SF(海外)作品一覧

  • 白熱光
    4.2
    はるかな未来、150万年のあいだ意思疎通を拒んでいた孤高世界から、融合世界に住むラケシュのもとに、使者がやってきた。衝突事象によると思われる惑星の地殻の破片が発見され、未知のDNA基盤の生命が存在する可能性があるというのだ。その生命体を探しだそうと考えたラケシュは、友人パランザムとともに銀河系中心部をめざす! 周囲を岩に囲まれ、“白熱光”からの熱く肥沃な風が吹きこむ世界“スプリンター”の農場で働くロイ―彼女は、トンネルで出会った老人ザックから奇妙な地図を見せられ、思いもよらない提案をもちかけられるが…
  • 始まりの場所
    3.0
    ヒューは最初、ただの森だと思った。アメリカの地方都市の郊外なら、どこにでもありそうなありふれた森……。だが、ここに来てさわやかな小川の流れに身を任せると、まるで心が洗われるような気がする。なんどか訪れるうちに、奇妙なことに気がついた。朝だろうが昼だろうがいつ来てもこの森は“たそがれ”の時間なのだ。しかもここへ来ると、いつも時計が止まってしまう……そんなある日、ヒューはそれまでだれ一人見かけず、自分だけの場所だと思っていたこの“始まりの場所”で一人の少女に出会った。その時は、やがて二人して、恐るべき冒険の旅に出ることになろうとは、思いもしなかったのだが……。SF界の女王アーシュラ・K・ル・グィンが“アナザー・カントリー”へとあなたを誘う、傑作ファンタジイ!
  • はだかの太陽〔新訳版〕
    4.4
    地球の人類は鋼鉄都市と呼ばれるドームのなかで、人口過密に悩まされながら生きていた。一方、宇宙へ進出し、繁栄を謳歌している人類の子孫、スペーサーたちは各植民惑星に宇宙国家を築き、地球を支配下においている。数カ月前にロボット刑事ダニールとともにスペーサー殺人事件を解決したニューヨーク市警の刑事ベイリは、宇宙国家のひとつ、ソラリアで起きた殺人事件の捜査を命じられたが……『鋼鉄都市』続篇の新訳版
  • 発狂した宇宙
    -
    とにかくこれは多元宇宙SFの決定版である。多元宇宙SFのあらゆる面白さとテクニックを全部ぶちこんだ、いわば集大成であり、さらにこれによってブラウンは、多元宇宙SFを確立させたといえる。そのかわりSF作家にとってはこれ以後、多元宇宙の面白いネタを見つけるのが困難になった。処女長編とは思えぬ、完成された作品である。ブラウンの長編の最高傑作は? という問いに対して、『発狂した宇宙』をあげる人と、『火星人ゴーホーム』をあげる人がいて、好みが二種類にはっきりわかれてしまう。ぼくは『発狂した宇宙』をとるが、星新一氏などは『火星人ゴーホーム』組である。シュール・リアリスティックなドタバタが好きな人と、ブラック・ユーモアの方が好きな人とにわかれるのではないか、と、ぼくは思っている。…以上、筒井康隆氏の紹介文だ。
  • 果てなき護り 上
    3.0
    人類が住めなくなった地球を逃れ、新天地の惑星カナンを目指す世代宇宙船《ノア》は、旅の347年目に入っていた。数万人以上の乗員が特殊な〈能力(タレント)〉を活用し、閉じられたシステムの中で暮らす艦内で、ひそかに異常事態が続発していた――ひき肉のような状態の死体が次々に見つかるのだ。しかもその事実をなぜか、実質的な権力を持つ情報保安局(アイセック)が隠蔽していた。ブリーディング・デューティーと呼ばれる出産義務を終え、都市計画局の仕事に復帰したハナは、先輩を失った捜査官バレンズとともに事件の真相を追いはじめるが。新鋭が放つ傑作宇宙SF!
  • 母の記憶に
    4.0
    不治の病を宣告された母が愛する娘のために選び取った行動をつづる表題作、明治時代の満州にやってきた熊狩り探検隊一行の思いがけない運命を描いた「烏蘇里羆(ウスリーひぐま)」など、あたたかな幻想と鋭い知性の交錯を透徹な眼差しで描いた16篇を収録した、待望の第二短篇集
  • 遥かなる地球の歌
    4.0
    太陽系の壊滅を知った人類は、自らの子孫を残すため、遺伝情報を搭載した自動播種船を近隣の星々に送り出した。そのひとつサラッサでは、何世代かのうちに新たな人類が理想的な社会を築きあげていた。だがその長い平和をうち破るかのように、サラッサのソラに謎の宇宙船が・・・・・・!巨匠が情感豊かに描く人類の未来。
  • ハロー、アメリカ
    3.5
    エネルギー問題が引金となった経済破綻により、21世紀初頭、アメリカ合衆国は崩壊し放棄され、さらには世界的な気候制御の失敗によって砂漠と化した。そして1世紀が過ぎたある日、蒸気船に乗った小規模な探険隊がイギリスを出港し、ニューヨークに上陸する。密航した21歳の青年は、自分がこの国の新しい支配者、第45代大統領となることを夢見るが……。わずかな残存者のいる諸都市を探訪し、アメリカの夢と悪夢の残滓に邂逅した探険隊の記録を通じて、予言者バラードが辛辣に描き出す強烈な未来像!
  • 叛逆航路
    値引きあり
    4.1
    はるかな未来。強大な専制国家ラドチは人類宇宙を侵略・併呑して版図を広げていた。その主力となるのは宇宙艦隊と、艦のAI人格を数千人の肉体に転写して共有する生体兵器“属躰(アンシラリー)”である――。“わたし”は宇宙戦艦のAIだったが、最後の任務で裏切りに遭い、艦も大切な人も失ってしまう。ただ一人の属躰となって生き延びた“わたし”は復讐を誓い、極寒の辺境惑星に降り立つ……。デビュー長編にしてヒューゴー賞、ネビュラ賞、クラーク賞など、『ニューロマンサー』を超える史上初の英米7冠を制覇。本格宇宙SFのニュー・スタンダード登場!/解説=渡邊利道
  • 反逆の星
    3.0
    流刑惑星トリーズンで不死身として恐れられ、近隣各国をつぎつぎと征服しているミューラー人――。遺伝子学者の末裔であるかれらは遺伝子操作で驚異的な再生能力を得ていたのだ。だが、その能力に異常をきたしたミューラー国の王子ラニックの胸が、ふくらみはじめてしまった。国を継げない身となった王子は、やむなく諸国遍歴の旅にでるが……。3千年前に流刑にされた科学者たちの子孫が住む惑星を舞台に描く傑作冒険SF。
  • ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
    4.0
    惑星コレリアで過酷な毎日を生きる青年ハン。パイロットになる夢を叶えるべく故郷からの脱出に成功するも、残された恋人キーラを迎えに行くことを誓い帝国軍に入隊する。3年後、チューバッカとともに帝国軍に紛れていたベケット達と軍を脱走する。その後一行は高価な燃料コアクシウムの強奪を試みるが失敗し、計画の依頼者ギャングのボス、ドライデン・ヴォスの怒りを買う。だが新たな強奪計画を提案し命をつなぐ。ドライデンの右腕となっていたキーラも加わり、命がけの強盗計画に臨むハンたちだったが……!?映画「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」の完全ノベライズ。映画にはないシーンや生き生きとした心理描写があり、より深く作品世界を味わえるファン必携の一冊!
