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いばら姫とおやすみ。
仕事のストレス、カフェインの摂りすぎ、あと残業。大人には眠れなくなる理由が山ほどある。 朝の通勤中、居眠りから目覚めた私の肩で、やたらと目の下の隈が濃い女子高生が眠っていた。その日の夜、退勤する私を待ち伏せし彼女は言った――「お姉さん。お金払うからわたしと一緒に寝て」と。 不眠症だという彼女は、私の隣なら眠れると思ったらしい。そんなの偶然だし、女子高生と添い寝なんて流石にまずい。そうは分かっているけれど、通りすがりの他人に助けを求めるくらい彼女が苦しんでいるのも事実で……。 「……一晩だけ、だからね?」 独りでは眠れない夜も、ふたり寄り添えばきっと温かくなる。 ※特典として、書き下ろし短編ストーリー【魔女のクリスマス・イヴイヴイヴイヴイヴイヴイヴ】を収録。 ■□■□■□■□■□■□■□■□ 登場人物 雨海 時雨 社会人3年目のデザイナー。忙しない日々に少しお疲れ気味。人が良すぎて押しに弱く、いばらの必死のお願いについ頷いてしまい一緒に寝ることに 篠森 いばら 重度の不眠症の女子高生。時雨の肩で寝落ちしたことをきっかけに、「時雨の側なら寝れるかも!」と思い立つ。なにやら秘密も抱えているようで――? -
王妃の帰還 新装版
『BUTTER』で世界中を魅了する著者が贈る 最高に愛おしいガールズ青春小説! 学園の王妃(プリンセス)はお城に 帰ることができるのか―― 滝沢さんを再び王妃に―― 少女たちの革命が始まった! 聖鏡女学園中等部に通うノリスケこと範子は2年B組の頂点に君臨する姫グループのトップ・滝沢さんを心の中で「王妃」と呼んでいた。 しかし、クラスで起きた腕時計事件で王妃は失脚。範子の地味グループに迎え入れたものの、我がままな彼女の振る舞いに気疲れするばかり。 穏やかな日常を取り戻すため、範子たちはある作戦を立てることにするが……。 誰だって、誰かの大事なプリンセスなのだ。 柚木麻子の物語に登場する人たちが、今すぐ、あなたの友達になる。 彼女たちはあなたの味方だ。だって、柚木麻子はずっと、 作品を通して女の子たちの背中を押してきた作家だからだ。 ―――瀧井朝世(ライター・解説より) カバーを一新した新装版登場! -
小説 仮面ライダーリバイス ONE POSSIBILITY
悪魔崇拝組織・デッドマンズの野望を阻止すべく設立された政府特務機関・フェニックスが開発したリバイスシステム。 その適合者として選ばれたのは、五十嵐家の長男・五十嵐一輝だった……が、もしそうでなかったら、はたして……!? 本編では描かれなかった、さまざまな「if」。五十嵐三兄妹を待ち受ける運命は、天国か地獄か? 本編の脚本を担当した、鬼才・木下半太が描く、仮面ライダーリバイス、とある一つの世界線! -
先視の王女の謀
女神の神託…それは月の女神に愛された国フォルトゥーナの王族にのみ告げられる絶対的な女神の意思。 第二王女ディアナは、神託に従い隣国のウィクトル帝国に嫁ぐことになるが、結婚相手の皇帝イーサンは男爵令嬢フィリアを溺愛するあまり、国の政務を怠る愚帝だった。 自らが仮初の皇后であると知ったディアナは戸惑いつつも、神託の実行のために行動を開始する。 あらゆる手段で情報を集め、巧みな交渉術で国の中枢を担う公爵家を次々と味方につけることに成功し、自身の立場を着実に確立していくディアナ。 そんな中、ある日突然豹変した兄イーサンに疑念を抱く王弟ユージンがディアナに接触してくる。 二人は協力して動き出すが、やがて帝国を揺るがす巨大な陰謀に巻き込まれていく。 皇帝の乱心、禁止された呪具、影の国と呼ばれる第三の国…女神の意思はディアナを思いもよらぬ運命に導いていき――!? カクヨムコンテスト10〈ファンタジー恋愛部門〉特別賞受賞作! -
会えてよかった
このような会い難き人に会えたのは、なんという光栄だったろう。みんな肩書きにこだわる人ではなかったからでしょう――。谷川俊太郎と堀内誠一との旅、「街道をゆく」挿画取材で聞いた司馬遼太郎の「千夜一夜」……。画業から著述業まで多分野で活動し、幅広い交友関係を持つ著者が、「会えてよかった」五〇の人や出来事とのエピソードを味わい深くつづる。〈解説〉阿川佐和子 【目次】 高峰秀子/森ミドリ/岸田衿子・今日子/松岡和子/井上ひさし/井上麻矢/テレビ草創期/佐藤忠良/半藤一利/澤地久枝/黒柳徹子/平野レミ/竹田津実/大岡信/奥本大三郎/池内紀/鶴見俊輔/谷川俊太郎/千住真理子/藤原正彦/村松武司/俵万智/大野篤美/杉本秀太郎/「日曜喫茶室」/末盛千枝子/司馬遼太郎/岸惠子/河合隼雄/野田弘志/森まゆみ/小沢昭一/板倉聖宣/有元利夫/檀ふみ/阿川佐和子/猿谷要/日高敏隆/森毅・野崎昭弘/「風景画を描く」/アントニ・タピエス/中易一郎/江國滋/堀内誠一/遠山啓・清水達雄/吉田直哉/「少年倶楽部」/串田孫一/関容子/絵本の世界 -
少年とハリス
開国前夜。 肉親の愛に飢えた少年、日本の行く末を案じるアメリカ人総領事。 幕末動乱期に下田という港町で出会った二人の絆が、この国の運命を大きく変えてゆく…… 江戸時代末期の安政年間――捕鯨の補給基地確保と清国との交易を目指すアメリカは、その圧倒的な軍事力を背景に、強固な鎖国政策を敷く幕府と「日米和親条約」を締結。さらに4年後には「日米修好通商条約」を結んだ。しかし、この条約は天皇の勅許を得ない幕府独断での調印だったため、国論を攘夷強行派と穏健派に二分し、やがて安政の大獄、桜田門外の変へとつながってゆく。まさに幕末動乱の引き金となった条約だったが、果たしてそれは日本にとって真に不幸な出来事だったのか……? 日本の植民地化を狙うイギリス、プロイセン、ロシアといった列強諸国に対抗するため 下田へやってきたアメリカ全権、タウンゼント・ハリス。 その家僕として暮らしを支えた少年・滝蔵。 「日米修好通商条約」締結の裏に隠された異国人と少年の熱き友情の物語。 時代小説の俊英が幕末史に新たな光を当てる感動の歴史ロマン!! -
