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人質交渉人
ニューヨーク市警の人質交渉人アビー・マレンに、30年以上会っていなかった知人のイーデンから電話がかかってくる。彼女の携帯に、8歳の息子を誘拐したと連絡があったという。犯人は500万ドルを要求。一般人には払えそうもない異様に高額な身代金に疑問を抱きつつ、アビーはイーデンに寄り添い、指示を出して犯人との交渉に乗り出すが――。人質交渉人は、犯罪者の心理を深く考察し、適切な言葉で相手の心を変えて、事件解決へと導くプロフェッショナル。圧巻の交渉術と緻密なサスペンスを堪能できる、一気読み必至のミステリ3部作が開幕!/解説=若林踏 -
〈金庫破りときどきスパイ〉シリーズ
第二次世界大戦下のロンドン。金庫破りのエリーは、ラムゼイ少佐とともにドイツのスパイ活動を妨害する任務についてきた。だが亡き父の恐るべき秘密を知ってしまい、ショックから立ち直れずにいた。そんなある日、エリーは新聞に載っていた強盗事件の記事に違和感を覚え、ラムゼイ少佐を訪ねる。どうやら裏にもっと大きな陰謀があるらしいとわかり、ふたりはタッグを組んで調査にあたることに。しかし聞き込みの最中に、ホテルの一室で女性の遺体を発見して……。凄腕の金庫破りと堅物の青年少佐の謎解きを描く人気シリーズ、急展開の第4弾!/解説=大津波悦子 -
あの図書館の彼女たち
1939年パリ。20歳のオディールは、アメリカ図書館の司書に採用された。本好きな彼女は女性館長や同僚、個性豊かな図書館利用者たちとの絆を深めていく。やがてドイツとの戦争が始まり、図書館は病院や戦地にいる兵士に本を送るプロジェクトを開始する。だがドイツ軍がパリを占領し、ユダヤ人の利用者に危機が訪れ……。1983年アメリカ。12歳の少女リリーは、“戦争花嫁”と呼ばれる孤独な隣人オディールの謎めいた過去が気になりはじめ……。ある女性の人生を通して、人々にかけがえのない本を届け続けた図書館員たちの勇気を伝える感動作。/解説=山崎まどか -
ジェームズ・ボンド・シリーズ
「恥辱を与えて殺害せよ」――ソ連国家保安省内の殺害実行機関SMERSH(スメルシュ)へ、死刑執行命令が下った。標的は英国秘密情報部の腕利きのスパイ、007のコードを持つジェームズ・ボンド。かつてソ連側に敗北をもたらした彼を陥れるために、SMERSHの作戦計画立案者が送りこんだのは、英国秘密情報部が飛びつくに違いない、魅力的な餌を抱えた国家保安省の美女だった。ヨーロッパとアジアが交わる混沌の都市イスタンブールやオリエント急行を舞台に、巧妙に張りめぐらされた二重三重の罠。最大の危機がボンドを襲う! 新訳で贈るシリーズ最高傑作。/解説=戸川安宣、小山正 -
リトル・グリーンメン 〈MJ-12〉の策謀
ジョン・O・バニオン、大統領をも番組に呼べる、超売れっ子のテレビ・パーソナリティ。このプリンストン出の秀才は、首都ワシントンの最高レベルのセレブたちの人気者だ。ネイサン・スクラブスもワシントンの住人だったが、彼は古いビルの奥にあるオフィスにひとり、各地で主婦がUFOに拉致され暴行されたという報が入るのを待つばかり。007を夢見ていたのに、〈MJ=12〉なる怪しい機関に回されたのだ。やけになった彼の、華々しい活躍ぶりが癇に障るバニオンを拉致してやろうという思いつきがすべての始まりだった。抱腹絶倒の大陰謀小説! -
7は秘密
「盗まれたんです。家族を」1846年の真冬。創設まもないニューヨーク市警の警官ティムは、黒人の血が混じった女性ルーシーから助けを求められる。妹と息子が悪辣な逃亡奴隷捕獲人に拉致されたのだ。ティムは兄ヴァレンタインの助けを得て彼女たちを助け出し、兄の家に匿った。だが翌々日の朝、その家で首にローブの紐が巻きついたルーシーの死体を発見してしまう。兄に嫌疑がかかることを恐れたティムは死体を移動し、犯人を追って捜査を開始する。弱者への暴力や黒人奴隷売買が横行する苛酷な時代に、青年警官はただ一人真実を求め奔走する。/解説=酒井貞道 -
刑事たちの四十八時間
不気味なわらべ歌が残る英国中西部の炭鉱の村で、夫婦と幼児が突如失踪した。ロンドン警視庁のディ警部補とハマースミス巡査部長が捜索に派遣されたが、与えられたのはわずか二日間。採掘による坑道のため沈みつづけ、やがて滅びゆく運命にある村を襲う春の吹雪。原因不明の奇病が蔓延し、不気味な目玉が発見される中、正義を固く信じるディ警部補、我が身の危険を顧みないハマースミス巡査部長、愁いを帯びた法医学検査官キングスリーの苦闘が始まる……。迷信と因習に満ちた村の犯罪の闇と、刑事たちの光がせめぎ合う、ノンストップ警察小説。シリーズ第2弾! -
ゴッサムの神々
新たなる名探偵、登場!1845年、ニューヨーク。バーテンダーのティムは街を襲った大火によって顔にやけどを負い、仕事と全財産を失ってしまう。新たに得た職は、創設まもないニューヨーク市警察の警官だった。慣れない仕事をこなしていたある夜、彼は血まみれの少女とぶつかる。「彼、切り刻まれちゃう」と口走って気絶した彼女の言葉どおり、翌日胴体を十字に切り裂かれた少年の死体が発見される。だがそれは、ニューヨークを震撼させた大事件の始まりにすぎなかった……。不可解な謎がちりばめられた激動の時代を生き抜く人々を鮮烈に活写した、圧巻の傑作ミステリ。MWA最優秀長篇賞最終候補作。 -
怪物を捕らえる者は