  • ハンターズ・ラン
    4.1
    辺境の植民星サン・パウロで、探鉱師ラモンは、酒のうえの喧嘩でエウロパ大使を殺してしまった。大陸北部の人跡未踏の山間に逃げこんだものの、ラモンは謎の異種属と遭遇し、つかまってしまう。しかも、異種属のもとから脱走した人間を捕らえる手先になれと命令された。異種属の一体、マネックに “つなぎひも” でつながれ、猟犬の役をはたすことになったラモンの運命は……? 人気作家三人による、スリリングな冒険SF
  • 爆発の三つの欠片
    4.0
    豚の頭をかぶる男、病気の患者を演じる女……。英国SF界のトップランナー、チャイナ・ミエヴィルが、人間のもつシュールで残酷な面を鋭く描き出し心に爪痕をのこす28の物語を収録した短篇集。
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ
    4.0
    世界中を旅する男が、久しぶりに元妻のつつましやかな家庭を訪れた。生活に疲れた元妻に、男は胸躍る冒険の数々や、途上国での豪奢な暮らしなど夢のような土産話を披露する……ユーモアに辛辣さを織り交ぜた表題作ほか、著者自身の戦争体験を反映した「記念品」、音楽を愛するあまり暴走する高校教師の苦悩を描く「女嫌いの少年」など、ヴォネガットならではの、優しくも皮肉な視点で描き出される珠玉の初期短篇を23篇収録。
  • パニック・ボタン
    -
    アンタリア人の乗った宇宙船は、とある惑星に着陸した。そこをいち早く領有するためだった。ところが、なんとそこにはひとりの地球人が小屋を建てて住んでいた。さてどうしたものか。これが、惑星獲得競争を描いて皮肉な結末に至る「パニック・ボタン」である。このほか、時代にとり残されてゆく年老いた男の、異星人との心の交流を詩情豊かに描いた「追伸」、異形の宇宙生物が地球の法廷に立たされる「証人」など、得意のストーリー・テリングで読者を飽きさせない6編を収録。E・F・ラッセルの軽妙な傑作短編集。
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕
    4.1
    謎につつまれた人物パーマー・エルドリッチが宇宙から持ち帰ったドラッグは、苦悶に喘ぐ人々に不死と安寧をもたらした。だが幻影にのめりこみ、酔い痴れる彼らを待ちうけていたのは、死よりも恐るべき陥穽だった! 鬼才ディックが、現実と白昼夢が交錯する戦慄の魔界を卓抜な着想と斬新な手法で描く傑作長篇!
  • 翡翠城市
    4.6
    ケコン島――それは選ばれし者グリーンボーンたちの島。彼らは、島の貴重な天然資源である翡翠のエネルギーを制御することによって、怪力、敏捷、感知など、人知を超えた能力を手に入れることができた。島の中心地であるジャンルーンを仕切るコール家を中心とした〈無峰会〉は、若き〈柱〉である長男のラン、ランを支える〈角〉の次男ヒロを中心に強く結束し、宿敵〈山岳会〉を相手取って、縄張り争いに明け暮れていた。だが、僅かなほころびをきっかけに事態は混沌の様相を呈する――。“翡翠の街”を舞台に展開するSFアジアン・ノワール。ケン・リュウも激賞した、世界幻想文学大賞受賞作!
  • 人之彼岸【ひとのひがん】
    4.0
    破壊された村にやってきた主人公とその管理下のロボット「雪怪」が小型機械車と出会った顛末を描く「戦車の中」ほか、AIをめぐる物語6篇と2篇のエッセイを収録。劉慈欣『三体』に続き、中国にヒューゴー賞をもたらした「折りたたみ北京」著者による短篇集
  • ヒトラーの描いた薔薇
    3.9
    地獄の扉が開き、希代の犯罪者たちが逃亡した時、ヒトラーは……表題作ほか、SF界のレジェンドによる本邦初訳を含む、全13篇を収録。
  • ひとりっ子
    4.0
    待望の第一子となるはずだった女の子を失った科学者夫婦が選択した行動とは!? 子どもへの“無償の愛”を量子論と絡めて描く表題作、星雲賞を受賞した数学SF「ルミナス」、アイデンティティ・テーマSFの傑作「ふたりの距離」他、論理を極限まで突き詰めた七篇を収録する、日本オリジナル短篇集。
  • 秘密同盟アライアンス パラディンの予言篇(上)
    4.0
    15歳の少年ウィル・ウェストは、たぐいまれなる身体能力と頭脳を持っているにもかかわらず、それを隠すようにと両親に言われながら生きてきた。だがある日、うっかりテストで高得点を取ってしまってから、謎の男たちに狙われるようになる。しかも優しく温かかった両親の様子がおかしい。身の危険を感じたウィルは、招きを受けていた寄宿学校「統合学習センター」へと転校するのだが…。新時代の学園SF冒険譚、開幕!
  • ヒューマノイド
    -
    多くの惑星へ人類が進出していた時代、すでに地球は、死に絶えた無人の惑星にすぎなかった。スターモント天文台を擁するこの惑星は宇宙空間に散在する国家の一つであり、三惑星同盟の脅威に立ち向うべく、万全を期していた。そこに新たな事件がもちあがる。植民空域の果てにある惑星ウィング4から、無数の機械人間――ヒューマノイド――を満載した宇宙船がやってくる!

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  • 氷上都市の秘宝
    4.0
    レン・ナッツワーシー15歳、〈死の大陸〉の片すみに眠る、かつての氷上都市アンカレジに住んでいる。平和な日常に物足りなさを感じていた彼女の心の隙につけこんだのが、盗賊〈ロストボーイ〉。狙いはアンカレジの図書館にある一冊の本だ。口車に乗りこっそり持ち出したあげく、彼らの本拠地に連れていかれるはめに。さらに途中で海賊狩りにあい、水上都市ブライトンで囚われの身になってしまう。そこにいたのは、昔父母を裏切ったペニーロイヤルだった。一方トムとへスターは、愛娘を救わんと必死で後を追っていた。最終戦争後の遙かな未来、移動都市が互いを食い合う奇怪な世界を描いた星雲賞受賞作『移動都市』第3弾。
  • 表面張力
    -
    他の恒星系への飛行は実現したが、植民星を作るにはヒトが地球適応型でなくなるしかない。それにはDNAレベルでの「播種計画」が必須である。この計画がうまく運んだ星の一つでは、ヒトは樹上生活をする小人になっていた(「屋根裏の物」)。また別の星ではヒトは水中生活をする微小な知的生物として設計された。彼らは水溜りの支配権を握り、隣の水溜りめざして遠征を企画するが、その最大の障害は途方もない表面張力だった(「表面張力」)。鬼才ブリッシュのハードSF。
  • ビッグ・タイム
    -
    この宇宙の時間と空間、生と死の彼方で改良戦争(チェンジ・ウォー)と呼ばれる果てしない暗闘がつづけられている。この過去と未来が混在する大いなる時間(ビッグ・タイム)のなかの、あらゆる場所が融合した場所(プレイス)では、窮極の勝利などはない。スパイダ一軍のグレタは、この戦いに傷ついた戦士たちをなぐさめるエンターテイナーと呼ばれる看護婦である。死から再生された戦士たち……月世界人と半人半獣が原子爆弾の函を《場所》に持ちこんだ。それをめぐる味方同志の対立、そして《場所》を制御するメインテナーの消失、やがて《場所》は漂流し、原子爆弾の爆発まで30分と迫る。壮大な歴史観を展開し、1958年度ヒューゴー賞に輝いた傑作。
  • ビット・プレイヤー
    4.2