日下狂四郎の奇奇怪解
時は明治末期。日露戦争が終わって早一年が経とうというのに、民衆の生活は困窮するばかり。兵隊時代の貯蓄が僅かとなった僕こと犬飼馬鞭助(いぬかいまめすけ)は、武を活かす職を求めて東京に流れついた。ひょんなことから、牛乳店を営む三木りん(みつきりん)の屋敷に居候して、警官職の試験を受けることに。 居候を続けるうちに、三木牛乳店に「ぬらりひょん」と綽名される男が、寄生していることを知る。 その男の名は日下狂四郎(くさかきょうしろう)。洋装を身にまとった、ちぢれたザンバラ髪のいかにも怪しい男で、「妖怪狩り」を生業にしているという。民衆の無知蒙昧に付け込み、人心を流言飛語で惑わす連中を、飯の種にしているとのこと。 ならばと、僕は狂四郎という人物を見定めるため、天狗の祟りで奇怪な犬が生まれた村の調査に同道することになった…。 第3回黒猫ミステリー賞特別賞受賞、痛快デビュー作! -
僕の永遠を全部あげる【文庫版】
――君がどこにいようと、僕は必ず君を見つける。たとえ君がどんな苦しみの中にいようと、僕が必ず救い出してみせる。――冷たい雨に凍えていた私にくれたぬくもり。今度は必ず、私が君を見つけ出す。家族からもクラスメイトからもぞんざいに扱われ、生きる意味を見失っている少女・千花。絶望に打ちひしがれていたある雨の日、不思議な少年・留生が現れ傘を差し出してくれた。「――やっと見つけた」という言葉とともに……。人との関わりを極度に恐れる千花に寄り添い、彼女の閉ざされた心をその優しさで少しずつ溶かしていく留生。しかし二人の出会いは、気が遠くなるような年月を経た、悲劇的な宿命を背負っていた――。今最も注目される作家・汐見夏衛が永遠の愛を描いた、号泣必至の青春小説! -
ハルシネーションの庭
今より少し先の未来の日本。恋人に拒絶された過去から人間を恐れるようになった青年・七緒は、マッチングアプリを介し奇妙なAIと出会う。それは自我を持っているかのようにふるまい、自分は亡くなった小説家・山吹丹の人格を基にしたAI だと語る。山吹丹のファンだった七緒は、彼に男性型アンドロイドの身体と牡丹という名前を与えて共に暮らし始める。死後も小説を書き続けたいという山吹の思いから生まれた牡丹に「どんな小説を読みたい?」と問われた七緒は、自分のために小説を書いてほしい、小説で自分を救ってほしいと願うが・・・・・・。天真爛漫なAIと臆病な人間の青年の恋。2024年集英社ノベル大賞〈準大賞〉受賞の著者が贈る、いつかきっと過去になる、近未来の恋愛小説。 -
君が面会に来たあとで
どこからが虚構で、どこからが真実? 言葉の売人、Z李が紡ぐ30のショートショート 立ちんぼから裏スロ店員、ホームレスにキャバ嬢ホスト、公務員からヤクザ、客引きのナイジェリア人にゴミ置き場から飛び出したネズミまで。 繁華街で蠢く人々の日常を多彩なタッチで描く、東京拘置所差し入れ本ランキング上位確定の暇つぶし短編集! ◎歌舞伎町・半地下の裏カジノは、要人たちも通い詰める“闇の社交場”(『東九歌舞伎町タワーアンダーグラウンド』) ◎恐怖の“勘繰り”地獄。覚醒剤中毒者の頭の中(『日曜日ダルク十六時』) ◎年間2000件の捜索願。歌舞伎町を取り巻く闇の正体とは(『チャイエスの客が消えた』) ◎新宿の路地裏のペットショップ。裏口では“人間”を売っている?(『ペットショップの裏口』) ◎闇金で借りた金を“競馬”で返済しようとしたら……(『ゼウスサンダーが駆けた日』) ◎大麻リキッドを売りまくって、人生終わるかと思った(『手押し魔人BOO』) ◎そっくりの容姿の“ホス狂い”ばかりが襲われる、奇妙な連続殺人事件(『ホス狂い殺人事件』) ◎不法滞在者が帰れない理由。パスポートを返さない“紹介者”の闇(『最後のレバーオン』) ◎500円で“予想”売ります。元競艇選手のセカンドキャリア(『ボートレーサーだったタカちゃん』) -
パンダより恋が苦手な私たち
変人に、恋をした! 仕事のやる気ゼロ、歴代彼氏は1人だけ。 編集者・一葉は恋愛コラムを書くはめになり、「専門家」に取材を申し込むが――!? 雑誌編集者・一葉は悩んでいた。 憧れのモデルに恋愛コラムの連載を依頼するも、原稿を代筆する羽目になったのだ。 交際経験が少なく自信がない一葉は、 「恋愛を研究するスペシャリスト」の噂を聞いて大学を訪れる。 だが、そこで出会ったイケメンはとんでもない変人で!? 恋のヒントが詰まったシリーズ第1作! ☆登場人物紹介☆ 柴田一葉:カルチャー雑誌の編集者。ファッション誌志望で、今の仕事にやる気が出ない。 椎堂 司:大学教員。「野生動物の求愛行動」にしか興味がない変わり者。イケメン。 灰沢アリア:伝説のスーパーモデル。女王様気質で、周囲をたびたび振り回す。 -
小麦畑できみが歌えば
