復刊! 老人が愛犬と共に川釣りを楽しんでいる。そこへ少年が三人近づいて来た。中の一人は真新しいショットガンをかついでいる。その少年が老人に二言三言話しかけたかとおもうと、いきなり銃口を老人に向け金を出せと脅した。老人がはした金しか持っていないと判るや、その少年は突然、銃を犬に向けて発砲し、頭を吹き飛ばした。愛犬の亡骸を前に呆然と立ち尽くす老人。笑いながらその場を立ち去って行く少年たち。あまりにも理不尽な暴力!老人は“然るべき裁き”を求めて行動を開始する。 -
列車探偵ハル 王室列車の宝石どろぼうを追え!
少年ハルは、紀行作家の伯父とともに豪華蒸気機関車「ハイランド・ファルコン号」の最終運行に参加する。しかし、セレブだらけの出発セレモニーで宝石どろぼうが発生し……列車旅のときめきと謎解きのドキドキを詰めこんだシリーズ、出発進行! -
ガン・ストリート・ガール
富豪宅で起きた二重殺人。関係者が次々と不審な死を遂げ、ショーン・ダフィは錯綜する事件の渦中に身を投じる。シリーズ第四弾! -
アニーはどこにいった
スティーヴン・キングが賛辞を贈る新鋭、 恐怖と驚愕を増量して前作『白墨人形』をしのぐ傑作。 ホラーか? ミステリか? いや、これは恐怖と驚愕を両立したホラー・ミステリの傑作なのだ。 妹アニーに起きた忌まわしい出来事が再び起こる。そう告げる不吉なメールで ぼくは故郷に呼び戻された。ぼくの前任の教師は、「息子じゃない」という血文字を残して 息子を惨殺したという。その血文字にこめられた真意を、ぼくは知っている。 8歳のアニーが姿を消したのは、ぼくが友人たちとともに探検に行った鉱山跡の洞窟でのことだった。 あの夜、あそこで恐ろしいことが起きた。そしてそのあとアニーにもっと恐ろしいことが起きたのだ……。 過去の忌まわしい記憶と、現在の忌まわしい事件。友人の不可解な自殺。惨劇の家で起こる怪異。 封印した恐ろしい記憶。それらがすべて明らかとなり、ひとつになるとき、 恐怖に満ちた真相が姿をあらわす! 恐怖と驚愕を見事に融合させた新鋭の傑作。 -
網内人
網の中(インターネット)にひそむ悪魔をあぶり出せ! 『13・67』の著者、渾身の勝負作 自宅アパートの22階から飛び降り自殺した女子中学生シウマン。 彼女は通学電車の中で痴漢事件に巻き込まれ、犯人と目された男の甥からインターネット上で攻撃を受けていた。 ネットの誹謗中傷が彼女を死に追いやったのか? 自分の知らない世界で妹を脅かすどす黒い悪意の存在を知った姉のアイは、変わり者だがネット専門の凄腕探偵・アニエを説得し捜査を依頼した。 だが、アニエの調査の結果、次々に意外な事実が判明し、事態は混沌としていく――。 貧富の格差著しい香港を舞台に、ネットリンチや痴漢冤罪やダークウェブなどなど、我々日本人も同じように抱える社会問題を背景に、現代社会における人間の善悪を問う。 前作『13・67』で香港の現代史を俯瞰した著者が〈いま現在の〉香港の光と影を描き切った、華文ミステリーの最高峰! -
真夜中のデッド・リミット
巨匠スティーヴン・ハンター初期の代表作、ついに復刊! 『このミステリーがすごい! '89年版』海外編第2位 アメリカ・メリーランド州にある、山中深くに配された核ミサイル発射基地。全米で唯一、単独発射が可能なこの基地が、謎の武装集団に占拠された。最新鋭核ミサイルの発射を阻止するためには、基地に潜入するしかない。ミサイルの発射キーは現状チタニウム合金製の保管庫に収められているが、破られてしまうのも時間の問題だ。デッド・リミットは深夜零時。ミサイル発射までに残された時間は十数時間しかない。絶体絶命の状況下で、デルタ・フォースを創設した歴戦の勇士プラーに特命が下る! -