    重力が変化した世界で目覚めた主人公を待っていたものを描く表題作など全6篇収録。ハードSFの雄、イーガンの7年ぶり日本オリジナル短篇集! 解説収録/牧眞司
  • ビンティ ―調和師の旅立ち―
    4.0
    天才的数学者で、たぐいまれな調停能力を持った〈調和師〉でもあるビンティは、巨大エビ型生体宇宙船に乗って銀河系随一の名門、ウウムザ大学をめざす。だがその途上で恐ろしい事件が……。敵対種族との抗争を、才気と能力で解決してゆく少女の波乱万丈の物語
  • ファウンデーションと混沌 上
    4.0
    帝国滅亡を予言した咎で、目論見どおり裁判にかけられるハリ・セルダン。すべては心理歴史学が示す未来の道を辿るかに見えた。だがそのとき、予測外の出来事が発生した。ファウンデーションの中核を担うはずの精神感応能力者たちが次々と殺されてゆくのだ。ファウンデーション創設を危うくするこの局面に、セルダンはいかにして立ち向かうのか?アシモフが遺した好評シリーズを甦らせた「新・銀河帝国興亡史」第二部。
  • ファニーフィンガーズ ラファティ・ベスト・コレクション2
    3.0
    鉄からなんでも生み出す少女、オーリャドを描く「ファニーフィンガーズ」ほか、ラファティがおくるキュートでコミカルな物語20篇
  • ファースト・レンズマン
    -
    時をさかのぼって銀河パトロール隊創成期の危機を描くシリーズ第5弾! 太陽系評議員バージル・サムスと銀河パトロール隊司令長官ロデリック・キニスンは当初、銀河パトロール隊の創設に尽力する。サムスは謎の惑星アリシアへおもむき、神秘な力をもつレンズを贈られて史上初のレンズマンとなった。だが、麻薬組織を背後にあやつる北米のボス、モーガンは大統領選に勝って銀河パトロール隊を手中にしようと狙っていた……

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  • ファースト・レンズマン レンズマン・シリーズ5
    -
    恒星間航行が可能になるとともに、犯罪のスケールも拡大の一途をたどった。これに対処するために、太陽系評議会議長ヴァージル・サムズと公安委員長ロデリック・キニスンは三惑星連合部隊を再編し、銀河パトロール隊を創設しようと企図する。そして謎の惑星アリシアへ赴いたサムズは、人知を超えた働きをもつレンズを授かり、銀河系史上初のレンズマンとなった!これまでの4巻から時代を遡り、銀河パトロール隊黎明期に人類を襲った最大の危機が語り明かされる。

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  • フィリップ・K・ディックの世界
    3.0
    何がほんとうだったのか?PKDの生涯の秘密、創作の背景――フィルの盟友ウィリアムズが長年の取材と鋭く深い洞察でフィル独自の世界観に迫った唯一無二のロング・インタビュー。
  • フォワード 未来を視る6つのSF
    4.5
    〔ヒューゴー賞受賞〕アンディ・ウィアーやN・K・ジェミシンなど、6人の人気作家が未来を描く珠玉のアンソロジー。全篇初邦訳
  • 複成王子
    3.0
    ときは遠未来。海王星軌道上の〈ジレンマの監獄〉から脱獄を遂げた名うての量子怪盗ジャン・ル・フランブール。かれを救出したのは、戦闘サイボーグ少女ミエリと喋る宇宙船〈ペルホネン〉だった。火星での冒険のすえ、過去の記憶と、謎の〈箱〉を入手したジャンは、次なる行き先を封鎖された地球へと定める。いっぽう地球では、ソフトウェア生命である精霊と暮らしたことで家族からなかば縁を切られていた有力者の娘タワッドゥドが、姉から奇妙な命令を受けていた……。アラビアン・ナイトの世界と化した異形の地球で展開する、ポストヒューマン時代の冒険譚!『量子怪盗』続編。
  • 不死身の戦艦 銀河連邦SF傑作選
    値引きあり
    4.2
    フォーマルハウト星系で、人類の派閥間の戦いに身を投じる「ぼく」と相棒のヤロウが遭遇した“女王”とは……(スパイリーと漂流塊の女王)金属の殻に封じ込められ、神経シナプスを宇宙船の維持と管理に従事する各種の機械装置に繋がれたヘルヴァは、優秀なサイボーグ宇宙船だった。〈中央諸世界〉に所属する彼女は銀河を翔けめぐる(還る船)―― 広大無比の銀河に版図を広げた星間国家というコンセプトは、無数の SF 作家の想像力をかき立ててきた。オースン・スコ ット・カード、アン・マキャフリーら、その精華を集めた傑作選がここに登場。/【目次】序文=ジョン・ジョゼフ・アダムズ/スパイリーと漂流塊の女王=アレステア・レナルズ/カルタゴ滅ぶべし=ジュヌヴィエーヴ・ヴァレンタイン/戦いのあとで=ロイス・マクマスター・ビジョルド/監獄惑星=ケヴィン・J・アンダースン&ダグ・ビースン/不死身の戦艦=G・R・R・マーティン&ジョージ・ガスリッジ/白鳥の歌=ユーン・ハ・リー/人工共生体=ロバート・シルヴァーバーグ/還る船=アン・マキャフリー/愛しきわが仔=メアリー・ローゼンブラム/巨人の肩の上で=ロバート・J・ソウヤー/囚われのメイザー=オースン・スコット・カード/文化保存管理者=ジェレミア・トルバート/ジョーダンへの手紙=アレン・スティール/エスカーラ=トレント・ハーゲンレイダー/星間集団意識体の婚活=ジェイムズ・アラン・ガードナー/ゴルバッシュ、あるいはワイン-血-戦争-挽歌=キャサリン・M・ヴァレンテ/謝辞/解説=大野万紀/訳者紹介
  • フライデイ 上
    -
    あたしの名前はフライデイ。職業は戦闘伝書使――秘密文書を正確かつ迅速に運ぶのが任務。でも、この仕事は危険がいっぱい。先日も謎の武装集団に捕えられ、手ひどい拷問を受けたばかりだ。はやく休暇を取って、ニュージーランドに住む3人の夫のもとに帰りたい。だけど、彼らはどう思うだろう。あたしが遺伝子操作で作られた人工人間だと知ったら……ハインラインの著作中、最も魅力的なヒロインが活躍する傑作長篇。
  • フレドリック・ブラウンSF短編全集1 星ねずみ
    4.3
    奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第1弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを年代順に収めた決定版全集・全4巻。第1巻には「星ねずみ」「天使ミミズ」など初期の傑作12編を収録。【収録作】序文=バリー・N・マルツバーグ/「最後の決戦(ハルマゲドン)」/「いまだ終末にあらず」/「エタオイン・シュルドゥル」/「星ねずみ」/「最後の恐竜」/「新入り」/「天使ミミズ」/「帽子の手品」/「ギーゼンスタック一家」/「白昼の悪夢」/「パラドックスと恐竜」/「イヤリングの神」/収録作品解題=牧眞司/解説=鏡明
  • フレドリック・ブラウンSF短編全集3 最後の火星人
    4.4
    奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第1弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを年代順に収めた決定版全集・全4巻。第3巻には「スポンサーからひとこと」など傑作16編を収録。【収録作】「存在の檻」/「命令遵守」/「フラウンズリー・フロルゲルズ」/「最後の火星人」/「地獄のハネムーン」/「星ねずみ再び」/「六本足の催眠術師」/「未来世界から来た男」/「選ばれた男」/「入れ替わり」/「武器」/「漫画家」/「ドーム」/「スポンサーからひとこと」/「賭事師」/「処刑人」/収録作品解題=牧眞司/解説=若島正