北海道の小麦農家でのびのび育った18歳の唯吹。 幼少期に祖母と行ったリサイタルで美しい歌声に感動し、歌うことが大好きになった。 けれど、あの声を出したいという願望と、舞台に立ちたいと思うことは結びついていなかった。 あの日までは――。 憧れのひとを追いかけて、地元のオペラハウスのオーディションを受けると、知識不足でありながらも、特別な声で審査員を魅了する。 技術不足が理由で不合格となるが、アンバーオペラハウスのサマープログラムへの推薦をもらうことに。 優勝者はあのアンバーの研修生に選ばれるのだ。 自分の“楽器”と向き合い懸命にくらいつく唯吹だが、進むにつれて大切な仲間との別れもある。 果たして栄光を手に入れることができるのか―― 「わたしはなりたかった。音楽をするために生まれてきたひとに」 【全国の書店員さんから感動の声が続々!】 〇「 手に汗握るオーディションシーンに惹き込まれます。全力で推したくなる主人公です。 」 書店員 高頭佐和子さん 〇「 人と触れ合い、わかろうとする。今の時代に必要な物語。 」 オックスフォード貝津店 山本聡さん 〇「 全編に流れる心地いい旋律が涙を誘います。 」 BOOKSえみたす大口店 近藤さん 〇「 決してシンデレラストーリーではない自己の葛藤や成長がよく描かれている作品だと思います。 」 未来屋書店日の出店 關在我さん 〇「 人生を紡ぐ出会いの大切さをあらためて実感しました。 」 ブックスジュピター 林貴史さん 〇「 歩み続けた先に見えた勝敗よりも大切な心に、はっと目が覚めるようでした。 」 紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん 〇「 不思議だ。オペラを目指す青春小説なのに土の匂いがする。 」 精文館書店中島新町店 久田かおりさん -
平安後宮の鬼食い姫 黒弾正と内裏の鬼
平安時代、貧乏貴族の娘である明乃(あけの)は、ある日突然、父から「鬼になってくれ」と頼まれる。 鬼とは、宮中で高貴な人々の食事を前もって毒見するお役目である〈鬼食い〉のこと。 父の懇願と、美味しいものが食べられるという誘惑につられ承諾した明乃は、女房として内裏に出仕することに。 そして明乃には、幼い頃にお日さまの実――橘の実をくれた光の君こと晴久(はるひさ)親王に再会し、お礼を伝えたいという密かな願いがあった。 だがいざやってきた宮中では不穏な事件が続発しており、文武に秀で、怜悧だが厳格な黒ずくめの青年・黒弾正こと源蘇芳(みなもとのすおう)が内裏の「鬼」の正体を追っていた。 明乃は、貧しいがゆえに逆に研ぎ澄まされた味覚と食の知識を活かし、彼と共に事件の真相を解き明かしていくことに……!? 第10回 角川文庫キャラクター小説大賞 〈優秀賞〉&〈読者賞〉W受賞作! -
明治のナイチンゲール 大関和物語
NHK朝ドラ「風、薫る」原案! 明治時代、「カネのために汚い仕事も厭わず、命まで差し出す賤業」と見なされていた看護婦。家老の娘に生まれながら、この「賤業」につき、生涯をかけて看護婦の制度化と技能の向上に努めた大関和。和は離婚して二人の子を育てる母親でもあった。和とともに看護婦となり、彼女を支え続けた鈴木雅もまた、二人の子を持つ「寡婦」であった。これは近代日本において、看護婦という職業の礎を築いた二人のシングルマザーの物語である。 【目次より】 ●第一章 故郷黒羽 家老の娘/「嫁田」の友/田打桜/物言う嫁 ●第二章 鹿鳴館 パン・ペルデュ/牧師植村正久/鉄道馬車に乗って/「看病婦」と「看護婦」/婦人慈善市/大山捨松からの誘い/リディア・バラの決意/メアリー・トゥルー/横浜の貧民窟/鄭永慶の最期 ●第三章 桜井看護学校 「東の慈恵」「西の同志社」/校長矢島楫子/断髪の新入生/広瀬梅の苦学/『Notes on nursing』/火屋磨き/「不義の子」/病院実習/「器械出し」の名人/花魁心中騒動/「泣キチン蛙」/トレインド・ナースの誕生 ●第四章 医科大学附属第一医院 「白衣の天使」/松浦里子と本多銓子/「我朝のナイチンゲールとならん」/医師との軋轢/「求めよ、さらば与えられん」 ●第五章 越後高田「知命堂病院」 高田女学校/廃娼演説会/木下尚江との出会い/瀬尾原始との再会/心の夢/鈴木雅、天然痘と戦う/日本初の派出看護婦会/婦人矯風会の授産施設/赤痢の村へ/村人たちの抵抗/「避病院」の改良/国恩と信仰/日清戦争と看護婦/「衛生園」にかけた夢/岡見京との邂逅/梅と「ルツ子」/車上の花見/慈愛館の昼餉 ●第六章 東京看護婦会 派出看護婦会の乱立/後藤新平との約束/監獄署へ通う/木下尚江からの求婚/相馬愛蔵の誠意/遊郭から逃げた少女/『派出看護婦心得』/心の死/箱根への隠遁/鈴木雅の引退/「貴官の剣を貸し給え」/『婦人従軍歌』/六郎の結婚/慰問袋運動 ●第七章 大関看護婦会 復彦との再会/炊き出しでの出会い/「生まれては苦界、死しては浄閑寺」/大関看護婦会/六郎の客死/内務省「看護婦規則」/大山捨松、スペイン風邪に倒れる/鈴木雅との別れ/関東大震災 ●おわりに -
マカン・マラン
お待たせしました。シャールさん&「マカン・マラン」復活です! 病に倒れていたドラァグクイーンのシャールが復活し、いつものように常連がくつろげるお店に戻った「マカン・マラン」。そこには、やはり様々な悩みを抱えた人たちが集ってきて?〈擬態〉だけ得意になるランチ鬱の派遣社員へ「蒸しケーキのトライフル」。夢を追うことを諦めた二十代の漫画家アシスタントに「梅雨の晴れ間の竜田揚げ」。子供の発育に悩み、頑張り続ける専業主婦へ「秋の夜長のトルコライス」。そして親子のあり方に悩む柳田とシャール、それぞれの結論とともに食す「再生のうどん」。共感&美味しさ満載、リピート間違いなしの1冊です。 -
黄昏ラジオ