聖母マリアの祠の裏、雪の下から16歳の少女の遺体が発見された。遺体や服からアフガニスタン人移民の青年のDNAが見つかるが、刑事オリヴァーとピアが事情聴取をする前に彼は消えてしまった。有力な手がかりが見つからず捜査が難航するなか、数日後の夜に、田舎道で男が車にはねられて死亡する。男は裸足で、体には動物の咬傷や拷問の痕があった。彼はどこから逃げ、誰にこんな目に遭わされたのか――。ふたつの事件の捜査から導き出される、ドイツ警察を揺るがす史上最悪の真相。とてつもない急展開を見せる、大人気警察小説シリーズ。/解説=上條ひろみ -
群狼
猟区管理官ジョー・ピケットは、隣の地区の猟区管理官から、ドローンがミュールジカの群れを追い立てている件で協力を要請される。ドローンを使う狩猟は違法だ。情報を集めていくうちに、ドローンの所有者が2年前に東部から来た男で、ジョーの三女ルーシーのボーイフレンドの父親らしいとわかるが、なぜか捜査にFBIが絡んでくる。一方、鷹匠のネイトは、アリゾナ州ナンバーの車に乗ったガン・ケースを持つ男女を目撃し、不穏な予感を抱くが……。ジョー・ピケットVS.冷酷非情な暗殺者チーム! 大人気冒険サスペンス・シリーズ待望の最新作。/解説=吉野仁 -
友情よここで終われ
刑事ピアは作家デビューした元夫ヘニングの依頼で、出版社の元文芸部長ハイケの家へ向かった。彼女と数日間連絡がつかず、ドアに血の跡があるという。家に入ると、二階に鎖でつながれた老人がいた。捜査が始まり、老人は彼女が介護していた父親だと判明、血痕はハイケのものと断定された。ハイケに作品の剽窃を暴露されたベストセラー作家が被疑者に浮かぶが、ハイケが勤めていた出版社の社長をはじめ、疑わしい人物が増えていく。さらにハイケの友人が昏睡状態で発見されて……。出版業界をめぐる泥沼の事件に、刑事オリヴァー&ピアが挑む!/解説=吉野仁 -
フロスト気質
【第1位『週刊文春』2008年傑作ミステリーベスト10/海外部門】ハロウィーンの夜、行方不明の少年を捜していた新米巡査が、ゴミに埋もれた少年の死体を発見する。そのうえ連続幼児刺傷犯が新たに罪を重ね、15歳の少女が誘拐され、謎の腐乱死体が見つかるなど、デントン警察はいつも以上に忙しい。よんどころない事情で払底している幹部連の穴埋めをするべく、これら事件の陣頭指揮に精を出すのは、ご存じ天下御免の仕事中毒、ジャック・フロスト警部その人。勝ち気な女性部長刑事や、因縁浅からぬ警部代行とやりあいながら、休暇返上で働く警部の雄姿ここにあり! 警察小説の大人気シリーズ、待望の第4弾。 -
孤独な夜
クリスマス間近のノース・ヨークシャー。郊外に停められていた車の中で、女性の刺殺体が発見された。事件前、アナ・カーターはその車に男が乗り込むところを目撃していた。ただ、勇気がなく、そのまま通り過ぎてしまったのだった。アナはパートナー仲介エージェントの料理講座担当者で、殺された女性は講座の参加者だった。ケイト・リンヴィル巡査部長も実はこの講座に登録したばかりだった。同じ頃、老婦人が自宅で死亡し介護士の女性が姿を消すという事件が起きていた。ケイトは着任したばかりの女性警部補パメラの下、事件に取り組むことに……。 -
黄昏の銃声
猟区管理官ジョー・ピケットは、ガイドがグリズリーに襲われた山中へ向かっていた。しかし現場到着の前に、すぐ戻れという連絡が入る。ヒューイット判事が自宅で何者かに狙撃されたのだ。だが弾は妻のスーに当たり、彼女は瀕死の重傷を負ってしまった。判事は自分が有罪を宣告した者の中に犯人がいるはずだと断定し、ジョーを含む法執行官たちに捜査を命じる。ジョーは射撃のプロである盟友、鷹匠のネイトに協力を仰ぐが、ネイト自身と彼の家族にも予想外の窮地が待ち受けていた……。『群狼』に続く、大人気冒険サスペンス・シリーズ!/解説=霜月蒼 -
対立
昔ながらの製法を愚直に守って美味しいパンを作るパン屋の店主が撃たれて死んだ。通報を受け急行したロヤコーノ警部たちだが、思わぬ横槍がはいる。検察庁マフィア対策班が介入してきたのだ。この件は地元マフィアに極めて不利な証人である店主の口封じが目的だと決めつけてかかる彼らとは反対に、ロヤコーノは現場の状況からマフィアの犯行ではないと推理する。ピラース検事補の尽力もあり、P分署は独自の捜査を進められることになったが、失敗すれば署の廃止は避けられない……ドラマも話題の人気警察小説、21世紀の〈87分署〉シリーズ!/解説=古山裕樹 -
自由研究には向かない殺人
高校生のピップは、友人のコナーから失踪した兄の行方を探してくれと依頼される。兄のジェイミーは、2週間ほど前から様子がおかしかったらしい。コナーの希望で、ピップはポッドキャストで調査の進捗を配信し、リスナーから手がかりを集めていく。関係者へのインタビューやSNSなども丹念に調べることで、少しずつ明らかになっていく、失踪までのジェイミーの行動。ピップの類い稀な推理が、事件の恐るべき真相を暴きだす。年末ミステリランキング第1位『自由研究には向かない殺人』続編。この衝摯の結末を、どうか見逃さないでください!/解説=阿津川辰海 -
危険な友情
