作品一覧 2015/07/07更新 地球の記憶 試し読み フォロー 地球の呼び声 試し読み フォロー 流れよわが涙、と警官は言った 試し読み フォロー 辺境の人々 試し読み フォロー 1~4件目 / 4件<<<1・・・・・・・・・>>> 友枝康子の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 流れよわが涙、と警官は言った フィリップ・K・ディック / 友枝康子 三千万の視聴者を持つ人気タレントのタヴァナーは、ある朝見知らぬ安ホテルで目覚める。そしてこの希代の名タレントのことを誰も知らないことが判明する。彼のマネージャーや愛人でさえも・・・。さらに出生記録といったあるとあらゆる彼に関する情報が国家のデータバンクから消失していたのだ!"存在しない男"となった彼...続きを読むは、警察に追われながらこの不条理に対する突破口を探そうと必死になる。 話を読めばわかりますが、タイトルが深くて素晴らしいですね! 人間は涙を流すことができる。そんな当たり前に思えることを改めて考えさせられます。 悲しみこそが最も高尚な感情なのかもしれません。 是非読んでみて!! Posted by ブクログ 流れよわが涙、と警官は言った フィリップ・K・ディック / 友枝康子 アイデンティティという薄っぺらな幻想 「悲しみは最も完全で圧倒的な体験、だから悲しみを味わいたいのよ。涙を流したいの」 愛するということの人それぞれの解釈、そして、愛を得て失うという痛みが、主人公ジェイスンの置かれた状況に絡みつく登場人物達によってもたらされる。 キャシイ、ルース、メアリー・アン...続きを読む、バックマン、アリス…… 「ブレード・ランナー」のような世界観とはひと味違うが、これもまた、特別なフィリップ・K・ディックの世界。 Posted by ブクログ 流れよわが涙、と警官は言った フィリップ・K・ディック / 友枝康子 最愛の人に去られたディックの自伝的小説という趣の強いこの作品は、自己の同一性や認識している世界の崩壊というディックの作品に通底している恐怖をベースにしつつ、もう一つのテーマとして愛を割と純粋に語っている作品でもある。愛は自己保存の本能を凌駕し他者への献身、執着をもたらす。 作中で様々な人物が自分なり...続きを読むの愛を見出そうとしているが、その中で主人公であるジェイスン・タヴァナーだけは愛を理解しない。それは彼がスイックスだからかそれとも生来のものなのか。 現実の分裂は観測者だけのものではない。観測されるものもそれに巻き込まれる。 また絶望の底に落ちてからの再生を匂わせて終わるところもらしい部分である。 その他にも警察機構、大学、学生運動、ドラッグなどディックの実体験も物語の随所に散りばめられている。 Posted by ブクログ 流れよわが涙、と警官は言った フィリップ・K・ディック / 友枝康子 「いったい何が起こっているんだ?」 主人公を襲う、夢なのか現実なのかわからないサスペンス劇、かと思いきや……? 「これからどうなる?」というドキドキやハラハラで終盤まで引っ張り、昨今のエンタメに慣れた人にも面白く読める。そして明かされた謎……も良くできているが、この作品の本題はそこではないのだろう。...続きを読む 真実が明かされた後に描かれる人間の葛藤・ドラマにこそ、その真価がある。愛と涙。心が洗われるようなラストシーン。哀しみは美しくすらあり、最後にはどこか暖かい気持ちが残る。そして迫ってくるタイトルが、あまりにも秀逸だ。 Posted by ブクログ 流れよわが涙、と警官は言った フィリップ・K・ディック / 友枝康子 主人公のタヴァナーの言動行動がどこか人間味に欠けるなぁと思っていたら、そういうことだったのか…!ある種のアンドロイドなんだ。 一見悪役であったバックマンがタヴァナーと違って他人にシンパシーを感じ悲しみに涙することのできる人間だったんだな。前半と後半ではストーリーの軸というか誰を主人公と捉えて読むかが...続きを読むガラリと変わる本。 Posted by ブクログ 友枝康子のレビューをもっと見る