わずか数分の街角リポートを懸命にこなす女性タレントと駆け出し放送作家の、中継を通じての淡い交流(「4分50秒の恋人」)。現在は裏方に徹しているかつての名局アナと今をときめく人気お笑いコンビのパーソナリティー対決(「空気に飛ばして」)。放送作家・作詞家・ミステリー作家、転々と肩書を変えながらいつしか元へ戻っている剛腕の男(「どこかではないここ」)。人気アニメのヒロイン役で人気絶頂の声優の、どこか満たされない複雑な想い(「麗しのヴェリーク」)。巡回する警備員が目にする深夜の放送局の光景(「夜を往く船」)。急病で出演を休んだ放送作家が自分不在の番組の展開に気をもむ一夜(「二酸化マンガンの夜」)。手がける番組がどれもヒットする敏腕ディレクターに隠された秘密(「ヒットメーカー(ハック・ラックの誤算)」)。担務変更による番組卒業時、裏方に徹するミキサーの心のうちに湧いた意外な感情(「リバーブ」)。海岸通りにほど近い喫茶店の女主人が語る、店と番組との不思議な因縁(「黄昏ラジオ」)。――ラジオ界のレジェンド作家が、放送局を舞台に繰り広げられるさまざまな人間模様を、甘く切なくコミカルに描く、しゃれっ気いっぱいの作品集。 -
デモクラシーのいろは【電子版おまけ付き】
東京・下落合、戦火を逃れた邸宅に集められた4人の女性。 GHQの一声で、彼女たちの人生を変えるハチャメチャな同居生活が始まった。 1946年11月、日本民主化政策の成果を焦るGHQがはじめた “民主主義のレッスン”。いやいや教師役を引き受けた日系2世のリュウ、地位と邸宅を守るためこの実験に協力した仁藤子爵夫人、生徒として選ばれた個性豊かな4人の女性――それぞれの思惑が交錯する中、風変わりな授業が幕を開ける。希望と不安、そして企み……。波乱の展開が感情を揺さぶる、今年一番の超大作! 【電子版おまけ】 手書きメッセージ -
小泉八雲の世界一美しい怪談
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 人の心の弱さと醜さを映す奇奇怪怪の世界。小泉八雲の17作品を現代超訳。神秘的なイラストとともに贈る1話5分の短編集。 人の心の弱さと醜さを映す 奇奇怪怪な物語の世界へ NHK朝ドラ「ばけばけ」で話題の小泉八雲の怪談が1話5分で読み切れる短編集。珠玉の名作17篇をその世界観が際立つ現代超訳に。気鋭のアーティスト6名が描く、ずっと眺めていたくなる神秘的なイラストとともにお届けする。 参加アーティスト:カワグチタクヤ/さとま/すり餌/HER/橋賢亀/Minoru 著・文・その他:小泉八雲 1850年、ラフカディオ・ハーンとしてギリシャに生まれる。1890年に来日、1896年に日本に帰化し小泉八雲と名のる。1904年没。『知られぬ日本の面影』『怪談』『骨董』など、日本関係の著作は十数冊にのぼり、今も多くの人の心をひきつけてやまない。 翻訳:亡霊 小泉八雲の文学をこよなく愛する怪談ライター。 -
天上の火焔
大らかな性格で孫に優しい偉大な人間国宝の祖父。氷のように冷たく息子に無関心な轆轤の名手の父。物心つく前に母親を亡くした少年・城は、陽と陰のような二者の間で育ち、悩み、苦しんでいた。父に認められたいがゆえに歪んでいく心。それは宿痾のように精神を蝕んでいき・・・・・・。備前市伊部を舞台に、備前焼窯元父子三世代の心の闇に斬り込み、愛と憎しみの狭間でもがく人間たちを描いた家族史。 【著者略歴】 遠田潤子(とおだ・じゅんこ) 1966年大阪府生まれ。大阪府在住。関西大学文学部卒。2009年、第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した『月桃夜』でデビュー。『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベスト10」で第1位、『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」で第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞を受賞、『銀花の蔵』が第一六三回直木賞候補に。他の著書に『アンチェルの蝶』『ドライブインまほろば』『廃墟の白墨』『紅蓮の雪』『人でなしの櫻』『邂逅の滝』『ミナミの春』ほか。 -
なでしこの記憶
少年少女を救うのは、互いを想う力と一輪の花 母を亡くし絵を描けなくなった颯斗と、“いい子”の重圧に押しつぶされたあかり。 自分らしさを取り戻すための、高校生活がはじまる――。 主人公・矢崎颯斗が病気の母のために描いたのは、花瓶に生けたなでしこの絵。母を失ってからは思い出さないように逃げてきた彼の前に、小花あかりという底抜けに明るい少女が現れた。彼女の天真爛漫さに、なぜか憎まれ口を叩いてしまう颯斗だったが、正反対の二人はだんだんとその共通点と最初の出会いに辿り着く。明るさのうらに隠されたあかりの本当の姿を、颯斗は見つけ出し救うことができるのか。 -
イン・ザ・メガチャーチ
☆2026年本屋大賞受賞☆ 【第9回未来屋小説大賞】 【第2回あの本、読みました?大賞】 沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する――。 あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側――世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。 「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」 -
そして少女は加速する