  • フレドリック・ブラウンSF短編全集2 すべての善きベムが
    4.5
    奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第1弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを年代順に収めた決定版全集・全4巻。第2巻には「闘技場」「ノックの音が」など傑作15編を収録。【収録作】「不まじめな星」/「ユーディの原理」/「闘技場」/「ウェイヴァリー」/「やさしい殺人講座全十回」/「夜空は大混乱」/「狂った惑星プラセット」/「ノックの音が」/「すべての善きベムが」/「ねずみ」/「さあ、気ちがいになりなさい」/「一九九九年の危機」/「不死鳥への手紙」/「報復の艦隊」/「最終列車」/収録作品解題=牧眞司/解説=大森望
  • フレドリック・ブラウンSF短編全集4 最初のタイムマシン
    4.5
    奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第1弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを年代順に収めた決定版全集・全4巻。第4巻には「回答」「猫恐怖症」など、ショートショートの名作を含め68編を収録。【収録作】「緑あふれる」/「おれとフラップジャックと火星人」/「愛しのラム」/「翼のざわめき」/「鏡の間」/「実験」/「辺境防衛」/「立入禁止」/「ごもっとも」/「ヴードゥー」/「回答」/「デイジー」/「相似形」/「あいさつ」/「荒唐無稽」/「和解」/「探索」/「宣告」/「唯我論者」/「血」/「想像」/「最初のタイムマシン」/「ひどすぎ」/「至福千年期――いつか訪れる正義と平和の時代」/「遠征隊」/「ハッピーエンド」/「ジェイシー」/「不運続き」/「意地悪」/「ロープ魔術」/「雪男」/「クマんにひとつの」/「退場」/「ファースト・コンタクト」/「こだま」/「失われた大発見その1――透明人間」/「失われた大発見その2――不死身」/「失われた大発見その3――不死」/「趣味と実益」/「ジ・エンド」/「青の悪夢」/「灰色の悪夢」/「赤の悪夢」/「黄色の悪夢」/「緑の悪夢」/「白の悪夢」/「ユースタス・ウィーヴァーのつかのまの幸福(1)」/「ユースタス・ウィーヴァーのつかのまの幸福(2)」/「ユースタス・ウィーヴァーのつかのまの幸福(3)」/「輝くひげ」/「猫泥棒」/「脅迫状」/「山上に死す」/「致命的な失敗」/「魚の流儀」/「馬かしあい」/「家」/「悪ふざけ」/「ハンス・カルヴェルの指輪」/「起死回生」/「三羽のふくろうの子」/「ばあばの誕生日」/「猫恐怖症」/「人形劇」/「ダブル・スタンダード」/「事件はなかった」/「エージェント」/「小夜曲(アイネ・クライネ・ナハトムジーク)」/編者の注および謝辞/収録作品解題=牧眞司/解説=渡邊利通
  • フロリクス8から来た友人
    4.3
    22世紀、世界は高い知能を有する〈新人〉と、超能力を持った〈異人〉が、60億の〈旧人〉を支配する階級社会と化していた。タイヤの溝堀り職人ニック・アップルトンは、息子を公務員にすることを願う典型的な〈旧人〉だが、黒髪の少女チャーリーと出会って……。一方、〈旧人〉の期待を背負って深宇宙へ旅立った伝説の人物プロヴォーニが、地球外生命体の“友人”とともに帰還しようとしていた…。 鬼才のディストピアSF!
  • vN
    3.4
    5歳のエイミーはフォン・ノイマン式自己複製ヒューマノイド「vN」の子ども。vNの母親の「複成」で、人間の父親と3人で暮らしている。しかし、彼女の日常は、卒園式の日に現れたvNの「お祖母ちゃん」、ポーシャの襲撃で一変した。エイミーが母親を助けようと、ポーシャに噛みついて呑み込んだ途端、彼女の身体は急成長し、大人になったのだ……。実はエイミーたちは、vNなら必ず備わっているはずの人間を傷つけないための安全機構が壊れていた。危険なvNとして、あるいは人間の支配からvNを解き放つ鍵として、エイミーは追われることになるが……。波乱万丈のジェットコースターSF。
  • 物体E
    4.0
    あなたに初めて会ったとき、それがわたしの人生が終わった瞬間だった――わたしはダグ。11年前の夜、巨大なクルミのような形をした小型宇宙船が、町の海沿いにあった海軍基地に墜落した。それはやがて〈物体E〉と呼ばれるようになり、研究所に姿を変えた基地で秘密裏に研究されていた。わたしはそこの警備主任だった。そしてあの日、わたしの部下として新人警備員のあなたが配属されてきた……驚愕のSFサスペンス!
  • ブラックアウト
    4.2
    2060年、オックスフォード大学の史学生三人は、第二次大戦下のイギリスでの現地調査に送りだされた。メロピーは郊外の屋敷のメイドとして疎開児童を観察し、ポリーはデパートの売り子としてロンドン大空襲で灯火管制(ブラックアウト)のもとにある市民生活を体験し、マイクルはアメリカ人記者としてダンケルク撤退における民間人の英雄を探そうとしていた。ところが、現地に到着した三人はそれぞれ思いもよらぬ事態にまきこまれてしまう……続篇『オール・クリア』とともにヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞の三賞を受賞した、人気作家ウィリスの大作。
  • ブラッドベリは歌う
    -
    母を失った子供たちの前に、養育係兼料理人として現われた、電子お祖母さんの活躍を描いた心暖まる佳編「吾は唄う、この身の充電するまで」、ヘミングウェイヘの痛切きわまる愛着を奏でる「キリマンジャロ機」、1929年のイリノイ州グリーンタウンに突如現われたチャールズ・ディケンズを名乗る男と少年との奇妙な友情を描く「ニックルビーの友達なら誰でもわたしの友達だ」、ペーソスと諧謔に溢れたユーモア短編「お屋敷、猛火に包まれなば」「冷たい風、暖かな風」。1948年から69年にかけて書かれた18編を収録した、ブラッドベリの自選傑作短編集。
  • ブラッド・ミュージック
    4.5
    遺伝子工学の天才ウラムは、自分の白血球をもとにコンピュータ業界が切望する生体素子を完成させた。だが、会社から実験中止を命じられたウラムは、みずから創造した“知能をもつ細胞”を捨てきれずに、体内に注射して研究所からもちだしてしまった……この新細胞ヌーサイトが人類の存在そのものを脅かすことになるとも知らずに! 奇才が新たなる進化のヴィジョンを壮大に描き、新時代の『幼年期の終り』と評された傑作
  • ブリリアンス-超能ゲーム-
    -
    世界の総人口の1パーセントが特殊能力を持つ“超能者”として生まれる。一般人と違う彼らの一部は成長してテロリストになる…2013年、自身も能力者である調査員クーパーは、相手の行動を先読みする力を駆使し、悪の能力者たちを排除してきた。その彼の最大の敵、罪のない市民73人を殺害した容疑者“超能者”ジョン・スミスが、米国の根幹を揺るがすテロを計画しているという。クーパーは悲劇を防ぐことができるのか?