ナイトメア・アリー 悪夢小路
ギレルモ・デル・トロ監督 映画化! 見世物小屋、タロット、降霊術… 野心的な奇術師の魂の彷徨を描く異形のカルト・ノワール! スタン・カーライルは、カーニヴァルの巡回ショーで働くしがないマジシャンだ。だが彼には野心があった。いつの日か華々しい成功と大金を掴んでみせる。同じ一座の占星術師ジーナと関係をもち、読心術の秘技を記したノートを手に入れたスタンは、若く美しいモリーと組んでヴォードヴィルへの進出を果たすが……タロットの示す運命とファム・ファタールに導かれて、栄光と絶望の果てに男がたどり着く衝撃のラストとは。特異な世界観で魅了する闇色のカルト・ノワール、登場! (解説・霜月蒼) -
スターウォーカー ラファエル少年失踪事件
ドイツ・ミステリーは、心優しい。ドイツ語圏で最も愛されている作家のベストセラー、待望の日本上陸! ラファエル・フォーゲル少年(九歳)は、最愛の祖父の死に衝撃を受け、埋葬の日に姿を消す。両親からの虐待を恐れての家出か、あるいは誘拐事件か。ミュンヘン警察失踪者捜索課が出動するも、成果はなし。少年の生命さえ危ぶまれ、警察への不審と不満が募る。失踪者捜索課の刑事たちの努力も虚しく、捜索は袋小路に。残る手は、あの問題児、奇人、一匹狼、森の中で修行中の、はぐれ刑事タボール・ズューデンを復帰させることしかなくなった。目と耳で相手の心を読む「見者」タボール・ズューデン刑事の推理は? 【目次】 プロローグ 第一部 1 鏡の中の美しい惑星 2 かみさまにきいてよ、どうしてなの? 3 夢に消えたホテル 4 嘘の揺籠 5 そのうちって、いつ? 6 夜のスペシャリスト 7 タボール・ズューデン 8 小さな世界の終わり 9 一番簡単な方法 第二部 10 迷子たちの待ち合わせ場所 11 煉獄への帰還 12 ビールとワインと血のふるさと 13 不吉な数字 14 一人きりの食事 15 ズューデン(南)、ノルデン(北)へ行く 16 勇敢な鳥たちの岩 17 神さまのいない礼拝 18 生けるものの幸せ エピローグ 解説 【著者】 フリードリッヒ・アーニ 1959年、南バイエルン生まれ。父親はシリア移民、母親はシュレージア難民。1996年に本作(原題は「別れの発明」)発表。児童文学、詩、脚本、ラジオドラマなども多数。作品は多くの外国語に翻訳され、数々の文学賞を受賞。現在に至るまで、同時に3つの作品(ズューデン・シリーズ)にドイツ・ミステリー大賞を1年で受賞した唯一の作家。2010年、小説『ズューデンとエアーギタリスト』の脚本化に対してアドルフ・グリム賞。2011年には長編『ズューデン』が、2014年には長編『M』がドイツ・ミステリー大賞を受賞。 鄭基成 翻訳家。上智大学外国語学部ドイツ語学科、同大学院博士課程単位取得退学、ドイツルール大学ボーフムにて言語学学術博士号取得、上智大学講師、茨城大学教授、同大学名誉教授。訳書に『メイク・ザット・チェンジー世界を変えよう。精神の革命家、マイケル・ジャクソンのメッセージと運命』(共訳)。 -
たとえ天が墜ちようとも
高級住宅街の路地で女性の遺体が発見された。刑事マックスは、目撃者の証言から被害者の夫である刑事弁護士プルイットに殺人の疑いをかける。プルイットは、長年ともに働いた仲間である引退した弁護士ボーディに潔白を証明してくれと依頼した。ボーディは弁護を引き受けたが、それは命の恩人である親友のマックスと敵対することを意味していた。たとえ友情を失おうとも、正義を為すべく対決する、検察側の証人マックスと弁護人ボーディ。予想外の展開となる陪審裁判を制するのはどちらか? 『償いの雪が降る』の著者が描く、激動の法廷ミステリ!/解説=若林踏 -