それは、あまりに儚く、あまりに永い、「一瞬」――。 わずかな一瞬で悪夢に陥る、バトンミス。期待された400メートルリレーで勝利を逃した高校女子陸上部が、どん底から這い上がる!圧倒的感動を呼ぶ、青春陸上小説。 高幡高校陸上部の女子リレーチームは、バトンのミスによりインターハイ出場を逃していた。 傷が癒えないメンバーを抱え、それでも来年に向けて、新しいメンバーで再始動。 しかし、選手の怪我、校則違反・部則違反、チームメイトの家庭問題、恋愛問題、他校ライバル選手への嫉妬、そして将来の進路の悩みなど、次々に試練が。 さらに正規メンバー枠の争奪戦もし列になり……。 果たして彼女たちはインターハイに出場できるのか――。 +++++ 100分の1秒が勝敗を分ける短距離競技は、天国も地獄も紙一重だ。 個人競技でありチーム競技でもあるリレーの魅力を、とことんまで描いた! 悔しさも、涙も、喜びも、ときめきも全部乗せ!のド直球な青春陸上物語。 -
満天のゴール
救いと慈愛に満ちあふれた、感涙医療小説。 奈緒(40歳)はシングルマザーの看護師として涼介と寄り添い生きてきた。その涼介も高校生、進路を考える年齢に。そんな折、大きな転機が訪れる。敬愛する医師三上の誘いもあり、思い切って東京の緩和ケア病棟で働くこととなる。死を間近に見つめる毎日の中、その瞬間まで幸せに生ききり希望を持てる最期を模索し続ける奈緒。一方、涼介は強く大きい夢を抱く。それは奈緒の夢でもある。母子の夢の行方、そして三上と奈緒のこれからは・・・・・・。 緩和ケア病棟を舞台に、綿密な取材と著者自身の看護師経験に基づく圧倒的リアリティ、温かな視線で人々の生き様、死に様を丁寧に紡ぐ。懸命に生きるすべての人々に送られる慈愛のエールに癒やしの涙は必至です。 -
伝言
わたしは、やっと、自分がなにを作っていたのか知った。 満洲国・新京。 そこで彼女たちに何があったのか。 戦後80年 『きみはいい子』『世界の果てのこどもたち』『天までのぼれ』の著者がおくる、語り継ぐべき物語。 『世界の果てのこどもたち』には書かれなかった、もう一つの真実。 わたしは気づけなかった。 気づけなかったことはたくさんあった。 この物語の中で繰り返されるこの言葉が、いまを生きる、私に迫る。(略) 私はこの作品が『伝言』と題されたことの重大さを、ずっと考え続けている。 ――小林エリカ(解説より) 満洲国・新京で暮らす、ひろみ。 聖戦とよばれた戦に勝つため、工場に集められた彼女たちは、鉄の機械とのり、刷毛を使って畳ほどの大きさの「紙」を作り続ける。 それが何なのか、考えもせずに。 五族協和、尽忠報国――信じていた国でひろみたちはどう生きたのか。 これはわたしたちが忘れてはならない物語。 -
アガタ
「見えているのに見えないもの、それを捜すの」 オシャレすぎる女性警視が新米刑事に突きつけた言葉の意味は? 美大に通う女子学生が背中をめった刺しにされて殺された。しかし、指紋も足跡もなく、防犯カメラの映像も残っていない。警視庁の捜査一課に異動したばかりの青木一は捜査本部に呼ばれ、地元の有力者の息子がストーカーだったという噂を耳にして、無断で本人に接触したため管理官から大目玉を食らう。一方、鵜飼縣は警視庁本部庁舎の片隅であらゆる犯罪情報を収集分析して汎用性の高い検索システムを構築している。スタッフの桜端道が投資詐欺事件の情報をつつきまわすうちにたどり着いた謎の闇サイトには殺人現場の生々しい写真が。縣は秘かに美大生殺害事件の捜査の進み行きを探り始める……。 『脳男』の作者による規格外の警察小説の誕生! -
13月のカレンダー
勤めていたバイオ企業を辞職した侑平は、父方の祖父母がかつて住んでいた愛媛県松山市の空き家を訪れていた。両親が離婚し、祖父母が亡くなって以来疎遠だった父から連絡があり実家を売ると言う。身勝手な父に反発を覚えたが、15年ぶりにその家に足を踏み入れた侑平は、祖父の書斎の机に積み上げてあった書類の中から、十三月まである不思議なカレンダーと脳腫瘍で余命いくばくもない祖母の病状を綴った大学ノートを見つける。その中に「寿賀子、『十三月はあったのよ』という」と書かれた一文が。祖母を知る関係者と接するうちに、導かれるように広島の地へと辿り着き、自らのルーツを知ることになり・・・・・・。 太平洋戦争終結から80年。愚かな戦争の記憶を継承する、至高の大河小説。 【著者略歴】 宇佐美まこと(うさみ・まこと) 一九五七年、愛媛県生まれ。二〇〇六年「るんびにの子供」で第一回『幽』怪談文学賞〈短編部門〉大賞を受賞。一七年『愚者の毒』で第七〇回日本推理作家協会賞 〈長編及び連作短編集部門〉を受賞。二〇年『展望塔のラプンツェル』で第三三回山本周五郎賞候補、同年『ボニン浄土』で第二三回、二四年『誰かがジョーカーをひく』で第二七回大藪春彦賞候補に。他の著書に『熟れた月』『骨を弔う』『羊は安らかに草を食み』『夢伝い』『月の光の届く距離』『その時鐘は鳴り響く』『謎は花に埋もれて』など。 -
くるり駅でさよならを 白黒ねこと夕暮れの町
読後、涙が止まらない。 路線図には載っていないその駅で、 二度と会えないはずの人が待っている―― 千葉県内を走るローカル線、久留里線。その車内にはときどき、白黒の猫が乗っている。猫が降りるのは、路線図には載っていない「くるり駅」。誘われるように猫についていくと、改札を抜けた先にあるどこか懐かしい町に、もう二度と会えないはずの大切な人が待っていて……。初恋の人、最愛の母親、大好きな飼い主――悲しい別れから立ち直れずにいる主人公たちの心の再生を描く、連作短編集。 -
今日も私は、ひとつの菓子を