1924年、ニューヨーク。警察署で供述書を作成するタイピストとして働くローズの前に、新人タイピストのオダリーが現われる。彼女は美しい黒髪をボブにし、最新流行の高級な服に身を包んだ自由奔放な雰囲気の女性で、酔っ払いを上手にあしらって警官たちを感心させた。オダリーと親しくなったことでローズの人生は一変し、豪奢なホテルの一室で同居をはじめる。だがオダリーには秘密があった。贅沢な生活の資金はどこから? なぜ警察署に勤めているのか? そして彼女がローズに仕掛けた罠とは。2人のタイピストが織りなす優美なサスペンス!/解説=大矢博子 ※単行本版タイトル『もうひとりのタイピスト』を改題した文庫版を底本といたしました。 -
探偵は孤高の道を
2011年1月。サンフランシスコの私立探偵クレア・デウィットは、ギタリストのポールが殺されたのを知る。彼はかつてクレアの恋人だったが、別の女性と結婚していた。ポールは自宅の居間で銃殺されており、膨大なギターのコレクションのうち、5本がなくなっていた。犯人は貴重なギターを狙って盗みに入ったのだろうか。クレアは自力で犯人を明らかにすべく調査を開始する。想いを残したまま別れた相手が殺害され、懸命に真実を追うクレア。謎を解くことで、誰かを救えるのか。『探偵は壊れた街で』で鮮烈な印象を残した女探偵の新たな苦闘!/解説=久美沙織 -
偽証裁判
1857年10月、ヘスターは新たな仕事を得た。エディンバラの名家の女主人メアリが夜行列車でロンドンを訪れ、数日滞在したのちに帰宅する予定で、その間の付き添いを請け負ったのだ。彼女は高齢で心臓に持病があり、薬の飲み忘れは命に関わる。経験豊富な看護婦であるヘスターは車中で指示通りに薬を飲ませたが、翌朝、メアリはこときれていた。身に覚えのない殺人の罪で起訴されてしまったヘスターの絞首刑を防ぐには、裁判で無実を証明するしかない。私立探偵モンクは真犯人を見つけるべく捜査を開始する。緊迫感に満ち満ちた傑作法廷ミステリ! -
ボニーとクライドにはなれないけれど
コンビニ店員のルイーズは、学費のためにその店へ強盗に入った青年デルと恋に落ちた。ふたりはトレーラーハウスで暮らしていたが、デルの学位取得をきっかけに、デルの姉の仕事を手伝うという犯罪とは無縁の人生を始めることにする。だが旅に出たふたりには次々に事件が降りかかり、そのたびにあらたな土地へ向かう羽目に……。窃盗を疑われたり、ワイン泥棒に加担したり、結婚式を挙げようとした教会では強盗の人質にされてしまう。はたしてデルとルイーズは安住の地を見つけられるのか? チャーミングな恋人たちを描く連作ミステリ短編集。/【収録作】ルームミラー/手数料/来歴/女王さまのパーティ/極寒/ウェディングベル・ブルース -
スケープゴート
ジョンはフランス史を教える英国人の歴史学者。空虚な人生に絶望していた彼は、旅先のフランスで自分と瓜ふたつの男ジャン・ドゥ・ギに出会う。相手に引っ張られるままに飲んだ翌朝、ジョンが目覚めるとジャンの姿はなく、車や持ち物のすべてが消えていた。呆然とするジョンは、彼を主人と信じて疑わない運転手に促されるまま、ジャンの家に連れていかれる。ジャンは伯爵だが所有するガラス工場は経営が危うく、家族間はぎくしゃくしていた。手探りでジャンになりすますジョンだったが、事態は思わぬ方向に……。名手による予測不能なサスペンス。/解説=杉江松恋 -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
新町長シーリア就任のせいで、シンフルの町はいまだ落ち着かない。長年、行方不明だったシーリアの怪しい夫も現われ、不穏さは増すばかり。そんななか、ハリケーンが襲来、困難な状況をあまたくぐり抜けてきたフォーチュンも、自然災害にはお手上げだ。なんとかやり過ごしてほっとしたのもつかの間、嵐はとんでもない置き土産を残していっていた……。今度は、偽札に殺人?! フォーチュンに公私ともども最大級の危機が迫る! 型破りすぎな老婦人ふたりの助けを借りて、フォーチュンは町と自分の窮地を救えるか? 好評〈ワニ町〉シリーズ第7弾!/解説=柿沼瑛子 -
パイド・パイパー 自由への越境
時は1940年夏。現役を退いた老弁護士ジョン・ハワードは、傷心を癒やすためジュラの山村へ釣り竿一本下げて出かけた。しかし、懸念されていた戦局がにわかに緊迫度を高め、突然の帰国を余儀なくされたばかりか、ジュネーヴの国際連盟に勤めるイギリス人の子供二人を預かって帰る破目に陥った。だが、ハワードの運命はそれだけにとどまらなかった。途中で世話になったホテルのメイドの姪や二親を失った孤児など、次々と同行者の数は増えていく。戦火の中を、ひたすらイギリスを目差す老人と子供たち。英国冒険小説の雄ネヴィル・シュートの代表作。/解説=北上次郎 -
影を呑んだ少女
メイクピースはずっと母とふたりで暮らしていた。悪夢にうなされるたび、母は怒った。メイクピースは幽霊を憑依させる体質だから、抵抗しなければいけないというのだ。そんなある日、ロンドンで暴動に巻きこまれ、母が命を落としてしまう。残されたメイクピースのもとへ会ったこともない亡き父親の一族から迎えが来た。父は死者の霊を取り込む能力をもつ旧家の次男だったのだ。父の一族の屋敷で暮らし始めたメイクピースだったが、屋敷の人々の不気味さに嫌気がさし、逃げだす決心をする。『嘘の木』の著者が17世紀英国を舞台に描く歴史大作。/解説=杉江松恋 -
過ちの雨が止む