  • ブレーキング・デイ 減速の日 上
    4.0
    AI統制下の地球を逃れ、植民船団で地球を脱出して132年。全長25キロ、居住区輪8つを備えた世代宇宙船3隻は、長い旅の終わりを目前にしていた。インプラントで機器を操るクルーは、目的地くじら座タウ星へと船を減速させるため、停止中のドライヴ機関を再稼働させる〈減速の日〉の準備に追われている。そんななか機関部訓練生ラヴィは宇宙空間で一人の少女を見かけた……宇宙服なしの姿で!? 新時代の世代宇宙船SF
  • 文学少女対数学少女
    3.7
    高校2年生の“文学少女”陸秋槎は自作の推理小説をきっかけに、孤高の天才“数学少女”韓采蘆と出逢う。彼女は作者の陸さえ予想だにしない真相を導き出して……“犯人当て”をめぐる論理の探求「連続体仮説」、数学史上最大の難問を小説化してしまう「フェルマー最後の事件」のほか、ふたりが出逢う様々な謎とともに新たな作中作が提示されていく全4篇の連作集。華文青春本格ミステリの新たなる傑作! 解説:麻耶雄嵩
  • プリズン・ガール
    4.0
    父は18年間、わたしを世間から隔離し鍛え上げた。今日、その父が死んだ――。国際スリラー作家協会新人賞ノミネート!独創的で予測不可能、傑作サスペンス!父の教え・部屋に入るときはけっして最初に入ってはならない。・人に背後を歩かせてはならない。・建物に入るときはすべての出口の位置を確認すること。・つねに周囲に気を配り、防御態勢を整えておくこと。・いったん決断したら、迷わず実行に移すこと。 ペティは18年間、父親と二人きりで暮らし、軍人のように銃器の扱いと対人戦術を叩きこまれて育った。その父が突然亡くなり、耳を疑うような遺言が告げられる。父に代わり、気色の悪い遺言執行人がペティの生活を支配するというのだ。このままでは囚人のように一生を過ごすはめになる。ペティは隠されていた父の遺品を奪い、町から逃亡を図る。父が本当は何者なのか知るために――。
  • プレイヤー・ピアノ
    4.1
    あらかじめプログラムされた音をくりかえし送りだす自動機械のプレイヤー・ピアノさながらに、すべての生産手段が自動化され、すべての人間の運命がパンチ・カードによって決定される世界・・・・・・アメリカ文学の巨匠が、優しさに満ち、かつ醒めた視線で現代文明の行方をブラックな笑いのうちにつづった傑作処女長篇。
  • プロクター博士のおならパウダー
    -
    小学生のニリーとリサは、キテレツな博士と知り合う。博士の最新の発明は、飲むとオナラが出る不思議な粉。しかも空まで飛ぶぐらい強力なやつも出せるのだ。だが、その爆発力を悪用しようと狙う者が現れ……。世界200万部超の冒険コメディ。小学校低学年~
  • プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
    4.6
    大ヒット映画「オデッセイ」のアンディ・ウィアー最新作。映画化決定!未知の物質によって太陽に異常が発生、地球が氷河期に突入しつつある世界。謎を解くべく宇宙へ飛び立った男は、ただ一人人類を救うミッションに挑む! 『火星の人』で火星でのサバイバルを描いたウィアーが、地球滅亡の危機を描く極限のエンターテインメント
  • 平和という名の廃墟 上
    3.3
    銀河を支配する帝国テイクスカラアンに、採鉱ステーションのルスエルから派遣されてきた新任大使マヒート。帝国で勃発した皇位継承権をめぐる陰謀劇に巻き込まれながらも難局を乗り切った彼女は休暇を取りルスエルへ帰還していた。その前に現れたのは帝国で彼女と行動をともにしていた案内役のスリー・シーグラスで!? 前作『帝国という名の記憶』に続いてヒューゴー賞を受賞、あわせてローカス賞を受賞した傑作宇宙SF
  • ヘリックス・ザ・キャット【猫は宇宙で丸くなる収録作】
    -
    ※「ヘリックス・ザ・キャット」と編者あとがきのみが収録されています。 ぼくは愛猫のヘリックスと共に楽しく暮らしながら、いままでにない優れた柔軟ガラスを開発していた。 ところがある日、交通事故で死んだ男の魂が、そのガラスで作った瓶の中に飛び込んできて……。 奇才スタージョンが描く、憎たらしいが愛さずにはいられない猫ヘリックスの物語。
  • ヘリックスの孤児
    4.5
    永住の地を求めて旅立ったヘリックスの民は、400年後にアウスターからの救難信号を受け取ったが……現代SFの頂点を極める〈ハイペリオン〉シリーズの後日譚を描いてローカス賞を受賞した表題作をはじめ、古典的人類の最後の日々を描く〈イリアム〉シリーズ前日譚「アヴの月、九日」、傑作異次元SF「ケリー・ダールを探して」など、本邦初訳を含む5篇を収録し、当代随一のオールジャンル作家の魅力を凝縮した傑作集。
  • 辺境の人々
    4.0
    限定核戦争と細菌戦のために壊滅状態になった近未来のアメリカ。すべての大都市を破壊して、あらゆる州を荒れ地に変えた災厄にもかかわらず、人々は生き延びていた。金や生命を狙う暴徒や浮浪者が徘徊する土地を抜け、数千キロ彼方のユタをめざす旅人たちと一匹狼のティーグを描く「西部」、車椅子の教師と不良生徒たちの物語「辺境」など、コミュニティの中心から離れ“辺境”でたくましく生きる人々を描く傑作連作集。
  • 辺境の惑星
    4.3
    五千日も続く冬の到来を前に、竜座の第三惑星では大混乱が生じていた。原住種族ヒルフのなかでも蛮族として知られるガールが、他部族の食糧を略奪しに北から移動してこようとしていたのだ。この惑星に移住して、何世代もたつ異星人ファーボーンは、ガールの大軍に立ち向かうべく、ヒルフの温和な部族トバールと同盟を結ぶ。だが、ファーボーンの頭アガトとトバールの族長の娘ロルリーが出会ったとき、事態は大きく展開するのだった…異種族間の相克を、ル・グィンがみずみずして筆致で鮮やかに描いた、『ロカノンの世界』につづく長篇第2作。
  • 変種第二号
    4.0
    米ソの全面戦争により地球全土は荒廃、わずかに残るのは戦い続ける両軍の兵士だけとなった世界。米軍が投入した“新兵器”によって戦局は大きな転換点を迎えていた……。「スクリーマーズ」のタイトルで映画化されたディック短篇中屈指の傑作である表題作、特殊能力を持った黄金の青年を描く「ゴールデン・マン」(映画化名「NEXT-ネクスト-」)、本邦初訳短篇「戦利船」ほか、戦争をテーマにした全9篇を収録する傑作選。 [収録作品]「たそがれの朝食」「ゴールデン・マン」「安定社会」「戦利船」「火星潜入」「歴戦の勇士」「奉仕するもの」「ジョンの世界」「変種第二号」/掲出の書影は底本のものです
  • 変数人間
    3.4
    すべてが予測可能になった未来社会、時の流れを超えてやって来た謎の男コールは、唯一の不確定要素だった……波瀾万丈のアクションSF中篇の表題作、奇妙なゲームに明け暮れる地下シェルターに暮らす人々を描く中期の傑作「パーキー・パットの日々」、同名映画原作のSFアクション「ペイチェック」をはじめ、短篇集初収録の掌篇「猫と宇宙船」ほか、ディック得意の超能力アクション&サスペンス全10篇を収録した傑作選。
  • ベンジャミンの治癒【猫は宇宙で丸くなる収録作】
    -
    ※「ベンジャミンの治癒」と編者あとがきのみが収録されています。 飼い猫のベンジャミンはぼくが16歳のときにたしかに死んだ。 だが、ぐったりした彼を抱き締め生きている姿を思い描くとベンジャミンは甦った。 それから30年が経ったが、ベンジャミンはぴんぴんしているし人間の言葉まで話すようになった。 年を取らなくなった猫ベンジャミンと飼い主の深い絆をユーモアを交えて描いた傑作。
  • ペルシダーに還る
    3.0