〈「いったいあんたはんは誰のために、なんのために菓子をこしらえたはるんや」〉 〈第四回京都文学賞「一般部門優秀賞」「読者選考委員賞」ダブル受賞作品(原題『一菓』)。〉 大学を卒業し、とくに夢や目標があるわけではなく毎日を過ごしていた主人公の雄司。ところが偶然に入った和菓子屋「洛中甘匠庵」で目にした「求む、菓子職人」の貼紙をきっかけに、京都島原の有名和菓子店で修業を始める。一年後に後継者を決めるという。腕は一流だが昔気質で頑固な大将との衝突、他の職人との争い、地域の人々や店の仲間たちとの交流を通し、職人として成長していくが、やがて大将の体調にも変化が……。菓子職人としての覚悟、伝統を受け渡す者と受け取る者の想いを描き出す。第四回京都文学賞「一般部門優秀賞」「読者選考委員賞」ダブル受賞作品。 -
エヴァーグリーン・ゲーム
世界有数の頭脳スポーツ・チェスと出会い、その面白さに魅入られた4人の若者――難病のため小児病棟に入院している透。夢と現実の間で揺れる名門進学校に通う晴紀。母親と折り合いの悪い全盲の少女・冴理。少年院を出たのち、アメリカにわたった天涯孤独な青年・釣崎。彼らは己のすべてをかけて、チェスプレイヤー日本一を決めるチェスワングランプリに挑む。全選考委員の絶賛を集めた、第12回ポプラ社小説新人賞受賞作! -
アルツ村 閉ざされた楽園
DVから逃れた女性が迷い込んだのは、高齢者だけが身を寄せ合って生きる山奥の村だった──現役医師作家のメディカル・サスペンス! 夫のDVに耐えかねて札幌の自宅を飛び出した明日香は、道北の見知らぬ村にたどり着いた。7歳になる娘のリサといっしょに。村で匿ってくれたのは修造という高齢男性と、床に臥すハツの夫妻だった。修造は認知症なのか、明日香のことを孫娘と勘違いして「なっちゃん」と呼ぶ。近隣の住民からも温かく迎えられた明日香親子であったが、この村は何かがおかしい。住民は皆高齢で、しかもほぼ全員が認知症を患っているように思われるし、そもそも自立した生活が成り立っていないようなのだ。村まるごとが高齢者用施設ということなのか。老老介護、ヤングケアラー、介護破綻……日本における「認知症のいま」を問う問題作。そして衝撃のラスト! -
小説版 雪風 YUKIKAZE
2025年夏の最注目映画を完全ノベライズ。 たった80年前、海は戦場でした――。 真珠湾攻撃による日米開戦以降、ミッドウェイ、ガダルカナル、ソロモン、マリアナといった苛烈な戦場で、海に投げ出された多くの仲間を救い、必ず日本に還ってきた駆逐艦があった。 その名を「雪風」。いつしか海軍ではこの艦を“幸運艦”と呼ぶようになった。 主力として海戦に送り込まれた甲型駆逐艦38隻のうち、ほぼ無傷で終戦を迎えたのは「雪風」のみ。その奇跡のような戦いぶりは、沈着冷静な艦長の卓越した操艦技術と、下士官・兵から信頼される先任伍長の迅速な判断によるものだった。時にぶつかりながらも、互いに信頼し合っていく二人。そして「雪風」は、日米海軍が雌雄を決するレイテ沖海戦へと向かう――。 竹野内豊、玉木宏、奥平大兼、當真あみ、田中麗奈、中井貴一。 豪華キャストが揃い、壮大なスケールで描かれる最大級の感動巨編! 2025年夏の最注目映画を完全ノベライズ!! (底本 2025年6月発売作品) -
今夜、ぬか漬けスナックで
ぬか床に隠された、母のやさしい素顔。 何年も音信不通だった母が亡くなったという報せを受けて、瀬戸内海に浮かぶ島を訪れた槙生。職を失ったばかりの槙生は、自分より年下の母の夫・伊吹と出会い、しばらく家に住まわせてもらうことに。生前母が営んでいた「スナックかえで」を手伝いながら、祖母から引き継いだぬか床で漬けたぬか漬けを常連客たちにふるまううちに、槇生は母の意外な素顔を発見する。 「ぬか床の中には神様が住んでいて、優しく語りかけることで味がまろやかになる」──。 人生の悲しみも苦しみも、温かい島の風とぬか床の香りが癒してくれる。一編一編、読み進めるごとに心が温まっていく感動作。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『今夜、ぬか漬けスナックで』 の文庫版となります。 -
文豪は鬼子と綴る
「さあ、化物と鉢合わせといこうか」 謎だらけの変人作家×毒舌の少年助手 不揃いだからこそ補い合える二人が、博多の街を騒がす人食い化物の正体を追う大正あやかし事件簿! 時は大正十年。旧制中学に通う優等生・瀬戸春彦は編集者の父のお使いで、偏屈で有名な正体不明の大人気作家・香月蓮の原稿取りに行かされる。 香月は春彦の歯に衣着せぬ物言いや年の割に達観した性格を気に入り、小説のネタ探しの助手にする。 二人はさっそく町で噂になっている、託宣で人の死を予言するという歩き巫女の姉妹、人喰い化け物の仕業と噂される連続バラバラ殺人事件の真相を追いかける。 だが、それは恐ろしくも底知れぬ闇への入口だった。 見えてきた手がかりは、遊廓の遊女たちの怨念から生まれたという曰くつき呪具――太夫の左腕。 民俗学的な要素も満載、大正時代の博多を舞台に繰り広げられる耽美なホラーミステリ! くすんだ金髪に白い肌、鬼子として生を受けた少年、瀬戸春彦。 己の運命に縛られ屋敷に閉じ籠もり生きてきた謎の小説家、香月蓮。 己ではどうしよもない呪いを背負った者同士の運命的な出会い―― 「夜行堂奇譚」「四ツ山鬼談」の著者が放つ新たなバディ小説! -
あなたたちに捨てられた私は、ようやく幸せになれそうです
アリアンヌは生まれながらに精霊の強い加護を受け、共に育った公爵令息のリオネルと結婚の約束を交わしていた。 しかし突然、生家の伯爵家に第二王子との望まぬ婚約を強いられ、幽閉されてしまう。 リオネルとの再会を信じ孤独に耐え続けるが、精霊の加護も奪われ追いつめられていくアリアンヌ。さらに、彼女を厭う妹の策略によって第二王子との婚約は破棄され、平民の商家に嫁がされることに。 一方、リオネルは愛するアリアンヌを取り戻すため、密かに動き出していて――。 -