大学を卒業し、AP通信社で記者として働くジョーは、ある日、田舎町で起きたジョー・タルバートという男の不審死を知らされる。プレスリリースには凶行の疑いがあると書かれていた。死んだ男は、ジョーが生まれてすぐに姿を消した、顔も知らない父親かもしれない。ジョーは事件に興味を抱き、その町へ向かう。判明したのは、男が実父である可能性が高く、多数の人々の恨みを買っていたことだった。ジョーは真相解明に挑むが……。家族の秘密に直面する青年を情感豊かに描く、心揺さぶるミステリ。バリー賞など三冠に輝いた『償いの雪が降る』続編。/解説=若林踏 -
長い別れ
酔っぱらい男、テリー・レノックスと友人になった私立探偵フィリップ・マーロウ。大富豪の娘との夫婦関係が破綻したテリーは、なんとか彼女と元の鞘に収まったようだったが、ある日、突然現われ、メキシコまで送ってほしいとマーロウに頼んできた。そして彼を送り届けて戻ったマーロウは勾留されてしまう。テリーには妻殺しの嫌疑がかっていたのだった。彼は自殺、マーロウには、ギムレットを飲んですべて忘れてほしい、という手紙が届く……。男の友情を描いたチャンドラー畢生の大作を、これ以上望むべくもない名手渾身の翻訳で贈る新訳決定版。/解説=杉江松恋 -
たとえ天が墜ちようとも
高級住宅街の路地で女性の遺体が発見された。刑事マックスは、目撃者の証言から被害者の夫である刑事弁護士プルイットに殺人の疑いをかける。プルイットは、長年ともに働いた仲間である引退した弁護士ボーディに潔白を証明してくれと依頼した。ボーディは弁護を引き受けたが、それは命の恩人である親友のマックスと敵対することを意味していた。たとえ友情を失おうとも、正義を為すべく対決する、検察側の証人マックスと弁護人ボーディ。予想外の展開となる陪審裁判を制するのはどちらか? 『償いの雪が降る』の著者が描く、激動の法廷ミステリ!/解説=若林踏 -
生きるか死ぬかの町長選挙
町長不在となったシンフルの町。長年にわたり陰で町を仕切っていた婦人会の会長アイダ・ベルが、ついに表舞台に立つべく立候補する。二週間前から身分を偽り町に住んでいるCIA秘密工作員のフォーチュンは、これまでの縁から選挙戦を手伝うことに。ところが、アイダ・ベルと対立候補テッドの公開討論会が終わった直後、テッドが殺されてしまう。テッドの妻に犯人扱いされた友の無実を証明するため、フォーチュンたちは立ちあがるが、その結果シンフルはまたも大騒ぎになるのだった! したたかな女性たちが大暴れ、〈ワニ町〉シリーズ絶好調!/解説=上條ひろみ -
約束
ロス市警警察犬隊スコット・ジェイムズ巡査と相棒の雌のシェパード、マギーは、とある住宅街で逃亡中の殺人犯を捜索していた。匂いを頼りにマギーがたどり着いた家のなかには、容疑者らしい男が倒れており、さらに大量の爆発物が。同日、同時刻、同じ住宅街。私立探偵のエルヴィス・コールは失踪した会社の同僚を探しているという女性の依頼を受けて調査をしていた。単なる偶然か、それとも? 嘘をついているのは誰か。幾重にも重なる偽りの下に真実はあるのか。警察と探偵、スコット&マギーとコール&パイク、固い絆で結ばれたふた組の相棒の物語。 -
シャーロック・ホームズの復活【深町眞理子訳】
名探偵ホームズが宿敵モリアーティー教授とともに〈ライヘンバッハの滝〉に消えた「最後の事件」から3年。ロンドンで発生した青年貴族の奇怪な殺害事件をひとりわびしく推理していたワトスンに、奇跡のような出来事が……。名探偵の鮮烈な復活に世界が驚喜した「空屋の冒険」を始めとして、ポオの「黄金虫」と並ぶ暗号ミステリの至宝「踊る人形」、奇妙な押し込み強盗事件の謎が鮮やかに解かれる「六つのナポレオン像」など、珠玉の13編を収録する、シリーズ第3短編集。/収録作=「空屋(くうおく)の冒険」「ノーウッドの建築業者」「踊る人形」「ひとりきりの自転車乗り」「プライアリー・スクール」「ブラック・ピーター」「恐喝王ミルヴァートン」「六つのナポレオン像」「三人の学生」「金縁の鼻眼鏡」「スリークォーターの失踪」「アビー荘園」「第二の血痕」「解題=戸川安宣」「解説=巽昌章」 -
冬のフロスト
【第1位『IN★POCKET』2013文庫翻訳ミステリーベスト10/総合部門/作家部門/読者部門/翻訳家&評論家部門】寒風が肌を刺す一月。デントン署の管内では、いつものように事件が絶えない。二ヶ月以上も行方の知れない8歳の少女に続き、同じ学校に通う7歳の少女も姿を消す。売春婦殺しは連続殺人に発展し、ショットガンを振りまわす強盗犯に、酔ったフーリガンの一団、“怪盗枕カヴァー”といった傍迷惑な輩が好き勝手に振る舞う、半ば無法地帯だ。われらが名物親爺ジャック・フロスト警部は、とことん無能で好色な部下の刑事に手を焼きつつ、人手不足の影響でまたも休みなしの活動を強いられる……。史上最大のヴォリュームで贈る、大人気警察小説第5弾。 -
フロスト日和
【第1位「このミステリーがすごい!1998年版」海外編ベスト10】ウェブスターの眉間の皺は深まる一方だった。切れ者の警部として鳴らしたこの自分が、上司に鉄拳をお見舞いしたばかりに、降格のうえ、役立たずのぼんくら親爺、ジャック・フロストのお守り役を押しつけられる羽目となった。だが、肌寒い秋の季節、連続婦女暴行魔は悪行の限りを尽くし、市内の公衆便所では浮浪者の死体が小便のなかに浮かぶ。ここはひとつ、ロートル警部になりかわって事件解決に邁進しなくては……。皆から無能とそしられながら、名物警部フロストの不眠不休の奮戦は続く。笑いと緊張が堪能できる、まさに得難い個性の第2弾。/解説=温水ゆかり -
余命一週間の探偵として