その裁きは死
【ミステリランキング4冠! 第1位『このミステリーがすごい! 2021年版』海外編・第1位〈週刊文春〉2020ミステリーベスト10 海外部門・第1位〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい! 海外篇・第1位『2021本格ミステリ・ベスト10』海外編】実直さが評判の離婚専門の弁護士が殺害された。裁判の相手方だった人気作家が口走った脅しに似た方法で。現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた数字“182”。被害者が殺される直前に残した謎の言葉。脚本を手がけた『刑事フォイル』の撮影に立ち会っていたわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、元刑事の探偵ホーソーンによって、奇妙な事件の捜査にふたたび引きずりこまれて──。年末ミステリランキングを完全制覇した『メインテーマは殺人』に並ぶ、シリーズ第2弾! 驚嘆確実、完全無比の犯人当てミステリ。/解説=大矢博子 -
多聞天踏魔像
芦屋にある酒造元・桜井家は中国美術品の蒐集で高名である。美術品リスト『桜獅子名品帖』のなかでも、敦煌莫高窟からもたらされた『多聞天踏魔像』は逸品として知られていた。敦煌には千仏洞がある。そこの鳴沙山の崖面に四百九十以上の石窟寺院のあとがあり、それらは、美しい壁画で四方の壁および天井が飾られている。壁画と塑像のほかに、敦煌には世界の宝ともいうべきものがあった。数万巻におよぶ仏典、史書、典籍、仏画、いわゆる敦煌に花咲いた文明が封じこめられていたのだ。そして『多聞天踏魔像』も。封じ込められた文明は九百年近くも、とり出されなかったのだ。 -
桃李の剣
芦屋にある老舗の造り酒屋・桜井家は中国美術品の名高い蒐集家であった。その収蔵リスト『桜獅子名品帖』に刀剣は数本しかなかった。それが『桃李の剣』といわれるものであった。明朝の初代永楽帝の即位に足利義満が皇帝護身刀として贈ったものである。 明朝は満洲族の清にほろぼされたが、しばらく抵抗がつづいた。清朝はこの種のレジタンスを徹底的に弾圧した。抵抗運動は地下に潜らざるをえなかった。そこでさまざまな秘密結社が生まれた。「桃李の剣」はその種の秘密結社のあいだに語り伝えられた物語である。そしてさらに、清朝滅亡の大立者といわれる袁世凱と西太后にも「桃李の剣」は影響を与えたといわれる。 -
漢古印縁起
芦屋にある造り酒屋の桜井家は中国美術品の優れたコレクターである。最近では印章も印譜とともに『桜獅子名品帖』に加えられた。なかに丁敬(ていけい)つくるところの金農(きんのう)の印章があり「丁敬仿漢」と刻まれていた。 金農は揚州八怪の代表で、十八世紀の中国美術の最高峰といわれ、丁敬も著名な文人である。二人は同時代の同郷人で緑の深い仲であった。丁敬は漢印の字を研究していた。漢印の大部分は金属印であった。乾隆年間の一時、丁敬は寧波(ニンポー)の豪商・范家に寄宿していたことがあった。范家では、貨幣を鋳造する重要物資の銅を日本から輸入していた。物語りは寧波の豪商范家に伝わる漢代古銅印をめぐる歴史秘話である。 -
思い出の壁
