原題は”The Strange Case of the Alchemist's Daughter"。欧米人だったら”The Strange Case ofのあたりで、ジキル博士とハイド氏を思い出すのだろうが、その方面で不利な日本人のために邦題は「メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち」にな...続きを読むっている。
ジキル博士の娘、ハイドの娘、モロー博士の娘などなどビクトリア朝時代に生まれた物語の娘たちが、ホームズとワトソンの協力を得て、連続殺人犯の謎をおって冒険する話である。物語は基本的にはキャサリン(モロー博士の娘)が書くのだが、途中で娘たちの会話が挟まるのが、最初はちょっと読みにくく感じたけど、それぞれの個性溢れる会話も楽しみになってきた。
背景になる話を読んでいるわけではなく、なんとなく知っているだけなので、楽しみ損ねている部分はあるかもしれないけど、とっても楽しかった。2作目があってもいいかもしれない終わり方なので、ぜひ書いて欲しい。
この物語は、ドクター・モローの猫娘キャサリンが書いている小説という設定で、所々で各人のツッコミが入るのが面白い。これだけいわく付きの人物を登場させて1巻で完結させるのは、やはり難しいのだろう。三部作の最初の巻ということで、いろいろ謎が残されたままになっている。そして、いかにも「次巻を乞うご期待」みたいな終わり方になっている。あと原題は"The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde"からとっている(おそらく)。