ハロウィーンの晩。27歳のジェットは、何者かに殴打されて意識不明となってしまう。緊急手術を行い2日後に目覚めたものの、医師によると、彼女の脳内には確実に動脈瘤が形成されると考えられ、いずれ破裂して死に至るという。手術はほぼ不可能。余命1週間を宣告されたジェットは死ぬまでに自分を襲った犯人を見つけると誓い、幼なじみのビリーと調査を始める。だが、容疑者は身近な人物ばかりで……。究極のタイムリミットに挑む探偵役が、必死で謎を解き明かしていく。『自由研究には向かない殺人』の著者が放つ、圧巻の犯人当てミステリ!/解説=上條ひろみ -
〈刑事トム・バビロン〉シリーズ
ロックスター、ブラッド・ギャロウェイのライブがベルリンで開催された。2万人以上の観客が熱狂するなか、女性がステージでブラッドに謎の封筒を手渡した。その中のアルミケースには、凝固した血の上に載せた白い羽根が入っていた……。翌日、警察のゲストハウスで、ブラッドの血だらけの死体が発見される。死体は損壊され、胸には黒いペンで“愛する者の命は大事か?”というメッセージが残されていた。刑事トム・バビロンは、臨床心理士のジータ・ヨハンスと共に捜査を始めるが……。トップスピードで駆け抜ける、ドイツミステリ4部作第3弾!/解説=村上貴史 -
祖国なき者たちへ
1937年。空のオリンピック――平和推進を目的とした青少年エアレースが開催される。パイロット12人が英国から飛行機で出発し、ヨーロッパのさまざまな国を経てパリへ向かい、タイムを競い合う。唯一の女性パイロットで英国代表のステラは、レース初日に恐るべき光景を目撃する。前方を飛んでいた二機の飛行機のうち、上の飛行機が下に向かって意図的に接近したように見えた。そして片方は海に墜落。勝利のために、誰かが殺人を犯したのか? ステラは身の危険を感じて、犯人探しをはじめるが……。国際スリラー作家協会賞YA部門受賞作!/解説=深緑野分 -
修道女フィデルマの慧眼 修道女フィデルマ短編集
聖人の亡骸が眠る地への巡礼に加わったフィデルマ、そこで心臓をひと突きされた修道女の死体が見つかり捜査することに……「祝祭日の死体」。ラーハン王国で催される大祭を訪れたフィデルマとダロウの修道院長ラズローンが、エールの飲み比べ競争の最中に死んだ闘士の事件に挑む「夜の黄金」。ドーリィーとして殺人および窃盗の罪で告発されている少年の弁護を引き受けたフィデルマが真相に迫る「撒かれた棘」など全5編を収録。法廷弁護士にして裁判官、アイルランド全土を旅する修道女探偵フィデルマが、事件を鮮やかに解決する。短編集第6弾。/【目次】祝祭日の死体/狗のかへり来りて……/夜の黄金/撒かれた棘/尊者の死/訳註/解説=♪akira -
〈金庫破りときどきスパイ〉シリーズ
1940年ロンドン。金庫破りのエリーの前に、陸軍のラムゼイ少佐が現れ、北部のサンダーランドまで旅をするように指示される。また国のための任務につけると喜んだエリーは、翌日現地に向かう。しかし到着してすぐに、何者かにぶつかられ、トラックに轢かれそうに。親切な男性に助けられてことなきを得るが、少佐の手配してくれた下宿屋に入った直後、その男性が前の道路で倒れて死んでしまう。この不審な死は偶然なの? エリーは、空軍パイロットに扮した少佐と調査に乗りだす。凄腕の金庫破りと堅物の青年少佐が活躍する人気シリーズ第3弾!/解説=柿沼瑛子 -
罪なくして
ロンドン警視庁を辞め、ケイレブ警部のいるヨークシャーのスカボロー署に移籍しようと向かう列車のなかで、ケイトは見知らぬ男に銃で狙われた女性を助けることになった。犯人は乗客に紛れ逃走したが、ケイトは足を負傷する。その頃高校の女性教師が自転車で走向中に、転倒させられ、さらに銃撃される事件が起きた。銃弾はそれたが、転倒で脊髄を損傷した彼女は四肢麻痺となり、話すこともできなくなってしまう。そして、驚くべきことに、列車内で使われた銃と、彼女を狙った銃が同一ということが判明。ふたりには何の接点もないというのに……。ケイト・リンヴィル・シリーズ第3弾! -
〈金庫破りときどきスパイ〉シリーズ
第二次大戦下のロンドン。テムズ川で、鍵のかかったカメオ付きのブレスレットをつけた女性の遺体が発見された。金庫破りのエリーは、軍情報部のラムゼイ少佐の依頼でその鍵を解錠する。カメオから見つかったものと女性が毒殺されていたことから、彼女はスパイ活動にかかわっていたと判明。エリーは少佐に協力し、殺人事件の謎と、死んだ女性の背後にいると思しきドイツのスパイを探りだすことに。手がかりは、女性が隠し持っていた宝石と、小さな時計の巻き鍵だけ――。凄腕の金庫破りと堅物の青年少佐、正反対のふたりを描く人気シリーズ第2弾!/解説=大矢博子 -
自由研究には向かない殺人
大学入学直前のピップに、ストーカーの仕業と思われる不審な出来事がいくつも起きていた。無言電話や匿名のメールが届き、首を切られたハトが家の敷地で見つかったり、私道にチョークで頭のない棒人間を描かれたり。調べた結果、6年前の連続殺人との類似点に気づく。犯人は逮捕され服役中だが、ピップのストーカーの行為は、この連続殺人の被害者に起きたこととよく似ていた。ピップは自分を守るため調査に乗りだす。――この真実を、誰が予想できただろう? 『自由研究には向かない殺人』から始まった、ミステリ史上最も衝撃的な三部作完結!/解説=吉野仁 -
猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ
ワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケットの盟友ネイトのもとへ、連邦政府の秘密組織の男たちが人質を取って現れた。彼らは政府に追われているネイトの容疑を抹消することと引き換えに、ある任務を依頼した。州南部の砂漠地帯で大規模テロを計画している可能性がある、駐米サウジアラビア大使の息子の動静を探れ、と。ネイトは引き受けざるを得なかったが、この件には何か裏がありそうで……。一方のジョーも、ネイトが失踪したという情報を受けて、砂漠地帯へと向かう。不毛の荒地を舞台に、大迫力のアクションが繰り広げられる冒険サスペンス!/解説=堂場瞬一 -
炎の爪痕
ヘレナ・フレミングは憂鬱だった。家族で引っ越してきたシェトランド本島の家の納屋で、まえの持ち主が首吊り自殺を遂げて以来、何者かが敷地に侵入し、謎めいた紙片をあちこちに残していくのだ。たまりかねてジミー・ペレス警部を訪れ相談をした翌日、同じ納屋で今度は女性の首吊り死体が発見される。彼女は島の旧家モンクリーフ一家の子守りだった。ふたつの死に関連はあるのか? ペレスは上司のウィローや部下のサンディとともに捜査に当たる……CWA最優秀長編賞受賞作『大鴉の啼く冬』から始まったペレス警部シリーズ、感慨無量の最終巻。/解説=古山祐樹 -
カッコーの歌
「あと七日」意識を取りもどしたとき、耳もとで笑い声と共にそんな言葉が聞こえた。 頭が痛い……。わたしは……わたしはトリス。昨日池に落ちて記憶を失ったらしい。少しずつ思い出す。母、父、そして妹ペン。ペンはわたしをきらっている、憎んでいる、そしてわたしが偽者だと言う。なにかがおかしい。破りとられた日記帳のページ、異常な食欲、恐ろしい記憶。そして耳もとでささやく声。「あと六日」。わたしに何が起きているの? 大評判となった『嘘の木』の著者が放つサスペンスフルな傑作。英国幻想文学大賞受賞、カーネギー賞最終候補作。/解説=深緑野分 -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
保安官助手カーターとの初デート成功に浮かれるフォーチュンのもとに、朝から凶報が届く。いまだ空席のシンフル町長の座に、アイダ・ベルやガーティの宿敵シーリアが立候補したのだ。彼女が当選したら、CIAのスパイという自分の正体が明るみに出かねない。三人が当選阻止に動こうとした矢先、カーターからSOSが飛びこんできたと知らされる。緊急捜索の果て、銃撃されて沈みゆくボートから間一髪救出するが、カーターはそのまま病院行きに。ブレーキ役不在の三人組が、犯人さがしのため町を史上最大の混乱に陥れる〈ワニ町〉シリーズ第5弾!/解説=穂井田直美 -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
シンフルの町に身分を偽り潜伏中のスパイであるわたしフォーチュンは、いろいろあって保安官助手カーターとのディナーの日を迎えていた。ところが、そこにカフェの店員アリーの家が火事だと連絡が入る。幸い彼女は無事だったが、原因が放火と判明してはほうっておけない。アリーはこの町で初めてできた、大事な同年代の友人なのだから。けれど、誰からも恨まれそうにない彼女がなぜ? カーターの警告を無視して、わたしは町を知りつくした年上の友人ふたりアイダ・ベルとガーティとともに行動を開始する。大好評に応えて贈る〈ワニ町〉第4弾!/解説=♪akira -
自由研究には向かない殺人
高校生のピップは自由研究で、5年前に自分の住む町で起きた17歳の少女の失踪事件を調べている。交際相手の少年が彼女を殺害し、自殺したとされていた。その少年と親しかったピップは、彼が犯人だとは信じられず、無実を証明するために、自由研究を口実に警察や新聞記者、関係者たちにインタビューをはじめる。ところが、身近な人物が次々と容疑者として浮かんできてしまい……。予想外の事実にもひるまず、事件の謎を追うピップがたどりついた驚愕の真相とは。ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、英米で大ベストセラーとなった謎解きミステリ!/解説=若林踏 -
越境者
ワイオミング州猟区管理官の職を辞したジョー・ピケットは、ルーロン知事の意向で現場に復帰していたが、新たな任務を与えられる。巨大製薬会社の跡取りスコギンズが失踪し、FBIは、州の辺境に住む富豪テンプルトンが前々から暗殺業を営んでおり、スコギンズを標的にしたのではと疑っていた。さらにスコギンズ失踪の前後、ジョーの友人のネイトらしき男が近くで目撃されていた。ジョーは知事の指令でFBIに協力し、テンプルトンの本拠地へ情報収集に赴くが……。ジョーがネイトと敵対!? 全米ベストセラーの冒険サスペンス・シリーズ!/解説=三橋曉 -
目くらましの道
イースタ署のヴァランダー警部は、夏の休暇を楽しみにしていた。つきあっているバイバと旅行に行くのだ。そんな平和な夏の始まりは、一本の電話でくつがえされた。不審な女性がいるとヴァランダーが呼ばれて行った先の菜の花畑で、少女が焼身自殺。身元も自殺の理由も不明。目の前で少女が燃えるのを見たショックに追い打ちをかけるように、事件発生の通報が。殺されたのは元法務大臣。背中を斧で割られ、頭皮の一部を髪の毛ごと剥ぎ取られていた。これがすべての始まりだった。CWAゴールドダガー賞受賞の傑作。スウェーデン警察小説の金字塔。 -