江戸初期からつづく造り酒屋の桜井家は、中国美術品の蒐集家として知られる。収蔵品リスト『桜獅子名品帖』に陶片もあった。それは額のなかにはいっていたが、白のタイルのうえに陶片がはめこまれたものだった。鎌倉の海岸から宋磁の陶片がよく出たことは知られている。鎌倉に幕府が置かれたころ、宋の貿易船は陶磁器を積んで来航した。だが、途中で割れてしまうものがあり、陶磁のかけらは海に投げ棄てられたという。その鎌倉の浜から拾った陶磁片を買い集め、我が家のタイルの壁にちりばめたものだという。旧伯爵家のものといわれる壁にはめこまれた陶磁片には、思いもよらぬ物語が秘められていた。 -
娘を呑んだ道
2019年「ガラスの鍵」賞受賞作! 3年前、スウェーデン北部の村、グリマストレスクで17歳の少女・リナが失踪した。 地元の学校で数学教師をする少女の父親・レレは、3年たった今も単独で娘の捜索を続けていた。 少女が失踪した朝、シルヴァーロード沿いのバス停までリナを送っていったのは父親だった。 娘をバス停で降ろしてからバスが来るまで15分、その間に誰かに連れ去られたのだろうというのが警察の見解だった。娘はバスに乗らなかった。 同じ頃、グリマストレスクに流れ着いた母娘がいた。 娘のメイヤは母親が男を変えるたび何度となく引っ越しをくり返してきたが、こんな遠くまでやって来たのは初めてだった。 母親のシリヤはこれが最後だと言った。 母親の新しい相手はトルビョルンと言った。メイヤからすれば祖父といってもおかしくない年齢だった。 その夏、リナが失踪したシルヴァーロードからほど近い場所で、17歳の少女・ハンナが行方不明になった。 この事件をきっかけに、レレとメイヤの運命が大きく動き出す――。 子を思う親の狂気が招いた悲劇を、北部スウェーデンの暗澹とした風土とともに描き出した、大型新人デビュー作。 2018年、スウェーデン推理作家アカデミー「最優秀犯罪小説賞」受賞。 2019年、北欧ミステリーの最高賞「ガラスの鍵」賞受賞。 同年スウェーデン「ブック・オブ・ザ・イヤー」に輝いた傑作スリラー! -
ストーンサークルの殺人
イギリス、カンブリア州のストーンサークルで次々と焼死体が発見された。マスコミに「イモレーション・マン」と名付けられた犯人は死体を猟奇的に損壊しており、三番目の被害者にはなぜか、不祥事を起こして停職中のNCA(国家犯罪対策庁)の警察官「ワシントン・ポー」の名前と「5」の字が刻み付けられていた。身に覚えのないポーは上司の判断で停職を解かれ、捜査に合流することに。そして新たな死体が発見され……英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールドダガー受賞作。 -
13・67
華文ミステリーの到達点を示す傑作! 名刑事クワンと弟子のローが挑んだ六つの難事件。 香港警察の「名探偵」と呼ばれた伝説の刑事クワン。2013年、末期がんで余命僅かな彼のもとに、難事件の捜査で行き詰ったかつての部下、ローがやってくる。 クワンが最後の力を振り絞り提案した前代未聞の捜査方法とは――。 戦後香港の現代史と一人の警察官人生を重ねながら、権力者と民衆の相克を描く華文ミステリーの傑作。 綾辻行人氏も絶賛! 最初の「黒と白のあいだの真実」を読んでまず、何と高密度・高レベルの本格ミステリであることか、と驚嘆した。 続く5つの中編も同様で、「本格」の典型からさまざまに逸脱していきながらも、すべてが実に本格ミステリ的な、優れた創意と技巧によってこそ成り立っているのだ。――という点も含めて、『13・67』は大変に感動的な1冊である。 ※この電子書籍は2017年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
日本早春図