    イネスの仇敵スヴィの王ファシュはペルシダー帝国を脱退し、カリ国に侵攻した。イネスは直ちに戦士たちを率いてカリに向かい、カリ王にむけて伝令を急派したが…地底世界シリーズの最後をかざる波瀾万丈の物語。

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  • ペルディード・ストリート・ステーション 上
    4.0
    〈クラーク賞/英国幻想文学賞受賞〉蒸気機関と魔術学が統べる都市国家ニュー・クロブゾン。中心に巨大駅ペルディード・ストリート・ステーションが聳えるこの暗黒都市で、統一場理論の研究を続ける異端の科学者アイザックは、ある日奇妙な客の訪問を受ける。自ら犯した大罪のため、翼を奪われた〈鳥人〉ヤガレクは、命にも等しい翼の復活をアイザックに依頼するのだった……。現代SF界の旗手が、SF/ファンタジイ・ジャンルの新たな可能性を示した巨篇。
  • 方形の円 偽説・都市生成論
    3.5
    数万の暗い部屋を持つアーチ状の7層のフロアからなる、ミツバチの巣のような外観をしたバビロンならぬヴァヴィロン(格差市)。あらゆる信仰とあらゆる都市を見知った人々が理想都市にふさわしい地を求めてさまよう中、一瞬だけ地平線に見出したアラパバード(憧憬市)。天上と地下に永遠に続いていく超巨大建築都市ヴァーティシティ(垂直市)……。カルヴィーノ『見えない都市』と同時期に構想され、SFとファンタジイの女王アーシュラ・K・ル=グインが愛し自ら英訳を手がけた、ルーマニアの鬼才が描く空想上の都市と建築についての36編。/【目次】日本の読者へ/ヴァヴィロン――格差市/アラパバード――憧憬市/ヴィルジニア――処女市/トロパエウム――凱歌市/セネティア――老成市/プロトポリス――原型市/イソポリス――同位市/カストルム――城砦市/・・・・・/ザアルゼック――太陽市/グノッソス――迷宮市/ヴァーティシティ――垂直市/ポセイドニア――海中市/ムセーウム――学芸市/ホモジェニア――等質市/クリーグブルグ――戦争市/モエビア、禁断の都/モートピア――モーター市/アルカ――方舟/コスモヴィア――宇宙市/サフ・ハラフ――貨幣石市/シヌルビア――憂愁市/ステレオポリス――立体市/プルートニア――冥王市/ノクタピオラ――夜遊市/ユートピア/オールドキャッスル――古城市/ゲオポリス――地球市/ダヴァ――山塞市/オリュンピア/ハットゥシャシュ――世界遺産市/セレニア――月の都/アンタール――南極市/アトランティス/クアンタ・カー――K量子市/アルカヌム――秘儀市/私の幻想都市/フランス語版あとがき/スペイン語版まえがき/πへの道――アーシュラ・K・ル=グイン:英語版序文/訳者あとがき/解説=酉島伝法
  • 星の光、いまは遠く (上)
    3.5
    あまりに遠大な公転軌道を有するため、あたかも銀河を彷徨っているかに見える辺境惑星ワーローンに、ひとりの男が降り立った。ダーク・トラリアンは、かつての恋人グウェン・デルヴァノから送られた〈囁きの宝石〉に呼ばれ、この惑星にやって来たのだった。再会を喜ぶダークだったが、グウェンは思いもよらない事実を彼に告げる。自分はもはや自分だけのものではないのだと……。エキゾチックな異星で展開される冒険SF。
  • ホテル・ネヴァーシンク
    3.8
    ニューヨーク州の山地にそびえ立つホテル・ネヴァーシンク。大統領も宿泊に来る人気ホテルだが、子どもが行方不明になる事件がたびたび発生していた。どうやら経営者一族の抱える秘密が関わっているらしい。洋館ホテルを舞台に展開するミステリと家族の年代記
  • ほとんど無害
    4.3
    突拍子もない事故で、最愛の女性と離ればなれになったアーサー。放浪の末、サンドイッチ職人としての平安な人生を手に入れるも、突然トリリアンが彼の娘を連れて現れる。一方フォードは、銀河ヒッチハイク・ガイド社の異変に疑問を抱き…。並行宇宙を舞台に繰り広げられる、大傑作SFコメディ最終巻。
  • 滅びの星
    -
    その太陽は早朝に、惑星に暖かさと命をはぐくむ恵み深い放射をあたえていたが、午後も半ばを過ぎると放射は激しくなり、四つの惑星は消滅の道をたどった。何者かが太陽の放射を急速に増大させ、燃えあがる「滅びの星」に変えたのだ! 何者かが全宇宙の破壊と奪取を企てているのだ! もと密輸交易商人、地球出身のケトリックは星系間交易監督局の関係者ら3人を仲間として、急遽、ヒヤデス星団中の一巨星を周回する第二惑星タナナルに派遣された。…ハミルトン晩年の宇宙活劇SF。
  • ホーカス・ポーカス
    3.3
    二〇〇一年、アメリカはまたも破産に瀕し、企業の大半が外国に買収された。ベトナム戦争中にばかげたスピーチ、ホーカス・ポーカスで新兵を鼓舞していたハートキは、帰国後、勤めていた大学を首になり、日本人が経営する刑務所の教師になる。だが、そこで大脱獄事件が発生した……ハートキがたどる波瀾の人生。
  • 亡霊星域
    値引きあり
    4.4
    ついに内戦が始まった。かつては宇宙戦艦のAIであり、いまはただひとりの生体兵器“属躰(アンシラリー)”となった“わたし”は、宿敵のアナーンダから艦隊司令官に任じられる。“わたし”は復讐心を胸に秘め、正体を隠して新たな艦で出航する――大切な人の妹が住む星系を守るために。乏しい情報と未熟な副官、誰が敵か味方かもわからない困難な状況ながら、かつての悲劇はくりかえさないと決意して……。ヒューゴー賞、ネビュラ賞など7冠制覇の『叛逆航路』に続き、ローカス賞&英国SF協会賞をダブル受賞した、本格宇宙SFのニュー・スタンダード第2弾!/解説=大野万紀
  • 墓標都市
    3.7
    旧文明を滅ぼした〈大惨事〉から数百年。多くの人々は地上を嫌い、各地に巨大な地下都市国家を築いて暮らしていた。その一つ、ヴィクトリア朝風の階級社会が栄えるリコレッタでは、失われた過去の知識は重大なタブーとされ、政府に厳しく管理されている。そんな中、〈プロメテウス〉なる謎の計画に携わる歴史学者が何者かに殺された。女性捜査官マローンは新米の相棒とともに捜査を始めるが、上層部から妨害が入る。一方、貴族社会の裏側に出入りする洗濯娘ジェーンは殺人現場に遭遇し、謎めいた男アルノーと出会って事件に巻き込まれてゆく……。
  • ボーン・アナリスト 骨を読み解く者
    -
    インドネシアのフローレンス島の発掘現場に到着した若く優秀な骨のDNA解析員のポールは、ジャングルの奥地で発掘された二体の骨を見て愕然とした。大人にもかかわらず身長が1メートルしかないこの小人族は、未発見の古人類である可能性が非常に高かったのだ! だが、突如、武装警察官に発掘キャンプは急襲され、脱出を試みたポールたちは銃撃されるが……本格SFとテクノスリラーとが絶妙に融合されたスリリングな衝撃作!
  • マザーコード
    4.3
    2049年。アフガニスタンで使用されたバイオ兵器が暴走し、致死的病原体となって世界じゅうに広まった。人類滅亡を目前にして、遺伝子操作により病原体に免疫を持つ子供たちが作りだされ、〈マザー〉と呼ばれるロボットに託される。それから12年──〈マザー〉ボットに育てられた少年カイは、ほかの〈マザー〉の子供たちと出会い、ある決断を迫られるが……破滅した世界での希望の子供たちを描いた、近未来SFサスペンス
  • マシンフッド宣言 上
    3.0
    21世紀末、AIソフトウェアに仕事を奪われた人間は心身の強化薬剤を摂取し、労働は高度専門職か安い請け負い仕事に二極化した。大富豪のピル資金提供者を警護する元海兵隊特殊部隊員のウェルガは、ある日襲われクライアントを殺害される。敵は〈機械は同胞〉と名乗り、機械知性の権利と人間のピル使用停止を要求する宣言文を公表。ウェルガは独自の調在を開始する――近未来技術をリアルに描くハード・サスペンスSF!