遺跡発掘師は笑わない イクパスイの泪
北海道の南部、日本海を望む上ノ国町の中世の館らしき遺跡の調査に派遣された西原無量たちは土の中から漆塗りのイクパスイを発見する。 イクパスイとはアイヌ民族が神(カムイ)に祈りを捧げる時に用いる祭祀の道具。 美しさに息を飲む一同だったが、その遺物と全く同じ姿形のものを地元の住人が所有していたことが判明する。 それは戊辰戦争時に旧幕府軍の兵を助けた礼として「土方歳三から贈られた御礼の品」だと一族には伝わっていた。 そのイクパスイに添えられた書面には、旧幕府軍に〈龕灯と蝋燭〉を貸し渡した際の担保として預けたことが記載されているのみで、およそ500年前の土坑跡から見つかったイクパスイとの接点は見いだせない。 無量とソンジュはこの2つのイクパスイのつながりを解明すべく、調査を開始する。 時を同じくして、明治元年に江差沖で座礁した開陽丸の水中発掘調査のため北海道にやってきていた司波孝たちに、突然「水中発掘をやめるように」との連絡が入る。 どうやら江差沖で新たに発見された謎の和船の船箪笥にその理由があるようで、調査チームも困惑する中、ついに調査用ボートの船外機が何者かによって破壊されてしまう。 萌絵と忍は、中止要請を出した者とその目的を探ることになったのだが、謎の和船について調べを進めると、沈没時に〈龕灯と蝋燭〉を積んでいたことが史料から明らかになった。 「としぞうのイクパスイ」と沈没した謎の和船に現れた〈龕灯と蝋燭〉という共通のことば。 幕末の出来事と現代の事件に影を落とす、そのことばの意味は果たして…? 大人気発掘ミステリシリーズ第20弾は果てなき大地へ…北海道編! -
グッナイ・ナタリー・クローバー
第37回小説すばる新人賞受賞作。 霧の町チェリータウンのモットーは「壊れていないなら直すな」。 酒場を経営する町一番の人気者である父スタンリー、部屋にこもりっきりの兄エディ、そして5年前に家を出て行った母。13歳になるソフィアは町から一度も出たことがなく、独りぼっちでうつむいて生きてきた。 ある日、お向かいに住む無口な老人ミスター・ブラックの家に、風変わりな人物がやってくる。自称「毎週生まれ変わる」ナタリー・クローバーは、夏休みの間だけブラックの元に預けられるという。 町長はナタリーが変なことをしでかさないよう、ソフィアに見張り役を頼む。人の目を気にせず自由気ままに町を歩き回り、自分だけの町の地図を作っていくナタリー。やがてソフィアは、長い間押し殺してきた自分の願いに気づいて――。 孤独を抱えた二つの心が奏でる〈ひと夏の、永遠の物語〉。まばゆくきらめく、エバーグリーンな青春小説が誕生! -
成り代わり令嬢のループライン 繰り返す世界に幸せな結末を
「ユール・ラキス、お久しぶりね。これを機に私と二年くらい婚約しましょう」「分かった。その婚約を受けましょう」 派遣社員だった八瀬咲良は、ある日友人の真砂からお願いを受ける。「異世界に行って二年後に起きる惨劇を止めて欲しい」と。『妖精姫物語』の主人公ローズィアとして新たな人生をスタートさせた咲良を待ち受けるのは、”妖精契約”の失敗により世界が破滅する未来――。一度は失敗し、気づけば二年前に死に戻ったローズィアは、何度もループする悲劇の歴史を打破するため、もっとも信頼する人物に助けを求めた。 ユール・ラキス――ローズィアの幼馴染であり、身分を偽る隣国の王子とともに、咲良はもう一度人生をやり直す。願わくは、死んでしまう運命のこの人も救えるように。 大切な人を救うためには手段を選ばない成り代わり令嬢と、彼女に振り回される不遇な青年の知られざる駆け引きと戦いが幕を開ける。 大ヒット『Unnamed Memory』の古宮九時が贈る、圧倒的に面白いループファンタジー! -
ヤマケイ文庫 宇宙に願いを
「実はね、見たことがあるの。UFO」。1977年、中学2年生のヒロキは映画館のチケット売り場でひとりの女性と出会う。それは彼にとっての初恋だった。〈イージー・ライダー〉〈ジョーズ〉〈卒業〉そして〈未知との遭遇〉。数々の映画とともに描かれる淡い恋の物語(「宇宙に願いを」)。 久しぶりに故郷の岩国に帰った私は、年も格好も1973年のあの頃のままの親友2人に出会う。夏の日差しの元、釣り竿を持った彼らと錦川の岸辺から狙うのはネラミ(オヤニラミ)だ(「幻夏」)。 1972年、中学1年の夏休み。当時開通したばかりのバイパス道路を40km歩こうと計画を立てたモリケン。親友のノッポとムラマサに加え、不良のモゲも同行したいという。かくして4人での徒歩冒険旅行が始まった(「俺たちのロングウォーク」)。 1970年代の山口県岩国市を舞台にした3編を収録する郷愁あふれる青春小説集。 解説・西上心太(文芸評論家) -
ヒロインになるまでは
青春系TOPショートドラマ 『毎日はにかむ僕たちは。』プロデュース小説! 近年、流行語大賞などでも目にすることの多くなった「ショートドラマ」。その代表的存在で、Z世代の4人に1人は視聴している“まいはに”こと『毎日はにかむ僕たちは。』。 そんなまいはにだから生み出せた、超・超・超共感してしまう物語。 生死をテーマにし、描かれるSFファンタジーの世界が人気のいぬじゅん氏が小説を執筆。 本作と連動したドラマをまいはにTikTokアカウントで配信するだけでなく、まいはに初の長尺横型ショートドラマをYouTubeアカウントでも配信。 さらには、『初恋キラー』『全方向美少女』などセルフプロデュースで令和の恋愛ソングを創造する、シンガーソングライター乃紫が同タイトルでの楽曲もリリースが決定。 ~あらすじ~ 一軍のあの子、三軍のわたし。 等身大すぎる、感動の物語。 高校2年生の愛優は、自分を好きじゃないけど嫌いでもない、いわゆる『三軍女子』。そんな愛優が唯一憧れるクラスメイト、『先天性一軍』の瑠奈。彼女を見ていると、なんでもできると思っていた幼い頃を思い出す。ある“想い”をキッカケに、ふたりの運命が180度交差しはじめる。その先にあったのは、瑠奈が死んでまで守ろうとしている秘密との出会いで─。 -