ミスコン女王が殺された
シンフルの町に着くなり巻きこまれた騒動にケリをつけ、当初の計画どおり静かに暮らそうとしたCIA秘密工作員フォーチュンの決意を、一本の電話が打ち砕く。ハリウッドに行った元ミスコン女王パンジーが帰ってきたのだ。折しも夏祭りのメインイベントが子どもミスコンに決まり、元ミスコン女王という経歴に偽装しているフォーチュンは、パンジーと共同で運営を任されるが、大衝突をしてしまう。その翌日パンジーが殺されたことを知ったフォーチュンと地元婦人会コンビは、疑いを晴らすため動きだす……暴走が止まらない、痛快度大増量の第2弾!/解説=大矢博子 -
コリーニ事件
67歳のイタリア人、コリーニが殺人容疑で逮捕された。被害者は大金持ちの実業家で、事務所を開いたばかりの新米弁護士ライネンは国選弁護人を買ってでる。だが、殺されたのはライネンの亡くなった親友の祖父だったと判明する。知らずに引き受けたとはいえ、少年時代に世話になった恩人を殺した男を弁護しなければならない――。苦悩するライネンと、被害者遺族側の辣腕弁護士マッティンガーが法廷で繰り広げる緊迫の攻防戦。そして裁判で明かされた、事件の驚くべき背景とは。刑事事件弁護士の著者が研ぎ澄まされた筆致で描く、圧巻の法廷劇!/解説=瀧井朝世 -
バッキンガム宮殿のVIP
1942年、戦争がつづくロンドンに戻ったわたし、マギー・ホープは、ドイツの強制収容所に収監されている異父姉妹と再会できる日を心待ちにしつつ、特別作戦執行部(SOE)で事務の仕事についていた。そんななか、MI‐5の長官から、ある事件の捜査協力を要請される。SOEの訓練を受けた女性ばかりが行方不明になり、そのうちの一人の死体が発見されたというのだ。死体の状態から、犯人はあのいまわしい事件を模倣しているとしか思えないのだが……。マギー・ホープ、今度は戦時下のロンドンで勃発する連続殺人事件に挑む! 大好評のシリーズ第6弾。 -
トレント最後の事件
アメリカ実業界の巨人マンダースンが、イギリスにある別邸で頭を撃たれ殺害された。突然の死を受け、ウォール街はじめ世界の投機市場は大混乱に陥る。画家にして名探偵のトレントは懇意の新聞社主に依頼され、この事件を解決して記事にするべく、特派員として現地に赴いた。そこで彼は最重要容疑者である、被害者の美しき妻メイベルと出会うのだった。盟友チェスタトンに捧げられた本書は、独創的な大トリックを有し、恋愛の要素をミステリに持ちこみ成功している。推理小説を旧来の型より大きく前進させ、黄金時代の黎明を告げた記念碑的名作。/解説=杉江松恋 -
消えた修道士
オー・フィジェンティの大族長が、和平協定締結のために、モアン王国を訪れたその時、大族長とモアン国王を何者かの矢が襲った。どちらも命に別状はなかったが、襲撃がモアン側の陰謀だというオー・フィジェンティの主張に、両国は一触即発の危機に。モアン国王は自国の潔白の証明を、妹で法廷弁護士でもある修道女フィデルマに託した。襲撃者はすでに殺されていた。フィデルマはわずかな証拠を頼りに、相棒エイダルフ修道士と共に、襲撃に使われた矢の出処と思われるクノック・アーンニャに向かう。美貌の修道女が名探偵。好評シリーズ、長編第7弾。 -
助手席のチェット
リトル探偵事務所にある母親から持ち込まれた事件は高校生の娘の失踪だった。元刑事でバツイチの探偵バーニー・リトルは誘拐事件と判断、相棒の大型犬チェットと調査を開始したが、身代金要求はない。父親は単なる家出としてバーニーを解雇してしまう! 警察犬訓練所を優秀な成績で卒業、はできなかったが、それでも優秀な相棒犬チェットは、おのれの嗅覚を信じ、危険もかえりみず、バーニーをサポートする。チェットが犬の視点、犬の心ですべてを語り全世界の犬好きの心を鷲掴みにした史上最強の犬ミステリ『ぼくの名はチェット』(単行本版)改題。/解説=杉江松恋 -
エルサレムから来た悪魔
1171年のイングランド。トマス・ベケット大司教殺害の衝撃もさめやらぬ王国を、ケンブリッジの町で起きた、子どもの連続失踪・殺害事件が揺るがしていた。事件はユダヤ人の犯行だとする声が強く、私刑や排斥運動が起きる。富裕なユダヤ人を国外に追放してしまえば国の財政は破綻し、かばえば教会からの破門は避けられない。進退窮まった国王ヘンリー二世は、シチリア王国から優秀な調査官と医師を招聘し、事件を解決させようとする。若き女医アデリアは、血に飢えた殺人者の正体をあばくことができるのか。CWA最優秀歴史ミステリ賞受賞の傑作。 -
暴風雪
猟区管理官ジョー・ピケットは、アレン州知事からある事件の捜査を命じられる。昨年7月に、英国大手広告会社社長の女性が、サラトガ地区で失踪した。彼女はジョーの娘シェリダンが働く高級リゾート牧場に滞在後、空港へ向かう途中に忽然と姿を消していた。行方を探るためにジョーが現地へ赴くと、盟友の鷹匠ネイトが現れる。彼はジョーに、タカ狩りに関する問題の解決に協力してほしい、その代わりジョーの調査を手伝うと言う。サラトガ担当猟区管理官の謎めいた離職も絡んで、事態は予想外の展開に……。大人気冒険サスペンス・シリーズ新作!/解説=若林踏 -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