  • マゼラン雲
    4.0
    《私は、二百二十七名の一員として、太陽系の外を目指し、地球を発った。計画した目的を果たし、旅が始まって十年目の今、我々はこれから帰還の途に就く》32世紀。高度な科学技術的発展を成し遂げ、内太陽系をも生活圏とした人類は、その能力と野心を一層満たすために、ついに史上初の太陽系外有人探査計画に着手、地球に最も近い恒星であるケンタウルス座α星へ向かう決定を下した。そんな時代に、グリーンランドの小都市で医師の家庭に生まれた少年は、成長期の体験から宇宙航海士になることを決意、この有人探査計画を聞きつけると、遠征隊の審査試験に合格するために研鑽を重ね、晴れて巨大探査船ゲア号に搭乗する選りすぐりの遠征隊員の一員となる。そして迎えた出発の日、宇宙空間をゆっくりと動き出したゲア号は、次第に速度を増し、遥かなる未知の空間へと踏み出していった。暗黒の真空を突き進む旅路の果てにはいったい何が待ち受けているのであろうか?――レムが晩年まで、ポーランド国内での再版と外国語への新たな翻訳を拒み続けた幻の長篇がついに邦訳なる。映画『イカリエ-XB1』原作。

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  • 町かどの穴 ラファティ・ベスト・コレクション1
    3.0
    名作「町かどの穴」など不思議で奇妙な魅力溢れる19篇を収録。“SF界のホラふきおじさん”ラファティの粋を集めたベスト短篇集
  • 市【まち】に虎声【こせい】あらん
    3.0
    1950年代のサンフランシスコ。テレビ販売店に勤めるハドリーの日常は、ある日狂い始める……。25歳のディックが書いた自伝的小説
  • 瞬きよりも速く 〔新装版〕
    3.5
    マジック・ショーで起きた不思議な出来事を描く表題作など、名品21篇を収録する傑作集。暑い夏の夜、妻とマジック・ショーに出かけたわたしは、舞台に上げられた男が自分そっくりであることに気づく。彼は女魔術師により、身につけたものを目にも止まらぬ早業で奪われていった……奇妙なできごとをシニカルに描いた表題作「瞬きよりも速く」、夜ごと庭に現れる若い女への揺れる心情を綴る「芝生で泣いてる女」、三人の偉大な作家に捧げるレクイエム「最後の秘跡」など、詩情に満ちた21の短篇を収録した傑作集
  • 魔法株式会社
    -
    表題作と「ウォルドゥ」の2編を収めた中編集。ハインライン風ファンタジー。「魔法株式会社」は魔法がごく一般的に使われている現代世界の話だ。建築業を営むアーチボルトは、魔術でめちゃくちゃにされたとおぼしき自分の店の修復を有名な魔法使いに依頼する。魔法使いは悪の組織に立ち向かうのだが……。「ウォルドゥ」は無重力の家に住む天才技術者で人間嫌いの奇人の活躍を追う爽快な作品だ。
  • マラコット海淵
    -
    ……見よ、潜水函の窓ごしに、この世のものならぬ、青白い燐光を発してひかるその海底には、古代フェニキアのそれとよく似た壮大な建築物の遺跡が、まるで夢のように、はるか彼方までつづいていたのだ。…「これこそ、大西洋の底ふかく沈んだと伝えられるアトランティス大陸の首都の遺跡にちがいない!」マラコット博士は息をはずませて叫んだ。ホームズの産みの親ドイルが、その博学と想像力のすべてを注いで書き上げたSF古典。

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  • 万華鏡 ブラッドベリ自選傑作集
    4.2
    隕石との衝突事故で宇宙船が破壊され、宇宙空間へ放り出された飛行士たち。時間がたつにつれ、仲間たちとの無線交信は、ひとつまたひとつと途切れゆく──永遠の名作「万華鏡」をはじめ、子供部屋がいつのまにかリアルなアフリカと化す「草原」、年に一度岬の灯台へ深海から訪れる巨大生物と青年との出会いを描いた「霧笛」など、“SFの叙情派詩人”ブラッドベリがみずから選んだ傑作短編26編を収録。天才作家の幅広い創作活動を俯瞰できる、最大にして最適の一冊。【収録作】「アンリ・マチスのポーカー・チップの目」「草原」「歓迎と別離」「メランコリイの妙薬」「鉢の底の果物」「イラ」「小ねずみ夫婦」「小さな暗殺者」「国歌演奏短距離走者」「すると岩が叫んだ」「見えない少年」「夜の邂逅」「狐と森」「骨」「たんぽぽのお酒」(「イルミネーション」「たんぽぽのお酒」「彫像」「夢見るための緑のお酒」)「万華鏡」「日と影」「刺青の男」「霧笛」「こびと」「熱にうかされて」「すばらしき白服」「やさしく雨ぞ降りしきる」
  • マーダーボット・ダイアリー 上
    4.4
    かつて大量殺人を犯したとされたが、その記憶を消されている人型警備ユニットの“弊機”は、自らの行動を縛る統制モジュールをハッキングして自由になった。しかし、連続ドラマの視聴をひそかな趣味としつつ、人間を守るようプログラムされたとおり所有者である保険会社の業務を続けている。ある惑星資源調査隊の警備任務に派遣された弊機は、ミッションに襲いかかる様々な危険に対し、プログラムと契約に従って顧客を守ろうとするが……。ノヴェラ部門でヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞3冠&2年連続ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作!
  • 道を視る少年(上)
    4.0
    『エンダーのゲーム』の著者が放つ異世界冒険SFの金字塔 彗星の月衝突により滅亡の危機に瀕した地球は、生き残りをかけ二隻の恒星間移民船を建造した。一隻は光速の一割の速度で進む通常航法船。もう一隻は実験的なジャンプ航法船。時空ジャンプが成功すれば、九十光年を飛び超え、いっきに目的地の地球型惑星に到着するはずだったが……人類が植民したガーデン星を舞台に、人や動物の移動した軌跡(パス)が見える特殊能力をもつ少年リグの波瀾万丈の活躍を描く、傑作異世界冒険SF! /掲出の書影は底本のものです
  • ミッキー7
    3.8
    宇宙開発で危険な仕事をこなすために生み出された【使い捨て人間/エクスペンダブル】ミッキー。すでに六度の死を経験した彼の身に思いがけないことが!?
  • 未踏の蒼穹
    3.5
    金星文明は、かつて栄華を誇りながら絶滅した文明が存在する惑星、地球(テラ)の大規模な探査計画を進めていた。テラ人の文明は宇宙空間に進出するほどの科学的発展を遂げながら、なぜ滅んだのか。金星とテラの生命の類似点と相違点はなぜ生まれたのか。そして、月(ルナ)のファーサイドで見つかった謎の巨大施設と、そこに遺されていたテラ人が持つはずのない科学技術の痕跡は、何を意味するのか……探査隊の一員としてテラに派遣されたカイアル・リーンは、テラ文明が遺した数々の謎に挑む。巨匠が円熟期に放ったもうひとつの『星を継ぐもの』ついに邦訳!/解説=大野万紀
  • 緑の星のオデッセイ
    -
    アラン・グリーンは宇宙船の事故で奇妙な惑星に漂着した。そこはみどりの大草原「海」が都市国家をわかつ世界だった。2年間の奴隷生活のあと、彼は小国トロパットの公爵夫人のお気に入りとなった。ふとした宮中での会話から、遠い都市エストリアに地球人の宇宙飛行士が捕われていることを知ったアランは、脱走を計画し、貿易帆船車の船長の貪欲につけこんで船に乗り込む。アランの、緑の世界での大冒険が始まる!
  • 未来からのホットライン
    4.1
    スコットランドの寒村の古城で暮らすノーベル賞物理学者。この老科学者が地下の実験室で開発したのは、60秒過去の自分へ、6文字までのメッセージを送るプログラムだった。孫たちとともに実験を続けるうち、彼らは届いたメッセージを60秒後に送信しないという選択をしたが、何も起こらなかった。だがメッセージは手元に残っている。では送信者は誰なのか?そして、この宇宙はいったいどうやってできあがっているのか?ハードSFの巨星が緻密に描き上げる“時間間通信”の姿。大胆不敵な時間SF!