江戸初期からつづいている造り酒屋で、銘酒『桜獅子』の醸造元である芦屋の桜井家は、中国美術の名品を、代々、蒐集してきた。その桜井家に残された美術品リスト『桜獅子名品帖』に記された『日本早春図』の流転のものがたりである。 『日本早春図』の作者は、呉中四才子といわれた中国・蘇州生まれの無頼派唐寅*とういん*だ。当時の蘇州は、絹織物製造の中心地で、豪商が多く財力がゆたかで、そこに爛熟した芸術が花ひらいたのだ。唐寅*とういん*は時代の子であり、土地の生んだ才能でもあった。 しかし、日本に来たこともなかった蘇州の唐寅が、なぜ日本の景色を描いたのか? 名品に隠された謎を史実をもって語りあかす。 -
三分間の空隙【くうげき】
中南米の麻薬組織で窮地に立たされた潜入捜査官。彼を救う鍵はグレーンス警部――名作『三秒間の死角』に連なるシリーズ最高傑作 -
タイタニックを引き揚げろ
カッスラーよ、永遠なれ! 巨匠の代表作、ここに復刊! 英雄ダーク・ピット颯爽登場。映画化&日本冒険小説大賞受賞作 大統領直轄の秘密機関メタ・セクションのメンバーは、とある鉱石の行方を長らく追っていた。敵国のミサイル攻撃を瞬時にして無効化しうる防衛システム「シシリアン計画」を遂行するためには、稀少元素ビザニウムの入手が不可欠なのだ。しかし、ソ連のノバヤゼムリヤ島にあるとされるビザニウム鉱石の調査に彼らが送り出した科学者コプリンは、巡回兵の銃撃にあって瀕死の重症を負う。危地に陥った彼をすんでのところで救い出したのは国立海中海洋機関のエージェント、ダーク・ピットだった! -
死んだレモン
酒を飲んで運転し、自損事故で下半身の自由を失ったフィンは、心機一転、ニュージーランド最南端の町へ引っ越す。住居は人里離れたコテージで、26年前にその家に住んでいた少女が失踪していた。彼女が消えてから6週間後、不気味な三兄弟が住む隣のゾイル家の土地から、骨の一部が発見された。住人は逮捕されたが結局未解決となっていた。ゾイル家の関わりは明らかなのに証拠がない場合、どうすれば? 事件を詳しく調べ始めるフィン。だが5か月後、彼は三兄弟に命を狙われ……。最後の最後まで読者を翻弄するナイオ・マーシュ賞新人賞受賞作。/解説=吉野仁 -
殺人の品格
韓国で出版拒否された禁断の書! 人間が人間の排せつ物を食べる、人肉商売、無辜の民が処刑され、凌辱され、奴隷になる社会… 「あるのは、底なしの絶望。」 脱北者の逃れられない地獄を脱北経験のある著者自身が“小説"として上梓。 韓国で文学賞を受賞した著者が鬼気迫る筆致で悲惨すぎる境遇を描き出す。 北朝鮮の元高官だったが、失脚し地方に左遷された主人公・チュンシク。 人間が人間を食すという鳥肌が立つような北朝鮮の現状に幻滅したチュンシクは脱北を決意する。 ところがたどり着いた中国でも苦難を味わい、ついに行き着いた韓国で突き付けられたのは“強制送還"という非情すぎる決定だった……。 -
もう終わりにしよう。
ジェイクとわたしは付き合いたてのカップル。これから彼の両親が住む農場に、挨拶をしにいくところだ。けれどわたしは、ふたりの関係を終わりにしたいことを彼に隠していた。打ち明けられないまま目的地が近づくなか、携帯の留守電に、謎の男からの着信が――「答えを出すべき問いは、ただひとつ」。そして、ある寄り道が決定的な悲劇へと……。こじれ始めたふたりに訪れる驚愕の真実。孤独がもたらす心理に迫るスリラー -
ケルト帝国の秘薬を追え
カッスラー追悼連続刊行第2弾! ダーク・ピット・シリーズ最新作! 各地で起きる水難事故と謎の疫病。その背後で蠢く巨大な陰謀とは? 中央アメリカのエルサルバドルにある発電用ダム周辺の村で、少年たちが次々と謎の死を遂げる。 そんな折、ダムが何者かによって爆破され、さらには国連から派遣された研究者たちのキャンプが襲撃を受け、全滅する。 偶然居合わせたNUMA(国立海中海洋機関)長官ダーク・ピットと相棒のジョルディーノは、事件に巻き込まれることに。 一方、デトロイトの水路では、故意と思われる貨物船によるタンカー衝突事故が発生。 NUMAは沈船引き揚げに協力するが、ダイーが不審な死を遂げて……。 -