先の事件で心に傷を負ったフォーチュン。それでもシンフルは平常どおり──なのに、またもや事件が起こった。今度は町の中年女性が、ネット上でロマンス詐欺に遭ったのだ。こんな卑劣な犯罪は許せない! 犯人はたぶん町の住民とふんだフォーチュンとスーパーおば(あ)さまふたりは、義憤にかられて立ちあがる。さらに、町一番の善人に予想だにしない悲惨な出来事が起こった。保安官助手のカーターは激怒中、三人は慎重に探りはじめる……はずだったのだけれど。シンフルのパワフルトリオが懲りずに大暴れ、好評〈ワニ町〉シリーズ、待望第8弾!/解説=大津波悦子 -
弟、去りし日に
弟の訃報が届いたのは朝食後すぐのことだった。車で何度も轢かれて殺されたのだという。保安官のヴィクターは、弟とは憎しみ合った末に疎遠になり、12年近く会っておらず、悲しみは湧かなかった。だが唯一の肉親となった弟の10歳の娘から、真相を調べてほしいと頼まれる。ヴィクターは捜査中の少女殺人事件に取り組みながら、弟の死の謎へも踏み込んでいくが……。まっすぐで聡明な姪との交流と真実を追う旅路が、孤独な日常を送るヴィクターの灰色の人生を、切なくも鮮やかに彩っていく。実力派作家が贈る、一人の男の再生を描くミステリ。/解説=三橋曉 -
あの夏が教えてくれた
ボーディはミズーリ州の田舎町で暮らす15歳の少年。父を亡くし母親と淋しい日々を送っている。高校に馴染めず、友達は一人もいない。静かすぎるその町で、最近大事件が起きた。町最大の企業〈ライク工業〉に勤める黒人女性が、不審な失踪を遂げたのだ。そんなとき、ボーディが慕う隣人ホークを保安官が訪ねてくる。女性は実はホークの知人で、ふたりのあいだには噂があったという。思いがけない事件が、ボーディの日常に不穏な影を落とす―。現実に悩みつつ、少年は鮮やかに成長する。『償いの雪が降る』の著者が贈る、心震える青春ミステリ!/解説=古山裕樹 -
珈琲と煙草
孤独感を抱える人物の心理を端正な文章で綴った小説。イエズス会の寄宿学校での出来事や、父の死、ナチの高官でユダヤ人迫害に加担した祖父への言及などの自伝的エッセイ。ある俳句を教えてくれた京都からの留学生をめぐる、著者の死生観が垣間見えるエピソード。ドイツで死刑が廃止される12日前に斬首刑となった男の犯罪実話。ボクサーとの恋の思い出を語る老婦人や、収支報告書の改竄で告訴された男といった、弁護士として出会った人々との交流譚──。クライスト賞受賞、日本で本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いたデビュー作『犯罪』、映画化された法廷小説『コリーニ事件』、世界各国で2600回以上上演された戯曲『テロ』。これまで社会や人間を深く描写してきた現代ドイツを代表する作家が、多彩な手法で紡ぐ新たな作品世界! -
危険な男
ジョー・パイク、海兵隊あがりの元警官で、現在はロスで私立探偵を営んでいる。銀行の帰りに窓口で応対してくれた女性イザベルが拉致される現場を目撃、見過ごすことはできず、追跡して彼女を救い出す。二人組の犯人を警察に引き渡し、一件落着と安心したのも束の間、なんと二人組は保釈されてしまった。それを知ったイザベルは、犯人が再び自分を狙うのではと恐れ、パイクの電話にメッセージを残すも失踪する。だが、二人組は保釈直後に何者かに殺されていた。パイクは相棒コールの助けを借り、イザベルの行方を追うが……。実力派の著者最新作。/解説=若林踏 -
誰かが嘘をついている
放課後の理科室で、5人の高校生がルール違反の罰として教師に作文を書かされていた。そのなかの1人、サイモンが突然苦しみだし、病院搬送後に死亡してしまう。死因はアレルギーのアナフィラキシーショックで、警察は事件性があると判断した。サイモンは生徒たちのゴシップを暴露するアプリを運営しており、現場にいた4人の生徒は全員が彼のアレルギーを知っていたうえ、さまざまな秘密を握られていたのだった。4人は一人称で、順繰りに事件について語っていく。いったい、誰が何を隠しているのか。巧みな構成が光る必読の謎解きミステリ!/解説=若林踏 -
贋作
画商に修復の腕を見込まれ、ある富豪の弁護士が所有する17世紀オランダ女流画家の作品の贋作をひそかに制作し、心ならずも絵画窃盗に加担してしまった女子画学生。私立探偵を雇って彼女の存在を探り出したその弁護士は、罪を暴き、大切な絵を取り戻そうと、彼女に近づくが、彼女の絵に対するひたむきさと知識の深さに敬意を抱くようになる。そして彼女は、絵を愛する、自分とは別世界に住む大人の男に惹かれ始めたが……。40年以上の時が流れ、過去を封印し罪の意識におののきながら、美術史学者として活躍する彼女の前に、自身の手になる贋作と新作がそろって出現した! いったいなぜ? 17世紀の女流画家と現代の女性学者、それぞれの愛と喪失と苦悩が時代を超えて呼応する。絵画贋造の技法も、複雑に絡み合う人間関係も、ミステリアスで美しい光のなかに見事に描きあげられた情感溢れる物語。 -
生贄の木
森の中で、袋に入れられ木から吊るされていた三人の人間が発見された。イカれたパーティー・ガール、狂気に冒された配給所の聖女、そして小児性愛者。ひとりは助かり、ひとりは手遅れ、ひとりは瀕死の状態だった。同じ頃、小児性愛者に誘拐されていたと見られる女の子がマロリーに保護される。ココと名乗るその少女は妖精のような顔立ち、音楽的才能などからウィリアムズ症候群と診断された。ココの心を思いやるチャールズと対立しながらも、マロリーはココに犯人を思い出させようとする。マロリーと少女の奇妙な絆を描く、好評シリーズ。/解説=大矢博子