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会社社長の毒殺事件が発生。なぜか遺体のポケットにはライ麦が。それは恐るべき連続見立て殺人の端緒だった……名家で起きた三つの殺人事件。かつて仕込んだメイドを殺されたミス・マープルが正義の鉄槌を下す!/解説:霜月蒼
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社長の急死と、遺体のポケットから見つかった奇妙なライ麦から始まる物語は、最初から「何かがおかしい」という空気が張り詰めていて、一気に引き込まれた。マザー・グースの童謡をモチーフにした見立て殺人が、ただの趣向ではなく物語全体を不気味に支配しているのが巧み。
ミス・マープルの登場も印象的で、事件に個人的なつながりがあることで、彼女の正義感や優しさが強く感じられた。登場人物たちの欲望や人間関係の複雑さもリアルで、単なるトリック勝負ではなく「人間の業」を描いたミステリとして味わい深い。
真相は意外性と納得感のバランスがよく、読み終わった後も余韻が残る、さすがアガサクリスティと唸る一冊だった。
Posted by ブクログ
新訳をAudibleにて。買って持っているのは旧訳だが名作との噂を聞いてもったいなくてまだ読んでいなかった。好きなマープルとポアロをできるだけ後回しにしてマイナーそうな他作品から読み途中で挫折した20数年前の過ちを繰り返してはならない。
日本の震災の話が出てきた辺りとその後の下りで、やり方はともかく犯人は分かった。鉄壁のアリバイは逆に怪しいよね。凝った見立ての理由が合理的なのが嬉しい。ここがよくわからんとなんでそれやったの?となってしまうので。キャラクターもそれぞれ魅力的で面白い。
そして何よりラストが素晴らしい。
いやークリスティー読んで泣くと思わなかった。最後がとても切なくてよい。ミス・マープルの正義感や人を見る目の確かさ、グラディスからの信頼や彼女の結末の物悲しさ、こんな形で表現されるとどうにもこうにも。
何冊か読んでいて心に刺さったのがこれと『鏡は横にひび割れて』なので、私はもしかしてミス・マープルものの方が好きなんだろうか。オリエント急行とか、ポアロの名作は昔から既に何度も読んでいるのもあるけれど。
Posted by ブクログ
ミス・マープルシリーズ6作目。
1953年の作品。
ロンドンの実業家、レックスフォーテスキュー氏が何者かに毒殺された。ロンドン警視庁のニール警部は、フォーテスキュー氏と生活を共にしている家族の犯行と睨み、フォーテスキュー氏の住むイチイロッジの捜査を始める。このイチイロッジの周りを囲むイチイの木から取れるタキシンが毒の原因だったからだ。フォーテスキューの若く美しい妻アデルが容疑者と目されたが彼女もまた毒殺され、さらにメイドのグラディスも殺されてしまう。昔雇っていたメイドのグラディスの死を知ったミス・マープルは、彼女の仇を討つためニール警部の捜査に協力する。
見立て殺人は本当にゾクっとして面白いですねぇ。
イギリスの童謡、マザーグースの歌詞に見立て、黒ツグミ、ライ麦、洗濯バサミなどを使った殺人が行われます。
ポワロシリーズでは5匹の子豚、そして誰もいなくなった、でも見立て殺人が出て来ますが、マザーグースに馴染みのない私にはイマイチピンと来なかったりします。
それでも本当に最後までハラハラドキドキ楽しませてもらえました。
犯人は気が狂った殺人者なのか?犯人が全然わからない!
でもこの作品、ミス・マープルシリーズでは一番マープルの出番が少ないのでは?
主人公はロンドン警視庁のニール警部です。クラドック警部とは違って切れ者の彼。クラドック推しの私ですが彼もまたかっこいい。かなりいいところまで真相に近づきますが、しょうがなく婆さんの力を借りるか…といったスタンスです。
ニール警部の補佐役で、ちょっと抜けてるヘイ部長警部もいい味出してますねぇ。
Posted by ブクログ
名作ミステリーというのがどういうものか考えるとそれは何度読んでも安心できる読後感があるものというのが私の中ではある。その名作とよぶにふさわしい作品の一つがこの「ポケットにライ麦を」である。
まず題名がとても好き、とてもおしゃれで心を掴む。どんな話になるのだろう、どういう意味があるのだろうとワクワクする。
マザーグースを用いた見立ての連続殺人、容疑者になる個性強めの一族、絡み合う謎を読み解いていくと一人一人の人間描写の素晴らしさを肌で感じる。「ポケットにライ麦を」の意味がわかるとき、マザーグースの意味がわかるとき、ゾワゾワとする。
真犯人の犯行の手口や動機、それをマープルがどのように導き、そして解決に繋げていくか。ラストの終わり方の切なさ、悲しさ、怒り、そして喜びを肌で感じる一気読みになりました。
Posted by ブクログ
アガサ・クリスティーの作品に出てくるのは、エルキュール・ポワロだけではありません。こちらのミス・マープルもいますね。ってか、一人の作家が、複数の探偵を描くのって、他にあるんですかね?アガサ・クリスティー以外の作家はあまり聞かない気がします。以前からこの作品のタイトルは知っていたのですが、何故か今まで読んでいませんでした。
なるほどね。童謡に沿った形で事件が起きていくという設定の作品はほかにもたくさんありますが、これは、その嚆矢とも言えるのではないでしょうか。もっとも、作中で意外に早い時期に、事件の順番が童謡通りではない事が判ってしまうんですけどね。
あと、ミス・マープルで特徴?なのが、シャーロック・ホームズやエルキュール・ポワロの場合は、特定の警察官が登場するわけですが、ミス・マープルの場合はどうやらそうでも無いようですね。警視総監とは知り合いの様ですけど。
他の作品も読んでみようかと思います。
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