黄色い部屋の謎【平岡敦訳】
高名な科学者スタンガルソン教授と、令嬢マティルドの住むグランディエ城の離れの一室で事件は起こった。内側から鍵をかけられた完全な密室、《黄色い部屋》から聞こえた助けを求める女性の悲鳴。ドアを壊して入った者たちの見たものは、血の海のなかに倒れたマティルドの姿だった。襲撃者はどこに消えたのか? そしてさらに続く怪事件。その謎に挑んだのは、18歳の新聞記者ルルタビーユだった。パリ警視庁の名警部ラルサンと謎解きを競い合いつつたどり着く奇怪な事件の真相は? 密室ミステリの名品として、ミステリファン必読の古典となった傑作。/解説=戸川安宣 -
夜歩く
カーの処女作。「私にとって単調で退屈ということは許されざる罪悪」というカーは、本書に対する自信のほどをのぞかせて、こう言う。「神経質な読者に悪夢をもたらし、パズルの玄人(くろうと)に頭痛をおこさせれば、私は満足だ」本書『夜歩く』は成功を収め、カーは職業作家として立つ。彼は別の機会に書いた。「私の野心は今もなお真に傑出した推理小説を書くことであるが、いまだに達成したとは正直、思わない。作家がこう述べるとき、その本音はほかのすべての推理小説がつまらないものに見えるような傑作をものしたいということである。無論、それは不可能だ。しかし、いつまでも試みつづけることはできる」 -
殺人者登場
探偵劇「鼠と海狸(ビーヴァ)」のクライマックスでは、ガードナーとライヴァルの俳優サーボネイジアが激しく言い争う。ガードナーは台本どおりにアーサーに拳銃を付きつけて発射した。だが、弾が込められていないはずの拳銃からは実弾が発射され、アーサーは即死した…新聞記者のナイゼルとアレン警部はガードナーから招待され、目の前でその事件を見たのだった。「マーシュ女史の作品はどの一場面を取り出しても脚色する必要もなくすぐにそのまま舞台で上演し、映画化することができる」これは有名な評論家ヘイクラフトの言葉だが、演劇通マーシュ女史ならではの機智に富んだ会話でスピーディに展開されていく本格推理長編。マーシュはクリスティ、セイヤーズ、アリンガムと並ぶ黄金期の四大女流作家のひとりである。 -
黄金の十三
1949年、エラリー・クイーンはミステリに詳しい作家、評論家など12人に委嘱し、それぞれにミステリの歴代傑作12編を推薦させた。著名な評論家ハワード・ヘイクラフトはそのうちの一人である。エラリー・クイーンは「ヘイクラフトに探偵小説界の指導的歴史家の名を冠しても異議をさしはさむ者はないであろう」と述べている。ヘイクラフトは要望に応え、時代順に13編を選んで提出した。これが本書「黄金の十三」である。 (収録作) 「盗まれた手紙」エドガー・アラン・ポー 「赤毛組合」コナン・ドイル 「13号独房の問題」ジャック・フットレル 「オスカー・ブロズキー事件」オースティン・フリーマン 「犬のお告げ」G・K・チェスタートン 「奇跡の時代」M・D・ポースト 「ほんものの陣羽織」E・C・ベントリー 「黄色いなめくじ」H・C・ベイリーン 「玄関の鍵」フレデリック・I・アンダースン 「争いの元」ドロシー・セイヤーズ 「神の燈火」エラリー・クイーン 「フウジス小僧」ダシール・ハメット 「踊り子探偵」ウィリアム・アイリッシュ
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