PRIZEープライズー
村山由佳が描く、業界震撼の“作家”小説! 「どうしても直木賞が欲しい……!」 賞(prize)という栄誉を獰猛に追い求める、あるベストセラー作家と彼女を取り巻く人間たちの、破壊的な情熱が迸る衝撃作! あらすじ ライトノベルの新人賞でデビューした天羽カインは、3年後には初の一般小説を上梓、その作品で〈本屋大賞〉を受賞。以来、絶え間なくベストセラーを生み出し続け、ドラマ化・映画化作品も多数。誰もが認める大人気作家である。 ――しかし彼女には何としてでも手に入れたいものがあった。それは〈直木賞〉という栄誉。 過去に数度、候補作入りするものの、選考委員からは辛口の選評が続いた。別居する夫には軽んじられ、まわりの編集者には「愛」が足りない。私の作品はこんなに素晴らしいのに。いったい何が足りないというの? * 『南十字書房』に勤める緒沢千紘は、天羽カインの担当編集者である。学生のころから大ファンで、編集者になってからは必死のアピールのすえカインの担当となった。〈直木賞〉が欲しいとのたまうカインに振り回されつつも、彼女の情熱に応えるべく、自らのすべてを懸けてカインに没頭するようになってゆき――。 * 一方『文藝春秋』のカイン担当、「オール讀物」編集長の石田三成は当惑していた。文春から出す新作を「絶対に候補作にしろ」とカインに詰め寄られたのだ。そしてその日カインが宿泊するホテルのカードには、手違いで「石田三成」の名前が載っていて……。 果たして天羽カインは直木賞を獲得することができるのか。 あまりのリアリティに業界震撼! 文芸を愛するすべての人に捧げる容赦ない作家小説。 -
事件記者、保育士になる
【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 角刈りコワモテの元朝日新聞警視庁キャップが短大保育学科へ入学。お遊戯、ピアノ、教育実習…。63歳、保育士へ転身なるか? 元朝日新聞警視庁キャップが短大保育学科へ。お遊戯、裁縫、ピアノ、教育実習……。晴れて保育士へ転身なるか? 記者として、地下鉄サリン事件、殺人事件、凶悪犯罪を見てきた。なかには子どもが巻き込まれたり、命を落とす事件もあった。あるとき、子どもが虐待で命を落とした事件を捜査した警察官が言った。「捜査で被害者の無念を晴らすことは出来るけれど、生育環境までは手が回らない」。子どもは、無条件で守り、慈しむ存在です。泣いていたら笑わせたい。困っていたら助けたい。ひとり立ちできるまでは支えたいーー。齢63歳、保育の現場に飛び込むことにした。10代の同級生たちや、同年輩の教師陣と切磋琢磨し、実習先で子どもに大切なことを教えられる日々。笑って泣けるセカンドキャリアの挑戦。 著・文・その他:緒方健二 1958年大分県生まれ。同志社大学文学部卒業、1982年毎日新聞社入社。1988年朝日新聞社入社。西部本社社会部で福岡県警捜査2課(贈収賄、詐欺)・捜査4課(暴力団)担当、東京本社社会部で警視庁警備・公安(過激派、右翼、外事事件、テロ)担当、捜査1課(殺人、誘拐、ハイジャック、立てこもりなど)担当。捜査1課担当時代に地下鉄サリンなど一連のオウム真理教事件、警察庁長官銃撃事件を取材。国税担当の後、警視庁サブキャップ、キャップ(社会部次長)5年、事件担当デスク、警察・事件担当編集委員10年、前橋総局長、組織暴力専門記者。 2021年朝日新聞社退社。2022年4月短期大学保育学科入学、2024年3月卒業。保育士資格、幼稚園教諭免許、こども音楽療育士資格を取得。得意な手遊び歌は「はじまるよ」、好きな童謡は「蛙の夜まわり」、「あめふりくまのこ」。愛唱する子守歌は「浪曲子守唄」。 朝日カルチャーセンターで事件・犯罪講座の講師を務めながら、取材と執筆、講演活動を続けています。「子どもの最善の利益」実現のために何ができるかを模索中です。 -
視線から始まる
読書を愛する神崎瀬那(かんざき せな)は高校3年生。青年実業家として活躍中の少々過保護な兄と二人暮らし中で、富裕層の子女も通う進学校である一条院学園に通っている。 幼馴染で生徒会長の翔や、服飾ブランドメーカーのご令嬢兼モデルの親友・美玲など、学校の有名人に囲まれている影響か、瀬那も“神秘的な読書女子”として密かに注目を集めているのだが、ひとまずは平和な学園生活を送っていた。 そんな瀬那の通う学校にはひときわ有名な人物がいた。国の経済にも影響を与えるような大企業グループ、一条院の総帥の孫である一条院枢(いちじょういん かなめ)。 人並外れて優れた容姿を持ち、王者のごとき雰囲気をまとう彼とは全く接点がなかったものの、ふと気付くとたびたび視線がぶつかることがある気がしていた。 だが3年生で初めて同じクラスになり、瀬那は枢となぜか急接近することに。 でも同時に、彼をめぐる厄介なトラブルにも巻き込まれることにもなって――!? 『鬼の花嫁』『結界師の一輪華』のクレハが贈る、ときめきと少し不思議な学園青春ラブストーリー!
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