  • デリラと宇宙野郎たち 未来史1
    4.3
    宇宙ステーション建設に携わる宇宙のあらくれ男たちが直面した問題をユーモラスに綴る表題作はじめ、月開発をめぐって繰り広げられる悲喜劇を軸に一人の男の真摯な生き方を描く「月を売った男」など、透徹した洞察力と確固たる史観で築きあげられた〈未来史〉シリーズの根幹をなす中短編五編を収録。
  • 未来世界から来た男
    -
    奇抜な着想と語り口のうまさで定評のあるフレドリック・ブラウンが、趣向の粋をこらした作品集。悪魔から魔法のパンツをもらった好色漢のしたことは? 不死身の米国大統領の秘密とは? 超光速で飛んだ宇宙船隊はいったいどこへ? ロバはどのようにして火星人の手から地球を救ったのか? タイム・マシンで大儲けを企んだ男の運命はいかに……空想と幻想に飛翔したいという希望に応える佳品の缶詰。
  • 未来の二つの顔
    4.2
    レイモンド・ダイアー博士は、ニューヨーク市立大学で人工知能の研究をしていたが、月面の工事現場で起きた重大な事件のために、その研究の中断を申し渡された。コンピューターが誤った判断を下したため、五人の人間が危うく殺されるところだったのだ。人工知能研究の重要性を信ずるダイアーは、コンピューター管理システムの安全性を確かめるべく、宇宙空間に植民地として建造された巨大宇宙ステーションにおける壮大な規模のシミュレーションを提案した……。ハードSFの第一人者ホーガンが卓越した科学知識を傾けて描くコンピューターSF!
  • ミレニアム・ピープル
    4.0
    首謀者不明のうえ犯行声明もなかったヒースロー空港の爆破テロは、精神科医デーヴィッドの前妻ローラの命をやすやすと奪った。その無意味な死に何らかの意味を見出そうと、デーヴィッドは様々な社会運動に潜入してテロの首謀者たちを突き止めようと試みる。やがてテロ組織の一員である謎の女ケイに辿り着くが、その出会いは彼らの指導者である医師グールドが計画した、中産階級の聖地チェルシー・マリーナでの実験の始まりを意味していた。一般市民が無差別的テロ行為を娯楽として消費する近未来を描く、20世紀SF最後の巨人バラードによる黙示録的傑作。/解説=渡邊利道
  • 無情の月 上
    4.0
    〈レデイ・アストロノート〉シリーズ最新刊 巨大隕石落下の影響で人類が宇宙進出を迫られ、月面基地が設立された世界。1963年、初の有人探査船が火星への旅路のなかばに到達したある日、カンザス宇宙港で打ち上げ直後の貨物ロケットが爆発する。宇宙開発に反対する過激派のテロ工作らしい。月面にも一味が侵入した形跡があるとわかり、極秘調査のため、宇宙飛行士で州知事夫人のニコールが月へ送りこまれることに……。主要SF三賞受賞『宇宙へ』シリーズ第3弾!
  • 無常の月 ザ・ベスト・オブ・ラリイ・ニーヴン
    3.7
    FOX2000映画化のヒューゴー賞受賞作「無常の月」ほか、ヒューゴー賞受賞作3篇に星雲賞受賞作などをあわせた傑作全七篇を収録する短篇集。
  • 六つの航跡 上
    4.0
    新しいクローンの体で蘇った6人が最初に目にしたのは、自らの他殺死体だった──。2000人分の冷凍睡眠者と500人分以上の人格データを乗せた恒星間移民船で、唯一目覚めていた乗組員6人が全員死亡。彼らは再生したものの、何者かによって地球出発後25年間の記憶をすべて消されていた。しかも船の管理AIも改竄されていて、もはやクローン再生は不可能に。他人に明かせない秘密をそれぞれ抱える彼らは、自分自身さえも疑いつつ、事態の真相を突きとめようとするが……。キャンベル新人賞受賞の新鋭が放つ、ヒューゴー賞&ネビュラ賞候補の傑作!
  • 無伴奏ソナタ〔新訳版〕
    4.0
    超大型SF映画《エンダーのゲーム》の原作短篇版など、全11篇を収録した傑作短篇集!キャラメルボックス代表・演出家 成井豊氏激賞!
  • ムーン・プール
    -
    白い光に包まれて忽然と船上から消え失せた友人フロックの残した地図を頼りに、グッドウィン博士が到達した異世界は、百花が咲きみだれ、樹陰に荘大なパヴィリオンが建ち、貝殻のような奇妙な乗物が行き交い、緑の小人たちが闊歩する楽園にちかい地底の世界だった。だがそこは、南太平洋の先史遺跡、ナン・タウアッチの地底世界だった! そこは楽園とは程遠い暗黒の世界、光を駆使して築かれた世界であり、消えたスロックは、この世界を支配する絶対神「輝くもの」の生贄に供されたのだった。博士一行のひとり、オキーフがみめ麗わしい地底の美女に恋したとき、彼らには恐るべき危機が迫っていた。SF黎明期に君臨した幻想冒険作家の最大傑作とうたわれるファンタジー巨編!
  • メアリ・ジキルと怪物淑女たちの欧州旅行  1ウィーン篇
    4.5
    ヴィクトリア朝ロンドンで暮らすメアリ・ジキルら、特異な能力をもつ“モンスター娘”こと〈アテナ・クラブ〉の令嬢たちに、ヴァン・ヘルシング教授の娘ルシンダから救助を求める手紙が届く。彼女たちは一路ウィーンへ! 大陸で繰り広げられる華麗な大冒険
  • メアリ・ジキルと怪物淑女たちの欧州旅行 2ブダペスト篇
    4.7
    囚われの令嬢ルシンダ・ヴァン・ヘルシングを助け出すため、ウィーンヘとわたったメアリ・ジキルら“モンスター娘”たち。だがまたも彼女たちの前に“錬金術師教会”に属するマッド・サイエンティストたちが立ちはだかり……!? 三部作の第二部、堂々の完結篇
  • メアリ・ジキルと囚われのシャーロック・ホームズ
    4.0
    ヨーロッパ大陸での大冒険から帰還したメアリ・ジキルら“モンスター娘”こと〈アテナ・クラブ〉の令嬢たち。ロンドンで彼女たちを待ち受けていたのは、メアリの雇い主である探偵シャーロック・ホームズと〈アテナ・クラブ〉のメイドのアリスが忽然と姿を消したという知らせだった。メアリたちはさっそくふたりの行方を捜すことに。そのころホームズはアリスとともに宿敵モリアーティに囚われていた。モリアーティの一味はホームズを生贄にして大地の力を操る古代エジプトの女王を復活させ、大英帝国の征服を企てていたのだ……! 古典名作をもとにしたSFミステリ三部作完結篇。解説/中野善夫
  • メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち
    4.2
    ヴィクトリア朝、ロンドン。父に続いて母を亡くした令嬢メアリ・ジキルは、母が「ハイド」という名前の人物に毎月送金をしていたことを知る。ハイドというのは殺人容疑で追われているあの不気味な男のことだろうか? メアリは名探偵シャーロック・ホームズと相棒ワトソンの力を借りて探り始めるが、背後にはさらなる巨大な謎があった。メアリのもとに集うのは、ハイドの娘、ラパチーニの娘、モロー博士の娘、フランケンシュタインの娘といった“モンスター娘”たち。彼女たちは力をあわせ、謎を解き明かすことができるのか? さまざまな古典名作を下敷きに、一癖も二癖もある令嬢たちの冒険を描くローカス賞受賞作。解説/北原尚彦

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